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「連合兵戦記(仮)」1

Last-modified: 2014-03-06 (木) 19:55:58

「やつら、もう勝ったつもりでいやがる」
「そうらしい。では教育してやるか」
ミハイル・ヴィットマン&バルタザー・ヴォル 

 
 

連合兵戦記(仮)

 
 

都市の郊外の針葉樹の林の奥に隠れるように、数両の戦闘車両が停車していた。
その周囲には漆黒のボディアーマーに身を包んだ歩兵が10名周囲に展開している。

 

戦闘車両の内の1両・・・指揮車両の中で、指揮官用シートに腰掛ける男は、部下からの連絡を待っていた・・・その男は、
容姿は、典型的な白人系であったが、髪と眼は、東洋人の様であった。

 

年齢は20代後半で顔に刻まれた傷と無精髭は、彼が幾つもの死線を潜り抜けてきたベテランである証左であった。
そして地球連合軍の軍服に身を包んだ彼の胸元には、地球連合軍大尉の階級章と青い秋桜の徽章があった。

 

「A地区にジンを確認、数は2・・・いえ3機です」部下からの連絡が入った。

 

「わかった。こちらからも確認する・・・」

 

指揮車両のハッチを開け、車外に乗り出した男・・・・大西洋連邦軍 パワードスーツ部隊指揮官のハンス・ブラウン大尉は赤外線双眼鏡を覗いた。
彼の目に映るのは針葉樹の緑・・空を覆う重苦しい鉛色の雲・・・NJによるエネルギー危機で放棄された都市のくすんだ灰色の廃墟
・・・・・そしてその中に力強く佇む18メートルの鋼鉄の巨人達だった。

 

甲冑の如き鋼鉄の体と翼、赤く光る単眼を持つその巨人の名はZGMF−1017 ジン
遥か古代のアラビア半島の伝説上の魔神の名を持つそれは、
遺伝子操作により身体能力を強化されたコーディネイターの工業スペースコロニー群 プラントが、
建設に出資した国家・・・大西洋連邦、ユーラシア連邦、東アジア共和国といったプラント理事国から独立する為に結成した政治結社 黄道同盟(通称ザフト)が
従来から宇宙開発、軍事、果ては老人介護に使用されることもあったパワードスーツと機動兵器 モビルアーマー(MA)の技術を参考にして開発した
人類初の人型汎用機動兵器 モビルスーツ(MS)の量産型であった。

 

そして開発されたこの18mの巨人達は、CE69年、プラント周辺宙域での理事国艦隊のMA部隊との戦闘を1:10の戦力差がありながら圧倒的勝利を収めたのを皮切りに、
持ち前の汎用性と四肢を利用した機動性、火力で宇宙は元より、スペースコロニー、月面、海中、空中、地上で縦横無尽に活躍し、現在最強の兵器の座に君臨している。

 

プラント理事国が中心となって結成された地球連合軍のMAや艦船、戦闘機、戦車といった従来兵器では、
NJ下の電波障害と核分裂が抑制される等の悪条件も重なり、宇宙と地上で敗退を重ねた。

 

開戦前は、切り札と目されていた最新鋭宇宙戦闘MA  TS-MA2 メビウスでさえ、ジンの前に1:5〜10という悲惨なキルレシオで戦わなければならなかったほどだった。
最近は、対MS戦術が確立されたこと等で宇宙でも地上でも何とか膠着状態持ち込みつつあるが、それでも流石に限界で地球連合軍は未だに苦戦し続けていた。

 

地球連合も大西洋連邦所属第8艦隊司令長官 デュエイン・ハルバートン准将の派閥と反コーディネイター団体 ブルーコスモスとの関係も深いアズラエル財団傘下の
大西洋連邦のデトロイトに本拠を置く軍事企業が中心となって地球連合製MSの開発を進めていた。

 

・・・・・だが、その計画はいずれも思わぬ壁にぶち当たってしまった。
ハードの面では、ジンを上回るMSを開発することも地球連合の国力と技術力をもってすれば不可能事ではない。

 

問題は、ソフトであるMSを動かす為のコンピュータのOSであった。当時、ジン等のザフト軍のMSのOSは複雑で、コーディネイターに能力で劣るナチュラルには手に余るものであったのだ。
それは、地球連合が初めてジンを鹵獲した際、MAのエースパイロットでさえ、まともにまっすぐ歩かせることすら出来なかったほどである。
地球連合内のコーディネイター、ナチュラルを問わず多数の技術者等が全力でOSの改良に昼夜の別無く苦闘しているが、未だにわずかな操縦経験のナチュラルがでも操縦できるMSのOS開発は達成されていなかった。

