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機動戦士ガンダムSEED  閃光のハサウェイ 第03話

Last-modified: 2007-11-29 (木) 21:03:24

プラント本土、アプリリウス市 5区のオフィス街にある大きな公園。
ここは男女の密会の場所には最適だ。今は夕刻……遠くを見れば会社帰りのカップルが公園を歩いている。

公園の一番奥には眼鏡に背広姿でベンチに座り新聞を広げ読んでいる自分がいる。
三文ゴシック紙だがプラントの一般市民にはそれなりに人気があるようだ。

記事の内容はグリマルディ戦線についてだ。
ザフト軍の戦果がまるで寸劇のように華々しく書かれている。被害は軽微と……戦果は最大と。

(……プロバガンダがここまで派手とはな……前線は……思わしくないのだろうな)

その時、

「ギル!」

年の頃は12〜13歳くらいばかり金髪の綺麗な少年が走りながら嬉しそうに自分に呼びかけてくる。
その後ろには、やはり金髪で白いコートに身を包みその端整な顔の半分を黒いサングラスで隠している男が歩いてくる。

「お連れしました」

「お迎えご苦労さま、レイ」

「いえ」

私に褒められ喜んでる金髪の少年を労い、私は彼の後ろから近づく男にも声をかける。

「すまない。忙しいところ呼び出してしまって」

「ギルバート……私はもうじき出撃を控えた身なのだ。更に艦長でもある為に、部隊の編成や補給の整備の指揮などで過労死しそうだよ。
 で……忙しい私をわざわざ呼び出した理由を聞こうか?」

金髪の少年は俯く

「……ごめんなさい」

「ん?無論、レイは悪くはない。悪いのはギルバートだ」

「……そう叱らないでくれないか?他の人間になるべく知られたくないんだよ。君と直に会って話がしたかった」

「フン! で、今度は何だ?」 

「……さてレイ、すまないがこの辺りに人が来るかどうか見張っていてくれないかな? 誰かが側に来たらすぐに知らせて欲しい」

「わかりましたギル!」

レイと呼ばれた少年は歯切れよく返事をし傍らの白いコートの男にも会釈をしてその場を去る。
そして私は恐らく徹夜明けらしい友人に説明し始める。

「まずはこれを見てくれないか? 君が興味を持つ事は確かだよ」

「ンっ……? 何だこれは……MSなの……か?! 形状からいってジンの系統ではないみたいだが……私が知らないMSがあったとはな……
 どこで開発したものなのだ……まさか君が開発したわけではあるまいな?」

男は最初つまらなそうに私が差し出した写真を見るが次の瞬間、急激に興味を示した。

「これは運命が私に与えたもうたものだ。悪しき世界を正す為に天から遣わされた異形の巨人さ」

この時期のMSは全てプラントで開発し、ザフトが運用しているジンが実戦で戦果を上げつつある。N・ジャマーによってMSの有効性が更に格段に示された。
運用しているのはザフト軍の兵士でありパイロットだ。そしてMS乗りなら例外なく誰でも新機体に興味が出るであろう。

「……君に舞台俳優の素質があるのが良く分かった……で、話を進めてくれたまえ……」

そう怒るな、夢のような話だが笑わないでくれよ……真実なのだからと

私はメンデルに向かう途中で出会った異形の巨人について語り始めた。
頓挫した全長30mクラスの未知の技術のMS。
とてつもない高エネルギーで焼かれたらしいが、装甲自体が驚嘆するほど頑強で破損が少ない。
内部の構造のダメージも軽微。パイロットも重傷だが無事だったこと

専門外の私には理解できない部分が多々有ったがどうやら未知の粒子を利用し核エネルギーを動力にして動くハイスペックMSらしいということ。
全く新しい科学技術のMS。

「恐らく最低ジンの数十倍からのパワーゲージがあると思う。宇宙戦艦がそのままMSとしてコンパクトになった感じだろうね」

「何だと?」

「しかも……その装甲の堅牢さはジンなどと比べものにならない。ジンの重突撃銃や重斬刀でもかすり傷すらつかないだろう。
 もっと言えばレールガンやローレシア級戦艦の2連装ビーム砲の直撃にも耐えられるではないだろうか……?」

彼は驚く。当然だろうな戦艦クラスのパワーゲージに要塞並みの防御力を持つMSだ。

「だが残念ながら、正確な運用方法がわからない。解明できない未知の部分が多すぎるのだ……」

「そのMSのパイロットは?」

「つい、数時間前に面会に行ったよ。重傷だが生命の危険は無い。だが長い間話せるような状態でもない」

詳しい話はできなかったと答える。

「未知のMSとそのパイロットか……興味があるが……どうするつもりなのだギルバート?」

MSの写真をライターの火で焼きながら私は答える。

「その事を君と相談したかった。で、君にも『Ξガンダム』を見てもらいたいのだ……」

「『Ξガンダム』?」

「あのMSの名称らしい……彼が真っ先に聞いたのは『ガンダム』はどうなったのかと? ね」

「ほぅ? ……『ガンダム』というのか」

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