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新機動戦記ガンダム A's Destiny_第05話

Last-modified: 2007-11-14 (水) 21:30:26
 

(ヒイロ……何故現れない……)

 

 地球衛星起動上。ナタクを駆る五飛はいまだにヒイロが姿を現さないことに疑問を感じていた。
 カトルも、ゼクスも、トロワも動きを見せたのに、ヒイロとデュオはいまだ姿を見せていない。
 その時五飛はある異変に気付く。何かが来る……。
 すると、次の瞬間ナタクの周囲に突如として傀儡兵が現れたのだ。

 

「何だ貴様らは?」

 

 さっきまでレーダーに反応は無かった。突然現れた傀儡兵に五飛は問い掛ける。
 恐らく味方ではないのだろう。 だがもちろん傀儡兵は五飛の問い掛けに答えない。

 

(こいつら……MDか?)

 

 すると突然、傀儡兵はナタクに攻撃を仕掛けてきたのだ。

 

「フ……問答無用か……。ならば!」

 

 五飛は傀儡兵の攻撃をかわし、ビームトライデントを取り出す。
 五飛とナタクにかかれば傀儡兵など何機いても同じことだろう。
 近距離の敵はビームトライデント、中距離、遠距離の敵にはドラゴンハングだ。
 相変わらずどこまで伸びるのかとツッコミたくなるドラゴンハングは次々と傀儡兵を食い破り、
遂に最後の一機となる。

 

「貴様で最後だ!」

 

 五飛は一気に接近し、最後の傀儡兵をトライデントでメッタ刺しにし、とどめを刺す。
 回避しきれなかった傀儡兵は爆発する……だが、最後の傀儡兵を倒すと同時に、ナタクは光に包まれた。

 
 
 

 AM9:00、八神家。

 

 はやて達は今日から春休みだ。
 だがヒイロにはそんなこと関係なく、
はやてやなのは達が休みだからと言って特に何が変わる訳でもない。

 

「ヒイロ、今日はどっか行くん?」
「アースラへ行く。何か新しい情報があるかもしれない。」

 

 ヒイロは特にすることも無いので、アースラに行くつもりだ。何か新しい情報があるかもしれない。

 

「じゃあどうせすることないし、うちも行くわ。」
 と、はやて。
「あ!あたしも行く!」

 

 ヴィータもヒマなので一緒に行きたいと言い出す。
 別に断る理由も無いため、ヒイロははやてとヴィータと三人でアースラに行く事になった。
 二人は暇つぶしが目的だが。

 
 

 アースラ、ブリッジ。

 

 ヒイロはクロノとリンディに挨拶した後、エイミィに何か情報はないか尋ねた。

 

「何か新しい情報ねぇ……そういえばヒイロ君の世界に関係あるかわかんないけど、
 たまにウイングゼロに似た反応が観測されることがありますねぃ」
「ゼロに似た反応……?」

 

 ヒイロはエイミィの言葉に反応する。
 ゼロに似た反応という事は、残りのガンダム−恐らくデスサイズ−か、シンの世界のガンダムかだろう。

 

「うん。でもいつも一瞬だけ現れて、すぐ消えちゃうんだ……」
「……そうか」

 

 すぐ消える?つまりデスサイズのハイパージャマーかCEのMSということだろう。

 

「他には?」
「う〜ん……後は次元震が発生して傀儡兵が現れる事件がたまにあるけど、
 これはまだ何とも言えないね。どこかに原因になるロストロギアがあるんだろうけど……」
「……了解した」

 

 傀儡兵……この世界に来た時、ローリングバスターライフルで殲滅した奴らか。
 ヒイロはゼロの様子を見に行くことにする。はやて達もゼロを見に行ったが、
何かやらかさないか不安だからだ。

 

「情報に感謝する」
「どういたしまして」

 

 ヒイロはエイミィに礼をいい、ブリッジを後にした。

 

「なんかヒイロ君って……硬いね。クロノ君みたい。」
「な……!僕はあんなに無愛想じゃない!」

 

 ヒイロが立ち去った後、エイミィがクロノを挑発する。クロノは心外だと言わんばかりに否定する

 

「アハハ、冗談だよ、クロノ君。」とエイミィ。
「あなた達、ヒイロ君に失礼でしょ……」

 

 リンディは失礼だと言うが、言いながらも顔は笑っている。
 正直リンディもヒイロとクロノを重ねたのだろう。 硬い所しか似ていないが。
 いや、言ってしまえば全く似ていないが……

 
 
 

(……ここは!?)
 五飛は目を覚ました。今五飛がいるのはどこかの部屋のベッドだ。

 

(ナタクは……!? ……俺は確か地球の衛星起動上にいたはずだ。)
 だんだんと記憶が蘇ってくる。
 そう、五飛は突然傀儡兵に襲われ、
最後の一機を撃墜したと思ったら光に包まれ、気付いたらここにいたのだ。

 

(あのMDの爆発に巻き込まれて意識を失い、誰かに助けられたのか……?)

