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クロスデスティニー(X運命)◆UO9SM5XUx.氏 第057話

Last-modified: 2016-02-17 (水) 23:58:10

第五十七話 『どうしてそんなことを・・・・』
 
 
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ガロードは走り、MSデッキに到着する
シンがアカツキの前で、こちらを見つめていた

「ガロード?」
「すまねぇ、シン! もしもの時は後を頼むぜ! キッド!」

シンの脇を駆け抜け、ガロードは積み込んでおいたバビの前に立つ
キッドがにっと笑い、親指を立てていた

「おう、ガロード! バビはいつでも行けるぜ!」
「サンキュ! 俺が合図したら、GXの射出を頼む。じゃあ行ってくるぜ!」
「ちゃんと助けて来いよ!」
「任せろ!」

バビに乗り込み、起動させる。ザフトの量産型高機動MS。チャンスはおそらく、一度きり
コクピットにつんである、道具類をパイロットスーツにくくりつけると、ガロードはブリッジとコンタクトを取った

「トニヤ、カタパルト出してくれ!」
『OK、ちょっと待っててねー』

しかしモニタが切り替わり、アスランが姿を見せる

『やめろ! 勝手なことをするなガロード! いきなり『FAITH』やめますと言われて、はいそうですかと通るか!』
「そうだろうな。でも仕方ねぇんだよ、こればっかりは。説教なら後で聞くぜ。トニヤ!」
『はいはい。今あけるからねー。艦長、仕方ないわよ。だってガロードだもん』
『そうそう、ガロードだからな。止めても、無駄無駄』

トニヤとシンゴの声が聞こえる。アスランの舌打ちが、遠くなった
カタパルトが開き、バビはそこへ向かう

「待ってろ・・・・今行くからな! ガロード・ラン、バビ、出るぜ!」

バビのバーニアがうなりをあげる。宇宙空間へ飛び出す
浮き上がるような感触。しかし、押さえ込んだ。すでに宇宙戦は経験している
感覚は、だいたいつかんでいた

『待ちやがれ、ガロード!』

振り返ると、エアマスターが付いてきていた

「ウィッツ! ついてきちまったのか?」
『水臭ぇぜガロード! そんなMSで、あの大軍につっこむのか? 護衛はいるだろうよ!』
「悪い、頼むぜ!」

バビが加速する。エアマスターがそれに合わせて付いてくる
ザフトとオーブの交戦区域はまではもう少しだけかかりそうだった

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アウルに対する感情が、複雑なものに変わっている
時々、アウルはいなくなった。出て行く先はわかっている。ニコルの、母のところへである
ピアノを、アウルに少しだけ教えた。簡単な曲なら、弾けるようになった
それを母に聞かせているのだという

嫉妬も感じる。しかし、ニコルは母の前へ姿を見せられない
アウルが母の慰めになるなら、それでいいとも思う

いくらか人間らしくなっていく自分を、ニコルは嫌悪する
そんな中でもじりじりと、復讐の炎は胸を焦がしている
せめて、アスラン、キラ、ラクスを殺すまでは、死ねないと思った

デュランダルはヤタガラスよりも、DXを恐れていた
しかしそれ以上に、彼はラクスを恐れていた
だから虎の子のレジェンドを投入してきている。ラクスを殺せ、ということだろう
最低でも、オーブ軍の足止めはしなければなるまい

デスティニーがミラージュコロイドを解く。レジェンド、アビス、デスティニーがオーブ艦隊の真っ只中に展開する

「ククク・・・・うまくいきましたね」

ニコルはにぃっと笑った。オーブ軍は前線にMSを展開させているため、かえって艦隊の中はMSが少ない
しかも艦隊の真っ只中であるため、同士討ちを恐れたオーブ艦はうかつに主砲も放てない

『そぅら、落ちろよ!』

アビスが肩の装甲を開き、一斉射撃。オーブ艦を撃墜する。ニコルは舌打ちした

「アウル! 落とすのは、エターナルだけですよ・・・・忘れたんですか?」
『えー、別にいいじゃん。落ちて困るモンでもないだろぉ?』
「僕たちはね、ザフトじゃあない・・・・戦争をしにきたわけじゃないんですよ? 
  ちゃんと命令を聞きなさい」

デスティニーが高エネルギー長射程ビームライフルを引き抜き、アビスの胸元に突きつける

『わ・・・・わかったよ』

しぶしぶといった感じで、アビスが攻撃をやめる
デスティニーはそれを尻目に、エターナルを確認した
長射程ビームライフルの、ぎりぎりの位置にある。即座にエターナルのブリッジへ照準を合わる

「一思いに殺すのはね、優しすぎると思うんですけどね・・・・死んでくださいよ、ラクスッ!」

ドシュゥゥゥン!

