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第11話〜〜久々にプッツン!

Last-modified: 2011-12-10 (土) 17:02:49

 

フレイを医務室まで運ぶと、帰りにヘリオポリスのみんなが待ち構えていた。
正直、気が重い。
「フレイのことか?」
「なあ、もう止めさせないか」
トールが第一声を放つ。おそらく他のみんなも同じ気持だろう。
「みんなが説得して止めるなら、それで良いさ」
「止めたよ! でも聞かなくて!」
「で、俺が教えなければ、それで済むと?」
「そうだろ」
「その時は別の手段をとるだろうな。下手すれば無謀にも拳銃片手に飛び出すかもよ」
「そ、そこまでは……」
「無いとは…言えないよ」
「サイ?」
意外にも俺の言葉を肯定したのはサイだった。かなり落ち込んでるみたいだけど……
「実は俺……振られたんだ」
「は?……えっと…それは…」
「キラが気絶から目が覚めた次の日だけど……フレイが、あまりにもキラの事ばかり気にかけるから、嫉妬して……」
まあ、要約すると、サイとの婚約は父親が決めたことだから、父親が死んだ今は無効との発言。
「だから、俺さ、キラにフレイを止めるのは俺の役目だって言われて、頑張ってみたんだ。
 もしかしたら、それを切欠にやり直せるかもって期待して……でも駄目だった」
「そうは見えなかったな……フレイ、サイにベッタリだったろ」
「うん。サイに気に入られようと努力してたよ」
「それも父親のためさ。父親が決めた婚約者だから、気に入られたい。そう思ってたんだ。
 それくらいフレイにとっては父親は全てだったんだよ」
俺が部屋で寝てる間に、そんなイベントが起きてたんだ。
何か言ってやりたいけど……そうだな…
「あのな、サイ…」
だが、言う前に艦を振動が襲う。そして警報が鳴り響いた。間違い無い。奴が来たんだ。

 
 
 

第11話〜〜久々にプッツン!

 
 

 

俺はストライクに乗り込むと、ブリッジに通信を繋ぐ。はっきり言って艦長より中尉の方が頼りになるから、中尉に聞こう。
「バジルール中尉、状況は!?」
「敵の第一波ミサイルはイーゲルシュテルンで迎撃した。だが砂丘の影からの攻撃で、発射位置は特定できん!」
「面倒な!」
状況説明が早くて助かるが、内容は最悪だった。
いやな攻撃のしかただ。前にやってたゲリラとの戦いを思い出す。
「アークエンジェル。動かす準備をしたが良くないですか? 今のところはミサイルで済んでるけど」
「艦の主砲か……そうだな。艦長!」
早速、艦長に進言。仕事が速いと便利だ。正直、俺の部隊に欲しかった。
それじゃあ、俺は出た方が良いかな…
「ヤマト少尉、貴様はストライクを発進させて地上待機だ。ザフトの地上用MSに警戒しろ。
 私は見たことが無いが、戦車などより遥かに厄介らしいぞ」
「…了解」
……先に言われてしまった。
「少佐は出れますか?」
「少し待ってくれ! 弾薬を詰め替えなきゃならん!」
「申し訳ありません! 俺が模擬戦をしようなど言わなければ」
「気にするな。ボウズが手伝ってくれなきゃ、今頃はまだ飛べない状態だった」
まあ、確かに模擬戦をしたくてスカイグラスパーの整備を手伝ったけど……
「では発進できる状態になったら、まずは敵の母艦の位置を探ってください。それまで、航空戦力はこちらで…」
「俺も手伝います」
「……出来る範囲で構わん。メインはMSだということ忘れるな!」
「了解です」
「こっちも了解した!」
「じゃあ、俺は出ます! ミリィ、頼む」
ミリアリアの指示に従い、発進準備を整える。
「キラ・ヤマト、ストライク、発進する!」
砂漠戦か……あまり、経験は無いが……やるしかない。

 
 