 

 いつもの五飛ならその程度で気を失う事など有り得ないのだが、そうでも考えないと納得がいかなかった。
 すると
「目を覚ました様だな」

 

 黒い長髪の男が五飛に話かける。どこかの貴族のような風貌をしている。

 

「貴様が俺を助けたのか?」
「……まぁそんなところだ」
「ナタクはどうした!?」
「ナタク?あぁ、あのMSの事か。あれならちゃんと収容している」
 五飛はそれを聞き、少し安心する。

 

「そうか。悪いが俺はもう行かせてもらう。邪魔したな」

 

 五飛はそう言い起き上がる。今五飛はこんなところで寝ている場合では無いのだ。

 

「フフ……まぁ待て。ここはお前のいた世界では無い」
「……貴様、何を言っている?」

 

 黒髪の男に言われ、五飛は動きを止める。

 

「ここはお前がいた世界では無い。そして私もこの世界の住人では無い。私達は飛ばされたのだ」

 

 五飛にはこの男が何を言っているのかさっぱりわからなかった。だが嘘を言っているようにも見えない。

 

「……。」
「ついてこい。詳しくはプレシアに聞くがいい」
「……いいだろう。貴様を信じてやる」

 

 五飛は黒髪の男を信じ、プレシアという人物の部屋に向かう為男についていくことにするのだった。

 
 
 

 アースラ内、ドック。

 

「こうまじまじ見るのは初めてやけど、ガンダムってすごいなぁ。ほんまに巨大ロボやん」
「きっと腕とか飛ぶんだぜ!」

 

 はやてとヴィータはウイングゼロを見ながら話している。
 本物を見たのは初めてなので、やはり驚きを隠せない。ちなみにヴィータは少し感動もしているようだ。

 

「うんうん。ヒイロの話ではACではこれが最強のロボットらしいで?」
「へぇー!スゲー!!」

 

 ヴィータは最強と言う言葉を聞きさらにテンションを上げる。
 すると
「だがゼロは危険だ。一般人が乗れば死に至ることもある」

 

言いながらヒイロが現れる。

 

「ど、どういうことだよ!?」
「ゼロシステムは未来を見せてくれる。半端な精神力の人間が乗れば発狂し、最期は死に至る」

 

 ヒイロは簡単に説明したつもりだが、
はやてとヴィータにはそれでもまだあまり意味がわかってはいない。
 ただ危険なシステムだという事だけは伝わった。

 

「そ、そんな……!そんなんアカン!うちヒイロが死んだら嫌や!」
「心配するな、俺は死なない」
「……ホンマに?それやったらええけど……」

 

 はやては一瞬取り乱すが、ヒイロの自信に満ちた表情を見れば、
ヒイロの言葉がただのハッタリだとは思えなかった。
 それに今までもゼロを使ってきたヒイロだ。きっと使いこなしてるのだろう。
 はやてはそう思うことにした。

 

「にしても、そんな強いんならなんで捨てようとしたんだ?」
「平和な世界にガンダムの必要は無くなったからだ」
「……でもまた戦争が起こったら……」
「俺は世界を信じる」

 

 ヒイロはそう言うが、また戦争が起ころうとしていたACを思い出す。

 

「……そうやな。世界も人もそんな弱ない」
「……ああ」

 
 
 

「……。」

 

 五飛は黒髪の男についてゆき、プレシアと名乗る女性から今の自分の状況を知らされる。
 五飛はあるロストロギアの影響で、異世界に飛ばされたのだということ。
 そして五飛を襲った傀儡兵はそのロストロギアが生み出したということ。
 そのロストロギアは未知のエネルギーを秘めており、
その力を使えば死んだ者でも生き返らせる事が可能だということ。
 プレシアの目的に時空管理局という組織が邪魔だということ。
 そして異世界から来たMSが時空管理局に接収されたこと。

