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補完小説パトリック・コーラサワー掘|司埔説ビリー・カタギリ 戦士の休日 後編

Last-modified: 2014-03-07 (金) 13:59:48
 

 ◇    7    ◇

 

 「いやはや、なかなかどうして。お見逸れしたよ」
ビリー・カタギリはありのままに感嘆の言葉を口にして、パトリック・コーラサワーへの賛辞とした。
「それなら今度は、あくまで『if(もし)』の話だけど――自分が好きな人に利用されていた
だけだった、なんてことに気が付いたとすれば、君ならどうする?」
「オイいきなり、なんじゃそりゃあ……どういうこった、たとえばよ」
思いがけず自分に向けられた話の矛先に、パトリックははじめ当惑の表情を見せた。
が、再び余裕たっぷりの微笑を浮かべると、グラスを置きワインボトルを抱えるように足を組んで、
次なる言葉を待ち受けたのであった。
「そうだねえ――例えば、君の場合なら」
眼鏡のブリッジを人差し指で軽く押し上げ、思案する風を装ってビリーは瞑目した。
「君はマネキン大佐にめろめろなようだけど、彼女は君の事なんて何とも思ってなくて、
ただMSパイロットとしての能力だけを利用する為に、君を側に置いているとしたらさ」
言い終えると彼は、パトリックを横目でちらりと盗み見る。

 

 リーサ・クジョウが彼の許を去って以来、ビリーは当然のことながら、重度の疑心暗鬼に
悩まされていた。
一般的な女性不信の上に、女性戦術予報士というものへの不信も重なっていた。
そのため、彼はカティ・マネキンに対しても、強い疑いの眼差しを向けていたのだった。
――君が僕と同じじゃない保証なんて、どこにもない。
その証拠に、ビリーの仄聞するところによれば、パトリックの求愛は既に五年目に突入している
というのに、顕著な進展が見られないというのである。
彼女はそれでいて彼を拒むでも、純粋に上官と部下の関係を保つでもなく、二人は周囲から見れば
非常に曖昧な関係のまま、しかも必要以上に一緒に居るのだった。
彼の直接知るカティ・マネキンは十年以上前、キャンパスで会ったきりであった。
才知に長け分別もあり、浮ついたところのない印象のあった彼女が、いくら多少見栄えがするから
といって、パトリックのような知性に欠けた、好色で軽薄な男に靡き、まともに相手をするとは
思えなかった。
――彼女だって、クジョウと同じでないとは限らない。
カティ・マネキンが彼に特別な感情を持っていないのであれば、彼女は上官の立場なのだから、
きっぱり断ってしまえばいいだけの話である。
なのにそうしないのは、やはり彼女もクジョウ同様、はっきりとした返答を引き延ばし、
期待を抱かせることによって、その間彼の(やや問題があるらしいものの)エースパイロット
としての能力を、自陣営の為、或いは自己の目的達成の為、最大限有効に活用するつもりなのでは
ないかと、ビリーは分析していたのであった。

 

 パトリックは不名誉な二つ名の他にも、連邦とアロウズの関係をもじって「カティ・マネキンの
忠実なる飼い犬」などと影で囁かれているが、ビリーには彼が、ニンジンを目に前にぶら下げられた
赤毛の馬に見える。
そしてその哀れな姿は、つい先日までの自分の姿とだぶって見えるのだった。
クジョウへの想いを断ち切ってアロウズに入隊したはずであるのに、過去の自分と同じような姿を、
傷も癒えぬ内から早々に、たちの悪いことに更に滑稽な形で見せつけられるのは、彼にとって
心の傷口をわざわざ裂いて塩を塗り込まれるに等しい、不愉快極まる出来事であった。
だから正直今のビリーは、パトリック・コーラサワーもカティ・マネキンのことも、
快く思っていない。
ここで敢えて毒のある質問を彼に試みたのも、半ばは「君も気をつけた方がいい」という親切心
からの忠告と弁解できなくもないが、残りの半分は、どうせただの酔漢であるし、多少怒らせても
構わないという横着な悪戯心も手伝っていたのだった。

 

 ◇    8    ◇

 

