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第25話〜謎が解けた!〜

Last-modified: 2013-04-22 (月) 19:11:42

「どうぞ♪ お茶が入りましたわ♪」
な、なんでそんなに嬉しそうなんだよ! こっちは何が何だか!
ま、まあ、落ち着くためにも、お茶を貰おう。
「イ、イタダキマス」
うん。美味しいや。まあ、考えてみろよ。所詮ラクス・クラインと言っても、今はたかが16歳の
小娘さ。何だったら抱いてやって虜にしても良いんだ。余裕余裕♪
「あらあら♪ 随分とカップを持つ手が震えてますが? 傷が痛みます?」
「イエ、ナンデモナイデス」
こ、怖くなんて無いぞ! 大人の余裕を見せ付けて優雅な受け答え、大丈夫。問題無い。
それにしても、良く見ると可愛いじゃないか。フッ、今まで相手した中には居なかったタイプだ。
まあ、胸が小さいのは欠点だが……ここで大事なのは膨らみかけは好きだが、貧乳が好きってわけじゃ
無いんだよ。そう、一緒にしてはいけない! ……って、そうじゃ無くてだな! 
「キラ…」
「ハ、ハヒッ!」
「そう緊張しないで下さいな♪」
「ハ、ハイ! ラクスサマ!」
「ラクス、と気楽にお呼び下さい♪」
……気楽にって、俺は緊張なんかしてない! 全然怖くないから! まったく平気!
「エ、エエ……ソレヨリ、ドウシテ、ワタシハ、コンナトコロニ?」
「…………貴方が気を失って3日が経ってます」
答えになってねえよ! マジでシメルか? それとも女にしてやろうか?
「ソ、ソウデスカ」
「ええ♪ それで、貴方に謝ることが……」
そうだよ! 何で俺をプラントに拉致ったんだ?
「貴方が気を失っている間、わたくしが包帯を取り替えたり、身体を拭いていましたの……全身を」
「……え?」
何か嫌な予感……そう言えば、戦闘前は夢精しそうだって……そのわりには少し落ち着いた気が……
「それで、拭いてる最中に見慣れない……そのわたくしには付いていないモノです……それで、扱いが
 分からずに、ですが……匂いがキツイので拭いてたら……何か白いのが……えへ♪ ビックリ
 しましたわ♪」
えへ♪ じゃねえよ! 俺は泣いて良いはずだ!
「そう、気落ちなさらないで下さい。わたくし気にしていませんから♪」
……俺が気にするんだよ……俺、この人に……抜かれた……
「まあ、凄い勢いで出て、顔にかかったので驚きましたけど……」
ちょっ! 俺、ラクスさんの顔に!? この人に顔…
「でも、ちゃんと拭いておきましたから♪ 全然付いてないでしょ?」
そう言って、何故か鏡を……あれ? ラクスさんの顔じゃなく……
「ねえ、かかった相手って?」
「はい♪ キラにですわ♪」
…………自分の顔?…………勢い良すぎだろ?…………泣こう。
「詳しい話を、お聞かせしましょうか? まずキラのモノをこんな角度で拭いて…」
「いえ……遠慮します」
ジェスチャー付きで話し始めようとしたラクスさんを止める。早く忘れたい。
「あらあら? 元気が無くなりましたわね?」
むしろ死にたい。
「でも、少し緊張が解けたようですわね♪」
「え?……ま、まあ……」
そ、そうか! じゃあ、あれは俺の緊張を紛らわす冗談なんだな! いや、ビックリして損した♪
「ウフフ♪」
な、何ですか? その意味深な笑顔は?……ヤバイ! 俺、翻弄されてる。
「ところで質問があります」
「なんです?」
「キラ……貴方は何者ですか?」
「…………曖昧な質問ですね」
「そうですわね。でも、どう聞いたら良いか、自分でも分かりません。貴方の存在、わたくしの理解の
 範囲を超えていますから」
理解の範囲を…………アンタにだけは言われたくない!
「わたくし、貴方の事を、ずっと観察していました………例えばバルトフェルドさんとの討論。オーブの
 姫君も御一緒してましたわね。あの時の会話、とても一介のパイロット、ましてや、偶然戦争に
 巻き込まれた少年のものとは思えませんわ」
…………甘かった。ちょっとでもコイツを、ただの小娘と思った俺は本当に間抜けだ。

第25話〜〜謎が解けた!

