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「第5話」

Last-modified: 2014-02-19 (水) 23:57:56

とうとうGUNDAMfightが始まりました
交錯する剣と拳、打ち合わされる力と技
それは大地を割り、天を裂き、世界を震わせます!
されど彼等の望みは遥か至らず
セイバー:刹那・F・セイエイは相互理解と対話を
ライダー:東方不敗マスターアジアは全力を出し切った先の真実を

 

「俺はお前が納得いくまで応えるだけだ、東方不敗マスターアジア」

 

このガンダムファイトがこのまま終わる訳がありません、彼等の戦いは更にヒートアップしていくのです!
それではFate/stay GUNDAMfight・レディィィィゴォォォォオオオオ!

 

東方不敗マスターアジア、その拳は生身であってすら鉄の巨人と打ち合い、容易く屠る
それは病に冒された体でも、人類抹殺という愚行に心を染めても尚その拳は色あせない
だがその「体」が病から解放されたのならば、その「心」が純粋な拳士として向き合えていたのならば
そして彼のマスターガンダムは聖杯の神秘の加護により、彼の動きをトレースするシステムのタイムラグは無い
東方不敗の「技」を完全な形で再現可能としていた、もはやガンダムは枷ではない、完全に人機一体を再現した彼の体そのものであった
心・技・体全てが揃った夢想は今ここに、現実として此処に存在した!

 

「流派!東方不敗が奥義・・・」
東方不敗が動く!遂にその武技の深淵を見せる!
「マスタァァァァシャドォォォォォォォッ!」
マスターガンダムの姿がいくつにも別れる、それは上下左右、前面後背・・・{全ての方向}からELSクアンタに襲い掛かる
残像?ならば本物はどこから、セオリーにのっとった後ろからか?それとも正面か・・・全方向から殺気をぶつけられる感覚
刹那は自身の直感に導かれるように空へ跳ぶ、その体を緑の粒子に変えて、それでも東方不敗の魔拳は容赦なく非実体と化したELSクアンタを捉える

 

正解は残像に見えるその全てが{本物}多少の被害に目を瞑ってもその囲いから逃げ出す必要があった
もしその地に留まって迎撃しようものなら一瞬にして叩き潰されていた!
「そんな、こんなの多重次元屈折現象(キシュア・ゼルレッチ)じゃないか・・・第二魔法そのものじゃないか・・・!」
ウェイバーの驚愕は今日で何度目だろうか
アイリスフィールもこれを見ることができていたのならば様々な解釈を語ることができただろう
しかしこの場に存在する人間で彼等の戦いを視認できるのはウェイバー只一人のみ

 

第二魔法「並行世界の運営」もしAではなくBという選択を選んでいたらどのような結末を迎えていたであろうか
世界は別の道筋を歩む。そういった、数限りなく存在する平行世界(パラレルワールド)を行き来するというもの
ただし並行世界の“移動”ではなく“運営”であるため、後述のような並行世界に関係するあらゆる事象を引き起こせる
結果、正面から攻撃、後ろから回り込んで攻撃といった行動を{同時}に行うことができる
もし七つの攻撃を同時に撃たれたらどこから迎撃するか、それを七つ同時に行ってしまえば良いという発想から生み出された流派東方不敗の技
この世界で魔法と呼ばれる実現不可能とされる存在が、限定的ではあるが東方不敗の手によって現実化されていた!

 

空に逃れたELSクアンタ、再実体化したソレは無数の損傷を受けていた
「胸部の損傷・・・軽微、脚部の損傷・・・右足中破」
刹那は自身と相手の戦力を冷静に分析する
(接近戦は圧倒的に不利、しかし射撃攻撃で捉える事は不可能・・・牽制射撃・・・効果なし)
(トランザムの使用・・・既に身体性能は{限界}まで強化、放出による使用以外効果を望めず・・・)
ただ努力と経験で培った戦闘理論、それは1%でも勝機があればその道筋を見出す
手痛い損傷、しかしELSクアンタは別だ、異常とも言える高い耐久力と規格外の魔力は瞬く間にその体を補修する
ELSクアンタの装甲は数秒と経たない間に完全再生させていた
一瞬で押し切られさせなければ幾度でも挑める、ならば

 

