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ウルトラマンデスティニー_第13話

Last-modified: 2007-11-17 (土) 03:54:53

人造機動獣キャオス、空間認識兵器エグザス、機械珍球ハロジロー 登場





星の屑が流れる中、落下していくアスランたち。大気圏内で最後の戦いが始まった!

音が後からついてきそうなスピードでキャオスが攻撃を繰り出す。ギリギリ、振り返って受け止めるウルトラマン。

『帰って来いスティングッ!お前も一緒に燃え尽きるぞ!』

ガラにもなく大声を出すネオ。しかしその声は激昂したスティングの耳には届かない。

『次はテメエだっ!』

ビームクロウで交互に切りつける。機動力に欠けたブラストインパルスでは避けるだけで精一杯だ。

『くっ、あの馬鹿・・・!・・・イアン艦長!こちらネオ・ロアノークだ!』

そうしている間にも高度はどんどん落ちていく。地球に向けたウルトラマンの背中が、赤く燃えていく。それはまるで・・・







─ミネルバ─



「ウルトラマンが、溶けていく!?」

アーサーが叫ぶ。続いてメイリンも驚いた声を張り上げる。

「そんな!後方30キロの地点に、ボギーワン出現!エグザスが後退していきます!」

「艦長!撃ち落しましょう!」

しかしタリアはアーサーの言を一声の元に切り捨てる。

「駄目だ!今後ろに気を配る余裕はない!我々はあくまでも目の前のユニウスセブンを破壊することだけを考えるんだ!」

「ですが!」

「あれは元々こんなところで活動できる艦ではない。レイ達にも同じことを伝えろ!」







─大気圏─



「そんな!じゃあウルトラマンは見殺しにしろって言うの?」

タリアからの指示を聞いて困惑するルナマリア。だがレイはやはり冷静だ。

「忘れたのかルナマリア。今俺たちのすべきことは目の前の破片を取り除くことだ」

「今はウルトラマンを信じるしかないってことか・・・」

「そういうことだ。ルナマリア、全エネルギーを使いきるまで撃て!」

半ば納得したハイネと対照的に不満げな顔を直さないルナマリア。彼女の心配事はウルトラマンだけではなかった。



「くっ・・・?」

揺れる頭を振って目を覚ます。コクピットの外は赤く染まっている。その先に見えるのは青。

「地球・・・そうか、俺は」

状況を理解したのか周りの計器に手を伸ばす。しかし触れるまでもなかった。どの計器も火を噴いて使い物にならない。

「くそっ!最悪な寝覚めだな・・・」

珍しく汚い言葉を吐いた。モニターには危険の文字が点滅している。どうやらエンジン部分を破損したようだ。これでは長くはもたないだろう。

不意に、ガンッ!という音ともに機体に衝撃が走る。周りを見回すと上から覗き込む巨大な銀色の眼が見えた。

「ウルトラマン・・・」

と、インパルスの視線が後ろに逸れる。キャオスの追撃だ。



『ちょこまかするんじゃねえ!』

背を向けたウルトラマンを、あらゆる飛び道具で攻撃するキャオス。バルカン、ビーム・・・狙いは不確かだがそれはシンを追い詰めるには十分なものだった。

(畜生!これじゃ反撃できない!)

アスラン機を掴んでいるからだけではない。あの怪獣の中には人が乗っている。そう思うと、どうしても手が出せないでいた。

しかしこのままではいつ撃たれるかわからない。シンの動悸は早まっていく。

(ハァ・・・ハァ・・・)