「お兄ちゃん、お疲れ様ぁ」
「ありがとう」
僕は対G訓練を終えると、マユちゃんに渡されたタオルで汗を拭った。
「流石にキツイな……」
でも、今のうちに鍛えとかないと……
「教官、いくらなんでも、やりすぎじゃあ?」
「そうですよ。M1じゃ、どんなに動いても、これほどのGはかかりませんよ」
「まあ、そうですけど……」
うん。M1では必要ない。でもマイフレンドが持ってきてくれるはずの愛機は、これくらい平気じゃ
ないと扱えないんだよ。
「……まあ、念には念を、って事です。それじゃあ、失礼します」
「はい!」
アサギさん達と別れて、部屋を出る。この後は開発室に……パワーエクステンダーの開発が終った。
それを回収したシンのストライクの残骸と余剰パーツを合わせ、シンの乗る機体の開発をやっておこう。
作っとかないと、シンにフリーダムを取られかねないからね。
それにしても、どうしよう? IWSPじゃシンには不足な気もするんだよな……なんか中途半端。
いっそ、アグニとシュベルトゲベールの両方を付けるか? でも、そしたら飛行が……
「……ああ、アズラエルとジブリールは諦める。だが、それ以外のメンバーとは顔を繋いでおきたい」
「わかりました。まあ、その2人以外なら、此度の戦争の早期終結には賛成でしょう」
「そうだと良いがな……あれ? シン、それにマユじゃないか?」
「こんにちは カガリ様」
「カガリ?」
「お兄ちゃん、カガリ"様"! お姫様なの!」
「良いって、良いって、気にするな。ところで、キラの行方は……?」
「まだ不明。でも、すぐに戻ってくるよ」
「そうだな……信じよう…お前とアイツを」
マユちゃんの頭を撫でながら、余裕の態度……この辺は本当に変わった。本当ならパニックって、
自分は被害者面で叫んでるところだ。
それにしても、何の話をしてたんだろ? それに一緒にいるのって……
「シンは会うの初めてかな? この者はウナト。まあ、私の数少ない味方だな」
苦笑交じりの発言……最近、カガリはウズミさんと衝突してるらしいけど、ウナトさんは味方なんだ。
「ウナトも初めてだろ? 彼の事は噂には聞いてると思うが?」
「はい。シン・アスカ、彼のお陰で、オーブ軍は随分と力を付けることが出来たと聞き及んでます。
 ウナト・エマ・セイランだ。宜しく頼む」
「いえ、こちらこそ。シン・アスカです。彼女は僕の妹で」
「マユ・アスカです」
マユちゃんも行儀よく頭を下げる。
「ああ、よろしく。ご両親はモルゲンレーテで勤務してるんだったな。ご両親は忙しくて大変だろうが、
 理解してやって欲しい」
「はい!」
「本当に良い子だな……私にくれないか? 噂だと料理も得意らしいし」
カガリが感心したように呟く。気持は分かるけど、それとこれは話が別。
「ダメ!」
「ケチ」
「お兄ちゃん! 無礼すぎ!」
「まあまあ、気にすんなって、シンには感謝してるんだ。彼が居なかったら、今頃オーブはM1を
 持て余していたかもしれない。これで、オーブを守りやすくなった」
「そんな……いくらM1があっても……」
シンとも話したけど、M1をいくら強くしても、今の情勢を乗り切るにはオーブの国力では不可能。
「だが、弱いよりは良い」
「ウナトさん?」
「本来、軍事力とは、行使するための力では無い。外交カードだ。我々政治家にとってはな。
 だから、少年がくれた力、本当に感謝している」
良くは分からないけど、自分の行動がオーブの役に立ったのは嬉しかった。
「ありがとうございます」
「礼を言ってるのはこちらの方なんだがな」
「あ、ど、どうも……」
「じゃあ、シン、マユ、私たちは行くとこがあるから、これでな」
「は、はい」
カガリがウナトさんと?……どうも、僕の知らない展開に突入しだしている。
シン、急ぐんだ! さっさとラクスを落してフリーダムを! 大丈夫さ、マユちゃんもフレイも
僕が幸せにするから! 頑張ってラクスの面倒をみてね。

「クスッ♪ やはり、答えてはくれませんのね?……これでも勇気を振り絞って告白したというのに」
「……たしかに、ストーカーしてました♪ なんて、普通は言えないよな」
何で言ったんだ? 監視していたことを自分から話すメリットは何だ?