 

「わかってもらえたかしら?」
「……」

 

 五飛は腕を組み黙っている。

 

「……返答が無い場合は肯定ととらせてもらうわ。
 私達に協力してもらえるかしら?もちろん協力してくれるならあなたを元の世界に戻す手伝いもするわ」
「……そのロストロギアとやらの存在は間違い無いのか?」
「ええ。どこかにあるのは間違い無いわ。だから今あなた達がここにいるの」
「……ククク。」

 

五飛は笑う。そして−

 

「いいだろう。そのロストロギアとやらの存在が確かならば貴様らに協力してやる」
「……感謝するわ、張五飛」

 

 五飛はプレシアの要求を飲んでしまう。
 五飛にはプレシア達が正義で無いことはわかっていた。
 だがそれでも五飛には確かめたい事があったのだ……。

 

「だがその前に……」
「……?」
「俺はナタクで出る。確かめたいことがあるからな」
「……わかったわ」

 

 五飛はプレシアの返答を聞くとそのまま部屋から出ていく。

 

(ヒイロ……貴様もこの世界にいるのか……)

 

五飛は真剣な面持ちでドックへと向かう……。

 

「……行くぞ、ナタク」

 
 

五飛が立ち去った後、プレシアと黒髪の男は二人きりになる。

 

「いいのかプレシア?奴は俺の世界とは別の世界の人間だぞ」
「そんなことはあのMSとか言うのを見れば解るわ」
「……」
「私はアリシアさえ生き返れば他はどうでもいいのよ。その為にはあなたにも協力してもらうわよ」
「フ……助けて貰った上、天を直して貰った恩もあるからな。できる限りの協力はさせてもらう。
 ……では私も失礼する。」

 

 黒髪の男もプレシアの部屋を出ていく。
 男は長いストレートヘアをなびかせながら廊下を歩く。その口元には不適な笑みを浮かべて……

 

(ククク……踊れ、テスタロッサよ……私の手の中で踊るのだ……)

 
 
 

 アースラ内、ブリッジ。

 

「あ、クロノ君。海鳴市近海に次元震が発生してるよ」
「またか……ちょうどいい。はやて達に行ってもらおう」

 

 クロノはエイミィの報告にまたかと思いながらも、はやてに連絡しようとする。だが−

 

「ちょっと待った!傀儡兵じゃないっぽいよ!」
「何だって!?」
「これは……この反応は……!」

 
 

 アースラ内、ドック。

 

『海鳴近海に次元震発生。八神はやてとヒイロ・ユイは直ちに出撃して下さい。繰り返します……』
 艦内に響くアナウンス。

 

「……ヒイロ、行くで!」
「……了解した」

 

 何故俺まで出撃しなければならない? MSが相手ということか……?
 ヒイロはそんな疑問を抱きつつもウイングゼロに乗り込み、はやてとヴィータも変身する。

 

「ヒイロと一緒に出撃すんのは初めてやけど、がんばろな!」
「あたし達の強さを見せてやるよ!」

 

 二人はヒイロに言う……

 
 

ヒイロ達は転送で一気に海鳴市近海まで飛ばされるらしい。さすが魔法だ、目的地まで一瞬で行けるなんて。

 

「ヒイロくん、多分現場にいるのはMSだよ!ヒイロくんと同じ様にこの世界に飛ばされてきたのかも!」
「了解した」

 

 次の瞬間、ヒイロはアースラから消えていた。

 
 

 海鳴市近海。

 

「ついたで、ヒイロ、ヴィータ!」
「おう!って……アレ、ガンダムじゃねぇか?」
「……」

 

 現場に到着するはやて・ヴィータ、そしてヒイロのウイングゼロ。
 現場でヒイロを待ち受けていたのはウイングと似通った形の緑のMS……

 

「……来たか、ヒイロ」
「……五飛」

 

(……知り合いかな?)
(そうっぽい……)

 

 はやてとヴィータが念話で話す。二人の空気は明らかに知り合いのようだが、何かがおかしい。

 

 五飛のナタクは一機だけで海上を浮遊している。
 ナタクはビームトライデントを取り出し、ヒイロに構える。

 

「……五飛!?」

 