こんなことをしている暇はない。アスラン機はもたないだろうしユニウスセブンの破片もミネルバだけで消し切れるものではないかもしれない。

シンの焦りは頂点に達する。そこへキャオスの機動兵装ポッドから放たれたビームがウルトラマンの背中に直撃した。

「!」

思わずスノーホワイトを手放してしまう。背後では第二射を撃とうとスティングが照準を定めていた。

『これで!』

終わりだ、そう言おうとしたその時、振り向いたウルトラマンの右手に光る槍。

『・・・!』

「ハアッ!」

避けようとするも重力に邪魔され身動きが上手く取れないキャオス。その体を、デファイアントジャベリンが貫いた。

『うああっ!』

幸いにもスティングの乗る頭部へのダメージは避けられたものの、突き刺された勢いに乗って落下速度が増していく。

『クソックソックッソオオーーー!!』

もはやキャオスは動かない。スティングの絶叫は大気圏の中で燃え尽きた。

「・・・」

その様子を一瞬ぼうと見ていたウルトラマンだが、思い出したようにスノーホワイトを追って掴むと、ミネルバに向かって飛びだした。







─ミネルバ─



「ウルトラマン接近!スノーホワイトを抱えています!」

たった今エネルギーのなくなったイーグルを収容したばかりのミネルバに待ちわびていた報告が入る。

「やっときたか!なんとかしてスペースを作れ!スノーホワイトを回収する!」

「了解!」



「きゃっ!ちょっと、何よ!?」

ヘルメットを外して降りる準備をしていたルナマリアはイーグルが急に移動を始めたために壁にしたたか頭を打ちつけた。

「ウルトラマンが来るから場所を空けるんだと!」

ミネルバのメカニックリーダー、マッド・エイブスが怒鳴り返す。え?と外を見ればウルトラマンが猛スピードで向かってきた。

「突っ込むぞー!?」

「ハッ!」

スノーホワイト掴んだ腕を大きく振りかぶってミネルバへ全力投球する。その直後、ウルトラマンは役目は終わったとばかり掻き消えた。

「レーザーワイヤーで捕まえろ!」

それは正確にスノーホワイトを捉え、ミネルバへと導いた。滑り込むように着艦するアスラン機。



「回収成功しました!」

「やりましたね!」

喜ぶメイリンとアーサー。しかしタリアの顔は苦しい様相を保ったままだ。

「駄目だ・・・このままでは破片を全て破壊できない・・・!」

「艦長、タンホイザーは・・・」

「無理です。デュートリオンビームや今までの砲撃でエネルギーチャージには時間がかかります!」

「くっ・・・」

一転して沈むタリア達。そこへ突然通信が入った。

『ミネルバ聞こえるか?ただちにそこから離れろ』

「!?・・・これは、地球軍からのものです!」

『地球軍とは挨拶だな。折角救援に来たというのに』

苦笑したような声。そしてその声の主がモニターに現れた。

「あなたは・・・!」

『申し遅れました。こちらはブルーコスモス所属、アークエンジェル級二番艦ドミニオン艦長ナタル・バジルールです。

これよりユニウスセブンに対しファイナルメガランチャーを使用します』

「・・・アーサーさん、ハイメガランチャーって何ですか?」

「それ違うから。ファイナルメガランチャーってのは地球で開発中の最高の威力をもった兵器らしいけど・・・もう完成していたのか」

話し込む二人。その間にタリアはナタルに了解の意を送った。







─ドミニオン─



「よし!ミネルバ離脱後、ファイナルメガランチャーでユニウスセブンの破片を完全に粉砕する!お前達用意はいいな!?」

格納庫で待機しているパイロットに念を押す。しかし彼らには心配など不要なものだった。

『うっせーよ。俺はお前じゃなくてオルガだっての!』

『低脳!』

『うざい・・・』

訂正。不要と言うより、この三人─上からオルガ、クロト、シャニ─には心配するだけ無駄というものだ。

「そうか。それではよろしく頼むぞ(あいつら帰ってきたら修正してやる・・・)」

内心激怒しているものの表面上には表さない。流石に連合一冷静な士官と呼ばれたことだけはある。

『シャニ、てめえもうぜーんだよ!』

『ピコピコ・・・バチューン』

『ちっきゅうがないーてるーそっらっがおびえーてるー』

『聞けよてめえ!つーかデスメタルはどうした!?』

「この三馬鹿どもめ!もう二度とこの艦に乗せてやるもんか!(お喋りはそこまでにしてくれ。そろそろ出撃だ)」

「コスモグラスパー一斉に出撃しました!」

やはりナタルも人の子だったらしい・・・蜘蛛の子を散らすように飛び出していく三人の馬鹿。

『しょうがねえ、とっとと終わらせて帰るぞ』

『瞬殺!粉砕!』

『チッわかったよ』

スカイグラスパーを宇宙戦用に再設計した機体で燃える空を飛ぶ。ファイナルメガランチャー(FML)はそれぞれに一つずつ搭載されていた。

「タイミングを合わせろ。もししくじると被害は大きくなるぞ」

『オッケー』『了解!』『うん』

全く統制が取れてないがうんまあいつものことだと自分に言い聞かせるナタル。この調子だとストレスで禿るかもしれない。

「各員指定の位置に付きました!」

「よし、ファイナルメガランチャー、ってえー!」

管制官の声に自分を取り戻し、上司譲りの大声を張り上げる。そして同時に発射された三つのミサイルはユニウスセブンの破片を閃光で包んだ。







─ミネルバ─



「着弾を確認!ユニウスセブンは・・・木っ端微塵です!これなら地球へ届くこともありません!」

半径500mを消滅させるというファイナルメガランチャー。それは残った破片を一つ残らず粉砕することに成功した。

