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キラ2

Last-modified: 2012-01-23 (月) 21:05:10

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 「う………。」
 ザフト軍のエースパイロットの証である赤服を着る、
 現プラント評議会議長・パトリック・ザラの息子、
 アスラン・ザラが目を覚ましたのは、オーブの輸送機の中だった。
 「気が付いたか。」
 「………?」
 そう声をかけるのはオーブの姫、カガリ・ユラ・アスハ。
 「………ここは?」
 「オーブの輸送機の中だ。安心しろ。すぐにザフトのカーペンタリア基地から迎えがくる。」
 「………」
 そう聞いた後、アスランは遠い空を眺め、一言も声を発しない。
 それはまるで、死んでしまった人がその向こうにいる様な………
 その人に意識下で話しかけているような目だった。
 「………ふぅ。」
 それを見かねたカガリが声をかける。
 「キラなら無事だぞ。ブリッツのパイロットも回収した。」
 「…!ニコルが!?」
 「ああ。ただ………」
 そこでカガリは目を伏せる。
 「両足を切断した。」
 その宣告にアスランは目を見開く。
 「本当………なのか?」
 「………ああ。」

 

 無機質な機械音。周期的な呼吸。一息ごとに人口呼吸器のマスクが白く濁る。
 アスランと同じ隊に所属していたザフト赤服のニコル・アマルフィ―。
 今は機械につながれ、眠っている。
 「…………………」
 その傍らにベッドで天井を見上げるキラ。
 「……………………トール………」
 以前、ストライクが大破した戦いで、スカイグラスパーに登場していたトール・ケーニヒは戦死した。
 親友・アスランの乗るイージスに撃墜されて。
 「僕は………どうしてこんなことをしてしまったんだろう。」
 自分が敵の機体を撃破しているときは、必死なこともあり、何も感じなかった。
 自分の友達が殺されることで、こんなに喪失感があるなんて………。
 アスランがあんなに激昂したのも、今ではわかる。
 「……………………どうしたんですか?」
 突然隣から声をかけられ、キラは思わず身構える。
 「大丈夫ですよ。動けませんから。」
 「あなたは………」
 「ブリッツのパイロット…ニコル・アマルフィ―です。」 
 「………ストライクのパイロット、キラ・ヤマト少尉です。」
 お互い敬礼をしあい、ぎこちなく笑った。

 

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