 

この厄介な問題が解決しない現状では、宇宙では、MAの加速性能を生かした集団での一撃離脱戦法、地上ではこのような地形を生かしたパワードスーツ等による決死の作戦や数にまかせた物量作戦で対抗するしかない・・・というのが地球連合軍の非情な現実であった。

 
 

「おまえら!行くぞ!あの宇宙の化け物共に地球の恐ろしさを刻み付けてやれ!」
彼は、有線通信機に叫んだ。

 

この大型の通信機は、CE以前の再構築戦争期のもので、博物館レベルの骨董品である。

 

何故、このような旧式の通信機を彼が使用しているのか? それには理由がある。

 

現在地球上では、プラントが会戦初頭にばら撒いた自由中性子の運動を阻害することで核分裂を抑制する機械、ニュートロンジャマー(NJ)は、

 

北欧のスカンディナヴィア王国や太平洋のオーブ連合首長国といった核エネルギーにあまり依存していなかった地域以外
の全地球規模の深刻なエネルギー危機を齎した。

 

だが、他にもNJには、、電波を攪乱する効果があった。
この効果により、軍用高性能レーダーから携帯電話や無線といった通信さえ儘ならない為に地球連合もザフト軍も

 

このように有線式の通信機や信号弾、手旗信号といったアナログな技術を使用することでNJ下の戦闘に対応しようとしていたのである。

 

「蒼き清浄なる世界のために!」

 

「了解!」

 

廃墟に潜む部下の兵士たちが復唱した・・・彼らの多くが、プラントにより投下されたNJ災害による被害とザフト軍の侵攻で同僚を、友人を、そして家族を奪われていた。

 

「(蒼き清浄なる世界のために・・・か)」ハンス大尉は、自らの胸ポケットの蒼い徽章を見つめた・・・
それは、現在、地球上で爆発的に支持者を拡大している反コーディネイター団体 ブルーコスモスのスローガンであった。

 

ブルーコスモスは、CE10年に大西洋連邦のニューヨークで結成された環境保護団体であった。

 

この当時、終結した再構築戦争の現赤道連合領カシミールへの核攻撃に代表される大規模な戦争の
影響による環境の悪化が懸念され始めた時期であった。

 

蒼き清浄なる世界のために と言う今では、コーディネイター排斥の代名詞として恐れられる
このスローガンも、戦争で荒廃した地球を元の生命溢れる楽園に戻そうという
理念を象徴する至極まっとうなものだった。

 

・・・しかしそれが変貌することになる事件がCE15年に起きる・・・一人の男の告白によって・・・

 

その男の名は、ジョージ・グレン、大西洋連邦出身の人物である。
彼は、大西洋連邦だけでなく、地球のほとんどの地域に名を知られていた人物であった。

 

「天才」として・・・

 

彼の幼少期の経歴は不明であったが、若干17歳で大西洋連邦(旧アメリカ合衆国)のMIT博士課程を修了する。

 

さらにオリンピックの射撃で銀メダル獲得(因みに金メダルは、スカンディナヴィア王国の軍人、ユーティライネン氏である)

 

その1年後には、アメリカンフットボールのスター選手として活躍し、大西洋連邦軍に入隊後、当時起こった南アフリカ統一機構紛争で
エースパイロットして活躍した。

 

紛争終結後には空軍で試験型宇宙戦闘機のテストパイロットとなったのちに
理工学面でも数々の業績を残した異能の人物であった。

 

彼は、自らが開発した木星探査船「ツィオルコフスキー」で木星探査に赴く際に
世界中の人が注目する中である告白をした。

 

・・・自分は、遺伝子操作によって作られた人間である・・・と。

 

告白と同時に彼は、自らの遺伝子操作の詳細を記したマニュアルを世界中に
公開頒布した。

 

その後に自らを「僕はこの母なる星と、未知の闇が広がる広大な宇宙との架け橋。そして、人の今と未来の間に立つ者。調整者。コーディネイター」と称した。
最後に、「僕に続いてくれる者が居てくれることを、切に願う」と述べ旅立っていった。

 

彼と「ツィオルコフスキー」のクルーが木星探査に旅立ったのち、この告白によって世界は、
論争と混乱の渦に飲み込まれ、中にはジョージ・グレンを天使とあがめる新興宗教(後のG・G友の会)
まで生まれる始末であった。

 

CE16年に地球連合の前身、国際連合がロスリンで開いた「国連遺伝子資源開発会議」にて
「人類の遺伝子改変に関する議定書」が採択され、国際連合加盟国でのコーディネイターを
合法的に生み出すことが不可能となった。