刹那がとった一手は一撃離脱戦法、双剣は再び鋼の触手として本体に収まり、かわりに取り出されたのは背面部の最も巨大な触手
それがELSクアンタの手に収まり機体の全長を超える刀身をもった巨大両手剣へと姿を変える
迫るELSクアンタ、マスターガンダム目掛け振り切られるその巨剣、東方不敗はそれに対して{完全回避}にて対応した
受け流そうとすればマスターガンダムは木っ端微塵に粉砕、贔屓目に見積もっても手足の一本はもがれていた
その証拠にその巨剣の発する緑の粒子の輝きは剣圧となって周辺空間そのものに干渉して・・・破壊
果ては巨大両手剣の先から伸びる光の剣が、地平線の彼方まで切り裂いていた
それはダブルオーガンダムのライザーソードに匹敵して余りある
さしもの東方不敗もこの天地を真っ二つにするような剣撃に対して攻撃機会を失っていた、回避に専念したためである
再度空へと舞い、第二撃に移る刹那、しかしそれを座して待つ東方不敗ではない
敏捷で勝っても空中戦は不利、だがこの戦いで最速の存在は誰か、こと移動において最大のアドバンテージをもっているのは誰か!
ならば呼ぼう、ライダーとしてその名を指し示す者を!
「風雲再起!我が足となり翼となって戦えぃッ!」
現界され空を翔る彼の愛馬
「さぁ行くぞセイバー!ワシと風雲再起の力、とくと見せてやろう!」
その背にマスターガンダムが堂々たる姿で仁王立ちしていた

 

そのままELSクアンタに迫る、両者は螺旋を描くようにぶつかり合う、その交錯する一つ一つの中で凄まじい攻防が繰り広げられていた
「流派東方不敗人馬一体奥義、風雲烈火ァッ!!!」
それはライダー:東方不敗の駆るマスターガンダムと彼の愛馬である風雲再起と共に高速打撃を浴びせる
その奥義を一撃離脱の邂逅の中、一つ、また一つと叩き込む!

 

攻防は続く、刹那は単調な一撃離脱戦法を繰り返す、それを東方不敗は完全回避しつつもすれ違い様に幾度も拳打を叩き込んでいた
その度に迫り来る攻撃を身を捩って回避するELSクアンタ、回避し切れぬ拳打は触手を盾にして防御、表面に展開されたGNフィールドを打ち・・・装甲を砕いていく
胸部へ、腕へ、脚へ、頭部へ・・・何度も、何度も、ELSクアンタは打たれる、手も足も出せない
誰がみても優劣は明らかだ、東方不敗の勝利は疑いようが無い

 

「凄い、圧倒的じゃないか!」
もはや魔法の域にある力を持つライダー:東方不敗マスターアジアの勝利を確信したウェイバーの眼差し
一方アイリスフィールはウェイバーの様子からセイバーの不利を悟っていた
(耐えてセイバー、私達に・・・切嗣に勝利を・・・!)
そんな二人を他所に、当事者たるガンダムの担い手達は逆のことを考えていた

 

「この我慢比べ、ワシに不利か!」
一方的に拳打を浴びせる東方不敗が不利を悟った理は如何なるものだろうか
それは第一にセイバーの尋常ならぬ再生能力、ライダーはこの攻防の中でセイバーのエネルギー源を把握する
それは二つ・・・いや三つのエネルギー源、それが全て同調し莫大なエネルギーを生み出しセイバーの体を構築している
かつてセイバーが存在した西暦のGNドライブ二つを同調させたツインドライブシステムを凌駕するエネルギー
ならばこの三つ目は何か!それはセイバー:刹那・F・セイエイ自身、彼がガンダムそのものを目指した生き様そのもの
それは彼自身を三つ目のGNドライブと化していた、それは{スリードライブシステム}と言うべきものなのだろうか
そのエネルギーは通常のGNドライブ機の10,000倍・・・!
生み出される莫大なエネルギーはこの世界における魔力となってELSガンダムを形成、その強力無比なステータスとして存在させていた

 

第二の不利はセイバー自身の継戦能力、このまま攻撃を続行しセイバーが根を上げるのを待ち続けるとしよう
東方不敗の攻撃は全力をもって三日三晩その拳打を衰えさせることなく浴びせることができよう
しかしセイバー:刹那・F・セイエイは何十年であろうと耐え抜くであろう、まるで強固な信仰と呼べるほどの精神力
更にはセイバーの肉体はもはや人のそれではなく生きた金属、飢えも病からも開放された存在だった
それで彼はかつて、50年もの間宇宙を休むことなく旅を続けていた、救いを求めた新たな仲間を引き連れて

