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新機動戦記ガンダム A's Destiny_第07.5話

Last-modified: 2007-11-14 (水) 22:19:54
 

ちょうどシンが五飛と出会った頃、八神家一同はデュオの服を買いにデパートへ来ていた。

 
 

「デュオ、これなんてどうや?」
「あ、ああ。いいと思うぜ……」
「こういうのはどうかしら?」
 はやてとシャマルはどんどん違う服を持ってくる。
 デュオは当初の思惑と大きく違うこの状況に少し戸惑っていた。
「あ、ああ……いや、できればもうちょっと俺に選ばせてもらっ……」
「「え〜……」」

 

 デュオは我慢しきれずにはやて達に選ばせて欲しいという旨を伝えようとするが、その言葉は遮られた。
「だってデュオ地味やもん」
「そうそう。なんか暗いっていうか……」
「……へいへい。わかりましたよ……」
 はやてとシャマルにそう言われデュオは諦めるしか無くなった。
 最初デュオは全体的に黒系の服を多く選んでいたのだが、『暗い、地味』という理由で却下されたのだ。

 

(ヒイロ……今お前が来てる服がやけにセンスがいいのはこういうことか……)
 と、デュオはヒイロを見る。ヒイロはデュオをあざ笑うかのような微妙な顔をしていた。
 ちなみに一緒にシグナムとヴィータもいる。三人はアイスを食べながらデュオを眺めている。

 

(どうでもいいけど、ヒイロ……お前アイスクリーム似合わねぇな……)
 デュオはヒイロを見てそう思った。

 
 

「ははは。デュオの奴ヒイロの時みたいになってんぜ」
 ヴィータが笑いながらヒイロとシグナムに言う。
「ああ。だが何故かデュオの方がヒイロの時よりも可哀相に見えるな……」
「…………それはあれがデュオだからだ」

 

 シグナムは見た感じ何故かデュオの方が哀れに見えたと言う。
 そしてそれに対しヒイロはサラっとその理由を言った。
 確かにデュオは貧乏クジを引かされる事が多く、
こういう状況では無表情なヒイロよりも可哀相に見えるのだろう。
「……お前、サラっとキツい事言うなぁ……」とヴィータ。

 
 

数時間後。

 

「いやぁ今日もいっぱい買ったなぁ」と、はやてが言う。
 結局、デュオの願いもあり黒系の服を多く買った。
 まぁ黒といっても最初デュオが選んだモノよりは明るいが。

 

 今はやて達がいるのはデパートのレストラン。
 せっかくデパートにきたのだから皆で外食することになったのだ。

 

「いやぁこんな賑やかな外食は久々だなぁ。」
 と、デュオ。エージェントとして育ったデュオにはこんな体験はめったに無いのだ。

 

「……ああ。……お前はいつも一人で盛り上がっていた」
「お前らが暗すぎるんだよぉ!」
 ヒイロが口を開きデュオが言い返す。この二人、なんだかんだで仲がいいのだ。
 すると
「なぁ、ヒイロ達の友達のことも聞かせてや」
「そうだな。名前はよく出るが詳しく聞いた事は無い」
 そのやりとりを見たてちょっと気になったはやてが言い出し、シグナムもそれに同調する。

 

「……俺達の、友達?」
「つまり俺達ガンダムパイロットの事だろ」
「そうそう。ちょっと気になるんよ」
 とはやて。

 

 ヒイロとデュオはお互いの顔を見合う。
「確か5人いるのよね?」
「前にちょっと聞いたんだけど、全員変な奴なんだろ?」

 

 シャマルとヴィータも興味を持ったようだ。

 

「う〜ん……じゃあ誰から話すか……」
「……順当に行けばデュオの次はトロワだな」
 ヒイロが言う。L1〜L5までいるガンダムパイロット。
 ヒイロ、デュオでL1・2だから次はL3のトロワだろう。

 

「よし!トロワって奴はな、寡黙で、クールで……暗い……」
「……あ〜ヒイロみたいなんかぁ」
 と、はやて。だいたいだが想像できた。
「そうそう!後サーカス団に入ってたな。まぁトロワも根は優しい奴だ」
「……サーカスかぁ」
ヴィータはデュオの説明のサーカスという言葉を聞き色々と想像する。

 

「そしてガンダムヘビーアームズのパイロットだ」とヒイロ。
「ヘビーアームズ……武器とかいっぱいつけてんのか」
 ヴィータは名前から想像する特徴を言う。
「ああ。まぁだいたいこんなとこかな。詳しく説明してもあんまわかんないだろうしな。次はカトルだ!」
 デュオは食べながら言う。
「ガンダムサンドロックのパイロット。MSの操縦や戦闘に関しては天性の才能を持っている」
「で、性格は俺達の中では比較的明るいし、優しいし、まぁ育ちのいいお坊ちゃんなんだが……」
「へぇ〜、優しい系なんや。そやけど、なんか問題でもあるん?」
 はやてはデュオの言葉に疑問を抱く。