 

まだ、ここで終わっていれば、後の歴史は変わっていたかもしれない・・・
だが、CE23年、2月に木星探査船「ツィオルコフスキー」が帰還したことで
地球は更なる混乱と論争に包まれることとなった。

 

CE23年 2月23日に木星探査船「ツィオルコフスキー」は、地球に帰還した。

 

地球と地球の人々に宇宙開発の更なる未来と可能性(当時は再構築戦争時の軌道爆撃等の影響で
宇宙開発は軍事面のみが注目されてしまっていた)を示したが、同時に地球に新たなる
衝撃と混乱をもたらす物体を持ち帰っていた。

 

「エヴィデンス01」・・・後にそう名付けられたそれは、CE22年、木星探査中に
ジョージ・グレンが発見した地球外生命体の化石であり、机上の空論でしかなかった地球外生命の確固たる証拠
であった。

 

その化石となった生物は、クジラに似た骨格に1対の羽状の器官が生えている・・・という形状で
その形状から、一般に「はねクジラ」、「クジラ石」、「天使」と呼ばれた。

 

CE30年、1月3日 一般にアブラハムの宗教と呼ばれる3つの宗教共通の聖地
が存在する中東の都市 イェルサレムで、世界各地の宗教の関係者が集結し、
ジョージ・グレンの告白とその後の「エヴィデンス01」発見による混乱を終結させるべく、
パレスティナ公会議を行った。
(この際、当時のブルーコスモス幹部でもあったプロテスタント系牧師も
参加していたとされているが、詳細は不明。)

 

・・・この宗教会議が失敗したことで、一時的に宗教の権威は失墜した。
その影響で「コーディネイター寛容論」「遺伝子操作アレルギー論」が、広まり、新興富裕層を
中心に我が子をコーディネイターにするものが現れ始め、CE35年には、穀物や家畜の遺伝子改良
を行っていた大企業がコーディネイター化事業に参入することとなった。

 

この混乱の時期に単なる環境保護団体だったブルーコスモスは、コーディネイター団体へと変貌することとなる。

 

以前より、遺伝子操作作物による遺伝子汚染(再構築戦争期には、一部の国家が、遺伝子操作によって強化された雑草を
敵の穀倉地帯に散布する作戦が行われたこともあった。)を懸念していたブルーコスモスにとって
人間の遺伝子操作を行うコーディネイター化は、グレンの意図がどうであれ、倫理にもとる行為であったからだ。

 

ブルーコスモスはまたこの時期、「遺伝子操作アレルギー論」の影響で勢力を盛り返しつつあった宗教と結びつきを深め始める。

 

そしてブルーコスモスの数々のロビー活動によって55年のトリノ議定書で大西洋連邦、ユーラシア連邦、東アジア共和国等の国家で
正式に遺伝子治療等を除く、コーディネイター化の禁止が採択された。

 

この時期、コーディネイターの人口は1300〜2000万にまで達しており、コーディネイター同士の子供、
第2世代コーディネイターも誕生し始めていた。

 

遺伝子操作により誕生した彼等コーディネイターは、遺伝子操作が施されていない人類、
ナチュラルを遥かに上回る身体能力と知的能力を発揮し、様々な分野で活躍した。
企業の中には、コーディネイターを優先的に雇用しはじめるものまで現れ始めた程であった。

 

だが、非合法に生み出されたということもあってか社会との軋轢の軋轢の末、コーディネイターの中には
犯罪に走るものも現れた。
ナチュラルを遥かに上回るコーディネイターの能力に警察では、対処しきれない場合も多く、
正規軍が派遣されることさえあった。

 

コーディネイターの登場で職を失った人間やコーディネイター犯罪の被害者らを中心にコーディネイター脅威論が唱えられたが、
当初は、コーディネイター脅威論などは、旧西暦の黄禍論やユダヤ人陰謀論と同レベルにしか見做されては
いただけだった。

 

だが、CE54年、S2インフルエンザの大流行によって事態は変わり始める・・・・

 

CE54年に全世界で猛威を振るった伝染病 S2インフルエンザ(S1は再構築戦争期に発生)は、
再構築戦争の被害が回復していなかったアフリカ等を中心に、多くの人間を死に至らしめた。
だが、遺伝子操作によって生み出されたコーディネイターは全く犠牲者が出なかった・・
コーディネイターがナチュラルに取って代わるのではないか?というコーディネイター脅威論拡大の
原因となった。

 

