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新機動戦記ガンダム A's Destiny_第01話

Last-modified: 2007-11-15 (木) 00:00:31
 

(ここは……デスティニーのコックピット……?)
 シン・アスカは自分の愛機の中で目を覚ます。
(何で……俺……宇宙にいたはずなのに……)
 シンは宇宙でアスランに撃墜されたはずだった。それなのにそこは地球の海上…。

 

(どうなってるんだ……それにデスティニー……撃墜されたはずじゃ……)
 撃墜されたはずのデスティニーは何故か完全に整備された後のように、
最高のコンディションを保っていた。 次第に自分の身に何があったかを思い出すシン。
「そうだ、ミネルバは!?みんなはどうなったんだ……!?」
 シンは慌てて友軍に通信を入れようとする。だが−
「こちらシン・アスカ、誰か応答してくれ!」
 どのチャンネルで呼びかけても誰も応答しない。

 

(くそっ……何でこんなことに……どうすりゃいいんだよ……)
 苛立ちながらも今後のことを考えていた、その時だった
「……!?」

 

 突然の砲撃。シンは何事かと砲撃のあった方向を向いた。
(何だアレ……?MS?……にしては動きがおかしい……)
 そこにいたのは傀儡兵の集団だった。
 傀儡兵はシンに攻撃を仕掛けようとしている。
「くそ……何なんだアンタ達はァーーーーーーッッ!!」
 仕掛けてくるなら倒す。それだけだった。
 デスティニーは肩部の「フラッシュエッジブーメラン」を傀儡兵に飛ばす。
 フラッシュエッジが命中した傀儡兵は腰から真っ二つに割れ、爆発する。
 だが傀儡兵は怯むこと無くデスティニーに向かって攻撃をしかけてくる。

 
 

「……ここは?」
 ヒイロは目を覚ました。
(俺はデュオと共にシャトルでコロニーに潜入しようとしていたはずだ…)
 ヒイロが今いる場所は地球の海上。
 それも太陽へ向けて飛ばしたはずのウイングゼロのコックピットだ。

 

「まだ俺に戦えというのか……ゼロ」
 ヒイロはウイングガンダムゼロに搭載されたゼロシステムに語りかける。
 −もちろん返事は返ってこないが

 

 ヒイロは状況を把握するため周囲を見回すが、デュオの姿はおろかデスサイズさえも見当たらない。
 だがその時だった。
「くっ……!」
 ヒイロの脳に青いMSとMDのような集団が戦闘を繰り広げるビジョンが伝えられる。
「奴らと戦えというのか……?」

 

 ヒイロはレーダーに目を送る。すると1キロ程離れた場所でMSの反応を観測する。

 

「……行くぞ……ゼロ」

 
 

「こんな奴らにっ!!」
 シンは苛立ちながらも次々と傀儡兵を撃墜してゆく。
 遠距離の敵は左背部の「高エネルギー長射程ビーム砲」で、
近距離の敵には「アロンダイト」で戦うデスティニー。
 だが撃墜しても撃墜しても際限無く湧いて出る傀儡兵。
「こいつら……これじゃ……キリがない……!!」
 撃墜しても湧き続ける傀儡兵に焦るシン。
 このままではいずれデスティニーのエネルギーが切れてなぶり殺しにされるのがオチだ。
(くそ……そんなことになってたまるか……!)
 シンは邪念を振り払いアロンダイトで敵を斬り続ける。
 だがその時だった。
 シンの目の前に一機のMSが現れたのは。
(白い翼の……MS……?)
 あの白いMSに敵対する意思が無いのなら今は傀儡兵を倒すのが先だ。
 そう判断したシンはウイングガンダムに構わず傀儡兵を撃墜していく。

 

 だがその時。

 

「戦闘レベル……効果最大確認……全て破壊する……」

 

 ウイングガンダムは大出力のビーム兵装「ツインバスターライフル」を取り出し、左右へ構える。

 

刹那−。

#br 
ウイングはバスターライフルを発射しながら回転を始め、次々と傀儡兵を撃墜してゆく。

 

「おわっ……!何なんだあいつは……!?」
 シンは急いで回避行動に移る。
 ウイングが放つ閃光に当てられた傀儡兵は次々と破壊されていく。
 一方シンはかろうじてローリングバスターライフルから逃れた傀儡兵を撃墜し、
ついに残った傀儡兵達は撤退していくのだった。