高エネルギーが射出され、それがエターナルを襲う。しかし他のオーブ艦が間に入り、
身を挺してエターナルを攻撃から守った。オーブ艦が爆発する

『ヘッ、えらそーにしといて、なんだよそのザマァ?』
「黙りなさい、アウル。・・・・チッ、そこまでラクスが大事ですか
  ザフトを裏切った女狐を命がけで大事に守って・・・・オーブ軍、ご苦労なことですねぇぇッ!」

デスティニーがアロンダイトを引き抜き、翼を広げる。現時点で、最強の機動力を誇る、デスティニー
それはあっという間にエターナルに向かう

『ラクスはやらせん・・・・!』
『あーあ、またこいつかよぉ・・・・。追加料金もらわなきゃ、割りに合わないぜ』
『迷うなよ。半端な覚悟は、死神に好かれるだけだぞ、ムウ・ラ・フラガ!』

デスティニーの目前、エターナルを護るように、三機のMSが出現する
ガンダムヴァサーゴチェストブレイク、ガンダムレオパルドデストロイ、そしてフリーダム

「雑魚が・・・そろいもそろって、うっとおしいんですよぉッ! ティファッ!」
『う・・・・・』

ティファのうめき声が聞こえる。レジェンドが『起動』する。本来なら、レジェンドはキラに当てたいが、
今は無駄な時間をかけられない。レジェンドはまっすぐにこちらへやってくると、ドラグーンを三機のMSへ放つ

シュン・・・・・シュンシュンシュン・・・・!

展開されたドラグーン。次々と三機のMSを襲う。ニコルはそれを確認すると、
すぐにアロンダイトでエターナルへと切りかかった

ザッ・・・! アロンダイトがエターナルの船首に突き刺さる。にぃっとニコルは笑い、ブリッジを見据えた

「あははははは、死ねぇぇぇッ!」

デスティニーは船首から真っ二つにせんと、アロンダイトを突き刺した状態のまま、ブリッジへ向かう
エターナルの船体を引き裂いていく。悲鳴まで聞こえてきそうだ
ブリッジが見える。ここで死ぬのだ、ラクスは
ここで、殺すべき三人のうちの一人を、やっと殺せる
フリーダムを強奪し、父を自殺に追い込んだ憎むべき平和の歌姫を

…………!

「ラクス・・・・じゃ、ない?」

思わず、デスティニーは動きを止めた。ブリッジに、ラクスがいる。しかしそれは、違う
偽者だ。ラクスが身にまとう、威圧感を持っていない。そして今、ブリッジでおびえている女
それが誰だか、ニコルはすぐに理解する

ミーア・キャンベル。偽りの歌姫

『やめろぉぉ!』
「キラッ!」

ストライクフリーダムがミーティアを放棄し、こちらへ二丁のビームライフルで攻撃してくる
すぐにデスティニーはアロンダイトをエターナルから引き抜き、離れた

『君は・・・・どうして、どうしてこんなッ!』
「クッ・・・・! 邪魔ッ!」

長射程ビームライフルを再び引き抜き、放つ。ストライクフリーダムも呼応し、腹の複相ビームを撃ってくる
空中でエネルギーがぶつかり合った

バシャアアン・・・

エネルギーの、破裂音。デスティニーは再びアロンダイトを構える。まずい
オーブ軍のMSが、わずかながらこっちに戻ってきている。クラウダが一機、こっちにやってきた

「調子に乗るんじゃありませんよぉぉぉッ!」

アロンダイトが、クラウダを真っ二つにし、爆発させる。どれだけの装甲かは知らないが、
アロンダイトを受け止められるわけがない

すぐにデスティニーは方向を転換し、レジェンド、アビスと交戦するフリーダム、レオパルド、ヴァサーゴの元へ向かう
すでに敵の三機は腕を飛ばされるなどして、損傷を受けていた。ティファの能力は尋常ではない