「ストーカーですか……良い得て妙ですわね♪ でも正確に言うと探偵を雇ったようなものですから」
「どっちでも良いよ。俺だって、アンタがずっと後を着けてたとは思ってない」
気を落ち着けろ。コイツはラクス・クライン、常識など捨てた存在。……つーか変人!
「それで、アンタは俺に何を望んでる?」
「貴方は、わたくしに何をしてくれますの?」
コイツは……そうやって人を煙にまく……タチが悪い。
「俺はアンタの事を知らないんだ。アンタのために何が出来るかなんて分かるか」
「なるほど、確かにその通りですわね……」
そのまま沈黙して、お茶を口にする。何を考えてる?
「わたくしの望みはコーディネイターとナチュラルが共存しあうことです」
「……別に斬新でも何でも無い。ありふれた回答だな」
「誤解なさらないで下さいな。わたくし、貴方に全てを打ち明けるつもりなのですから」
「打ち明ける?……何をだ?」
「本当なら、貴方を監視していた事など、言わない方が良かったのです。でも、わたくしは貴方に
 打ち明けた……その方が話しやすいと思ったから」
「つまり、俺の行動や考えを知っている。その前提で話を進めたいんだな?」
「はい♪ やはり聡明な方ですわね♪ 本当に貴方が何者か興味は尽きませんが、貴方も彼女と同様、
 簡単に口を割るとは思えません。それでは…」
彼女? ラクスが戸惑う人間が俺以外に?
「…わたくしには協力してくれる方々が居ます。まあ、キラのような力は無くても、平和を求める
 人々の集まりですわ……そうですわね。貴方がバルトフェルド隊長と話したときに出た、声を
 出せない弱者の集まり。主に情報を集めてもらってます」
ターミナル……すでに、ここまでの力があるんだな。
「情報ね……貴重な存在だ。ましてや、俺をここまで運ぶ力を持った連中、弱者なんて笑わせるな」
「ですが、声を上げても無視される存在、もし、声を上げても途端に弾圧される世界。
 彼等が弱者と定義されるかは置いとくにしても、平和を望むものがわたくしに力を貸してくれる。
 それだけは理解していただきたく思います」
「……まあ、良いさ。俺も、そんな事で議論したくは無い。それで?」
「この戦争を止める。そのために貴方の力を貸していただきたいのです」
「俺に何が出来る? 俺はただのパイロットだ」
「ただのパイロットにしては…」
「知識があろうが、無かろうが関係ない。人には役目がある。それを無視して何をするんだ?」
「ですが、現在、その役目を担う者が、この惨状を引き起こしています。それはどうお考えで?」
「1人で出来る事など高が知れてる。例えば、シーゲル・クラインはNジャマーを地上に投下して、
 何億もの人々を虐殺した殺人鬼だ。これは正確か?」
「………お父様は…」
「ああ、俺も会ったことは無いが、少なくとも残忍な殺人鬼じゃ無いだろう。だが、アンタの言い分
 だと、シーゲルの代わりに平和を求める自分がトップになれば、平和になる。そう言うことじゃ
 無いか?」
「わたくしは、そこまで傲慢ではありませんわ」
「傲慢だよ。アンタが自分の非力を理解していれば、シーゲルに力を貸す。だが、違うんだろ?