 

ELSクアンタは難攻不落の銀の砦、それを打ち破るならば決定的な物理攻撃
ライダー:東方不敗の放つ奥義、マスターシャドーならば可能であろう
しかしこれではダメなのだ、一撃離脱における一瞬の邂逅ではダメなのだ!
あのセイバーの懐に飛び込み、完全な囲いを形成した形で放つマスターシャドー・・・
それでなければセイバーを討ち果たすことは不可能であった

 

再び双方の攻撃が止む、セイバーは瞬く間に装甲を修復し無傷の姿となる、ならばどうする
このまま効果が無いと知りながらセイバーに苦痛のみを与えるのは武人として名折れであろう
ライダーはセイバーの意図を汲む、あの巨大両手剣は回避されるのを前提に放っている
ならば本命はなんだ、セイバーは奥の手を隠し持っている、感であるがそう確信する
巨大両手剣は魅せ技、本命はそれを掻い潜った後に殺し業、ならばどう挑むか
受けて立つしかあるまい、腕に一本、脚の一本失って上でその身を打ち砕いて見せよう、
乾坤一擲にてセイバーの殺し技に挑んで見せよう
そう思ったその時である

 

「東方不敗マスターアジア、この戦いを{双方の持つ最強の一撃}で決着をつけたい」

 

響く刹那の声、東方不敗にとってそれは予想外の提案であった
「セイバーよ、お前はワシのもつ最強の一撃を知っての言葉か!」
それはライダーの持つ流派東方不敗の最終奥義に他ならない・・・!
「東方不敗マスターアジア、その一撃はお前も知らない彼方にある」
東方不敗は知らない、自身がどれほどの力を今秘めているのか
かつては未熟な技が阻んだ、晩年は歪んだ心と病・・・しかし今は違う
心・技・体全てが十全に整ったコンディションで放つ最終奥義、それこそ望んだ{全力を出し切った先の真実}
更にはそれを受けるべき強友(ライバル)までいるのだ、ならばその提案を断る理由は存在しない
「受けてくれるというのか、ワシの!最強の拳をッ!」
ライダー:東方不敗の歓喜の声
「受けよう、その一撃を、魂そのものを懸けた一撃を!東方不敗マスターアジア!」

 

セイバー、ライダー共に大地に脚をつける・・・

 

「圧縮粒子完全開放ッ トランザムッ!」
ELSクアンタは銀から赤へ、GNドライブに圧縮されたエネルギーが解放される・・・それは通常の3倍ものエネルギーを瞬間的に生み出すシステム
GNドライブ一基の力を100とするならばトランザム化したGNドライブは300・・・それがスリードライブシステム(三乗化)ならばどうなるか!
単純計算すれば従来のGNドライブの270,000倍・・・だが今のELSクアンタは明らかにそれを凌駕するエネルギーを放つ
天へ向け、巨大両手剣を掲げるセイバー、更に三対の触手は体から切り離され宙を舞い
その巨大両手剣へと組み合わされ歪な超巨大両手剣へと姿を変える

 

「流派東方不敗ッ最終奥義!」
マスターガンダムは黒から黄金へ、その姿を変える
それは感情の爆発、愛と怒りと悲しみの明鏡止水の心
武術の真髄に宇宙との一体化を図る理が存在する、それは自身だけでなく大いなる世界そのものを味方につけ、力とする理
ライダー:東方不敗によって集約された莫大な気のエネルギーは宇宙・・銀河そのもののような力がマスターガンダムの右手に宿る

 

凄まじいエネルギーの奔流、世界が揺れる、もはや街どころか星・・・宇宙そのものが崩壊してしまいそうな感覚
準備はよいか?そんな言葉はもはや両者に必要ない、もはや両者のエネルギーは頂点に達している
ならば放つ、最強の一撃を

 

「ライザー―――――――――!」
ELSクアンタが持つ超巨大両手剣から天を貫く光の剣が形成される、それは星を、銀河すら斬りさかんとする光の剣

 

「石破ッ―――――――――!」
マスターガンダムの拳が真っ赤に燃える、強友に・・・否、自身の限界に挑めと轟き叫ぶ!

