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もしもアーサーがミネルバの艦長だったら_第07話

Last-modified: 2007-11-06 (火) 17:01:48

「オーブが連合と同盟?いったいなんで・・・?」
「知らないわよ!でも、連合が宣戦布告したんでしょ?」
ミネルバに急いで戻ってきたシン達も驚いていた。

「はぁはぁ・・・やっと着いた・・・。」
ミネルバへ帰ってきたものの、息が切れたアーサーはその場にへたり込んだ。
「艦長!いったいどういう事なんですか?」
「ぼ、僕もよく分からないんだ。さっき聞いたばかりだから・・・。」
ミネルバのブリッジに入ると、テレビが宣戦布告と同盟のニュースを流していた。

「艦長!オーブ政府から通信です!ミネルバは30分以内にオーブを出港する事!
 さもなくば軍による攻撃を行う事になるそうです!」
「ああ・・・くそっ、仕方ない、ミネルバ出港準備!急いでオーブから出港するんだ!
 メイリンちゃん、みんなは帰還したかい?」
「は、はい!皆帰還しました!乗り遅れた人はいません!」
「修理が終わったのがせめてもの幸いかな・・・。」
ミネルバはメインエンジンを始動すると徐々に海面を進み、外洋へと動き出した。

「シン、連合はどうやらユニウスセブン落下事件をザフトの仕業と見て宣戦布告したようだ。」
モビルスーツデッキではシン達が話していた。
「あれは俺達の仕業じゃないのに、くそっ!」
シンの脳裏にサトーのセリフが蘇る。
「でも、しょうがないわよ・・・。敵はジンタイプを使ってたし、ザフトと見られても・・・。」
「それに、オーブは元は中立とはいえ地球の国家だ。連合としては各国と同盟を結び
 戦力を増強して戦争に望みたいのだろう。」
「戦争か・・・マユ・・・。」
シンは複雑な心境でプラントの家族を思った。

オーブの湾へと出たミネルバ。だが、外洋への入り口には既に連合軍の艦隊が控えていた。
「か、艦長!連合の艦隊です!外洋への出入り口を封鎖しています!」
「フォウンドヴァオゥ!・・・そ、そんな、なんでこんなに早く・・・」
「・・・!!後方よりオーブ艦隊!ミネルバの退路も塞がれて居ます!」
「ええええっ!?」
モニターを見るとミネルバの後ろをオーブの艦隊が塞いでいた。

〜オーブ艦隊・旗艦ツラナミ〜

「トダカ一佐!展開完了しました!」
「うむ。分かった。」
オーブ軍イージス艦、ツラナミ艦橋。
そこではオーブの一佐であるトダカが艦隊の指揮を執っていた。

「しかし、司令。いきなり戦争、しかも即実戦として出撃なんて・・・。」
「ああ、だが、いずれ我が国と連合は同盟を結んだであろう。
 セイラン家や政府は連合寄りだし、カガリ様も今の情勢では
 同盟はやむをえない、との見方だったからな・・・。」
「あのザフト艦もこんな時に不幸でしたね。」

「だがユウナ殿からの直々の命令だ。ザフトの艦が出港したら即出撃して
 退路を塞ぐこと。もしオーブに戻ってこようとしたら発砲もやむなし・・・だそうだ。」
「発砲ですか!?」

「だがユウナ殿はこうも言っていた。発砲しても決して艦には当てるな、と。」
「威嚇という事ですか?」
「そうらしいな。私としても砲撃を当てるつもりなどはない。ザフト・・・プラントにも
 恨みなど無いしな。それに・・・。」

(・・・プラントにいるはずの、あの少年と家族は元気だろうか・・・。)
前大戦の連合のオーブ進攻の際、シンとシンの家族を助け、プラントへ行くよう
進めたのは紛れも無いトダカその人であった。

「司令?」
「いや、なんでもない・・・。よし、各艦に砲撃準備をさせるんだ。もしザフト艦がこちらに
 戻るようなら即砲撃してよし!ただ絶対に船体には当てるなよ!」
「分かりました!」

「オーブ・・・そしてこの戦争の行く末はどうなるのだろうな・・・。」
トダカは一人呟いた。

〜オーブ国防本部、司令室〜

司令室ではユウナやカガリがモニターを見ながら様子を見守っていた。

(アーサー君。我が軍は決して君の艦に攻撃を当てないよう命令しておいた。
 僕ができるのはここまでだ、すまない・・・。なんとかうまく連合の艦隊を
 突破してここは逃げ延びてくれ・・・。)

