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第7話「動き出した悪魔」

Last-modified: 2016-05-01 (日) 00:00:54

ガンダムビルドファイターズ side B
第7話:動き出した悪魔

 

 ザメルの圧倒的火力がランタオ島の一部を次々と火の海にしていく。
しかし、対するコルレルはその全てをかわし、いなし、華麗に駆け、飛び、
ダガーを正確に投げつけてくる。
「なるほど、忍者スタイルか。その黒いコルレルは。」
「あったりー、三重といえばお伊勢さんと伊賀の里だしね。」

 

 トリック・スターとビギナ・ギナ・オレンジはひたすら飛び回っている。
ビギナ・ギナの機動力と岬の正確な操縦をもってしても、トリック・スターの
滅茶苦茶な動きを捉えるのは困難のようだ。
「よくそんな動き回って酔わないな、ピンボールみたいなやつだなぁっと!」
そう言いながらも追撃の手を緩めない、間断なく攻めて相手が疲弊するのを狙っているようだ。

 

「このハンブラビ・・・強い。」
既に肩で息をしている三島。対する大谷は余裕たっぷりのようだ。
「勝負を焦りすぎなんとちゃうん?」
「黙れ!」
コーンランスを突き刺しに行くガズエル、しかしハンブラビは槍先をいなすと
そのまま体を回転させ、裏拳を打ち込んでくる、ぐらつくガズエル。
ハンブラビの動きは決して速くはない、むしろ太極拳のようにゆっくりした動作から
ここぞという時にのみシャープな動きを見せる。

 

相変わらずビギナ・ギナに追いまわされているトリック・スター。
「振り切れない、なら兄ちゃんに付けて貰った新装備の出番だ!」
「ほう、この状況を打破できる奥の手か、面白い!」
トリック・スターが右の盾を反転させ、その場でコマのように回転を始める。
「いけぇっ!新兵器、シールドバルカン!!」
新たにシールドに付けられたバルカンが四方八方に飛び散る。
「バルカンかよ。」
呆れ顔でガードの体制に入るビギナ・ギナ。
むしろ防ぐまでも無く、装甲に当たった弾はカィンと軽い音を立てて弾かれる。
「兄ちゃんこれ使えないよ〜〜〜。」

 
 

「速い!」
意外にもそれは、鳥谷コルレルが島村ザメルに発したセリフだった。
ザメルはそれまでの固定砲台戦法を捨て、ホバーで走りながら軽めの機銃を乱射し
コルレルを追い掛け回す。
「このミストラル・ザメルの『ミストラル』はフランスに吹く熱風の名なのだよ、
 ただの重鈍な砲台と思ってもらっちゃ困る。」
「ふーん、さすがは東中国の代表ね。だ・け・ど・!」
次の瞬間、コルレルの姿が消えた。
「俊敏さに特化したこのコルレルに勝てると思って?」
気がつくとザメルの肩の上に腰掛けてるコルレル、なんというスピードだ。
「なっ!?」
「終わりよ!」
ビームダガーが振り下ろされる、ザメルの首筋に直撃し深深と刺さる。
そのまま首を切り取るべく腰を入れてビームダガーを引き斬ろうとした瞬間!
 ガガガン!!
「きゃん!」
 どこかから飛んできた流れ弾のバルカンが数発コルレルを直撃。
もんどりうって落下するコルレルは、そのままザメルに轢かれて爆発、四散した。
「・・・やっぱモロすぎだろ、コルレル。」
「しくしくしく。」

 

 ハンブラビを蹴り倒すガズエル、直撃し倒れるハンブラビ。
かと思ったら倒れたままの姿勢で突進し、ガズエルの足元を払う、
そのままガズエルの足を両足で挟み込み、倒して上から押さえ込む。
かろうじて振りほどくガズエル、槍を杖代わりにして立ち上がる、
一見互角の勝負に見えるが・・・
「何故だ、なんで武器を使わない!」
そう、様々な武器を持つハンブラビだが、ここまですべて格闘戦1本で戦っている。
「そうやなー、強いていうなら『温存』かな?」
「・・・舐められたものだ、俺には使うまでもないってか?」
「あ、ちゃうちゃう。もっと厄介な敵が控えとる、ちゅうだけや。」
「厄介な敵?」
ハンブラビから気をそらさずに考える三島。そういえばここまで戦いに一切
参加していないガンプラが1体・・・。
「デビルガンダムか。」
「ご明察、岬のやつも言うたやろ?『近畿四天王』て。その上にまだラスボスがおるんよ。」
ちら、と後ろを振り返りつつ親指を後方に向ける。
「動き始めたようやな。どやね、しばらく休戦といかん?」

 

「きたか、ついに。」
ビギナ・ギナ・オレンジが動きを止め、岬が呟く。
その声を聞いたトリック・スターもランダム動作を止める。
「・・・何が?」
「悪魔さ。この10年、世界大会第1ブロック代表の座を独占しつづける、
ガンプラ心形流という名の、な。」
「ガンプラ心形流・・・?」
「ひとまず手を貸せすだちくん、俺に勝ってもアイツが相手じゃ無理ゲーだぜ。」
「すだち君じゃないってば!」

 
 

 火山の岩肌からひとつの塊が動き始める、その亀のような岩の塊から、徐々に首長竜のような
首が8本伸びてくる、その先にある頭はガンダム、その頭だけで他のガンプラの
全身に匹敵する巨大さだ。
「粒子チャージ完了、いくぜデビルアドミラル!」
「そうはいかんよ。」
鳥谷コルレルを下した島村ザメルは、その直後からずっとデビルを見張っていた。
防御力の高そうな岩肌を持つデビルの、動き出す瞬間を狙っていたのだ。

 

 ―ズドドドドドドド―
体を固定し、あらゆる火器を開放するザメル。まるで要塞からの一斉砲撃のような
バリエーションに富んだ攻撃がデビルの体に突き刺さる。
「こっちもいくぜ」
大谷ハンブラビがライフルを、三島ガズエルがビームカノンを放つ。
瞬く間にデビルの全身に火炎の華が咲く、岩肌だろうがガンダリウム鋼だろうが
これではひとたまりもないように見えた。

 

「浮いてる・・・飛んでるよアレ!」
上空から見張っていた宇宙が叫んだ、最初のザメルの砲撃の爆風を目くらましにして
煙にまぎれて浮かび上がって後の砲撃をかわしていたのだ。
やがて煙の中から、その全容を表すデビルアドミラル。

 

その姿に、会場中が凍りついた!

 
 

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