 

「ソーーーーーーーード!!!」
「天驚拳ッ!!!」
今、両者の最強の一撃が放たれた
{最強の剣}と{最強の拳}が交錯し・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

・・・それは人の意識と意識が交わる場所だった

 

刹那は一人の男の意識に触れる、それは罪人、人類抹殺を企てた罪人の意識
戦争によって砕かれた大地への{悲しみ}、それを生み出した戦いへの{怒り}
人間など不要、人間など害悪、{愛する}母なる星のため男は全てを捨て
人類を抹殺すべく孤独な戦いに身を投じた、だが・・・その戦いは尚も男を愛してくれた者によって止められた
男は悟る、人類もまた母なる星に宿る森羅万象の一つだと、男は満足してこの世を去った

 

東方不敗マスターアジアもまた一人の男の意識に触れる、それは希望、希望を抱いた少年の意識
この世界に神はいない、掛け値なしの絶望が支配する戦場の中で出会った希望・・・
颯爽と自身を救ってくれた希望が存在した、それに少年はあこがれた、自分もその希望になりたいと憧れた
時は流れ、少年は青年となり現実は残酷に青年を打ちのめす
希望と信じた物は悪辣な悪魔そのもので、自身が救われたのは悪魔の気まぐれだったと
青年が信じた物は幻想であった・・・しかし、青年は信じた物こそ尊いと自らの道を貫いた
望む世界は{この世全ての争いの根絶}数多くの少年が一度は胸に抱き捨てていく幼稚な幻想
されど青年は走りぬいた、様々な物を振り切って!そして遂に成し遂げた!

 

ならば彼等が聖杯に望む物は一体如何なる願いだろうか・・・

 

少年の声が響く・・・
「そういえば聞いていなかったけどライダー、お前が聖杯に懸ける望みって何なんだ?」
間髪入れずに初老の男が返す
「武人なら決まっておろう、{受肉}だ」
今この身はサーヴァント、聖杯の奇跡によって現界を許されているだけの身
男が聖杯に託す望みは一つ、大地に再び一つの命として立ち、己の人生を出直すためにだ
「・・・意外と俗っぽいんだな、ライダー」
少年がやや呆れた感じで返す、初老の男から課せられた特訓メニューをこなしながら・・・
今は知らせるべきではない、東方不敗がこの聖杯戦争に参戦したその真意を

 

{身の程知らずの小僧がほっとけなくておせっかいを焼きに来た}などとは

 

それは少年の心を傷つけるだけであろう
少年は己の埒外に挑んでいる、それは大人になろうとして足掻く最も熱き少年の心
ならば自身が受け止めてやろうではないかと東方不敗マスターアジアが立ち上がった
手に入るなら受肉という手段で今一度大地へ立つと願うだろう
だがそれは目的ではない、手段であり二の次でありついでである
もし仮に、聖杯が東方不敗マスターアジアの誇りを穢す物であったならば
彼は何の未練もなく聖杯を捨てるであろう

 

別の意識が見える・・・それは銀の男が見た一人の男の夢
男は駆けていた、炎と瓦礫の山と化した街を駆けていた
地獄と化した死都の中、生存者を求めて駆け抜けていた
抱きかかえた人影はその手の中で塵芥となって崩れて消える
絶望と悲しみの中、絶叫を上げる黒衣の男・・・

 

それは{この世全ての争いの根絶}を望んだ正義の味方の成れの果て
望みを叶える為、修羅に堕ち、そして全てを失った・・・そんな悲しい男の夢だった
聖杯の力で世界を救済したい、それが男が夢みた望み
だが、その男は気付いているのだろうか
己一人のエゴで求めた世界平和など、その人物が望む「人形劇」に過ぎない事を

 

「俺はこの聖杯戦争を止めたい、だがそれと同じくらいにこの男を絶望から救いたい」
それが銀の男、刹那・F・セイエイの望み
誰よりも理想に燃え、それ故に絶望した男「衛宮切嗣」
だが男を救うのは戦争根絶が成った世界であろうか、いや・・・もっと単純な物のハズだ
見えるのは銀の髪の女性と女の子、男の妻とその娘、彼はもう救われているハズなのだ
既に過ぎ去った過去だが自身にも他の未来があったかもしれない、
しかし、自分はその行為を赦す事が出来なかったであろう、丁度この男のように、衛宮切嗣のように
かつての仲間達が、いわゆる男女という関係に対し、お前はまだ子供だなと比喩することが度々あった
刹那・F・セイエイは一人の男としては未熟な存在だ
自身は背を向けた、一人の男ではなく、戦争を根絶する者・・・ガンダムとして、世界を救済するために
しかし衛宮切嗣は違う、一人の男として確かな幸福を手に入れている
だが、その幸福な自身を赦す事ができずに戦い続けた

