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第三話

Last-modified: 2011-12-18 (日) 23:33:40

   第三話

 

 「うーむ。聞いていた通り、大きな艦隊だな。」

 今まで出番のなかった真田志郎がつぶやく。

 「本当ですね。こんな大きな艦隊をあの人型が壊滅に陥れたなんて。」

 古代が同意する。

 「ソレハ モビルスーツガ スサマジイ キドウリョクヲ モッテイルカラデス」

 アナライザーが答える。

 「しかも誘導兵器が使えないから、近付き易いですしね。」

 相原も話に加わる。

 「それだけ、ザフトが技術的に有利だからここまでやれたんだな。」

 徳川が話す。

 

 アークエンジェル 艦橋

 「お久しぶりです!ハルバートン提督!」

 「うむ。しかし、君らも、よくストライクを守り抜いてくれた。」

 その守りぬいたという事実が、無理やりコーディネーターである少年・・・キラ・ヤマトを戦わせた結果だ
 ということがマリューたちアークエンジェルクルーにのしかかった。

 「しかし、四機もザフトに・・・。」

 「よい。一機でも守り抜いたことは、必ずわが軍にとって有益だ。よくやってくれた。」

 「・・・はい。」

 

 アークエンジェル 居住区

 「ふぁぁぁぁあ。」

 オーブの資源コロニー・ヘリオポリスから避難し、志願した一人、カズイ・バズカークが大あくびをした。

 「おい、もう帰れるからってそれはないだろう。」

 「まあまあ、いいじゃない。」

 その様子を志願したサイ・アーガイルが咎め、ミリアリア・ハウがなだめる。

 「でも・・・やっと帰れるんだな、俺たち。」

 トール・ケーニヒがしみじみと言う。

 「おい!志願兵ども!」

 そこへ入ってきたのは、厳しさで名高いナタル・バジルールと、地球連合軍のホフマン大佐だった。

 

 
 「除隊許可証!」

 「ああ。いくら非常時・・・。」

 「「「「いりませーん」」」」

 そういうと、サイ、カズイ、ミリアリア、トールは一斉に除隊許可証を破り捨てた。

 「ええ!」

 「だってあの船に興味が出てきちゃいましたから。」

 「なぁ、あの船って煙突からミサイル撃つらしいぜ!」

 「ええ!まじで!」

 「おい!軍に残るということがどういうことかわかっているのか!」

 ナタルが怒鳴る。
 そんなナタルは白い眼で四人から見られた。

 「「「「わかってますよ・・・。」」」」

 そうやってぺちゃくちゃと話し出した四人を見て、ホフマンとナタルは初めて胃薬がほしいと思った。

 「・・・キラ・ヤマトに渡しておけ。」

 そういうと、もう一枚の除隊許可証を渡し、肩を小さくして、ホフマンとナタルは出て行った。

 

 ヴェサリウス 艦橋

 

