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一年戦争の名機の名を持ったザフトMS

Last-modified: 2013-12-23 (月) 20:35:49

光が押し寄せる。コクピットに溢れる光…ビームの粒子が視界を埋め尽くすのを感じ
そこで意識は途切れた。

「どうだね?例の機体は」
「やはり我々の知り得ぬ驚くべき技術が使われています。
残念なことに主動力は完全に停止しており、特殊な粒子と力場を使用した核融合炉の
再現は現状では不可能です」
「時間をかければ可能という解釈でよいのかね?」
「努力いたします」
厳重に警備された施設の中を、二人の男が歩いている。
やがて幾重にもロックされた耐核シェルターの中に横たわる巨人…MSの姿が顕わになる。
この機体はある日突然、彼らザフトの勢力下にある地球上の島嶼部に「出現」したのだ。
これがザフトの物でなく、いや、それどころか現存する地球連合、オーブ、いずれの
テクノロジーの産物でも無いことはすぐに知れた。
調査にあたった隊員すべてに厳重な箝口令がしかれ、機体は最重要の機密扱いでプラント
本国へ運ばれて調査されることになった。
当然のことながら未知のOS、そしてデータの保存形式に手を焼いたものの、ザフトが誇る
優秀な技術者たちは未知の技術への期待に狂喜し、不眠不休で解析を進め、とうとう
いくつかの重要なデータや機体運用の形態などを明らかにすることに成功したのである。

「ふむ。彼らの様子は?」
「はい。落ち着きを取り戻しつつあり、今では機体の運用や戦術についても非常に
興味深い情報をもたらしてくれています。
信じがたいことですが、やはり異世界からの客人という説を採らざるを得ないようです」

奇跡とも呼べる僥倖。
機体のコクピットと思しき場所にはパイロットが生存しており、(救助されてしばらくは
激しい精神的混乱が見受けられたが)貴重な情報源となっていると共に、今後の扱いに
ついて、プラント内のごく限られた上層部でさまざまな意見が渦巻いていた。

彼らの保護された部屋は、生活上なんの不自由もなかったが、まったく覚えのない場所
そしてまったく理解しがたい世界に、彼らの精神は消耗していた。
部屋の中、憔悴しつつも強い眼光を秘めた女性が、自分の胸に顔を埋め、子どものように
泣く男性の頭を、まるで赤子のように撫でている。

「…ぅ…隊長…自分は…会いたい…もう一度息子に会いたいっ…!…」

耐核シェルターに横たわる、タイプ違いの2機のザク。
その手は二度と届かぬ宇宙を掴むかのように虚空にさしのべられ、それはまるで墓標の
ように静かに佇むのみであった…

追記。
…彼らの機体からのデータは、ザフトセカンドステージ以降の量産機に多大な影響を
与えた。
汎用性、生産性に優れた主力機・ザク。
近接戦闘能力を重視したグフ。
重装甲と重武装、それによる機動力低下をホバー浮遊による推進で解決した重MS・ドム。
彼らの世界で宇宙を、地表を駆け抜けた名機の数々は、技術者たちからの敬意を表して、
機体コンセプトと名称に当てられることとなったのだという。

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