 

 なんとか傀儡兵を退けたシンは傀儡兵を消し去ったウイングのパイロットに交信を図る。

 

「俺はザフト軍所属のシン・アスカだ。アンタは?」

 

(ザフト軍だと……?)
 ヒイロは聞き覚えの無い組織名に一瞬混乱する。
「おい、アンタ、聞こえてんのか?」
「……俺は……プリベンター所属の、『デュオ・マックスウェル』だ」
 こんな得体の知れない所で初対面のMS乗りに本名を名乗るのはエージェントとして得策では無い。
 −まぁヒイロ・ユイという名前自体コードネームのような物だが。
 そう思いヒイロはさっきまで一緒にいた仲間の名前を名乗る。

 

「プリベンター?連合軍の組織か?」
 プリベンターなんて組織少なくともザフトでは聞いたことの無いシンはデュオ(ヒイロ)に問い掛ける。

 

「その質問に答えることは出来ない。それより今は何年だ?」
 ヒイロはシンの質問を遮り逆に質問する。

 

「な、何だよアンタ……。今はCE73年だろ」

 

(CEだと……?どういうことだ…)

 

 ヒイロは黙りこみ、考える。
 すると
「おい、デュオ!さっきから一体何なんだ!」
 とシン。
「どうやら俺はこの世界の人間では無いようだ」
「はぁ?何言ってんだアンタ?」

 

 シンはデュオ(ヒイロ)に近付こうとした、その時だった。
 ウイングゼロとデスティニーの間を桜色の閃光が走る。
(何……!?)
「今度はなんなんだ!?」
 シンとヒイロは砲撃の方向−デスティニーとウイングの上空を見る。

 

 そこにいたのはまだ小学生くらいの少女二人と、緋色の髪の毛に犬のような耳をはやした女性だった。

 

「な……!?人が……浮いてる……!?」
 と、驚愕するシン。
 ヒイロも内心では驚いているが言葉には出さない。

 
 

 少女達は何か話しているようだ。
「どうする?あれって傀儡兵かな?」
「でも何か話してたみたいだよ?それに傀儡兵にしてはなんかロボット臭いし……」
 本来なら傀儡兵がいるはずの場所にロボットがいる。なのは達にとってこんなことは始めてだった。
「じゃあ、私が交信してみるよ」
 と、フェイト。

 

 フェイトはシン達に接近する。
「なんだよコイツ!?なんで浮いてんだよ!」
(……)
「おい、デュオ!アンタ何で落ち着いてられるんだよ!」
「少なくとも奴らは敵ではない。ゼロがそう言っている」
「はぁ?」

 

 シンにはデュオの言っている意味がさっぱりわからなかった。誰だよゼロって。

 

「私は時空管理局嘱託魔導師フェイト・T・ハラオウン。あなた達の目的は?」
 フェイトは二機のMSに話しかける。なのはとアルフは少し離れた場所でフェイトを見守っている。
「目的も何も、俺達も気付いたらここにいたんだ」
 とシン。
(この男も気付いたら飛ばされていたのか……)
「恐らく俺達はこの世界の人間では無い」
 ヒイロも自分の予測を述べる。
「……わかりました。では、武装を解除して私達と一緒に来てもらえますか?」
 フェイトは二人に言う。
 だが。
「ふざけるな!何なんだアンタ達は!?何が魔導師だ!ここが別の世界だなんて信じられるか!」
 これはオーブ軍あたりがザフトの新型MSであるデスティニーを狙った巧妙な作戦だと思ったシンは
フェイトに叫ぶ。
「じゃあ実際に魔法見たら信じられるんじゃない?」
 白い服を着た少女−なのはが言う。
「魔法!?ハッ、そんなもんあるわけないだろ?」

 

 次の瞬間、なのはのレイジングハートから桜色のビームが放たれた。
「な……!?」
 驚愕するシン。
「信じてくれましたか?」
「了解した。だがガンダムを渡す訳には行かない」
 とヒイロ。

 

「ガンダムって何かな?」
「さぁ?」
 アルフとなのはは聞き慣れない単語に混乱する。

 

