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もしもアーサーがミネルバの艦長だったら_第17話

Last-modified: 2007-11-06 (火) 17:03:42

〜ミネルバ、医務室〜

「ステラ、ステラ。」
医務室ではシンがステラに向け呼びかけていた。
すでに、怪我の治療は終わり、体の様子も安定していた。
「ん・・・う・・・。」
「ステラ・・・!」

「ん・・・ここは・・・?え・・・?シン・・・?」
「ステラ!良かった、目が覚めたのか。うん、シンだよ。」
「え・・・、ここどこ・・・?なんでシンが?」
「ここはザフトのミネルバの医務室さ。・・・ステラはガイアガンダムから助け出されて
 治療を受けて、今まで眠ってたんだよ。」
「そういえば・・・あたし・・・ロドニアのラボを壊せって命令を受けて・・・。」

「あ、ああ。あの時、その・・・ガイアを撃墜したのが、俺なんだ・・・。」
「そう・・・シンが・・・シンもガンダムのパイロットだったんだ・・・。」
「ああ、インパルスってMSに乗ってる。」

「うっ・・・。」
ステラは上半身を起こそうとして呻いた。
「駄目だよ!まだ寝てなきゃ。」
「でも・・・。」
「怪我はまだ治ってないんだし、静かにしてなよ。」
「あたし・・・捕虜って事になるんだよね・・・。」
ステラが言う。

「うん・・・。一応そうなるけど、大丈夫だよ。別に誰も捕虜を虐待だの
 暴力なんて振るわないし、俺がそんな事させない。」
「・・・・・・。」
「でも、色々聞かなきゃいけない事があるんだ。議長からも・・・頼まれたし。」
「尋問って事?」
「あ、ああ。でもすぐじゃないんだ。もっと元気になってからでいいし、今は寝てて。」
「うん・・・。」
ステラは再び目を閉じた。

(・・・俺がステラの面倒をしっかり見てあげなきゃ。)
シンは心に決意した。

〜J.P.ジョーンズ、艦橋〜

「よし・・・オーブ艦隊の方はどうだ?」
オーブ艦隊と合流した連合軍艦隊は陣形を整え、攻撃準備をしていた。

「はい、向こうも準備完了だそうです。」
「そうか・・・今度は我らも出なくてはな・・・スティング達は?」
「カオス、アビス共に、いつでも出れます。」
「よし・・・!各艦に伝達だ。MS隊発進!」
「ハッ!」
J.P.ジョーンズから、カオスガンダムとアビスガンダムが発進し、
周りのイージス艦からもジェットストライカー装備のウィンダムが飛び立った。

「・・・さて、どうなるか・・・。もしも前回のようにまたあの連中が出てきたら、
 面倒な事になるな・・・。」
ネオは腕を組み、考え込んだ。

〜タケミカズチ、艦橋〜

「連合艦隊、MSを発進させました!」
オーブ兵が叫ぶ。

「よし、こちらもムラサメ隊発進だ!」
ユウナの号令により、オーブ艦隊からもMSが発進していく。

「前回の事もあるからね・・・。今度はミネルバに撃沈とまではいかなくても、
 ダメージを与えないと、オーブとしての立場も危ないかな・・・。」
「ユウナ様、八式弾の準備完了です。」
トダカが言った。
「ああ、分かった。」

「(さてアーサー君・・・。悪いけど、こちらも本気を出さないと・・・。
 お互いキツイけど、僕としても負けるつもりはないよ。)」
ユウナは目を光らせた。

〜戦艦ミネルバ、ブリッジ〜

オーブ&連合艦隊接近の報を受け、また、議長からの迎撃の命令をもらった
アーサーは、タンホイザーの修理も終わったミネルバをディオキアから出港させた。

「・・・ふう。なんとか修理補給も終わったし、ギリギリ間に合ったかな。」
「艦長!敵MSの中にカオス、アビスの反応があります!」
メイリンが叫んだ。
「またあの連中かあ・・・しつこいな。今度は連合もMSを出してるって事か。
 前はフリーダムの乱入で戦闘が中断されたけど、今回は・・・。」

「アーサー艦長!早く出撃させてくれ!」
待機中のシンから通信が入る。
「今、発進命令を出すよ。シン・・・それと、もし・・・。」
「分かってます。またあの連中が・・・特にフリーダムが現れたら容赦はしません。
 ハイネ隊長の仇は俺が撃ちます。」
「気をつけるんだぞ。フリーダムは強い。それに、連合のオーブの方の動きにも
 注意するんだ。」
「・・・了解。」