『つ・・・・ッ! くっ・・・・・!』
「ティファ、キラに当たりなさいッ! アウルは僕に続いてッ!」
『うっ・・・・・!』

レジェンドがストライクフリーダムに向かっていく。キラに抵抗できるのは、ティファだけだろう
デスティニーはアロンダイトで、一気に三機のMSを襲う。レオパルドの、首を飛ばした

『うっ・・・・命までは料金に含まれてない・・・・ロアビィ・ロイ、撤退するぜ!』

首を失ったレオパルドが、撤退していく。エターナルに撤退していかない
どこに。視線の先。白い影。アークエンジェル

「そこか!」

確信した。アークエンジェルが旗艦なのだ。そこにラクスはいる
デスティニーで追撃せんとしたその時だった

『うっ・・・・なんだよ、コイツ・・・!』

隙を突かれ、ヴァサーゴのクローにアビスが捕まっている。ニコルは舌打ちした
翼を開く。アロンダイトを振り上げ、ヴァサーゴの腕を斬り落とす

「アウル・・・・!」
『は・・・・。あんたが、俺を、助けたぁ・・・・?』
「別にあなたのためにやったわけじゃないッ!」

また、舌打ちする。悔しくてたまらなくなる。ミイラ男になった化け物が、人間に未練があるのか
母親を慰められるのはアウルだけだと思って、アークエンジェルを追うよりもアビスを助けてしまった
こんな人間らしい感情を抱いたまま、キラに勝てると思っているのか

ストライクフリーダムを見つめる。レジェンドは互角にやりあっている。
そう思った瞬間、まったく別方向からストライクフリーダムへとビームが降り注いだ。
Sフリーダムが、ビームシールドでそれを受け止める

『じゃっじゃじゃーん! 炎のMS乗り、ガロード・ラン様がティファを助けに来たぜ!』

こっちをいらだたせるほど陽気な声で、愚か者は白馬の王子になることを宣言していた

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アスランは歯噛みした。拡大される、戦場。レジェンドとSフリーダムがやりあっている
そこへ、ガロードのバビとエアマスターバーストが乱入した

「なにをやりたいんだ、あいつらは・・・・!」

苛立ちを吐き捨てる。敵の射程外からローエングリンを放ち、
あわよくばオーブ軍を引き付けるという作戦は台無しである

『艦長、アカツキとガイアを出させてください!』

MSデッキから通信が回ってくる。シンからだった

「シン・・・・? バカを言え! おまえまで行ってどうする・・・・」
『でも、ガロードが! あのままじゃ死にますよ、あいつ!」
「クッ・・・・・」

アスランはもう一度、歯噛みした。ここでガロードを失うのは痛い
もうじき、切り札のDXが修理されるというのに、パイロットがいないでは話にならない

「艦長。ヤタガラスを、戦域まで近づけましょう」
「イアン。戦闘に介入しろ、というのか?」

副艦長席にあるイアンは、ゆっくりと首を振る

「いえ、近づけるだけです。それだけで十分でしょう
  私は敵であったから、わかります。ヤタガラスとは恐ろしいものなのです
  そこにいるだけで怖いのですよ」
「ザフトとも、オーブとも、戦うのは馬鹿げてるが・・・・」

腕を組む。頭が痛い話だった。本格的に参戦するのは正直、避けたい
ザフトもオーブも味方と言えば味方なのだ。それに戦力の損耗も嫌だった

『艦長! 出させてください、せめて俺だけでも!』
「シン、少し黙っていろ!」
『でも艦長! 忘れたんですか! あいつがいなきゃ・・・・ユニウスセブンは落ちてたんですよ!』
「・・・・・・・・・」
『あいつ他人なんですよ! この世界にぜんぜん関係のない・・・・なのに、あんな必死になって、
  たくさんの人が死ぬのを食い止めてくれたんです。そいつが今、なにより大切なものを取り返しに行って・・・
  女の子を助けに行くなんて、戦争してるヤツからしたら馬鹿げてるかもしれませんけど・・・・
  俺たちはそれを黙って見ていていいんですか!?』
「・・・・・・・・」
『俺たちはあいつにでかい借りがあるんです! なのに、借りを借りのまま置いとくなんて・・・・俺は嫌です!』
「シン」