〜一方、戦艦ミネルバ〜

「こ、こうなったら仕方ない、オーブの方へ逃げるんだ!」
「し、しかし艦長!」
「だ、大丈夫だよ!まさか撃ってはこないはずだ!」

ミネルバはオーブの方へと動き出す。だが、オーブのイージス艦からその瞬間
発砲炎が煌き、ミネルバの周囲に砲弾が落下した。・・・もっとも砲撃はミネルバ
から離れ、直撃弾は全く出なかった。

「きゃああ!」
メイリンが悲鳴をあげる。
「・・・そ、そんな!躊躇無く発砲してきた!」
「艦長!」
「くっ!・・・オーブ近海を離脱!このまま外洋に向かう!」
「わ、分かりました!」

(こうなったら覚悟を決めるしかないか・・・!オーブのは威嚇としても、連合軍は
 迷うことなく攻撃をしてくるだろう・・・。ならもう、やるしか!)
「よ、よし!タンホイザー起動準備!シン達MS隊にも発進準備をさせるんだ!」
「タンホイザーを使うんですか!?」
バートが驚く。
「タンホイザーで敵艦隊の正面を薙ぎ払うんだ。敵が怯んだ隙に最大スピードで離脱する!」
「・・・分かりました!」
ミネルバは陽電子砲発射体勢に入り、シン達はコクピットへと急いだ。

その時、連合軍の強襲揚陸艦から巨大な物体が飛び上がった。

「な、なんだあれは!?」
「・・・モビルアーマー!?」
飛び上がった物体、そう、地球連合軍が開発した新型MA、
ザムザザーはミネルバを目掛けて突進してきた。

「か、艦長!」
「かまうもんか!あれもろとも陽電子砲で吹き飛ばすんだ!」
「りょ、了解!・・・タンホイザー、充電完了しました!」
「よ、よし!発射だ!」
「タンホイザー発射!!!!!」
だが、その時、敵MAは機体を傾け、光のバリアのようなものを展開させた。
次の瞬間、タンホイザーが発射され、MAと後方の艦隊は光に飲み込まれた。

「や、やった!!」
「こ、これでどうにかなりましたね!」

だが、煙が晴れた時に見えたものは、無傷のまま光のバリアを展開している
MAと、後方の艦隊だった。更に艦隊からは量産MS、ウィンダムが発進してきていた。

「フォンドヴァオゥ!!!!!!!!!!」
「そんな・・・タンホイザーが・・・」
驚くミネルバクルー。その中でもアーサーは一段と驚いていた。

(陽電子砲が効かないってことは、あのバリアみたいなのは陽電子砲を無効化する
 能力があるのか・・・?ど、どうしよう・・・。)

「アーサー艦長!!」
その時、シンから通信が入った。
「シン!?」

「あいつ・・・あのデカブツは俺がやります・・・!」
「だ、だが!相手は陽電子砲すら効かないんだぞ・・・!」
「それでもやるしかないでしょう!・・・こんなところで俺は死にたくないし、
 ミネルバにも沈んで欲しくないんです!アーサー艦長、頼みます・・・!」

(・・・!!!)

シンの言葉にアーサーも覚悟を決めた。
「分かった!・・・あのMAは君に任す。それからレイとルナマリアは艦上で
 敵のMSを迎え撃ってくれ!ミネルバも戦闘準備!・・・CIWSやミサイルで
 応戦するんだ!ここで沈むわけにはいかないぞ!」
「お姉ちゃん!レイ君!頼むわね・・・!死なないで・・・!」
メイリンが叫ぶ。

「当たり前でしょ!この私に任せときなさい!」
「了解した。・・・大丈夫だ。絶対にミネルバを沈めさせはしない。」
ルナマリアとレイが応答する。

「シン・・・無理はするなよ!」
「分かってます艦長・・・それじゃ行きますよ!」
体勢を立て直したザムザザーとジェットストライカーを装備したウィンダムが向かってくる。
一方、ガナーザクとブレイズザクは艦上に配置に付き、ミネルバも火砲やCIWSを展開させた。

「ようし・・・!やってやる!あんなやつらに負けてたまるかぁ!!!!」
シンは思いっきりフォースインパルスのブーストを吹かすと
一気にザムザザーへと飛び掛って行った。