「よし、MS隊発進だ!」
「シン・アスカ、ブラストインパルス行きます!」
アーサーの号令により、ブラストシルエットを装備したインパルスが発進していく。
また、ルナマリアとレイのザクもミネルバの上に出撃した。

「艦長、敵MSが接近してきません!何かを待っているようです!」
「え?」

次の瞬間、オーブ艦隊から八式弾が発射された。
「フォ、フォンドヴァオゥ!!!!!!!!!」
「きゃあぁぁ!!!!!!!」
直後、ミネルバに着弾し、艦に衝撃が走った。
ミネルバの艦上は穴だらけになり、あちこちから煙が吹き上げている。
しかし、艦の中枢部にダメージはなく、戦闘の続行は可能であった。
幸いにも、レイとルナマリアは遮蔽物に退避し、無事であった。

「き、気をつけるんだ!次はMS部隊が来るぞ!」
アーサーは叫んだ。

〜戦闘海域付近、アークエンジェル〜

アークエンジェルがオーブ艦隊のいる海域に着くと、
既にオーブ&連合軍とミネルバとの戦端が開かれていた。

「マズイわ、やっぱり戦闘が始まってる・・・。」
戦場の様子を見て、マリューが言った。
「せめて、戦闘が始まる前にカガリさんを発進させてあげたかったのに、
 やはり間に合わなかったわね・・・。」

<いいんだ、マリュー艦長。気にするな。>
ルージュに乗っているカガリが言った。

「・・・今回は護衛のMSはフリーダムだけよ。連合軍も参戦しているようだし、
 前の時よりも危険が大きいわ。・・・でも行くのね?」

<ああ。これを逃すと、もうチャンスはないかもしれない。私は行くよ。>
「キラ君、カガリさんをお願いね。」
<・・・はいはい。分かってますよ。>
フリーダムに乗ったキラが面倒臭そうに言う。

「ミリアリアさん、どう?」
マリューはオペレーター席に座ったミリアリアに声を掛けた。
「大丈夫です。多少ブランクはあるけど、やって見せます!」
「分かったわ。・・・キラ君、カガリさん、発進してちょうだい。」

「カガリ・ユラ・アスハ、ストライクルージュ出る!・・・みんな今までありがとうな!」
「キラ・ヤマト・・・フリーダム行きまっす・・・。」
キラとカガリの乗るルージュとフリーダムは戦場の方へ飛び出して行った。

「私達はなるべく離れた所で援護するわ。」
アークエンジェルは後方から見守っていた。

〜ミネルバ、艦上〜

「こんのぉー!!!!」
ルナマリアが放ったオルトロスにより、ウィンダムが破壊される。
ミネルバのCIWSも、近寄るムラサメを迎撃していた。

フリーダムとストライクルージュが乱入してきたのは、その時だった。

「オーブ軍!聞こえるか!カガリ・ユラ・アスハだ!」
カガリの声が戦場に響いた。
その瞬間、ザフト、オーブ&連合両軍共、動きを止めた。
ルージュの側にはフリーダムが飛んでいる。

「私は、なんとしてもオーブに帰りたいんだ!頼む。着艦をさせて欲しい!」
「あ、あれは・・・!」
「カガリ様・・・!」
オーブ兵達にまた動揺が走る。
ルージュを見止めたユウナとトダカは迷った。

「ユウナ様、やはりあれはカガリ様です!・・・ここは一旦カガリ様を収容すべきでは?」
「・・・くっ・・・そうだな、仕方がない。また連合軍が言ってくるだろうが、ここは無視しよう・・・。
 あのカガリは本物だよ。なんとかして助けなきゃ・・・。味方に、一時攻撃中止命令を出すんだ!」
「ハッ!」

