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Ξ-seed◆ySo7cLysD.氏第01話

Last-modified: 2007-11-29 (木) 21:54:37

第一話 エンカウンター

 ハサウェイが気づいたのは、痛みが作り出す疼痛に全身が包まれていたからだ。
まだ身体がいうことを聞くと言う感覚は無かった。
しかし精神は覚醒していた。否、彼は人類の革新としての道のりを踏み出していた。
視覚に移るのは穏やかな光。そして穏やかな笑みで笑っている一人の少女…クェス・パラヤだ。
 その横にはアムロ・レイとシャア・アズナブルが並んでいる。そして…ポツンと離れた所にいる、ひねた表情のギュネイ・ガス。(もっともハサウェイは彼の事を知らないが)かつての様に険悪な感じは無く、穏やかな感じを受ける。
「僕もそっちに行っても良いのかい?」
ハサウェイは返事を待たずに光の中方へと一歩踏み出した……。

「彼はまだ目が覚めないのですか?」
「はい。ご覧の通り全身の火傷は酷いのですが、生死に関わる物でもございませんので直ぐに目覚めるかと。」
「彼が此処に来てから四日。そろそろ起きて貰わないと、私としても困るのですがね…」
なんとなく嫌なプレッシャーを感じてハサウェイは現実へと引き戻される。
 言葉が聞こえる。彼等が話しているのは自分の事だろうか?
 ハサウェイは薄目を開け、回りの風景を見る。全体的に白い風景、そして一組の男女。 女性は看護婦の様であり、男性は金髪で仕立ての良さそうなスーツを身に纏っている。 先程感じたプレッシャーは彼から感じたのだな、と思うとハサウェイは再び目を瞑った。
マフティー・ナビーユ・エリンことハサウェイ・ノアとムルタ・アズラエルの数奇な出会いは此処から始まった。

「…目が覚めましたか?」
ムルタ・アズラエルはハサウェイが瞳を開いたのを目ざとく見ていたのか、ハサウェイが横たわっているベッドに歩み寄る。
「……ハン」
ハサウェイが声を出そうとすると嘲笑う様な笑いに似た声が出る。その声を聞きムルタ・アズラエルは眉を潜め、暗い光を帯た瞳でハサウェイを一瞥する。
「もう一度聞きましょう。目は覚めましたか?」
「ああ…。水は飲めるかな?」
ハサウェイは顔の皮膚が引きつるのを感じながら言葉を紡いぎ、声のする方へと首を捻る。
「水…ですか?」
ムルタ・アズラエルは肩を落としつつ看護婦に声をかけ、水の入った吸い飲みを手に取り、ハサウェイの口に吸い口を含ませ水をゆったりとした動作で流し込む。
「……ああ…すてきだ……」
カルキ臭のきつい水ではあったが、今のハサウェイにはとても甘く感じた。
「満足して頂けた様ですね。…そろそろ私の質問に答えて頂きたいのですが…。貴方の名前と所属は?」
 ムルタ・アズラエルは出来る限りの優しい口調で質問する。無論、ハサウェイに警戒心を抱かせない為だ。
「僕は…マフティー・ナビーユ・エリン。所属はマフティー…」
ハサウェイは口を開くのがおっくうであったが、確りとした口調で言葉を発する。
(…尋問か。僕は失敗したんだな。僕がやった事を考えると尋問なんてナンセンスだけど…僕には答える義務があるんだろうな)
 ハサウェイの言葉を聞いたムルタ・アズラエルは大仰に芝居めかした溜め息を付く。
「マフティー?私は冗談を聞く心算はありません。貴方の名がマフティーと言うのは理解しましたが、貴方の正確な所属を聞きたいのです。」
ハサウェイは瞳を閉じた。その瞳にはうっすらと涙が浮かぶ。
(マフティーを知らない?僕達がやってきた事は無意味だったのか?)
ハサウェイは無力感と脱力感に包まれ、深い眠りに落ちて行った……

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