 アンタは父親とは別に行動している」
「ええ………わたくしは…」
「父親がやったことを許せない?」
「例え誰であろうと許せる行いでは無いでしょう? あの、エイプリール・フール・クライシス。
 確かに血のヴァレンタインは悲劇です。ですが些か行き過ぎた報復でしょう。あれは」
父親の行いを断罪するか……でもな。
「泣きそうな顔で親を責めるな。見てるこっちが辛い」
「……申し訳ありません。ですが、Nジャマーは世界から核の脅威を取り除きました。
 しかし、同時にそれは戦争の形を変え、さらなる憎しみの連鎖を産むことに……その罪、決して
 小さなものではありません」
「トップが責任を取ることは間違ってはいない。だが批判するなら、他の手段を考えてから言うんだな。
 あの時、連合の圧力を撥ね退ける手段は他には無かったと思う。
 例えば核を撃ち返したとしても、撃ち合いには勝てない。無論、核を禁止して通常兵器を使用しての
 戦争でもね。NジャマーはMSを効果的に運用できる戦場を作り出す戦略兵器だったんだよ。
 だからって、罪が消えるわけじゃ無いけど、文句を言うんなら戦争前の奴隷みたいな生活を我慢しろ」
「奴隷……ですか。キラ、貴方は不思議には思いませんの? そんな生活をしているのに、どっから
 MSが現れたのか?」
「………言うほど悪くは無かったってことか」
「判断は人それぞれです。ですが、少なくともMSを開発し、大量に生産できる力はあったのです」
「なるほどね……だが、難しいな。理事国の思惑はプラント、つまりコーディネイターをギリギリまで
 絞る事だろ? 昔の偉い人が言ったらしいが生きぬように死なぬようにってね。
 MS開発を中止して豊かになれば、その分、絞られるかもよ」
「イエヤスですわね。ですが、それは後世に彼を悪く言う人が作った言葉ですわ♪」
「笑わなくたって……」
「いいえ、わたくしは嬉しいのです。連合に所属する貴方が、父を弁護してくれた。やはり貴方は
 わたくしが待ち望んでいた方ですわ♪ やはり全てを相談できる」
「過剰な期待は困ります」
「いいえ、知ってもらいます。先程も話しましたが、Nジャマーの投下を切欠に、憎しみの連鎖は
 より深まり、より広がりました。史上、例を見ないほどに……ここで、再び核が解禁されれば
 どうなります?」
「撃ちあいに……は、ならないな。プラントにはプルトニウムが無いだろ?」
プルトニウム……自然には極僅かしか無いが、ウラン238から作られる人工元素。
「ええ、全くではありませんが、その数は大してありません。それにウラン238も。ですから水爆や
 3F爆弾も現状では心配無いでしょう。ですから助かりました」
「さすがに親プラント国の大洋州連合も核の材料までは輸出はしないよな」
「……驚かないのですわね?」
「何が?」
「ですから助かりました。と……核の解禁……Nジャマーを無効化できるNジャマーキャンセラーが
 完成しました」
そ、そうか……考えてみれば大事件だよな。これって……
「え、え〜と……ど、どうするの?」
「それが困ってます。しかもNジャマーキャンセラーを装備したMSが戦場に出る予定に……」
「まあ、相当の高性能だよな……」
「ですが無敵ではありませんわ。最悪のパターンは、散々、連合の兵を殺した後、捕獲される」
「うん……最悪だな」
「核を撃つ気が無い理由に、こちらだけが所有しているというのもあります。ある意味余裕を
 見せてると言っても過言ではありませんわね」
「じゃあ、敵が持ったら大慌てだろうな」
「はい。それで、先程も言いましたが、核動力のMSが現在2機、ロールアウトしました。名前は
 フリーダムとジャスティス。共に単機で複数を相手取ることを期待されたMSですわ」
「へえ、凄いね」
知ってるけど知らないフリ。
「ですが、先程も申し上げた通り、この機体が万が一にでも連合の手に渡れば、大変な事になります。
 そこでパイロットが重要になるのですわ」
「なるほど、簡単に負けない。あるいは敗れても捕獲される真似だけは出来ないよな」
「その通りですわ。幸いジャスティスに関してはパイロットが決まりました。しかも信用できる腕の
 持ち主です」
おいおい、アスランがそんなに信用できるか? 自爆したり達磨になったりだぞ?
「ですが、問題はフリーダムのパイロットが決まっていないのです。困ったことに、アスランに任せる
 という話も出てるくらいで……」
まあ、アスランじゃ信用なんか出来ない……あれ?