 フェイトはヒイロの言葉に少し安心した。ガンダムとは何の事かわからなかったが。
「……わかりました。では転送します……」

 

「お、おい、ちょっと待て、俺はいいなんて一言も……」
 とシンは言いかけるが、次の瞬間、デスティニーとウイングはその場所から消えていた。

 
 

 時空間航行艦アースラ内

 
 

「つきました。ここは時空管理局の戦艦アースラのドックです。」
 フェイトはデスティニーとウイングに向かいそう告げる。

 

「な…!?さっきまで海にいたのに……!?」
「これが魔法というものか……」
 突然転送され驚きを隠せないヒイロとシン。

 

 二人はMSから降り、艦長の前に連れて行かれる。もちろん手はバインドで拘束されているが。

 
 

「あなた達があのロボットのパイロットね。私はアースラ艦長、リンディ・ハラオウンです。
 あなた達、名前は?」
「シン・アスカです」
「……デュオ・マックスウェルだ……」
 二人は名を名乗る。シンは相変わらず嫌味な態度だし、ヒイロに至っては偽名だ。
「シン君とデュオ君ね……。あなた達は何がこの世界に来た目的は?」
「気付いたらこの世界にいました」
「俺も同じだ」
「……わかったわ。ではあなた達の世界のこと、教えてもらえるかしら」

 

 リンディの質問にシンは答えた。
 自分はCE出身であること。CEではザフトと連合の戦争が続いていること。
 戦闘中にいきなり飛ばされたこと。
「だいたいわかったわ。つまりあなたはそのMSでの戦闘中、この世界に飛ばされてきたのね?」
「はい。そーです。その通りです」
「……あなたは?」
 だいたいの事情を聞いたリンディはシンの態度については後回しにし、デュオの世界について質問する。

 

 ヒイロも自分の世界について話す。
 自分はシンとは別世界、ACから来たこと。
 ACではホワイトファングと地球圏統一国家との戦争が終結したこと。
 戦争を終結へ導いたガンダムを太陽へ投棄したこと。
 仲間とシャトルに乗っていると突然飛ばされたこと。
「なるほど。あなはは戦争が終わって平和になったけど、
 お友達とシャトルに乗っているとこちらに飛ばされた訳ね。そのお友達は?」
「こちらの世界に来た時すでに奴の姿は無かった」
「そうなの……わかったわ。時空管理局はデュオ君のお友達を捜し、
 あなた達が元の世界へ帰れるように協力するわ」

 

 リンディの言葉にシンとヒイロは少し安心する。

 

 とりあえずこの世界にいる間シンとヒイロはフェイトとはやての家に居候することとなった。

 

「じゃあデュオ君は八神家、シン君はハラオウン家で生活してもらいます。いいですね?」
「はいはい。わかりましたよ……」
 シンは半ば諦め気味で返事を返す。
「了解した」
 ヒイロも仕方がないといった感じで了解する。

 

 ちなみにヒイロは名前だけではなく、プリベンターやバートン財団、
リリーナがさらわれたこと等、リンディに伝えていないことが多い。

 

 艦長室から出たところで待っていたのはフェイトとなのは、それにクロノという少年だった。
「私はフェイト・T・ハラオウン。改めてよろしくお願いします」
「私は高町なのは、よろしくね。」
「僕は執務官クロノ・ハラオウンだ。」
 三人はそれぞれ事故紹介をする。それにつられてシンも名を名乗る。
「俺はシン……シン・アスカだ」
「……」
 ヒイロは口を開かない。
「君は?」
 クロノはヒイロに尋ねる。
「……デュオ・マックスウェルだ」
 正直ヒイロはこれ以上名乗りたく無かった。
 その場しのぎで名乗った名前なのに、どうやらこの世界にしばらくいるハメになりそうだからだ。
 かといって今更本名を名乗るつもりも無いが。
「シン、デュオ、もう聞いているとは思うが君達にはこの世界で生活してもらう。
 シンは僕の家、デュオははやての家だ」
「わかったよ」
「……了解した」
 クロノに言われ返事を返す二人。
「はやては今ここにはいないが行けばわかるだろう」
 クロノがヒイロに言う。

 
 

 挨拶を済ませた後、なのは達と雑談し、ヒイロは八神家へ、
シンはフェイトと共にこの世界の家へと帰宅するのだった。