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ルナマリア◆yb4dHGjFao 14

Last-modified: 2017-02-22 (水) 03:15:20

こんなブルーノさんは嫌だ
 
 
その1

「ブルーノさん、盟主になって下さい!」
「そうだな、君が一晩相手をしてくれたら考えてもいい。」
「はい!?」
「今『はい』と言ったな?同意と見なそう。」
「ちょ、何を言って…」
「いざ逝かん!背徳と官能の新世界へ!」
「ステラーーーアッ!」

そっち系の人である
 
その2

「盟主には危険が伴う。私の身の安全は誰が保証してくれると言うのかね?」
「そ、それは…」
「大体…「ブルーノ・アズラエル、覚悟!」…む?」
「拳銃!ブルーノさん、伏せ…」
「ぬるいわ!」「ぐはっ!」
(ス、ステーキナイフで銃弾を斬った!?つーかフォークを投げた手が見えなかったぞ!?)
「老い先短いか弱い老人を無用な危険に晒そうとするとは(説教1時間分略)」

超強い、ありえない位強い
 
その3
 
「なぜです!なぜそこまで!」
「ならば言わせてもらおう、君の部隊が気に入らないのだ。」
「えっ?」
「絶滅の危機に瀕している宇宙クジラを捕獲し、あまつさえ丼にして食らうような連中に協力などできるか!」
「いや、それは一部の人間が…」
「連帯責任だ!たとえ人類が滅びようとも、クジラは守らねばならんのだ!」

行き過ぎた環境保護思想
 
 
赤い彗星
 
『車椅子を新調してもらいたい。』
 突然呼び出された上にワケのわからない注文が入った。
「ええっと…何か問題でも?」
『私もミネルバに同乗する以上、撃沈の可能性も考慮に入れなければならない。』
「はぁ。」
『脱出艇に移乗するのに時間を掛け過ぎる訳にはいかないだろう?』
「なるほど。スピードが必要だと。」
『宇宙空間でも行動できるといいね。』
「スラスターを着けろと?」
『こんな改造は君にしか頼めないのだよ。』
 ここまで言われて断る人間が居るだろうか?

「設計図は出来た。後は開発部に任せてもいいかな?」
 最高時速30kmに小回りも効き、議長の体でも楽々操作できる。正に最高の車椅子だ。
「じゃあ開発部に『チ〜フ〜!』なんだなんだ!?」
『格納庫で喧嘩です!なんとかして下さい〜!』
 肩書きは上司とは言え子供に泣きつくのはいかがなものか?
「わかった。今すぐ行くから待ってろ。」
 溜息を吐きながら格納庫へ向かうキッド。机の上には設計図が置きっぱなしになっていた……

歴史にもしもと言う言葉は無い。
だが、設計図の完成が少し早かっ「たら」、喧嘩が起きなけ「れば」、悲劇は防げたのかもしれない。

「ま〜ったく、毎日毎日トイレ掃除なんかさせて、パイロットをなんだと思ってるのかしら!」
 災厄がアホ毛を振り振りやって来た。
「あれ、留守?…何これ、設計図?もしや私専用のサポートメカ!?…でもこれじゃ使えないわね。」
 災厄は悩んでいるようだ。
「よし、特別に私が手直ししてあげるわ!私だって赤なんだから!」
 
30分後、喧嘩を仲裁したキッドは、設計図を確認する事無く開発部に手渡した。

「ギル、開発部から荷物が届いているわよ?」
『ほう?随分早い…ね?』
 私の目に映ったのは、ピンクに近い赤で塗装された、車椅子に見えなくも無い凶悪な物体だった。
(背面に着いている棘付きのシールドはなんだろう?『レッドコメット06』…機体名か?)
「あら、かっこいいじゃない。」
 タリアのセンスは正直どうかと思うが…この懐かしさはなんだろうか?
「とりあえず乗ってみたら?」
…座り心地は凄くいい。思考を外部のディスプレイに表示してくれるのも便利だ。
「そろそろ走ってみましょうか?」
 タリアの言葉に頷き、レバーを軽く(私としては強めに)握った瞬間、タリアが視界から消えた。
「ギ、ギル、スピード出しすぎよ!」
 どうやら私の方が動いていたようだ…などと落ち着いている場合ではない!目の前には壁が!
「ギル!何処へ行くの!?」
 壁を回避すると通路に出てしまった。とにかくブレーキを…ん?ブレーキはどうすればいいのだ?

『悪趣味なピンクの車椅子が暴走しています。クルーの皆さんは通路に出ないで下さい。』
 ピンクではない、赤だ!…ん?「緊急時以外押しちゃダメよ?」これが非常ブレーキか?押してみよう。
『非常用防御体制ニ移行シマス』
 アナウンスとともに背部のシールドが前面に移動、更に凶悪な形に変型した。当然スピードは落ちていない。
「イザーク!避けろ!」
「何!?ぐはっ!」
「た、隊長が〜!はうっ!」
 すまん、通りすがりのジュール隊…生きて帰れたら給料を上げてあげるかもしれない。
「あれ止めたら英雄よ?二度と餌なんて呼ばれないわよ?」
「そうか!俺に任せぐおっ!」
 ああ、餌君まで…金塊を供えるから迷わず成仏してくれ。
「議長の暴走を止める、それがフェイスの使命ってね!」
 おお、ハイネ、君ならやってくれると思っていたよ!
「さあ、どんとこい!」
 …ハイネ、言葉とは裏腹に足はどんどん逃げてるぞ?…ん?パンクか!?
「すみません、やっぱり来ないで…って言ってももう遅いか。」
 死出の旅、二人で逝けば、怖くない。すまないね、ハイネ…

それから何が起こったのか覚えていない。気が付いた時には議長室でいつも通り座っていたのだ。
誰に聞いてもその前後の記憶が無いと言う。唯一気になるのは全員が側頭部の痛みを訴えていた事位か。
車椅子は見つかっていないが、設計図を書き換えた犯人にはトイレ掃除1年を追加しておいた。

ただ、あの瞬間、『ハイネを傷付けるものは排除します』と言う声を聞いた気がするのだが……