「ちょっと! ジャスティスのパイロットってアスランじゃ無いの?」
「は?……フッ♪ わたくしは、"信 用 で き る 腕" と申しましたわ♪」
うわっ! 鼻で笑われた! でも納得! あんなに強さにムラがある人間に重要機密は危険すぎる。
「まあ、確かに当初の予定では、ジャスティスにアスランを、フリーダムにはクルーゼ隊のメンバーか
 特務隊の者を予定していましたが、急遽ジャスティスのパイロットに選ばれた者が、先程言った、
 捕獲された場合の危険の可能性を上訴したため、上層部でも頭を抱えている状況なのです」
「な、何者だ? そいつ?」
「わたくしたちより、1つ年下の15歳の少女です。先日、アカデミーを途中ですが卒業しました」
「は?……15歳? 少女? しかもと途中って修業過程をスキップしたの?」
「ええ、天才と騒がれました。教官たちも彼女に教えられる事が無いのですから。
 貴方にも関係がありますわ。フレイという下種…コホン!…少女に、か弱いわたくしが可憐にも人質に
 されピンチになった時、キラは随分とザフトのMSの動きが、良くなったと感じませんでしたか?」
「何か気になる発言があったが、それは置いとく。まあ、確かに強かった。それだけじゃ無い。その後、
 追撃してきたジュール隊もな」
「ええ、それは彼女がアカデミーに入学する際のテストに書いた物が基本となってます」
「テストに!?」
「ええ、たしか、抱負とか、その辺りを書く欄に、長々と連合がMSを投入してきた場合と……まあ、
 当事はヘリオポリス崩壊事件前ですから、一笑にされたそうです。
 ですが、クルーゼ隊長とアスランが持ち帰った連合のMSの性能を知らされ、彼女の書いた戦術が
 注目を浴びました」
「それでか……たしかにそのタイミングだ」
「ええ、そうですわね。口で説明するより、見てもらった方が良いでしょう」
そう言いながら、パソコンを操作すると、テレビ画面に映像が映る」
「彼女が、在学中、特別にテストパイロットを務めたゲイツの火器運用試験型……フリーダムと
 ジャスティスの装備の試験機ですわ」 
在学中にテストパイロットか……それも納得。流れるような動き……かなりの腕だ。
「凄いな……」
……でも、この動き、何処かで見た記憶が?
「そして、これがジャスティスでのシミュレーションを見渡した映像……きっと、驚かれますわ♪」
意地悪そうな微笑……なんだ?
「……こ、これって!?」
「はい♪ 貴方方がオーブへ行ったときの映像ですわ。追撃していたジュール隊から送られた映像で
 戦力を分析しました♪」
それは、アークエンジェルを追撃するシミュレーション……戦闘が始ると5分と経たない内にスカイ
グラスパーが2機とも落ちた。
「強い……」
「ですが、これはジャスティスの本来の性能ではありませんわ。あの機体は貴方が使っているストライク
 と同様に、背中の装備を付け替えて、状況に応じた戦闘が可能な機体なのです」
「え?……」
そうか、確かアスランは1つしか使ってないから、あまり知られて無いけど、ファトゥムは付け替えが
出来るユニットだったっけ。
で、でも使わなかったのは専用のリフターの開発が間に合わなかったからって……
「そして、これが本来のジャスティス、運用艦エターナルと行動を共にした時の力です」
エターナル? 地上での運用も可能なのか……見慣れたファトゥムの上に乗り、バスターの装備に似た
武器のリフターを装着……現れたオーブの増援も次々と落していく…あのM1部隊が成すすべも無く。
「こ、この戦い方!」
「初めて見たときは、わたくしも驚きましたわ……ここまで強いなんて……」
違うんだよ! 俺が驚いたのは、この戦い方を知ってるから! リフターを敵にぶつけて、それを撃って
爆破したり、高機動型で動きながら、別のリフターを呼んで、そこから剣だけ取ったり……
これは、俺とレイが考えた戦法だ。動き方も似ている。でも、この戦法は俺がデスティニーに乗り換えた
後は、彼女が……
「これが、彼女の写真ですわ♪ ルナマリア・ホーク。可愛らしいでしょう?」
……その声とジャスティスの剣がストライクを斬り裂くタイミングは同じだった。
この時代のルナが、こんなに強い筈が無い! だったら……俺達と同じ?……

続く

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