 残酷ともいえるビリーの挑発的な問いに、パトリックはとりたてて怒色を態度に表すでもなく、
薄い笑みを留めたままボトルからワインを直接煽って、カティ・マネキンの居た辺りを見やった。
彼女たちの姿は、既にそこになかった。
陽が沈みきる前に洋上での打ち合わせを済ませ、艦内に戻ったのだろう。
「べっつに。かまわねえなぁ」
パトリックは事も無げにそう言うと、酒で濡れた口許を無造作に手の甲で拭った。
「強がりじゃなくて、本心でかい?」
――これが『if』じゃなく現実だとしたら、君だってそんな風に笑ってはいられないと思うけどね。
あの日以来、心から笑うことのできなくなったビリーは、暗く淀んだ瞳で彼を見据える。
「……だってよ? 俺のスペシャル様としての実力は買ってるってコトだろ」
――えっ? スペシャル様って何?
咄嗟にビリーは聞き返しそうになったが、恐らく特別優秀なMSパイロットというほどの意味だろう、
と適当に当たりをつけ、わざわざ問うのをやめた。
「まあ、とりあえずそういうことにはなるね」
彼に利用できるだけの価値がないのであれば、カティ・マネキンは文字通り、歯牙にも
かけないのだろうから。
「そっからスタート! で、俺様の男としてのスペシャルな魅力で大佐のハートも落とす!
コレでいいんじゃねえか」
そろそろ残り少なくなったワインボトルを高く掲げ、これが正解だとでも言いたげにビリーの
目の前に突きつける。
「そうすりゃ結局、今とおんなじになるぜ?」
二人は肩を並べて甲板に座り込んでいたが、パトリックは自分より幾らか背の高いビリーに向けて、
頬を心持ち斜め上に傾け、同意を求めるようにウインクした。
――うわぁ……。
長い襟足をうるさそうに掻き上げ、酒気を帯び上気したうなじを露わにしながら、斜め角度から
流し目をくれてのウインクが、同性である自分の目を通してすら、ひどくあだっぽく映る。
「シケた面子」に「野郎相手にヤケ酒」云々と、かりそめにもパーティーの同席者である
ビリーに向かい、散々悪態をついてくれている以上、よもや自分に色目を使っているのではあるまい。
だがそれだけに意義に乏しい彼の色気に中てられ、ビリーは毒気を殺がれて暫し唖然となった。

 

 もしカティ・マネキンに利用されているとしても、自分の魅力で彼女を振り向かせてしまえば、
現状に追いつくのだから、構わない――つまり、今も利用されているという認識はないし、
彼女も憎からず自分を想っている、と言うのである。
パトリックは自身の能力や容姿に関して、並外れて自意識が高く、自信過剰なようだ。
軍事演習場の観覧席においてAEUの幹部らしき面々が、突然のアンノウンの襲来に動揺していた
とはいえ、晴れの席で自国家群のエースパイロットを評して「性格に問題」「あの馬鹿!」などと
口々にけなしていただけのことはあるのだった。
惨憺たる対ガンダム戦の戦績に加え、はかばかしい戦果を上げているとは言い難い上官カティ・
マネキンへの度重なるアプローチを背景にして、何ゆえ彼がかくも自信に満ちて前向きに、
楽しげかつ自由気儘に振舞えるのか、ビリーは理解に苦しんだ。
彼からは敗者ゆえの葛藤や、他者への猜疑などの心の翳りを、どこにも看て取ることができない。
あたかも脳の当該感覚の担当部分に、スカッと爽快な風穴が開いているような気さえしてくる
のであった。

 

 ◇    9    ◇

 

 アロウズ技術大尉ビリー・カタギリは、眼前で次々と繰り出される同少尉パトリック・
コーラサワーの、噂以上の奇抜な振舞いに呆気にとられ、暫くの間為す所もなく目をしばたたかせて
いた。
感情が即、態度に表れるので判り易いことといったらないのだけれども、いつ何をやらかすのかが
解らない。
盟友グラハム・エーカーの古風にして無鉄砲な言動に慣れたビリーであっても、パトリックの
過激な奔放さには、既にお手上げだ。
まして毎日のように顔をつき合わせ、なおかつ傍目には一方的に好意を寄せられているかに見える
彼の上官、カティ・マネキン大佐の労苦たるや、推して知るべしといったところである。
「――じゃあ、設定を変えよう」
我に返り平常心を取り戻すと、彼はパトリックに提案を持ちかけた。
「“設定”って――オイオイ、お前小説家かよ」
「これもシミュレーションの一環と思えば、楽しくないかな?」
「……模擬戦みたいなもんか」
巧みな誘導に乗せられ、パトリックはビリーが予測した通りの回答を弾き出した。
「ご名答」
でもよ、とまだ何か言いたげなパトリックを尻目に、ビリーはいつになく強引に話を押し進める。
「そう、次はね――君はあるひとのことがずっと好きだった。でも彼女はわざと君の気持ちに
気付かないふりをしているんだ。なぜって、彼女には他に好きな人がいたから」
自分でも不思議なほど、淀みなく言葉が口をついて出た。
海上空母に降り立ち、硬い飛行甲板に腰を下ろした時から、彼にこのことを話すつもりで
いたかのように。

