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「連合兵戦記(仮)」2

Last-modified: 2014-03-06 (木) 19:54:39

CE71年  C.E.70年2月11日、地球連合はプラントに宣戦布告

 

同日中にプトレマイオスクレーターに建設された大西洋連邦軍の月面基地、プトレマイオス基地から
旧大西洋連邦軍所属 地球連合軍第9艦隊が発進した。

 

この際、大西洋連邦軍内のブルーコスモス派将校らによる強い要請により、1発の核弾頭が
旗艦、アガメムノン級宇宙空母 ルーズベルトに持ち込まれた。

 

この核弾頭は、対宇宙軍事拠点破壊用のもので、通常戦力によるザフト軍の排除が不可能な場合、或いは
戦力の半数が損害を被った場合にザフト軍唯一の軍事拠点である旧理事国艦隊駐留宇宙ステーションに対して
使用するためと表向きは連合軍関係者には説明されたが、核弾頭搭載を主導した将校らとその背後にいたブルーコスモス強硬派
の幹部達の目的は別であった。

 

影から核弾頭搭載を推進したブルーコスモス強硬派幹部らは、今回の作戦で
プラントをたとえ制圧できたとしても、一度調子付いたプラントのコーディネイター
はナチュラルからの自主独立を諦める事無くザフトを再建し、ナチュラルに対してのテロを
行い続け、地球全体の脅威となり続けると考えており、それを阻止するには核攻撃によって
プラントの中枢となっているアプリリウス1を破壊することで、抵抗の意志を完全に削ぐ
ことでしか達成できないと考えていた。

 

そのために宇宙艦隊の旗艦 アガメムノン級 ルーズベルトの士官クラスのクルー、モビルアーマーパイロットは
全員ブルーコスモスの人間で固めて置く等の根回しを行っていた。

 

C.E.70年2月14日 ザフト軍は、宇宙ステーションに設置した試作段階のニュートロンジャマーを作動させることで地球軍宇宙艦隊の誘導兵器と電子機器を無力化。
ザフト軍は地球軍宇宙艦隊とモビルアーマー部隊に対して戦闘を優位に展開、地球側の最新鋭モビルアーマー TS-MA2 メビウスもザフトのモビルスーツ
プロトジンとその発展機 ZGMF−1017 ジンによって次々とクレー射撃の的のごとく撃墜されていった。

 

自軍の戦力が次々と削られていくのを見た艦隊司令は、核攻撃命令を発令、
艦内で待機していた核攻撃機とダミーのメビウス ボンバータイプ6機と護衛機のメビウス24機が発艦した。
その20分後、第9艦隊は、戦力の8割を失いながらも直掩機のメビウス隊の決死の奮戦によって退却に成功する。

 

同時刻、核攻撃隊も防衛用宇宙ステーションとアプリリウス1への侵入が困難と判断、ダミー部隊と散開した。

 

核攻撃隊は目標への攻撃が不可能な場合は、撤退せよ と厳命されていた。
だが攻撃部隊の多くは撤退することなどすでに眼中に無かった。

 

その理由は、彼らの多くが、初めての大規模な実戦によって冷静な判断が出来なくなっていたことだった。
彼らも無論厳しい訓練を耐え抜いた優秀な軍人であったが、レーダーと通信機、誘導兵器が満足に使用できない状況下での戦闘など誰も経験したことの無いものだった。

 

核攻撃部隊は、ダミー部隊が派手に陽動を行っている隙に防衛部隊か手薄なコロニーを探した・・・・そして核攻撃機のパイロットは、ユニウス市への攻撃を決断した。

 

彼がユニウス市を選択した理由は、今となっては知る由はないが、単に一番距離的に近かったためと考えられている。

 

この時、ザフト軍の大半は、補給のため母艦や宇宙港に帰還しており、残った数少ない部隊もダミー部隊の追撃に出払っており、纏まった防衛部隊が展開していたのは、アプリリウス等の政治的、軍事的に攻撃される危険性が高いと判断されていたコロニーだった。

 

ユニウス市は、食糧生産用として農業コロニーへと改装されていたものの当初のジャガイモや穀類といった農作物生産はいまだに試験段階のものであり、
ユニウス1〜6で行われていたのは、嘗てジョージ・グレンらがツィオルコフスキー号で行った
合成食品素材の水耕栽培によるクロレラや藻類の生産でユニウス7にいたってはプラント内向けの宣伝用に生態系研究用のバイオスフィア区画を

 

北アメリカの田園風景を再現したのみで到底プラントの全人口を賄うこと等不可能で、まだまだ先のことであった。

 