「やったか・・・!」

ふう、と息を吐きながら椅子に沈み込むタリア。一方メイリンはファイナルメガランチャーがビームじゃないことにガッカリしていた。

「何とか乗り切りましたね・・・しかし艦長、これからどうします?」

「ここからでは宇宙に戻るのは難しいか」

「艦長、司令部より連絡が」

繋いでくれ。というより早くデュランダル議長の優顔がモニターに映った。

『よくやってくれたねタリア、それに諸君。君達のおかげで地球は救われた・・・そちらの損傷はどうかね』

「はい、こちらの損傷は軽微ですが・・・」



「くっ、結構重いな・・・」

格納庫ではシンがアスランをスノーホワイトから引っ張り出していた。そこへ担架が飛んでくる。

言われるままに担架に寝かす。救護班は急いでしかし静かに退場していった。そこへルナマリア達が集まってくる。

「どうだった?」

「さあ。本人気絶してたけど、まあ大丈夫だろ」

「薄情ね。アンタよりよっぽど頑張ってたってのに」

「何を!?俺はなあ・・・」

一番頑張ってたんだよ!と言おうとした時、レイがブリッジへ集まれと言って来た。渋々引き下がる二人。



「オーブに行くってどういうことです!?」

ブリッジについたシンの第一声がこれだった。レイに今後の進路を聞いた途端に顔色を変えたのだ。

「落ち着けシン。このまま降下した場合、一番近いのがオーブの基地なんだ。それにあそこにはモルゲンレーテの本社がある」

「整備にはもってこいってことかよ・・・」

「それにスノーホワイトの修理はどこででも出来るわけではない。もう連絡もしてある」

ふんまんやるかたなしと言った表情のシンをレイとタリアが宥めすかす。まるで子供ねと呟くルナマリア。形勢不利と見たシンも遂に折れた。

「よし、それでは到着までの数時間、各員体を休めるように。オーブについたら祝賀会を開くぞ!」

「やったー!」「本当ですか!?」「ヒャッホーゥ!」「俺たち勝ったんだな!」「ククク・・・」

その一言で緊張の糸が切れたように大喜びするクルーたち。シンは溜息をついて自室に戻った。





─数時間後、オーブ港戦艦ドック─



ドミニオンと共に艦をオーブのドックに収容した途端、甲板上で勝利の宴会が始まった。艦にある食物を使い切るように次々と料理が出される。

「さあ食うぞー!」「すげえご馳走だなオイ!」「美味!」「うぜーよ」「ペロ・・・この味は・・・!」

元々男が多い艦だ、ここぞとばかりに馬鹿騒ぎを始めるクルーたち。そしてそれを呆れて見ている女性陣。

「全く男ってどうしてこうなの?」

「フラストレーションが溜まってるんだよお姉ちゃん」

「今回の勝利はあなたがたの援護があったおかげです。ありがとうございますナタル艦長」

手を握り合う二人の艦長。二人とも戦闘中と違ってとても解放された顔をしている。

「地球の危機に当然のことです・・・しかし参謀は遅いな、確かちょうどオーブに居るから寄るかもしれないと言っていたのに」

「いないと言えばこういう時一番目立ってそうな奴もいないわね・・・」







─岬の記念碑─



「ハァ、ハァ・・・」

もう日にちが変わる頃、海を見下ろすように立っているこの場所に息を切らして走ってくる者がいた。祭りで一番目立つ奴=シンである。

「ハッ・・・やっと着いたな、はあ」

祝賀会が始まると同時に抜け出して全速力でここまで来たのだ。何故そんなことをしたのかと聞かれると少し困る。だがここにはずっと来たかった。

今まで避けてばかりだったこの場所に今日は来れる、そんな気がした。足を止め、疲れたとばかり膝に手を置き上を向いて大きく息を吸う。

「うわあ・・・」

見上げた空は既に黒の帳を包まれていた。その空を駆ける幾筋もの光がまるで雨のように降り注ぐ。

「あれが全部俺たちの破壊した破片なのかあ・・・」

ミネルバが割ったユニウスセブンの片割れが遅れて地球に降り注いでいるのだが、どれも地平には届かず燃え消える。

「こうして見ると綺麗なもんだな・・・一つでも落ちれば酷い事になってたってのに」

「そうね。危険なものほど実は輝いて見えるのかもしれないわね」

一人感慨にふけっていたシンは思いがけない声にドキリとして後ろを振り返る。記念碑の前に一人の女性が佇んでいるのが見えた。

「あ、その・・・」

「貴方も祈りに来たのかしら」

「え、はい」

「そう。私もここに恋人の冥福を祈りに来たのよ」

「やっぱり、七年前の・・・?」

そう、ここには七年前の戦いで死んでいった人たちを弔う碑が立ててある。そして今日はそのちょうどその七年前と同じ日だった。

「・・・そろそろ寒くなってきたわね。私はもう戻るわ」

シンの質問には答えずゆっくりと歩き出す。その顔は暗くてよく見えなかった。

「貴方も早く戻らないと仲間が心配するわよ。・・・ミネルバのシン・アスカ隊員」

「え?」

最後の方はよく聞こえなかったな。そう思いながら再び空を見上げる。流星雨はもう見えなかった。



しかし、その夜空から振ってきたものはユニウスセブンだけではなかったのだ・・・





─同刻、オーブ湾岸基地─



「大変です!高熱源体が空から降下してきます!」

「何い!?どうせまたユニウスセブンの破片だろ」

「違います!さっきから全く燃え尽きる様子がない・・・このままじゃ大気圏を突破してしまいます!!」

「何だとー!?落下地点は!」

「こ、この基地ですー!」

「た、退避命令―!」







─大気圏─



「ハロハロー!」







こうして地球は平穏を取り戻す。

しかし戦士の休息はあまりにも短いものだった。





次回「ジャンクション」