 

 リーサ・クジョウとの一件を、自分自身の事として他人に打ち明けるつもりは毛ほどもなかった。
それは全て自分と、クジョウとの間で解決すべきことであった。
彼女がソレスタルビーイングの青年と去ってからというもの、ビリーは事実を時系列に連ねて
因果関係を探り、彼女の行動の一つ一つについて多方面から考察を試みた。
しかし所詮客観的になどなれる筈もなく、幾度検討を重ね、時にはお人好しに過ぎる好意的な解釈を
敢行したとしても、最後に辿り着くのは、いつも同じ――自分の立場も長年の想いも、利用され、
踏みにじられ、挙句置き去りにされたという、屈辱的な結論だけなのであった。
その本心からの忠告を忍ばせたビリーの問いに、自称「スペシャル様」は逆上するかと思いきや、
意外なことに笑顔で聞き入れ、確信に満ちた惚気で応酬した。
これには大いに呆れもうろたえもしたけれども、軍事演習場で冷や汗をかかされ、さっきまで
不貞腐れていた、浅慮で大人気ない彼とは別の一面をそこに見たのである。
もし彼が自分と同じ状況に陥ったとすれば、いかなる見解を示し、結論を導き出すのか――
酔いの戯れと承知で、ビリーは少しばかり興味が湧いてきたのだった。

 

 彼は意中の人であるカティ・マネキンを除けば、上官の名さえ記憶に留めないという服務態度の
悪さでも名高い。
それはAEU幹部の口ぶりから、またグラハム同様、五年前には既に軍のエースであったにも
関わらず、今だ少尉止まりである不自然さからも察することができる。
実際、パトリックはこれまで自分の名を一度も呼んでいないし、尋ねてきてもいなかった。
ビリーは通常旧ユニオン領の工廠にいて、頻繁に顔を合わせる機会もない。
また、酔っ払いの観察経験に富むビリーの診立てでは、パトリックは泥酔の二歩手前、
中等度の酩酊状態にある。
まだまだ口は滑らかだが、問題行動を取るなど複雑酩酊の兆しも見せ始めていた。
かかる状態にある彼が、これから話すこと全てを風通しの良い脳に刻み込み、ビリーの経歴を
洗い出してクジョウとの関係に目をつけ、「あれはお前の話じゃないか?」と詰め寄ってきて
自分を窮地に立たせる可能性は、彼が色恋沙汰を好むという点を加算したとしても、
極めて低いと推測される。
臆病にして果敢なビリーの試みは、奇妙なことに自身のでなく、パトリックの酒の勢いを借りて
続くのであった。

 

 ◇    10    ◇

 

 「で?」
言いかけの言葉はどこへやら、パトリックは早くも大乗り気でビリーをせきたてた。
暇つぶしに恋の手ほどきなどと自分から言い出すのも、むべなるかなと頷ける。
「……彼女はその恋人を、戦争で失ってしまうんだ。失意の彼女は行き場もなくして自暴自棄に
なって、放浪の末、旧知の友人である君の家に突然、転がり込んでくる」
ビリーはさきの質問の続きめかして、この身に起こった出来事を、作り話のように仕立てて
語りだした。
「ほお」
名を伏せるのは勿論のこと、経緯も適度に端折ってある。
それでも関心を惹くには十分だったのか、パトリックは引き込まれるようにビリーの方に体を傾けた。
――『事実は小説より奇なり』さ。何たって、本当の話だからね……。
この手で引導を渡すその時まで、已むことのない胸の痛みをおくびにも出さず、ビリーは
心の中だけで冷やかに呟く。
「君は彼女が自分を頼って来てくれたのは嬉しいけど、自棄になった彼女を立ち直らせることも
慰めることもできずに、ただ一緒に暮らすんだ」
「『タダ』……って要は、なんにもナシでか」
「……そういうことで」
ビリーは己の不甲斐なさを彼に責められているような気がして、眉根に皺を寄せ弱々しく笑んだ。
わざわざ鏡で確かめるまでもなく、情けない顔をしていることだろう。
「その時点で、俺にはありえねえ話だなぁ……気がついたら、向こうから乗っかってきたりしねえ?」
パトリックは身を乗り出して酔眼を巡らせ、なあ、とけだるげに呟いてビリーに視線を合わせた。
彼に同調するだけの根拠を持たないビリーは、反射的に身を引き慌てて目を逸らせる。
「それもちょっと、ない方向で頼むよ」
――前後不覚になっても、そんなことには……。
とこぼす訳にもゆかず、ビリーは眼鏡のフレームをしきりに指で案じて、狼狽をレンズの奥へと
押しやった。
身に覚えがあるらしいパトリックは、「そうかあ?」と首をひねり、また一口酒を煽った。