 

・・・・・・・・・・・光が消える
そこに在るのは左腕と左脚、頭が左半分が消し飛んだELSクアンタは剣を杖のようにしてその体を支えていた
東方不敗マスターアジアの最強の拳は、掠めただけでその半身を破壊していた
対してマスターガンダムもまた右腕が完全に消失していた、しかしこれはライザーソードによって消失したものではない
自身に挑んだ限界として、自身の力に耐え切れなかった結果としての損傷であった
「意外と、自身の事ですらわからなくなる事があるようだ、東方不敗マスターアジア」
戦いは終わった、対話も、全力を振り絞った先も・・・
「そうだな、ワシもまだ未熟だと思い知らされたようじゃ」
そして新たな戦いが始まる、東方不敗マスターアジアは自身を召喚した少年のために
そして刹那・F・セイエイは・・・

 

「セイバーよ、この聖杯戦争の裏という裏、全て調べつくせぃ!」
突如、東方不敗が高らかに声を上げる、その真意は何であろうか、それに対し刹那は
「わかった」
即答した、理由など知らない、たとえ感働きであろうとかまわない
僅かな可能性でも手繰り寄せて、望む真実に辿り着く
そうして彼等は互いに背を向けて歩き出す
ELSクアンタは光の粒子に姿を変えて消える
マスターガンダムもまた非実体化し消え去る
破壊され尽くした世界も消え、再び冬木の砂浜へと景色を変える
残された者は・・・
「・・・うーむ、もう少ししっかりせんといかんのぅ」
東方不敗がひっくり返って泡を吹いている少年を見て呟く、彼の愛馬が首根っこを咥えて無理やり立ち上がらせる
無理もない、知る事ができる故に彼の思考は許容限界をとっくに超えていたのだ。風雲再起の背にウェイバーを乗せる
「ではまた会おう、セイバーよ、次は共に酒でも酌み交わそうぞ」
東方不敗はその愛馬に跨り冬木の空に消えた、ウェイバー・ベルベットもまた、彼と共に・・・

 

残された一組の男女
銀の男はその体を人間としての体面を繕う、その体は銀から人の姿へ・・・
銀の髪の女は戦いを無事に切り抜けた事に安堵する
序盤からここまで派手な戦いは聖杯戦争において過去にあったのだろうか
いや、決して無い、セイバーもライダーも極め付きのイレギュラーだ
セイバーが、刹那・F・セイエイがアイリスフィールに話しかける
「アイリスフィール・アインツベルン」
その声に明確な決意を込めて
「俺はこれから単独で行動する」
唖然とするしか無かった、彼女にとって刹那の行動は、理解の遥か外であった

 

聖杯戦争は始まった、それは彼等二人の戦いの事ではない
奇しくもこの日、全てのサーヴァントが召喚を果たしていた

 

そして全てが動き出す

 

最後に現れた鉄巨人はすぐさまその姿を眩ます、明確な邪悪な意思をもって冬木の街の闇に消える
冬木の街を蛇が這う、只の蛇ではない、巨大で、金属の体を持ち、顔がある蛇が冬木の街を蠢く
空には鉄巨人が舞う、突撃槍を携え目的地へ一直線に向かう
とある邸宅に青い羽の鉄巨人が佇む、自身に刃向かう者を完膚なきまでに叩きのめすために
そして・・・トリコロール色の鉄巨人が獲物を見定める、その足元には神父服の男が一人・・・
「今から御三家の一つ、遠坂邸へ行ってもらう」
その男の右手に刻まれた三つの令呪、この鉄巨人の、否、ガンダムのマスターであろう
「徒に慎重になる必要は無い、要塞のような魔術結界もこの力ならば容易く踏み潰せる」
聖杯戦争のマスターとして細かく指示を出す神父服を纏った男、そして命じる・・・
「すみやかに遠坂の頭首、遠坂時臣を抹殺しろ」

 

   Fate
今宵、運命が始まる。

 
 

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