「コーディネイターどもめ・・・!このザムザザーの力を思い知るがいい!」
ザムザザーは脚部のエネルギー砲を発射しながら急接近し、
シンのインパルスへ方向を変えた。シンはビームライフルを放つが、回避される。
「くそっ!こいつ機体の大きさに似合わず素早い!」

一方、ミネルバは敵艦船を主砲やミサイルランチャーで狙い、2隻のイージス艦を
大破させていた。レイとルナマリアも艦上で敵のウィンダムを迎え撃っている。
今また1機のウィンダムをルナマリアの放ったオルトロスで撃墜した。
「よし!これで2機目!」
「なかなかやるな、だが油断はするな。」

シンはビームサーベルを抜き、接近戦でザムザザーを仕留めようとした。
「近づけばこんなやつなんか・・・!!!」
だがその時、脚部の砲塔が裏返り、巨大なクローが出現した。
「えっ・・・?」
次の瞬間、シンは足をクローに挟まれていた。
「う、うわああぁああ!!!!」
「馬鹿め!この超振動クラッシャーの塵にしてくれるわ!」
インパルスの右足が熱したクローによって破壊される。

その様子を見ていたミネルバ。
「やばい、あのままでは・・・!」
「シン!!!!」

(お兄ちゃん・・・着替え見たでしょう・・・)
そんな折、シンの頭にはマユの下着姿が思い浮かんだ。
・・・なぜ下着なのかは謎だが。

「くそおぉぉぉ!!!!こんなところで、こんなところで俺はぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」
その瞬間、種が割れた。

「ミネルバ!ソードシルエットを射出してくれ!!!!!!!!」
「えっ・・・?」
「早く!!!!!!!」

「ソ、ソードシルエット、射出します!」
メイリンの声と共に、ソードシルエットが射出された。落下中方向を変え、
ブーストを吹かして、インパルスはソードシルエットを装着し、エクスカリバー対艦刀を抜いた。

間髪いれず、シンは対艦刀をザムザザーのコクピット部分に突き立てる。
「な、なんだとぉぉ!?」
その瞬間、ザムザザーが空中で爆発する。
爆風に乗り、地球軍のイージス艦に着地したシンは、対艦刀を使い、
次々に連合の艦艇に襲い掛かった。
「マユ・・・マユを守るんだ俺は!!!!!!!!!!!!!!」

それを唖然としながら見ているアーサー。
「シ、シン・・・。」
既に10機ほどだったウィンダムはルナマリアやレイ、ミネルバにより全機撃墜されている。
見ている間にどんどん連合の艦艇は沈んでいった。

「はぁ・・・はぁ・・・。」
シンが落ち着きを取り戻した時、スペングラー級強襲揚陸艦2隻、イージス艦4隻が沈み、
残りの艦艇は逃走していた。海面には破片や連合軍の救命ボートが多数浮かんでいる。
「ば・・・化け物・・・。」
「これがコーディネイターの力かよ・・・。」

「シ、シン!連合の艦隊は撤退した!もう十分だ!すぐに帰還するんだ!」
アーサーからの通信が入る。
「・・・はぁ・・・わ、分かりました。シン・アスカ、帰還します。」
ソードインパルスはミネルバへと戻り始めた。

(シン・・・すごい活躍だったな・・・僕もエロゲのバーゲンセールの時は
 あれくらい熱血したもんだ・・・。)
アーサーは感慨に耽った。

〜オーブ、ラクスの隠れ家〜

「このままじゃほんとうにヤバイですわ・・・。」
1人頭を抱え悩むラクス。彼女は家計簿・・・出費の金額を書いていた。
「ニート1人でも大変なのに、2人もニートがいるなんて・・・最悪ですわ。」

そこへマリューが顔を出した。
「どうしたの?ラクスさん。」
「・・・これ見てくださいな。」
ラクスはマリューに家計簿を差し出す。

「げっ!?」
「・・・驚くでしょう?このままじゃもうすぐお金が尽きてしまいますわ。」
「最近お金の減りが著しいと思ったけど、ここまでなんて・・・。」
ラクスが家事洗濯掃除、孤児の相手をし、マリューが整備士として働いてはいるが
収入は少なく、出るお金は多かった。それも2人のニートによる出費が大きい。
バルトフェルドは義手に銃を内蔵したり、キラにいたっては食っちゃ寝、食っちゃ寝、
ゲームを買ったり漫画を買ったりし、お金はどんどん消えていっていた。