 五飛は突然ゼロに切り掛かる。ヒイロはなんとか回避するが、さすが五飛だ。
 あと一瞬遅ければゼロはまともにトライデントを受けていた。

 

「ちょっ……どういうことや!あんたヒイロの仲間ちゃうんか!?」
「……」
「おい、テメー、何とか言えよ!」
 はやてとヴィータはナタクに向かって叫ぶ。
 ヒイロの話では5機のガンダムは一緒に戦って戦争を終わらせた仲間のはず。
 だったら何故こんなことになる?はやて達にはさっぱりわからなかった。

 

「貴様らは正しいのか……」
「……え?」
「貴様らは正しいのかと聞いている!」

 
 

「あ、あんたいきなり仕掛けてきて何言うてんねん!」

 

 はやては五飛に向かって叫ぶが、既に五飛ははやて達に興味は無かった。
 ナタクは再びゼロに接近し、トライデントで斬りかかる。

 

「ヒイロ!人類はあの戦いで一時の平和を得た!だがお前は何を手に入れた!?」
「……」

 

 ヒイロは黙って五飛の攻撃を回避する。
 集中していれば五飛の攻撃に当たることは無いが、それでもギリギリだ。
 いや、それどころかたまにかすっている。

 

「答えられないか!そうだ……兵士は何も得ていない!だから俺は戦うんだ!全ての兵士のためにな!」
「……」

 

 五飛は攻撃しながらも自分の思いをヒイロにぶつける。
 返す言葉の無いヒイロは黙っているだけしかできない。
 確かに五飛の言う通りかもしれない……。だが五飛はまた同じ過ちを繰り返そうとしているだけだ。
 ヒイロもビームサーベルを抜きナタクの攻撃を切り払いながら応戦する。

 
 

 アースラのモニターにも五飛とヒイロの戦いは写し出されている。

 

「あの緑のガンダム……かなり速いな……」
「うん。それにあの二人、なんか訳ありっぽいね……」

 

 クロノとエイミィは二人の戦いを眺めながら言う。
 五飛の能力はヒイロと互角……いや、むしろ五飛の方が接近戦は得意だ。

 
 

「ちょっと待ち!なんでなん!?ヒイロもあんたも平和な世界の為に戦ったんやろ!?」

 

 はやては五飛に向かって叫ぶ。

 

「弱い女がウロウロするなぁ!」

 

 五飛ははやてに向かってドラゴンハングを飛ばす。今の五飛にはやて等眼中に無かったのだろう。
 だがはやてはナタクのドラゴンハングを簡単に弾き返し、攻撃の体制に入る。
 しかし

 

(……でも、あのガンダム一応ヒイロの友達っぽいし……ホンマに攻撃していいんやろか……)

 

 はやては悩んでなかなか攻撃できない。いや、ヒイロと五飛の戦いの邪魔をしてはいけない気がするのだ。

 
 

 五飛は尚もヒイロと接近戦を続ける。

 

「五飛……。ガンダムパイロットに暴走は許されない。自爆スイッチを押せ!」

 

 ヒイロは無駄だと思いつつも五飛を説得しようとする。だが−

 

「でやぁぁぁ!!」

 

 五飛は聞く耳を持たずにウイングに襲いかかる。一方−

 

(じ、自爆……!?)
 最早二人の戦いを見ているだけのはやてとヴィータはヒイロの自爆という言葉に驚いている。
 自爆なんてしたらパイロットも死んでしまうからだ。すると−

 

「主、遅れてすみません」
 ようやく増援のシグナムとザフィーラが駆け付ける。
 主はやてがピンチとなればすぐに駆け付けるのがベルカの騎士だ。
 −まぁまだピンチじゃないが。ちなみにシャマルは待機である。

 

「ザフィーラ!とりあえず、あのガンダムの動き止めて!
 バインドで抵抗できへんようにしてからアースラに連れてく!」
「わかった」

 

はやてに作戦内容を伝えられたザフィーラはすぐにナタクをバインドする。

 

「何!?」

 

 身動きの取れなくなったナタクは空中に固定された。

 

「クッ……卑怯な!正々堂々と戦え!!」と、五飛。

 

「ほぅ。戦士としては一流の様だな……」と、シグナム。

 

 五飛は古くから伝わる戦士の一族の末裔なのだ。そう思うのも無理は無いだろう。

 

「このままアースラまで連行するんや!」

 