またユニウス市の周辺宙域に展開していたザフト側戦力は、中型輸送艦を改造した仮設防空艦1隻とジン2機のみ。
さらに運の悪いことにジン2機は推進剤補給のために後退していた。
攻撃隊のメビウス ボンバータイプ、メビウス8機を阻止するのは、仮設防空艦ただ1隻だったのである。

 

しかし仮設防空艦のクルーは果敢にもユニウス市に向う攻撃隊に対してレーザー機銃による迎撃を試みた。
攻撃隊が有効射程範囲に入った同時に仮設防空艦は、8基のレーザー機銃の火線を開いた。
その青紫の炎の雨を7機のメビウスは難なく回避した。

 

皮肉なことにこのときニュートロンジャマー対策のため、火器の照準は手動で行われていたのだ。
一応銃座を操作する人間は、飛来物処理課のメンバーで使用経験はあったものの一定のスピードで直線的に接近する隕石やスペースデブリを破壊するのと
高い回避能力を持った最新式のモビルアーマーを撃墜するのとは勝手が違った。

 

そして攻撃を回避したメビウス部隊は散開するとそれぞれ胴体にマウントされた対装甲リニアガンを発砲した。
電磁加速されたその一撃を強引に武装化され、機動性が固定砲台に等しかった仮設防空艦が回避できるはずがなかった。
碌に装甲も施されていなかった防空艦は、メビウスの対装甲リニアガンを機関部と艦橋に受けて推進剤と外付けバッテリーを誘爆させ、瞬時に内側から火の球と化した。
同時に補給を終えたジン2機がメビウス部隊に襲い掛かった。重突撃機銃を受けたメビウス3機が次々と砕け散る。
だが、護衛のメビウス4機も核攻撃機を援護すべく死に物狂いでジン2機に襲い掛かった。

 

その隙に胴体に核弾頭ミサイルを抱いたメビウス ボンバータイプがすり抜けていった。
それを見たジンの1機が反転し、追撃を図ろうとした。
もう1機のジンも援護のため重突撃機銃を掃射、1機のメビウスが左メインスラスターを抉られる。

 

だが追撃しようとしたジンの腰部に被弾して操縦不能に陥ったメビウスが激突、爆散した。
残ったジン1機も不用意に接近したメビウスを近接戦闘用の重斬刀で叩き切ったものの別のメビウスが放った対装甲リニアガンに右足を吹き飛ばされ、
返す刀で下方より接近した別のメビウスが背部メインスラスターの左側にバルカン砲を叩き込んだ。
バランスを崩したジンは重突撃機銃を乱射、1機を撃墜した。同時に最後のメビウスがジンに特攻した。
2機を爆炎が呑み込んだ。

 

時同じくして、メビウス ボンバータイプはユニウス7を射程圏に捉えていた。

 

「蒼き正常なる世界の為に!!」

 
 

そしてパイロットはトリガーを引いた。
メビウスから切り離された核ミサイルは、ブースターから青白い推進炎を吐きながら
砂時計型の構造物へと突進していった。

 

核ミサイルは、ユニウス7の砂時計の括れ部分の宇宙港に停泊していた資材運搬用の中型輸送船に着弾、2秒後に起爆した。
直後、恒星のごとき輝きと高熱が膨れ上がり、瞬時に宇宙港を蒸発させ、ユニウス7を呑み込み、コロニー内部を巻き起こった突風と業火が都市部の高層建築、化学工場も素朴な田園も等しく叩き潰し、
人工の大地が次々とパズルの様に崩壊させた。

 

住民の多くは成す術も無く、吹き荒れた突風に吹き上げられ、灼熱の業火に呑み込まれていった。
建物に逃げた者は、建物ごと、車でシェルターまで移動しようとしたものも人工地盤の崩壊と突風に吹き飛ばされ、
絶対零度と数百度の高温が交錯する真空の死の世界へと投げ出されていった。

 

生き残れたのは運良くシェルターの近くにいて避難出来た者位だった。

 

更に飛び散ったユニウス7の残骸が即席の砲弾となって周辺のコロニー、太陽光発電衛星や宇宙船に突き刺さり、犠牲者を増やした。
これに巻き込まれたものの中には攻撃後、全速離脱を図っていたメビウス ボンバータイプの姿もあった。
次々とユニウス7の周囲で無数の爆発の華が咲いたが、ユニウス7の核爆発に比べれば、
植物園のラフレシアと野に咲くタンポポ程の差があった。

 
 

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