 「ちっ!ハルバートンめ、そのまま足つきを地上に下ろす気か!」

 クルーゼの怒りの声が響く。

 「ふ・・・まぁいい。地上にいけばあの忌々しい戦艦もいなくなる。」

 とクルーゼは踏んだが、それは誤算だった。
 ヤマトは地上での運用も可能だ。

 「・・・ということで諸君。今回の目標は足つきをザフト勢力圏へ落とすことだ。」

 「なんでそんな逃げ腰の作戦を・・・ブツブツ」

 「なんか言ったか?イザーク。」

 「イエナニモ」

 「隠さなくてもいい。どうせこんな逃げ腰の作戦はいやだと思っているんだろう?」

 「・・・。」

 部下のイザークの文句をしっかりと掘り、その文句をつぶすため、クルーゼは作戦をしっかり説明した。

 「なぜこのような作戦かというと、それはあの「宇宙戦艦ヤマト」によるところが大きい。あの船がいると、
 母艦が接近できない。そこで、だ。君たちは他の艦は無視し、足つきへまっすぐ行く。そして、あの宇宙戦艦
 ヤマトから、足つきを盾にし、足つきからストライクをおびき出す。そして、なるべく足つきから離す。
 そうすれば、足つきはストライクを見殺しにするか、艦を寄せて助けようとするか、どちらかだろう。
 カタログスペック上では単体での大気圏突入が可能というところを考えるとストライクは我々が頂けるうえ、
 足つきがザフト勢力圏に落ちればあの忌々しいヤマトを気にせず足つきを落とせるというわけだ。
 わかったかね?」

 「「「「は・・・はい!!!!」」」」

 赤服四人衆はこんな作戦を思いつくクルーゼに尊敬を覚えた。

 (ふ・・馬鹿どもめ。お前らも危険になるということをわかっていないな)

 

 メネラオス 艦橋

 「も・・・モビルスーツ確認!GAT-Xシリーズ、デュエル、バスター、ブリッツ、イージスです!」

 オペレーターの上ずった声がメネラオスの艦橋に響く。

 「ううむ、すば」

 「四機のG、アークエンジェルへ向かっていきます!」

 最後までセリフを言うことなく、次の報告が入る。

 「な、なにぃ!」

 「アァ!アークエンジェル、とりつかれました!」

 「なんだってぇぇぇぇぇぇぇ!」

 

 ヤマト 第一艦橋

 「敵、アークエンジェルに向かって加速しています。」

 相原の落ち着いたこえが古代に指示を促す。

 「よし、魚雷、爆雷発射用意。目標、敵モビルスーツ。島、主翼展開。」

 「よし、主翼展開。」

 ヤマトの艦体から主翼が伸び、少し形を変える。

 「敵モビルスーツ、アークエンジェルに肉薄しています。」

 相原のわずかに驚きの混じった声。

 「は・・・しまった!!敵の狙いはそれか!!」

  古代だけが敵の思惑に気付いた。

 

 アークエンジェル 艦橋

 「あぁ・・・、とりつかれた!」

 アークエンジェルでは、四機のGにとりつかれ、マリューは相当焦っていた。

 「く・・・。ハルバートン提督につないで!」

 マリューは苦し紛れにハルバートンに通信をつなぐ。

 「どうした!」

 「ハルバートン提督!このままでは持ちません!我々は今すぐに地球に降りたいと思います!」

 「なんだと!しかしこの位置では、アラスカに・・・。」

 「この位置なら、アラスカに降りれなくとも、連合の勢力圏に降りれます!」

 「ぬう、しかし・・・。」

 「我々も援護します!」

 予想だにしなかった相手から通信をうけた。

 「古代艦長!」

 「この艦は地上でも、場所を問わず運用が可能です。」

 「ラミアス艦長!僕も出ます!」

 またもや予想だにしなかったところから通信が入る。

 「キラ君!?あなた・・・」

 「細かいのは抜きです!僕はこのまま死にたくありません!」

 その時、ちょうどバスターのミサイルが一番ローエングリンにあたった。
 艦を強い衝撃が襲う。

 「わかった!ただし、フェイズスリーまでには戻れ!ストライクはカタログスペック上では単体での大気圏
 突入が可能だ!いいか、理論上は可能でも、やったことのあるやつはいないんだ!必ず戻るんだ!」

 「わかりました。」

 ナタルが通信に割り込み、キラに指示する。

 「バジルール少尉ーーー!!!」

 「ここで本艦が沈んだら、艦長やヘリオポリスの犠牲がすべて無駄になります!!」

 マリューが激昂してナタルを怒鳴りつけるが、ナタルは今までの犠牲のことを引き合いに出す。
 マリューは唇を強く噛み、拳を握りしめながら押し黙った。

 

 後に、低軌道会戦とよばれるこの戦いで、アークエンジェルはクルーゼの罠にはまりつつあった。

 

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