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もしもアーサーがミネルバの艦長だったら_第11話

Last-modified: 2007-11-06 (火) 17:02:41

〜ディオキア、ザフト軍基地〜

マハムールでの休息を終え、ついにミネルバはディオキアへと入港した。
この基地で、アーサーやシン達は議長と会う事になっていた。
また、ラクス・クラインがLIVEを開くというので、基地は今、兵士達で賑わっていた。

「やっとディオキアに着いたね。」
「あっちの方が騒がしいな・・・。」
マリクやバートが外を見る。

「なんでも、ラクス・クラインのコンサートがあるそうですよ?」
メイリンが話しかけてきた。

「へぇ〜、あのラクス・クラインのねえ・・・。」
「どう思います?艦長・・・。」
話しかけようとしたバートが振り向くと、アーサーの姿は艦長席になかった。

「あ、あれ・・・?艦長は・・・?」
「基地に入港してすぐ、かっとんでブリッジから出て行きましたが・・・。」
それを目撃していたチェン・ジェン・イーが言った。

「「「へ・・・?」」」
唖然とする一同。

〜ラクス・クラインLIVE、コンサート会場〜

既に会場は物凄い人だった。
見渡す限り、ザフト軍の兵士達で埋まっており、皆、異様な雰囲気を匂わせていた。

「ラクスたぁ〜ん!こっち向いてくれぇー!」
「ラクスたん萌えええぇぇぇぇぇぇぇええ!!!!!!!!!!!!!!」

ラクス・クラインのコンサートチケットを握り締め、メガホンを持ち、
ハチマキを巻き、彼女のプロマイドやポスターを持った大勢の兵士達が
歓声(奇声とも言う)をあげながらひしめき合っていた。

「皆さぁ〜ん!ラクス・クライン、でぇ〜す♪」
会場の真ん中にある、なんとも趣味の悪いピンク色に塗られたザクウォーリア。
そのザクの腕の上に立つ1人の少女がいた。
きわどいハイレグ衣装を身に纏い、片手に花束を持っている。彼女はもちろん、
ラクスの替え玉、ミーアだったが、無論、誰も彼女が本物のラクスではないと気づいてはいなかった。

「ラクスー!!、ラ、ラーっ、ラアアーッ!! ラアーッ!!」
ステージの一番前、デジタルカメラを持って、彼女に大声を上げる
1人のザフト士官が、ついさっき入港した新造戦艦の艦長だという事も、誰も気づいてはいなかった。

〜ミネルバ、展望デッキ〜

デッキでは、シンとレイ、ルナマリアがラクスのコンサート会場を見ながら話していた。

「すごい人だな・・・。」
シンが双眼鏡を覗きながら言う。
「ああ、あのラクス・クラインだからな。人気があるのも当然だろう。」
レイも双眼鏡を覗いてコンサートを見ていた。
「それにしても・・・ラクス・クラインか・・・。な、なんか、む、胸がすごいな、レイ。」
「ああ、腰のくびれもたまらないものがある。あの衣装も最高だ。」

(はぁ・・・これだから男って奴は・・・)
ルナマリアがため息をつく。
「ねえ、そう言えば艦長さんはどこに行ったの?ブリッジにはいないみたいだけど。」

「アーサー艦長なら、ステージの一番前で写真を撮っている。見るか?」
レイがルナマリアに双眼鏡を渡した。
「ちょ、ええええ!?」
ルナマリアが覗くと、ステージの一番前でノリノリのアーサーの姿が見えた。
「え、嘘でしょ?艦や私達をほったらかして、いきなりコンサート会場?
 しかも、もうすぐデュランダル議長との会談が始まるってのに?」

「最悪・・・orz」
ルナマリアのアーサーに対する好感度が大幅ダウンした。

「はあ・・・あんな艦長なんかほっといて、そろそろ行きましょ?会談の時間が迫ってるし。」
「そうだな、そろそろ移動すべきか。」
「あ、ああ。分かったよ。じゃあ準備して行こうか。」