「オーブ軍は何をやっているんだ!無視して攻撃しろと言え!」
連合士官が怒鳴る。

「で、ですが、命令を受け付けません!ザフト艦に対する攻撃を中止しています!」
「(やはりあいつらが現れたか・・・やっかいな事になったな・・・。)」

ネオは唇を噛むと命令を出した。
「オーブは今はほおっておくんだ!我々だけでも攻撃を続けろ!」

「なんなんだよ、てめえは!!」
スティングの乗るカオスガンダムがフリーダムに向けてビームを撃つ。

「やめてよね・・・、落とすよ?」
キラはそれを軽くかわした。

「あいつ・・・くっそおぉぉぉ!」
フリーダムの姿を見つけたシンも、フリーダムに飛び掛っていった。

「フリーダムは敵として認識するんだ!連合とオーブに対する警戒も怠るな!」
アーサーが叫んだ。

「このおっ!こいつ!」
シンは両腕に持つケルベロスからビームを放つが、キラには当たらない。
フリーダムは自分やカガリに向かうウィンダムを叩き落していた。

「くそっ、ふざけやがってぇぇぇぇ!!!!」
シンはSEEDを発動させた。

「あれは?」
キラが目を見張る。
混乱する戦場でシンのインパルスにアビスガンダムが接近してきたのは、その時だった。

「何やってんだよ、おまえらぁっ!」
水中からバラエーナ改を撃ちながら突進してくるアビス。
突如、水中から飛び出し、変形すると、両肩の連装砲とビームを撃とうとした。

「もらったぁ!!」
「っ!!!!!!!!!!」

シンはそれに瞬時に反応すると、片手でアビスに向けビームジャベリンを投げた。
「あっ・・・?」
次の瞬間、コクピット部分にジャベリンが直撃し、アビスは海中に落下した後、爆発した。

「アウル!!!!!!!」
J.P.ジョーンズ艦橋内の画面に<LOST>の文字が出るとほとんど同時に、ネオが叫んだ。

「ちきしょう!よくもアウルを!」
アビスが撃墜された所を目撃したスティングは激怒し、カオスをインパルスに向けた。
だが、間にいたフリーダムに、邪魔だと言わんばかりに、機動兵装ポッドを寸断される。

「うぉわっ!」
バランスを崩したカオスは海中に落下した。

一方、カガリの方も、ザフトと連合の張る弾幕や、
戦場の混乱で、タケミカズチにはうまく近づけないでいた。

「駄目だ・・・このままじゃ!オーブ軍!聞こえるか!オーブ軍!」
流れ弾を喰らったM1アストレイシュライクやムラサメが撃墜される。
既にカガリは涙目だった。目の前でオーブの兵が死んでいくのが耐えられなかったのである。

フリーダムはシンに向けビームサーベルを抜くと、一気に切りかかった。

「なんだか知らないけど、カガリは今泣いているんだ!」
「うぉおおお!」

シンはフリーダムのサーベルを寸前で避けた。

「えっ?」
キラは避けられると思わなかったのか、驚愕の表情を浮かべた。

「カガリさん達を援護して!」
戦場に近づいていたアークエンジェルがバリアントを発射し始めた。

直後、連合のMSやミネルバの周囲に巨大な水柱が立つ。

「うわっ!?」
「艦長!アークエンジェルです!」
「こ、こんな時に!」

カガリはそんな折、なんとか弾幕の間をぬって、タケミカズチ側のイージス艦の上に降り立つ事ができた。

「カガリ様!」
「カガリ!無事だったかい!?」
すぐにタケミカズチから通信が飛ぶ。

「トダカか?・・・ユウナもいるのか!?私は大丈夫だ!・・・今まで本当に心配を掛けてすまなかった!」

そのころ、連合では海中に落ちたカオスからスティングが救出されていた。

「大佐!我が方の被害は甚大です!艦隊は無事ですが、MSがもう・・・!」
連合はJ.P.ジョーンズと2隻のイージス艦しかないため、MSの数はそう多くない。
既に半数以上を、ザフトやフリーダムによって撃墜されていた。

「・・・これ以上はマズイか。・・・撤退だ。艦隊を反転させろ。」
「わ、分かりました。ですがオーブの方は・・・?」
「しんがりはやつらにつとめてもらう。ザフトやフリーダムの相手をしてもらうようにしよう。」
「は、はい。」

「キラ君!カガリさんは無事に降りたわ!もう戻ってもいいわよ!」
インパルスと戦闘中のフリーダムにマリューからの通信が入る。

「・・・やっとですか。分かりました。もう帰りますね。」
フリーダムはアークエンジェルの方へ向きを変えた。

「おまえっ!逃げるのか!!!ハイネ先輩の仇だ!!!」
怒り狂ったシンが言う。

「もうめんどくさいし、疲れたんだ。いい加減復讐だなんて古臭い事、やめてくんない?」
フリーダムは一気にブーストを吹かすと、飛んでいった。

「逃がすかっ!!!」
「待つんだシン!今はオーブや連合の相手が先だ!フリーダムは無視するんだ!!!」
「ち、ちきしょうぉぉぉぉ!!!」
艦長命令には逆らえず、シンは叫んだ。

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