ふぅっと、アスランは息を吐いた。それから少し、諦めたように席へと座る

『艦長?』
「そういえば、俺もガロードに救われたことがあったよ。ユニウスセブンの時にな
  来るなって言ったのを無視して、ブリッツに追い詰められた俺を助けに来た
  別に親しくもなんともなかったんだがな」
『艦長・・・・・』
「シンゴ、ヤタガラスを戦域まで前進させろ! MS隊発進準備!
  シン、そこまで言うからには、ガロードもアカツキも無傷で連れて帰って来い!
  それでさっきまでの生意気な発言は許してやる」
『あ、ありがとうございます!』

シンが笑って、頭を下げる
ヤタガラスが最大戦速で起動し、戦域まで近づいていく
どうやって無傷でここから帰るか。アスランはそこに思考を切り替えた

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『こいつは俺が引き受けたッ!』

エアマスターが次々とストライクフリーダムへ攻撃をかける
おかげでSフリーダムはレジェンドとの戦闘をやめ、エアマスターに照準を切り替えたようだ

「ウィッツ、大丈夫かよ、キラはつえぇぞ!」
『エアマスターが逃げに専念すりゃ、どうってことはねぇ! それよりさっさと行きやがれ、ガロード!』
「おう!」

エアマスターがエサになり、Sフリーダムを引き離す。すぐにバビはレジェンドの前へ向かった
レジェンド。その顔を見ると、恐怖が先立つ。黒海で死に掛けた記憶がよみがえる

『が・・・・ガロード・・・・・』
「すまねぇ、ティファ! 遅くなった・・・・。助けに来たぜ!」
『だ、ダメ・・・・に、逃げて・・・・・』
「いくらティファの頼みでも、そいつは聞けねぇな!」
『あ・・・・うっ・・・・!』

レジェンドがドラグーンを飛ばす。ガロードの背を、嫌な汗が伝う。これの一斉射撃でやられたのだ

「けどよ、同じ手は通用しねぇ!」

無理矢理ガロードは、笑ってやった

緻密な動きをする、ドラグーンをどうやって避けるか。答えはシンプルなものだった
ドラグーンを射出した瞬間に、逃げ出せばいいのだ
そしてドラグーンの機動を上回る加速を得られるのは、ザクでもグフでもなく、バビしかなかった

レジェンドから背を向ける。一気に離脱する。ドラグーンが少しだけ追ってビームを出したが、バビはそれを振り切る

「さぁて、もういっちょ!」

瞬間、さらにバビが方向を転換し、最大速度のまま今度はレジェンドに向かった
またドラグーンが追ってきてビームを放つ。それを振り切る。しかし、バビの足をビームがかすった
それだけでガロードの体がびくっと、震える

(落ち着け・・・・落ち着けよ、ガロード・ラン)

ドラグーンには、弱点がある。その弱点を突き、一度だけ、勝負をかける

三度、四度とドラグーンを振り切ることを繰り返す。あと一度。計算ではそれで十分なはずだ

再びレジェンドの方へ、バビは向かう。また、ドラグーンが追ってくる
レジェンドはバビごときを落とせないことにいらだっているかのように、執拗な動きを見せる

「へっ、そんなに落としたけりゃくれてやらぁ!」

賭けである。計算が間違っていれば、自分は死ぬ。しかしガロードはそれをやることを、あっさりと決められた
バビとレジェンドの位置を確認すると、ベイルアウトを行った
ガロードの体はコクピットから飛び出し、バビがドラグーンの餌食になる

(かかった・・・・!)

ガロードはにやりと笑った。ドラグーンはある程度戦うと、充電が必要になる
バビは不十分な攻撃しかなされていないのに、ドラグーンは引き上げて、レジェンドに戻っていく
この間が、勝負だ

すぐにワイヤーガンを構えると、レジェンドのコクピットめがけて射出した
見事に命中。すぐにワイヤーを巻き、コクピットに取り付く

VPS装甲。その対策のために用意された、人間用のビームナイフをガロードは構え、
レジェンドのコクピットに振り下ろした

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ザシュゥ・・・・ザンザンッ!