 

「やることがエグい……」
「「エグい?」」

 

この場の一同にはデュオの言うエグいがよくわからない。
「エグいとは?」
 シグナムがデュオに質問する。
「え〜と、笑顔でゴリ押しとか、まぁ色々な」
「……そして恐らくカトルは5人の中でも自分だけはまともだと思っているのだろう」

 

「あ〜なのはちゃんみたいなんか……」
「……そうだな。それを言ったらあいつも結構エグい」
 はやてとヴィータは言い出す。
「そのせいで管理局内でも『白い悪魔』って呼ばれてるのよ」

 

「白い悪魔か……だいたい想像できたぜ……」
 デュオはまだなのはとは会っていないが、だいたい想像できた。
 今のデュオの中でのなのはは『女版カトル』といった感じだ。

 

「……で、最後は皆さん既にご存知の張五飛だ」
「五飛……緑のガンダムのパイロットか」
「奴からは生粋の戦士のような雰囲気を感じた」
 はやてとシグナムが言う。
「五飛は俺達の中でも1、2を争うくらい変な奴だ」
「どんな風に変なんだよ?」
「……いつも一人で行動し、自分の正義を貫こうとしていた。そして五飛は今も一人で戦い続けている。」
「……戦争は終わったってのによ……何考えてのかわかんねぇぜまったく……」
 ヒイロと五飛は二人で五飛の話を始めた。調度今この町にいることも知らずに。
「正義を貫く……か。敵にまわると厄介なタイプだな。元々仲間となると尚更か」
 と、シグナム。

 

「……ま、まぁ暗い話は止めや!せっかく皆で食べにきてんから」
「……ああ。これで全員だ」
「ふぅん。これで5人のパイロットか」
「……ってちょっと待ったぁ!!大切な人を忘れてんじゃねぇのか、ヒイロくん?」
 説明を終わろうとした時、デュオが大きな声で割り込んだ。
「な、なんなん?どうしたんデュオ?」
「なんだよいきなり大声で……」
 はやて達もびっくりした。
 ヒイロは訳がわからないので
「……ゼクスのことか?」
 と聞いてみる。
「かぁーっ!わかんねぇのかよ?そんなんじゃ嫌われちまうぜ?」
「……何の話をしている?」
 ヒイロにはデュオの言葉がさっぱり理解できない。

 

「リリーナだよ、リリーナ!」

 

「リリーナって確か……平和主義のお姫様ちゃうのん?」
「ああ……私もそう聞いた」
 はやてとシグナムは簡単にリリーナのACでの活躍しか聞いていないため、
デュオの言う意味がわからなかった。
 だがシャマルだけはデュオの言葉の意味に感づいたらしく、少しニヤついている。
「それはそうなんだがよ、コイツはリリーナにぞっこんなんだよ」
「………………」
 しばしの沈黙が流れ……

 

「「えーーーっ?!?」」

 

 ヴィータとはやてはかなり驚いて大声を上げる。
 ヒイロにそんな人間的な感情があったというのが信じられないのだ。
「ウフフ……やっぱり。ヒイロ君、むっつりくんだもんね♪」
 シャマルは嬉しそうに言う。ここへ来て以外な事実が発覚したからだ。
「……別にリリーナと俺はそんな関係では無い」
「だぁー、もうわかってるって!お前ら二人の空気には誰も入っていけねぇよ」
 ヒイロは言い訳をするも虚しくデュオに否定される。

 

(両想いやったんやな……)
(ラブラブだったんだな……)
 はやてとヴィータはコソコソ話している。
 ヒイロももう手遅れと悟り、黙り込んでいる。まぁ表情に変化は無いが……

 

 ヒイロからして今現在さらわれている(はずの)リリーナはACに残した懸念事項の一つなので、
 リリーナの話ではとても明るい気分にはなれないのだ。

 

 ヒイロが黙っていたせいでリリーナの話題は仕方なく終わり、はやて達も食事を終え、帰る事となった。

 

「にしても今日はいい話聞いたなぁ」
 とヴィータ。
「フフフ……そうね。まさかヒイロ君に彼女さんがいたなんてね」
 シャマルも少し嬉しそうに話す。
 二人はこれからリリーナについてヒイロ本人からじっくり聞き出すなりからかうなりするつもりだ。
 それは傍から見てもわかるくらいだ。
「もぅ、あんまりからかったったらあかんで」
 と、はやても笑いながら言う。かく言うはやてもたまにはからかうつもりだ。

 

「まぁ……頑張れよ!ヒイロくん!」
「……黙れ」
 そして今日一日、デュオはヒイロに相手にされなかったという……