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第四話

Last-modified: 2011-12-21 (水) 18:08:40

  第四話

 

 「カタパルト準備よし。装備はエールストライカーパックを。」

 ミリアリア・ハウではない、連合軍のオペレーターの声がストライクのコクピットの中に響く。

 「いい?キラ君。必ずフェイズスリーまでに戻れるようにするのよ。」

 アークエンジェル艦長・マリュー・ラミアスの注意をうけ、キラは真剣な顔で返す。

 「システムオールグリーン。ストライク、発進どうぞ!」

 「キラ・ヤマト。ストライク、行きます!」

 そしてストライクは、赤く、重くなりつつある宇宙へ飛び出していった。

 

 「グゥレイト!うまくいったぜ!」

 赤服四人衆の一人、ディアッカ・エルスマンが歓喜の声をあげる。

 「頭に乗るな!ディアッカ!これからが肝心だぞ!」

 それをイザーク・ジュールが諭す。
 しかし、ストライクの出現を一番喜んでいるのは、イザークであった。

 (ストライクめ・・・覚悟しろ)

 そうして、赤服四人衆のあやつるG四機がストライクを包囲する。

 「よし、うまく引き離しますよ!」

 ニコルが通信を入れてから、ミラージュコロイドを展開し、姿を消す。

 「アスラン!準備はいいか!」

 「ああ・・・・!」

 イザークからの確認に、アスランは今までと違う表情で答える。
 彼は今までと違い、キラを殺すのが目標ではないので、本来の自分を取り戻したのだ。

 「はああぁぁぁぁぁ!!」

 ニコルのブリッツがミラージュコロイドを解除し、ストライクに切りかかった。

 

 「く・・・!機体が重い!」

 キラは初めての経験に戸惑う。
 何しろ、モビルスーツに乗ったのがつい先日のことなのだ。

 「あぁ!」

 突然目の前に出てきたブリッツの斬撃を危うくかわす。
 そうして体勢を崩したストライクを、急加速で接近したモビルアーマー形態のイージスががっちり捕まえる。

 「アスラン!?僕はザフトの船にはいかないぞ!」

 「そんなところにはいかせないさ。」

 今までと違うアスランの態度に、キラは自分を撃っても構わないということに気付く。
 アスランとしては撃つ気など毛頭ないのだが、キラに恐怖を呼び起こす。

 「う・・・いやだ・・・・死ぬのは・・・・。」

 その瞬間、キラの頭の中で何かがはじける。

 「死ぬのはいやだぁぁぁぁ!!」

 その瞬間、キラはストライクに限界以上の機動をさせ、イージスを振りほどく。
 そして、振り向いて、バスターの散弾砲をビームライフルで打ち抜き、デュエル・アサルトシュラウドの
 レールガン・シヴァをイーゲルシュテルンで発射不能にする。
 そして、ビームサーベルを引き抜き、イージスのクローとシールドを切り落とした。

 「な・・・なにぃぃ!」

 「キラ!!」

 「非グレイトォォォ!!」

 攻撃を受けた三機はあわてて離脱し、残るはブリッツのみとなる。

 「うわあああぁぁぁぁぁ!!」

 涙を流しながら、狂ったようにブリッツへ向かうストライク。

 「くっ・・・。しかし!」

 ニコルは言いながら満足した表情を浮かべる。
 この時、アークエンジェルとの距離は、八キロ離れていた。

 「キラ君!もうフェイズスリーに入るわ!戻って!!」

 マリューの切迫した声がキラを現実に引き戻す。

 「あ!」

 我に返るキラだが、もう帰れない所まで来ていた。

 「もう戻れません!」

 「なんですって!」

 二人の声は恐怖と諦めが混ざっていた。
 このままでは、ストライクとはぐれてしまう。
 ナタルの顔が蒼白になった時、通信が入った。
 
 「マリュー艦長!ストライクは我々が回収します!」

 そこに移った人物は、古代だった。

 

 ヤマト 第一艦橋

 「島!ストライクの下に回り込んでくれ!!」

 「わかった。」

 古代が島に指示を下す。

 「古代!ブリッツも一緒に回収しよう!」

 「ええ!?」

 真田からの思いがけない提案に、古代は少しの間、頭の中が真っ白になる。

 「もともとあの機体は連合の物だったんだ!恩を売っておくのも悪くない!」

 その言葉に、古代は我に返り、島にブリッツを回収するよう指示する。
 そして、ストライクに通信を入れた。
 
 「こちら宇宙戦艦ヤマト!ストライク、聞こえるか!」

 少し間を開けて返事が返ってくる。

 「今からヤマトを機体の下に動かす!君は艦前部の空いたスペースに降りるんだ!」

 また少し間を開けて、了解の返事が入る。
 そして、次にブリッツに通信を入れた。

 「ブリッツのパイロット、きこえるか!」

 ニコルは困惑した。何しろ、ガモフを撃沈した敵から通信が入ってきたのだ。

 「今から君を回収する。武装を解除し、ストライクと共に本艦前部に着艦せよ。怪しい動きをしたら撃墜す  る。」

 脅しもかけ、着艦するように指示する敵艦。
 ニコルの損得勘定は、このままどこに落ちるか分からずに降下するより、ヤマトに捕まる方がいいと判断し た。
 もし連合の勢力圏へ落ちたら、何されるか分からない、という事情もあった。
 とはいっても、ヤマトも連合所属・・・ナチュラルの可能性の方が高い。
 しかし、ヴェサリウスを撃沈させなかったことから、ブルーコスモス・・・コーディネーター排除が目的・・
 ではないと判断した。
 それに、地上では、ブルーコスモスの幹部に私的に処刑される可能性はヤマトより圧倒的に高い。
 それほどナチュラル・ブルーコスモスとコーディネーターの溝は深かった。

 

 「いやーこんなところに降りるとはな・・・。」

 ソロモン諸島付近。その中の小さな島にヤマトは身を寄せていた。
 先の戦いで着艦させたブリッツのパイロット、ニコル・アマルフィの協力を受けて、このまま北上すれば
 目的地・アラスカのJOSH-Aなのだが、まずアークエンジェルを探し出さねばならない。
 いくらヤマトと言っても、広い地球の中を探すのは容易ではない。
 大体の位置は分かるが、そこはザフトの勢力圏

 ・・・アフリカだった。

 

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