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Ξ-seed◆881氏第01話

Last-modified: 2007-11-29 (木) 21:58:17

「まったく、そういうことかよ」

スペースシップ・ハウンゼンに乗り込んだケネス・スレッグ大佐は、
周囲に聞こえないように舌打ちをすると、自分の席へと流れていった。
マフティーと名乗る反連合連合組織の活動が、地球で過激になり、
最終調整中であった最新鋭MS・ペーネロペーをテストパイロットである、
レーン・エイム中尉と共に急遽地球へと送り込むことになったのは、
ユニウスセブンの地球への落下後、それがコーディネイターの仕業だと発表された直後のことである。
そしてその数日後には、ケネス自身にもマフティー討伐の指揮を取れと、地球へ降りるよう命令が下った。
ユニウスセブン落下直後こそ、大人しくしていたマフティーだったが、
連合がプラントに核攻撃を仕掛けたと報道されてからは、ますますその活動を活発にしていたのである。
通常ならばこういったお役所仕事的な手続きには、上層部で命令が降りてから、現場に届くまではそれなりの時間が掛かるものである。
しかし、今回は異様なほどにタイミングが良過ぎた。
だが、それも、ブルーコスモス発の命令だとしたら納得できるものである。
軍を含む各連合上層部はブルーコスモスと名乗る集団に牛耳られていることは閣僚の一人であるケネスも知っていた。
そして、この先、更に上を狙うとするならば彼らにうまく取り入らなければならないということも。
このハウンゼンの乗客の大半は連合政府の高級閣僚であり、そして、ブルーコスモスの中枢を担う人物達でもあった。

「マフティーが主に狙っているのは、ブルーコスモスと深い繋がりのある閣僚だという噂はあながち嘘でもないかな」

そういうことは、自分達お抱えのファントム・ペインにでもやらせればいいと思わなくもないが、
だが、これはケネスにとって大きなチャンスでもあった。
ファントム・ペインの主力部隊は、オーブに降りたといわれている、ザフトの新鋭艦の迎撃準備のため動かすことが出来ないという。
ここで手柄を立てれば、ブルーコスモスに対してへつらうことなく、アピールすることができるというものである。
自分達が狙われているというのに、閣僚の老人達は前の方に座っているブロンドの髪の少女に夢中になっていた。

「……フン。いい気なもんだ」

再び舌打ちをし、だが、そんなに美人ならば、閣僚達がいなくなった後にでも声を掛けてみよう。
そう思ったときだった。

「失礼します」

二十歳ぐらいの青年が一つ空いた隣の席に座った。

どうせ、どこかの閣僚のぼんぼんだろう。
ケネスは、座るなりパソコンを立ち上げた青年をそう値踏みした。
その青年がハサウェイ・ノアであり、自分が討伐する組織のリーダーであるマフティー・エリン本人であることは、
今のケネスには知る由もなかった。

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