3人はデッキを降りて艦内に入った。

〜コンサート会場、LIVEイベント後〜

ラクスのコンサートも無事に終わり、ザフトの兵士達は持ち場に帰り始めていた。
アーサーもそんな人々の中に混じり、ニヤケながらミネルバへと向かっていた。

(いい写真が沢山撮れたなあ・・・。こりゃあ永久保存モノだぞ・・・。)
最前列にいたアーサーはまるでカメラ小僧のようにラクス(ミーア)の写真を
取り捲り、一人で興奮していた。そんなアーサーが歩いていた時、
突然目の前に人が立ちはだかった。

「やあ、アーサー君。直に会うのは地球降下以来だね。元気そうじゃないか。」
それは、ついさっきディオキアへと到着したデュランダル議長だった。

「お、おわあぁぁあ!?ぎ、議長!?」
驚いた拍子にアーサーはデジカメを落としてしまった。
無残にも地面で分解するデジタルカメラ。

「フォンドヴァオゥ!!!!!!、ぼ、僕のデジカメが!?」

「す、すまない。驚かせてしまったようだね。なに、私もさっきこの基地に着いたばかりでね。
 まずは君に挨拶をしておこうと思ったんだよ。」
「ははは・・・それはどうも・・・。」

「そうだ、それと、君に会わせたい子がいるんだ。」
「・・・へ?」
「ラクス、こっちだ。」
「はぁ〜い!」
そう呼ばれ、向こうからラクス・クライン(ミーア)が走ってきた。

「ちょ、えぇぇぇえええぇ?」

「ラクス、彼が前に話したアーサー艦長だ。」
「アーサー君、ラクス・クライン嬢だ。ぜひ君に会わしてあげたくてね。」
議長にそう言われ、ラクス(ミーア)が前に進み出た。

「初めまして!ラクス・クラインでぇ〜す♪・・・あら?」
「え、ええと・・・じゃなかった・・・あ、あの・・・僕は・・・。」

「まあ!あなた、私のコンサートで一番前で応援してくれていた人ですよね?」
ラクスは突然アーサーを抱きしめた。
「フォ、フォンドヴァオゥ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!???????????????????????????!」

「おや、2人は知り合いだったのかね?」
議長が言う。
「いいえ、でも、先ほど私のコンサートで、この方がステージの一番前に立って、
 私の写真を撮りながら応援をして下さってたのですわ!目立っていたので、
 目につきましたの。あなたが艦長さんだったんですね?うれしい♪」
「こらこら、ラクス。アーサー君が困っているじゃないか・・・アーサー君?」

アーサーはラクスに抱かれたまま放心していた。生まれてこの方、リアルで
若い女の子に抱きつかれた事など1回もなかったのであるから、仕方ないといえば
仕方ないのであるが。

「あっ、ごめんなさい!強く抱きしめすぎてしまったかしら?」
「アーサー君、大丈夫かい?アーサー君!」

「・・・ハッ!ぼ、僕は一体??」

「しっかりしたまえ。女性に抱きつかれて失神した人を私は初めて見たよ(笑)」
「す、すすすすいません!あ、あまりにもびっくりして・・・。」
「いや、別に軽蔑しているわけではない。アーサー君はウブなのだな。」
「あ、いや・・・その・・・ええと・・・は、はっはははは・・・。」

「・・・デュランダル議長、そろそろ時間です。」
議長の後ろにいる護衛から声がかかる。
「おっと、そうか。アーサー君。君やシン達と会談の時間が来てしまったようだ。
 そろそろ行かなくてはな。君も急いで準備をして来るといい。」
「は、はい・・・分かりました。」