Sフリーダムが、瞬時にエアマスターの両手両足を斬り落とす
てこずったが、逃げるばかりの相手にいつまでも関わっているわけにはいかない
キラはエアマスターの戦闘不能を確認すると、レジェンドを見た

あれは危険だ。どうにかしなければならない。キラがそう思った瞬間、信じられない光景が飛び込んできた

「え・・・・? 生身で・・・・レジェンドと戦っている・・・? どうしてそんなことを・・・・」

バビから脱出したパイロットは、レジェンドに取り付くと、コクピット部分をナイフでこじあけようとしていた
キラには信じられなかった。MSに生身で立ち向かうとは、どういう神経をしているのか
ドラグーンの精密射撃を受けて蒸発するのがオチだと思ったが、どういうわけかドラグーンは動いていない

レジェンドが取り付かれたのを嫌がるように、闇雲にビームライフルを振り回し、乱射している
しかしそんなことで、『あれ』はひるむことはなく、黙々とナイフでの攻撃を続けていた

(あ・・・・・)

不覚にもキラは、なぜかその光景を美しいと感じた
愚直に、ただ黙々と、ナイフでコクピットを切り開かんとするその姿
MSに生身で立ち向かう、無謀としか思えないその行動は、なぜかキラの心を打った

ドォン!

しかし夢はそこで覚めた。闇雲に乱射されるレジェンドのビームが、エターナルに当たったのだ
このままでは、エターナルが落とされてしまう。『あれ』の目的はともかく、レジェンドをどうにかするのが先だった

「止めないと・・・・!」

ビームライフルを引き抜いて、レジェンドの足を狙う。発射。レジェンドの右足が吹き飛んだ
『あれ』は吹き飛ばされそうになったが、どうにかレジェンドにしがみつき、耐えている

『邪魔するんじゃねぇ、このボケナス! あいつがなにをやっているのか、わかんねぇのかよ!』

戦闘能力を失ったエアマスターから、悪態がつかれる

「でも・・・・エターナルを落とさせるわけにはいかない。いかないんだ・・・・・!
  だから、僕は、君を討つッ!」

ぱぁぁぁん

キラの頭で『種』がはじける。迅速にレジェンドを戦闘不能にしなければならない
Sフリーダムはドラグーンを放ち、一気にレジェンドへとそれを向かわせる・・・・!

(ごめん・・・・!)

キラは胸の中で、『あれ』に謝った。巻き添えになって、死ぬかもしれない
しかしレジェンドは止めなければならなかった

『護れ、マガタマ』

きぃん・・・・

不意に、おかしな音が鳴った。見ると、キラが放ったドラグーンの攻撃を、なにかがはばんでいる
いや、はばんでいるだけではない。レジェンドの周囲に、防御フィールドが張られている・・・・!?

『キラ、あいつの邪魔はするな・・・!』
「アカツキ・・・!?」

姿を見せる、金色のMS。背には黄金色の翼を背負い、こちらに向かってくる

『あいつが誰だと思ってるんだ。おまえが地球でのうのうと暮らせたのは、誰のおかげだと思ってるんだ・・・』
「シン・アスカ・・・・・」
『よくも好き勝手やってくれたな! ユウナさんの想いを踏みにじって、トダカ一佐も殺して・・・・!
  力があるからって、自分の正義のためにおまえは・・・!』
「やめてくれ! 君にもわかっているはずだ、議長を僕たちは止めなくちゃいけない!」
『ああ、わかってるよ。この世界でなにが起こっているのか・・・あんたよりはるかにな!
  だからこそ、あんたは許せないんだよッ!』

アカツキが、ビームサーベルを引き抜く。おかしい。ただのビームサーベルのはずだが、
サーベル部分のビーム活動が、活発なような気がする

「どうしてデュランダル議長の味方をするんだ! 世界をおかしくしたいのか、君は!」
『そうやって、また・・・・自分勝手な理屈と正義で、人の想いを踏みにじるのかよ、あんたは! 
  どうして人の痛みがわからない・・・・人の想いがわからない・・・・!
  だから俺は、あんたには負けられない! シン・アスカ、テンメイアカツキガンダム、行きますッ!』

アカツキがビームサーベルを構え、一気にこちらへやってくる
すぐにキラはビームシールドを展開し、それを受け止め・・・・

ガシャァン!

「え・・・・?」

Sフリーダムのビームシールドは、アカツキによって腕ごと斬り落とされた
信じられない光景だった。ビームシールドが、ビームサーベルに斬りおとされることなどありえないはず・・・・

『よそ見するなぁぁぁ』
「クッ!」

Sフリーダムを斬りおとそうとしたアカツキのビームサーベルを、キラはあわてて避けた
すぐに態勢を立て直そうとするが、右腕が失われている

(強い・・・・!)

キラは始めて、シン・アスカを、強いと感じた