S2インフルエンザ自体は、当時、ジョージ・グレンを中心とした科学者たちによって設計され、
34年から建設が開始され始めた工業スペースコロニー群、プラントのコロニーの一つであるフェブラリウス市
CE55年10月29日にワクチンが開発され、その後、地球でもワクチンが大量生産されたことで終結した。

 

だが、薬学ノウハウがナチュラルに比べて劣っているコーディネイターがワクチンを開発
(誤解されているが、S2ワクチンの開発には、ナチュラルも参加している)したという事実は、
コーディネイターの犠牲者がゼロだったということと合わせて、53年にファースト・コーディネイター
ジョージ・グレンがナチュラルの少年に暗殺されたことに対する報復ではないのか?という陰謀論も出始め、
各地でコーディネイターとナチュラルの間で対立が生じ、コーディネイターに対するテロが発生した。

 

多くのコーディネイターとそのナチュラルの家族達は、反コーディネイター感情が比較的少ない太平洋のオーブ連合首長国や
スカンディナヴィア王国に移民するか、当時、建設が進められていたプラントに移住することとなった。
これが、プラントが実質上、コーディネイター居住区となる要因となった。

 
 

この時期、プラント建設に従事していたコーディネイターの権利向上のために結成されていた
政治団体 Zodiac Alliance of Freedom Treaty=自由条約黄道同盟(ザフト)が勢力を拡大し、
プラント理事国からの独立を唱え始める。

 

当初、ザフトは、旧プラント理事国から非合法組織と見なされており、
地下組織として活動していた。
CE57年、ザフトが合法化されるとプラント自治評議会(後のプラント最高評議会)
に後のプラント指導者となるシーゲル・クライン、パトリック・ザラを初めとする黄道同盟
メンバーが次々と当選した。

 

プラント理事国も他コロニーの開発事業の影響でコストカットを迫られており、
プラントにある程度の自治権を認め、駐留軍の規模縮小を行った。

 

だが、プラント市民とザフト関係者の多くがこの監視付きの自治に満足することはなかった。

 

ザフトは、独立に向けて、招聘したコーディネイター傭兵(遺伝子調整が上手くいかなかった
等の理由で失敗作として捨てられたコーディネイターを引取り軍事訓練を施す組織サーカス
や軍事企業によって作られた戦闘用コーディネイターがその主体)を教官として党員に軍事訓練を施した。

 

その一方で、プラント理事国の強大な軍事力(大西洋連邦だけでも当時4個宇宙艦隊を保持しており、他国も宇宙軍拡を進めていた)
に対抗すべく、63年に宇宙開発用作業機器として開発されていた宇宙機器「モビルスーツ」を改良し
機動兵器化する研究を始めた。

 

CE65年にその研究は、モビルスーツ試作第1号「ザフト」の開発として実を結ぶこととなる・・・・・

 

CE68年、プラント自治評議会議長にシーゲル・クラインが就任した。
なお、この当時、地球でもコーディネイター過激派と思われるテロが頻発し、
ブルーコスモスの盟主に、ブルーコスモスの創始者の一族でもあるアズラエル家
当主となったばかりの24歳の若手 ムルタ・アズラエルが就任した時期でもある。

 

12月には、プラントが南アメリカ合衆国の企業から食糧の不正輸入を図り(当時、プラント以外の従来型コロニーや月面都市では、
食糧の生産が行われていたが、プラントはその形状が農業生産に向いていないとされ、食糧生産が禁止されていた。)食糧を
輸送する途中だった輸送船マンデルブロー号が大西洋連邦
宇宙軍の静止を振り切って逃亡を試みデブリに衝突して大破するという事件(マンデルブロー号事件)
が起こった。
シーゲル・クラインは、食糧の自主生産のため、69年、プラントはユニウス市の7?10区(ユニウスセブン?10コロニー)
を穀物生産プラントに改装した。
この改装にユニウス市が選ばれたのは、元々ユニウスは、農林水産学の研究設備が存在していたため、
食糧生産用に短期間で転用することができると考えられたからであった。

 

これらのプラントを私物化するかのごとき行動にプラント理事国の世論は、激昂した。
地球にいるプラント理事国の国民からすれば、今まで資金や食糧、資源を提供してもらっておきながら、
宇宙軍が駐屯(各国宇宙軍は、プラントに迫るデブリや隕石の処理も行っていた)しているだけである。

 

にもかかわらず、勝手に工業生産ノルマを圧政だと主張し、プラントを改装し独立を図るなどというのは、
恩知らずの泥棒以外の何物にも見えず、当然ともいえた。

 

この世論を受けてプラント理事国は、実力行使してでも排除すると、駐留宇宙艦隊を中心に編成した鎮圧部隊を投入した
・・・・この時点では、誰もがプラント理事国が鎮圧を成功させると見ていた…