ストライクを発進させ、戦闘ヘリ、アジャイルにライフルの照準を合わせる。
「少し、減らす……落ちろ!」
まずは1機…………あれ?
「逸れた?……そうか! 砂漠の熱対流を忘れてた!」
ヤバイ!……考えてみりゃ模擬戦の弾しか使ってない……何考えてんだ、俺? 助けて、ヴィーノ、ヨウラン……マードックのオッサンじゃ全然役に立たねえ!
今まで整備士の人間に至れり尽くせりで来た俺には、アークエンジェルの環境は厳しかった。
「で、でも…俺がやらないと……」
兎に角、ヘリに照準を合わせ撃つ……調整……撃つ……調整……ん? この反応?
「右から? バクゥ!」
今度はバクゥが来た。ヘリは諦めて目標変更。撃つ……調整……撃つ……調整……撃たれる?
「痛っ!…調整終るまで待てねえのかよ!」
待つわけ無いだろ! 自分に突っ込みながら調整を続ける。回避する余裕は無い。PS装甲に頼って調整に専念する。
「これなら?……当たった!」
調整終了。ここからが反撃……あれ? 今、変な音が……これって警告音?
「バッテリーが……」
何故かバッテリーが激減している。心当たりと言えば、無駄弾を撃ちすぎたのと、被弾が多くてPS装甲にエネルギーを喰いすぎた事くらいしか無いんだが?
「……充分だな」
謎でも何でも無い。自業自得だった。
そんな俺に接近するバクゥ。ピンチか!?
「なわけ無いだろ!」
シールドを捨てながら、近付いた1機をビームライフルで撃破し、もう1機をアーマーシュナイダーで仕留める。
「バクゥが相手なら!」
実は俺はバクゥの相手が得意だった。つーか、地上では俺の部隊だけでなくネオザフトが最も相手にする機会が多いのがバクゥの系統だった。
なにしろ、俺達が相手していたのは国では無く、テロをやるゲリラだったから、当然彼等が使うMSを相手にすることが多い。
そして、ゲリラに人気の機種が4足獣タイプ。地上の洞窟などを隠れ家にする者が多いし、そういった場所に隠れながら攻撃する戦法が使いやすい。
さらには操縦が比較的簡単でナチュラルでも少しOSを弄れば使える機体になる。まあ脚部関節を最大限縮めたら普通の戦車と変わらないし。

 
 

「そうだな……機体を捕獲するか」
今のバクゥだったら、口のビームサーベルも装備されてないから、高機動戦車と言っても差し支えない性能だ。これならフレイにも使える。
だが、そんな事をしてる間にアークエンジェルが落ちたら笑い話にもならないが……
「少佐が出た」
すでに地上を飛び立ち、敵艦の主砲に備えてるアークエンジェルから、スカイグラスパーが飛び立った。
隠れ場所さえ見つかればこっちのものだ。レセップスとアークエンジェルじゃ勝負にもならない。
だったら、少佐が索敵に専念できるようアジャイルを片付ける。
「今度は外さない!」
ストライクのビームライフルに撃たれ、アジャイルが全滅する。翼を振って俺に合図を送ると、敵の隠れてると思われる方向にスカイグラスパーは向かう。
「後はこっちか」
あまり、ゆっくりとは出来ない。副司令の事だ。すでに不利を悟ってるだろう。
いや、そもそも今回の攻撃はこちらの戦力を図るための行動だった可能性が大きい。
ならば、すぐにでも撤退を始めるはず……
「残りのバッテリーは……厳しいな。だったら!」
PS装甲をオフにし、バッテリーの消耗をさける。要は当たらなければ良いんだ。
バクゥは残り3機。
空中から砲撃出来れば楽なんだけど、今回はそうはいかない。地面に足を付けて、上手く立ち回らないと。
「行くぞ!」
バクゥに突進。ビームライフルを地面に目掛け放ち、砂塵を撒き散らす。
「まず1機!」
アーマーシュナイダーでコクピットを貫く。
「2機目!」
ビームライフルで足を破壊。
「これで最後!」
ひっくり返してコクピットにビームライフルを突きつける。
「投降しろ!…なんて野暮は言わない。逃げて良いぞ」
「な、なにを…」
「貴様の上官に伝えて欲しい」
そう言って、俺はコクピットを開き、ヘルメットを取る。
「俺はコーディネイターだ」
「何故、同胞が!?」
「察して欲しい。貴方の上官に伝えれば分かってもらえる」
「バルトフェルド隊長を知ってるのか?」
やはり、あの人の部隊か……
「詳しくは言えません。行ってください。早く!」
もちろん嘘。本当は機体を無傷で手に入れたかっただけ。
逃げ去って行くザフト兵を見ながら安堵する。自爆スイッチを押さないでいてくれた。
「さてと……っ!」
だが、銃声が鳴り、そちらを振り向くと、俺が逃がしたザフト兵が倒れていた。
「……ゲリラか?」
俺は銃を持った軍人に見えない集団を見て、怒りを抑えるのに苦心していた。