「ではラクス、行こうか。」
「はぁ〜い。またね、可愛い艦長さん♪」
議長はラクスや護衛の兵士達と一緒に歩いていった。

「・・・いい匂いだったなあ・・・。あ、そうだ!会談があったんだっけ!」
地面に落ちていたカメラの残骸を拾うと、アーサーは急いでミネルバに戻った。

そして10分後、アーサーをのぞいた面々は、基地の後ろにある
ホテルの下にあるテラスに集まっていた。

「す、すいません!遅れました。」
ちょっとして、アーサーが急いで走ってきた。

「まったく・・・なにしてんのよ艦長。遅刻なんて最悪じゃない。」
ルナマリアが睨んでアーサーを見ていた。
「まあまあ。そんなにピリピリせずとも、ゆっくりしようじゃないか。」
議長がそう言い、グラスを手に取った。
ラクス(ミーア)はファンのサイン会のため、この場には来ていなかった。

「それにしても議長、お久しぶりです。」
レイが言う。
「まあそれほど長く会ってないわけでもないのだけれどね。まずは皆、食事でも
 しながら聞いてくれないか。」
皆が食べだすと、アーサーが口を開いた。

「そう言えば議長、会談ってどんな事を話すんです?」
「そう、それだよ。今日の議題は。・・・皆、この戦争の事をどう考える?」
「どうって・・・?」
シンが聞く。
「例えばだね、表向きは連合とザフト・・・プラントの戦争だ。だが、この戦争の裏には
 何がいるか・・・潜んでいるのか、考えた事はあるかい?」
「・・・この戦争の手引きをした奴らがいるって事ですか?」
ハイネが言った。

「無論だ。ユニウスセブンの事があったとはいえ、こうもすぐに連合が世界各国で同盟を
 組んで、プラントへ宣戦布告し、どんどん新兵器を送り出している事には裏がある。」
「それって・・・ブルーコスモス?」
ルナマリアが聞いてくる。
「ああ・・・そうだね。だが、その母体ともなる、大きな存在がブルーコスモスの後ろに
 控えているんだ。」
「それって・・・?」

「アーサー君。君は【ロゴス】というのを知っているかね?」
突然、議長がアーサーに話をふってきた。

「え?ロゴス・・・ですか?そ、それってまさか、あのエロゲ業界最大手の
 ロゴスグループ!???」
アーサーはコップと持ったまま立ち上がり、中のオレンジジュースが
前の席のルナマリアにかかった。
「ちょっと!艦長!汚い・・・!」

「さすがアダルトゲームには詳しいね、アーサー君は。・・・その通りだ。
 表向きはアダルトゲーム業界の大手メーカー、ロゴスグループ。だが、
 その実態は、アダルトゲームで儲けた資金を使い、武器を製造、流出させ
 各国の軍備の増強を図っている軍事産業体なのだ。・・・そしてあの、
 ブルーコスモスの母体でもある。」
「ま、まさかあのロゴスがそんな団体だったなんて・・・。」
その実態を聞いて、アーサーをショックを受けていた。

「エロゲエロゲって・・・ほんと変態ね。」
ルナマリアが軽蔑した視線をアーサーに向けてきた。

「違うんだルナたん!いや・・・そのだね、男ならこれはしょうがないんだ!
 性癖もとい男のサガ、というべきかな。ともかくエロゲは僕にとって・・・。」
「開き直れらて力説されても・・・。」
ルナマリアは呆れ顔だった。

「まあ、アーサー君。アダルトゲームはそれくらいにして、今までの話、分かってくれたかね?」
「え?は、はい・・・。」

「と、いうことは、連合軍と戦い、連合を負かすだけでは、この戦争は終わらないという事ですね?」
レイが口を開く。
「ああ、連合軍の後ろにいるロゴス、そしてブルーコスモスを何とかしない限り、無理だろう。」
「ロゴスか・・・なんて奴らだ。」
シンが怒りの色を瞳に浮かべた。
「議長!絶対にそのロゴスを壊滅させましょう!そしてこんな戦争を終わらせるんだ!」
シンの言葉に、レイやルナマリア、ハイネが頷いた。

(ロゴスが壊滅したらエロゲ業界が・・・フォンドヴァオゥ!僕はどうしたらいいんだ・・・。)
その中でただ1人、アーサーは悩んでいた。

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