 

だが、宇宙艦隊は、改装作業用の作業機器とみられていたモビルスーツによって半数が撃破され、残りの艦隊は
近くの駐留拠点に退却させられてしまうという結果に終わった。

 

これに衝撃を受けたの者たちの中で未来を見据えていたのは当時、月面最大の軍事拠点 プトレマイオス基地の艦隊
に所属していたドゥエイン・ハルバートン大佐の派閥とブルーコスモスであった。

 

ハルバートン大佐は、鎮圧艦隊敗北の原因を鎮圧艦隊がスペースコロニー群を背にしているザフト軍に対して
ビームによる艦砲射撃が行うことが出来なかったことであると判断し、今後、
高威力兵器の仕様が限定されるスペースコロニー周辺、内部での戦闘ではMSが威力を発揮すると考え、大西洋連邦軍もMS開発すべきであると提唱した。

 

ブルーコスモス、特に盟主ムルタ・アズラエルは、まだMSを開発せずとも、従来の機動兵器 MAによる一撃離脱戦法で
対処可能であると判断していた。
(ちなみにMAの元祖は空軍時代のジョージ・グレンがテストパイロットとなった宇宙戦闘機である。)

 

69年9月、大西洋連邦軍の試験型MA TS-MA2mod.00 メビウス・ゼロを発展させた TS-MA2 メビウスが
ロールアウトした。

 

このモビルアーマー メビウスは、MA共通の弱点である運動性を補うために
2基のメインスラスターユニットを稼働させることで迅速な方向転換を行うことが可能であった。

 

対モビルスーツ戦を初めて視野に入れて開発されたMA メビウスは、アズラエル財団傘下の軍事企業を
中心に大増産が開始され、他のプラント理事国の艦隊にも供与された。

 

これらの動きにプラント自治評議会を改称したプラント最高評議会は、
パトリック・ザラを初めとする武闘派は、ただちに独立宣言を発表すべきだと、評議会とプラント市民に
訴えたが、自由条約黄道同盟時代からの盟友であり、プラント最高評議会議長
のシーゲル・クラインは、まだ時期尚早である と判断していた。

 

この当時、ザフト軍の装備は、モビルスーツを除けば、輸送艦改造の武装艦や駐屯艦隊からの鹵獲品が
大部分で、仮設武装艦の装備は、デブリ除去用のミサイルとレーザー砲のみで
到底艦隊戦など出来るはずもなかった。
後にザフト軍の主力艦艇として活躍するナスカ級、ローラシア級は、
近い将来、火星圏、木星圏で の宇宙開発のために建造が進められていた宇宙船を転用したもので
ドックで建造が進められていたが、まだ2隻が就航したばかりであった。

 

流石に、まだプラント市民の世論の大部分も理事国の強大な艦隊と戦争により、生活が脅かされることへの不安から
この時点では地球と本格的に武力衝突を望んではいなかった。

 

CE70年 2月5日、プラント理事国とプラントの間で緊張が高まる中、国際連合の仲介で
月面都市コペルニクスでプラント理事国とプラントとの間で会議が開かれることとなった。
だが、テロによってその会議は、血で染められることとなった・・・

 

会議が行われるはずだったコペルニクスのビルで爆弾が炸裂、会議参加予定の理事国側代表
と国際連合事務総長を含む国際連合首脳陣は全員死亡し、難を逃れたのは、シャトルが途中で故障
したために付近の月面都市に入港していたシーゲル・クラインらプラント代表のみであった。

 
 

CE70年 2月7日 大西洋連邦を初めとするプラント理事国は、コペルニクスの爆弾テロ
を「コペルニクスの悲劇」と名付け、プラントによるテロと断定、これを地球各国とそれに属する
ナチュラル、コーディネイターに対する宣戦布告であると見做すと発表、

 

先の事件で事実上崩壊した国連に替わって、プラント理事国を中心とした新たなる国際調停機関
地球連合が創設された。

 

加盟各国軍は、地球連合軍として、軍服、戦艦から小銃に至るまで装備の共通化が進められた。
各国宇宙軍にも、大西洋連邦のメビウスが供与されはじめ、大西洋連邦では辺境資源衛星、コロニー守備軍を除く
全ての宇宙艦隊にメビウスが装備されることとなった。

 
 

ユーラシア兵氏注
最後の文の各国宇宙軍というのは、ユーラシア連邦、東アジア共和国を除く
地球連合加盟国のことです。

 

 「連合兵戦記(仮)」2

 
 

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