 はやては今の内にナタクを連行しようとする。だが−

 

「それは困る。まだダンスは始まっていない。」

 

 声と共に現れたのは傀儡兵の大群。

 

「「「!?」」」

 

 突然の傀儡兵の出現に焦る一同。
 はやて達はナタクは後回し、傀儡兵から片付けようとする。だが−

 

「ナ タ ク を な め る な ぁ ! !」

 

 ナタクはドラゴンハングを伸ばし、ザフィーラのバインドを食いちぎる。

 
 

「そんな!?」

 

 バインドを解かれ、焦るはやて達。ドラゴンハングを忘れていたのだ。まさかあんな使い方もするとは。

 

『張五飛。そろそろ潮時よ。戻りなさい。まだ何も始まっていないのだから』

 

 ナタクに通信が入る。

 

(チッ……あのプレシアとかいう女か)

 

五飛はトライデントを収める。

 

「……五飛?」
「忘れるなヒイロ!俺達の戦争はまだ終わってはいない!だから、俺は戦う!」
「……」

 

 五飛はそう言い、踵を返す。次の瞬間、ナタクは光に包まれ、この場所から姿を消した。

 

「五飛……お前は誰と戦っている……」

 

 ヒイロは一人呟く。……だが今は傀儡兵を排除するのが先だ。
 ウイングは翼から二丁のライフルを取り出し、傀儡兵の大群の中心へ向かう。
 ウイングが中心にいくには中心の傀儡兵が邪魔だ。
 ヒイロは中心の傀儡兵をバスターライフルで散開させ、その場所を奪う。
 そして翼を羽ばたかせ、両腕を広げ−

 

「戦術レベル……効果最大確認……逃がしはしない……!」

 

 バスターライフルを発射しながら回転するウイング。
 傀儡兵はものすごい早さで減ってゆく。

 

「出た!ローリングバスターライフル!」とエイミィ。
「すごい……」
「……」

 

 現場の一同はあまりの凄まじさにア然とするしかなかった。

 

「あんなんして目回らへんのかな……」
「主……」

 

 ボケをかますはやて。
 流石関西人だ。こんなときにもボケをかませる余裕がある。
 −まぁはやてにはこの程度の傀儡兵に負けない自信があったからだが。

 
 

 はやて達も次々と傀儡兵を撃墜してゆく。

 

 シグナムはレヴァンティンはカートリッジをリロードし、傀儡兵を撃墜する。
 ヴィータも同様にグラーフアイゼンで傀儡兵をねじ伏せてゆく。

 

「ほぅ。奴らなかなかやるな。これだけの敵を相手にまともなダンスを踊っている」

 

 傀儡兵を送りこんだ張本人が言う。

 

「フン、今の俺はヒイロとの決着以外に興味は無い。あんな女共など知るか」

 

 五飛は黒髪の男に苛立ち気味に言う。
 五飛からすればヒイロとの勝負を邪魔されたような物だ。苛立つのも無理はないだろう。

 

 その頃、アースラブリッジでは。

 

「クロノ君、やっぱりあの傀儡兵、P・T事件の時のっぽいよ……」
「やっぱり……。どういうことなんだ……何故あの傀儡兵とガンダムが一緒に……」

 

 エイミィの分析に、わからないことだらけのクロノは疑問をつぶやく。
 一方現場では−

 

「だいぶ数減ってきたで、みんな!」
「はい、主」

 

 傀儡兵の数も減り、今のはやて達は完全に油断していた。
 まさかまだレベルの高い傀儡兵が一機潜んでいたとは思うまい。
 傀儡兵は、気配を消し気付いたらはやての背後に回り混んでいた。

 

「はやて、後ろ!」

 

 ヴィータが叫ぶが既に傀儡兵は斧を振りかぶっている。

 

(あかん……やられる!)

 

 はやても覚悟し、目をつむる……
 だが……

 

(……あれ?)
 はやては全く攻撃を受けていない。前を見ると、傀儡兵が腹あたりから真っ二つに斬り裂かれている……。
 一瞬、何が起こったかはやてにはわからなかった。
 そして傀儡兵の後ろにいるのは全身黒系の配色の機体。
 バルディッシュの様な鎌を持ち、悪魔のような翼を広げた姿はまるで死神のようだ。

 

「黒い……ガンダム……?」

 

はやては呟く。すると−

 

「へへっ……俺、参上!!」