「はあ・・・どうしようかしらね。このままじゃいずれ金欠に・・・。」
「・・・こうなったら最終手段を使うしかないですわ。」
「え・・・?」

「マリュー艦長、至急ニート2人を集めてください。それと、まだ人が必要です。
 元アークエンジェルクルーの方にも召集を。」
「ラ、ラクスさん?いったい何を・・・。」

「ふふふ・・・。」
そこには怪しく微笑むラクスがいた。

「なんだよラクス、せっかく寝てたのに・・・。」
「コーヒーを入れていい気分に浸ってたんだ。何事かね?」
キラとバルトフェルドが部屋に入ってくる。

「おまたせ。連れてきたわ。」
マリューと一緒にノイマン、マードック、チャンドラが入ってきた。
「うわー、懐かしいですねえ。」
「お久しぶりです、皆さん。」

「・・・で、ラクス、なんなの?みんなを緊急呼び出しってさ。てかさ、僕眠いんだけど。」
キラが目をこすりながら尋ねた。
(お前が一番の原因なんですわ、このクソニートが・・・。)

「皆さんに重大な発表があります。私達はこれから、カガリさんを誘拐します。」
ラクスの口から衝撃の言葉が発せられた。

「は?」
「えええぇぇえええぇぇえぇえ!?」
「ちょwwwラクス何言ってんのwwwついにおかしくなったの!?うはwww」
驚く一同と、笑い出すキラ。

「おかしいのはお前ですわ!!!!!!!!」
バチーン!!!
「ひでぶっ!」

(一発いいのが入ったわね・・・。)
マリューは呆れてキラを見ていた。

「説明しますわ。実は・・・もう私達の資金も限界なのです。お金が全然足りなくなってきています。
 ですから、早急に、私達はお金が必要なのですわ。それも沢山。・・・このままでは近いうちに
 アークエンジェルの維持費どころか武器の調達費、光熱費、食費に至るまで全部不足します。
 だからカガリさんを誘拐して、オーブ政府から身代金を受け取るのです。これが私の考えです。」

これまた唖然とする一同。

「ラクス!・・・一体どういう事なんだよ!なんでそんなに出費が多いのさ!」

「元凶はお前ですわ!!!!!!!!」
ボグシャアッ!!!!
「げぼぁっ!!!!!」

コーヒーを飲みながら話すバルトフェルド。
「まったく、どうしようもないねえニートって奴は。そうだろう?マリュー。」
「・・・あなたもニートじゃない。」

壁にめり込んだキラを尻目にラクスは話し始める。
「私とてカガリさんを誘拐なんてほんとはしたくありません。でも、もうこれくらいしか
 資金を調達する手がないんです。これ以上マルキオ導師様達に迷惑はかけられませんし・・・。」

「そうだったのか・・・。」
「そんなに資金不足なんだ。じゃあ・・・もうしょうがないんじゃ・・・。」

「ですから、皆さん、どうか協力をお願いしたいのです。私達は国家元首を誘拐するのですから
 世界からはテロリストとして扱われるでしょう。・・・それでも皆さんはその覚悟がありますか・・・?」

「ああ、俺はやるよ。本当なら前大戦の時死んでたかもしれないんだ。今更どうなろうと・・・!」
「私も手伝うわ。資金不足解消のためなら・・・。私も化粧品とか買うお金も欲しいし・・・。」
「ま、僕も手伝うよ。久しぶりにMSに乗ったりしてみたかったからね。」
マリューや元AAクルー、バルトフェルドは賛成し、計画に参加を決めた。

「ありがとう皆さん。では早速アークエンジェルを始動しましょう。誘拐の実行犯はフリーダムにして
 もらいます。・・・もうすぐセイラン家の息子さんとカガリさんの結婚式があります。そこを強襲して
 カガリさんを誘拐し、アークエンジェルに保護。そして身代金を要求する手筈にしますわ。」
「よしっ!行くぞお前ら!」
マリューやノイマン達が出て行くとラクスは倒れているキラに向き直った。

「誘拐の主役はキラ、あなたなのですから、みっちりと私が調教・・・もとい手順を指導してあげますわ。」

「だ、誰かヘルプ・・・。」

キラの首根っこを引きずりながらラクスは隣の部屋へと消えた。

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