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第十五話「砂漠ガンダム一人旅」

Last-modified: 2014-03-22 (土) 02:28:45

――――…ハルト―――

 

鳴り響く警報音。その音でハルトは目を覚ました。
(…今、父さんの声が聞こえた?)
一瞬だけそんな事を考えるが、すぐに現状を把握する作業に移る。
「…もう大気圏内か!」
アドヴァンスは重力に従い、満天の星空を背景に落下していた。
「…このままだと、隕石の仲間入りだな。」
それだけは勘弁してほしい。ハルトはメインスラスターを「type-α」に切り替え、飛行態勢に入る。
四基のバーニアと機体各所の態勢制御スラスターにより落下がが止まり、ホバリングした状態になる。

 

「…で、ここどこだよ?」
降下中にアークエンジェルとは離れ離れになったらしく、姿は見えない。
頼みの綱のレーダーはNジャマーのせいで阻害されている。これでは無線も通じないだろう。
「…砂漠…東アジア共和国かアフリカ共同体、はたまた南アフリカ統一機構か?」
地表を見ると、見渡す限り砂漠だった。これで何となく場所は絞り込めた。
「場所によっちゃあ、敵勢力圏の真っ只中かよ…くそっ」
もしそうなら、イージスのパイロットの策略は成功したということだ。ハルトの抵抗は何の意味もなかった事になる。
「…東に行こう。」
ここがどこにせよ、東に行けば友軍の基地があるはずだ。運が良ければの話だが。そんな不確定要素にたよりながらハルトは東に進路をとった。

 

夜が明けた。
「…どこまで行っても砂漠じゃねえか!」
思わずキレる。ここまで基地どころか街一つ見つからない。
「推進剤の残りも少ないってのに…」
一晩飛び続けたアドヴァンスの推進剤は残り僅かになっていた。
「…歩かせよう。足あるんだし。」
アドヴァンスを砂丘の頂点に降ろす。だが着地した瞬間にバランスを崩す。細かな砂がさらさらと流れ落ちる。
「ぐっ…足場が悪すぎる…」
キーボードを引き出し、運動プログラムの修正を開始する。
「…逃げる圧力を想定し、摩擦係数は…砂の流状性をマイナス15…いや、あえて20くらいにしておくか…?」
五分かけ、修正を終える。今度こそアドヴァンスは砂地でも態勢を崩さずに歩行できるようになった。
(…敵に出会わなかった事に感謝だな…)
交戦しながらプログラムを書き換えるなんで化け物じみた事ができる人間がこの世にいるのだろうか。もしいるなら逢ってみたいとハルトは内心思った。
「…そういや、結構暑くないな…何でだ?」
ハルトは知らない事だが、アドヴァンスにはこの機体最大の欠陥を克服すべく様々な排熱・耐熱処理が施された。
それらでも欠陥は克服できず、アドヴァンスは廃棄処分となったのだが、その「役にたたなかった」処理のお陰で大気圏突入時に熱で異常をきたすこともなく、今もこうして砂漠の熱からハルトの身も守られているのだ。

 

「…ま、いっか。それよりもさっさと…」
再びアドヴァンスを移動させようとしたその時、
「――戦闘!?」

 

モニターに四足歩行のモビルスーツ三機と、数台の戦闘バギーが交戦している姿が映った。

 
 

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