 
 
 
 

 

予想通り副司令は部隊を撤退させた。相変わらずの手際の良さだ。後一歩でアークエンジェルの砲撃を放てる所だったらしい。
そして、こちらも予想通りゲリラだった。基本的にゲリラは嫌いだし、まして俺が逃がした兵を撃った連中と友好的にはなれない。
そんなわけで俺は、艦長たちが接触してる間、捕獲したバクゥを運びたかったが、待機を命じられコクピットで不貞腐れていた。
ただ、暇だったからマードック曹長と通信していた。
「ボウズ、じゃあ、そのMSを嬢ちゃんに」
「艦長しだいですけど、使えるにこしたことはありません」
「なるほどね……」
「ヤマト少尉、降りてきて」
なんだ? 艦長が呼んでる。面倒な……まあ、仕方ないか。そして俺が降りてる最中に……
「…お前…お前が何故あんなものに乗っている!?」
ん? どっかで聞いた事がある声……アスハ!?
何か怒りながら殴りかかろうとしてるけど……
「それは、こっちの台詞だ! この馬鹿が!」
久しぶりに切れた。俺は殴りかかってくるアスハの腕を極めると、関節を捻りながら髪の毛を掴む。
そして強引に顔をこちらに向けると睨みながら怒鳴った。
「アスハ! アンタなに考えてんだ!」
…………あ?…ヤバッ! 名前言っちゃった!

 
 

 

なんか飽きた……こう来るも来る日もひたすらモルゲンレーテで蟻のように働く毎日。もう3日目だよ。
こんな仕事、僕には向いてないと思うんだけど……
「どう? はかどってる?」
シモンズ主任が気楽に聞いてくるけど……シュライク作ろうなんて、言わなきゃ良かった。なんで僕が基礎設計をしなきゃいけないのさ。
「そう簡単にはいきませんよ。MSを飛行させるには、重量や出力の問題が複雑で」
「それは分かるけど…」
本気で大変なんだからね。やっぱり無理だよ…
「お兄ちゃ〜ん」
「え?」
なんでマユちゃんが……
「ど、どうしたの?」
「お迎え。もう終った?」
「ゴメンね。マユちゃん。お兄さん、まだ終ってないのよ」
「そうなんだ……お父さんと、お母さんは」
「そうね……お兄さんの仕事が終れば、引き継ぎで忙しくなるけど、しばらくは…」
え? それって、僕がノルマを終らせれば、残りは父さんと母さんが……それって、これを終らせればマユちゃんと2人きりに……………パリーン!
「M1の重量は53.5t。だったら出力はこれだけ……チッ! 重量が重すぎる。15t以下に抑えるには材質を…強度不足?…だったら、こっちで!
 出力が足らない分はローターのサイズを…これなら! 
 主任、出来ました!」
「うそ!」
「終ったよ。帰ろうか」
「うん」
「お父さんと、お母さんは遅くなるみたいだけど」
「お兄ちゃんが居れば良いよ♪」
「そう♪」
「あのね、あのね、お兄ちゃんがパイロットになるって友達に自慢しちゃった」
「じゃあ、もっと頑張らないとね」
「うん。応援してる。それと今日の夕飯何にする?」
マユちゃんと手を繋いで家路を急ぐ。今日もお仕事頑張ったよ。うん労働って素晴らしいね。
そう言えば、シモンズ主任が唖然としてるけど、何でだろ?

 
 
 

続く

 
 

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