 

 「まあ、せっかく思いついたんだから、このシチュエーションで最後まで考えてみてはどうだい?
状況が難しい方が、手ほどきのし甲斐もあるんじゃないかな」
ぽろりとこぼれる彼の赤裸々な経験談に内心どぎまぎしつつ、ビリーは話を進めることに努めた。
「君は傷ついた彼女が余りに痛々しくて、そこに存在することを黙って許す以外、どうにも
できなかったんだよ――でも実は、彼女は」
「お、新展開ね」
パトリックはワインボトルに口をつけながら、弾んだ口調で合の手を入れた。
声がボトルの中でくぐもる。
「恋人を失ったことでテロリストの思想に傾倒して、敵である君を足止めする一方、軍内部の
情報を得ようとしていたのさ」
期待通りでなかったことを示すように、そこで彼は声のトーンを数段落とし「へえ」とだけ言った。
事実を殊更に脚色する気も必要もないのだけれども、或いはややお堅い展開が、彼の嗜好に
添わなかったのかも知れない。
「君は有名なテロリストである仲間が彼女を迎えに来たことで、ようやく気がつくんだ――頼られて
いたんじゃない。ただ、いいように利用されていたって事にね」
「こんな状況なら、君なら彼女をどうするかい?」
気がつくと、胡坐のまま俯いてボトルの口に額をあてた珍妙な姿勢で、パトリックは
思案し始めていた。

 

 ◇    11    ◇

 

 「あー、ちょっと待ってろ。もっかいハナシを頭ン中で整理して――と」
ワインボトルを額の支えにして下を向き、足を組むというヨガ並の不可思議な体勢で
考え込んでいたパトリック・コーラサワーは、ビリー・カタギリからもたらされた質問に、
満を持して答えようとしていた。
「よっしゃ! 俺なら迷わず、女についてくぜ!!」
回答と同時に威勢良く上げられた彼の顔を一目見て、ビリーは不意を突かれ堪らず吹き出した。
ワインの色か、はたまた圧迫による鬱血なのか、見る者の笑いを誘わずにはいられない赤い◎印が、
彼の額にくっきりと刻まれていたのである。
「あァ……? さてはお前、俺様の名回答にびっくらこいたか?」
どこをどう見れば驚嘆しているように見えるのか、という点にビリーはむしろびっくりした
のだったが、パトリックが自説を一笑に付されたと誤解しなかっただけまし、と前向きに捉える
ことにした。
これも酔いが回って判断力が低下しているのと、彼流のポジティブな思考回路のなせる業なのだろう。
ビリーは拳を口許に配し、笑いを咳払いにすり替える。
「すまないね、ちょっと……ええと、利用された事について、君は腹が立たないの? 何かその、
思うこととか」
再三にわたる問いに、パトリックはくしゃくしゃと片手で髪を掻き乱しながら、今しがた
まとめたらしい考えを一気に吐き出した。
「さっきと同じだ。もっと簡単に考えたらどうよ? 大体なァ、男と女のキッカケなんざ
何でもいーんだよ!! 敵だろうが構やしねーし、味方ならなお良しだ! 使えるヤツと思われたら
ラッキー! 女の頭に俺の顔が浮かんだらシメたもんだぜ。ナニがなくとも一緒に住んで
メシ食ってるくらいなんだから、どうにもイタダケないってワケでもないんだろ? 出だしとしちゃ
悪くねぇじゃねえか――で、そっからスタートね」
「ついて行ってテロリストの仲間になって、君の魅力で彼女のハートも落とす、で、
めでたしめでたしなのかい?」
「ま、そんなもんだ」
「テロリストだよ? 恒久和平の実現を阻む――人類の敵だ」
――道を踏み外した彼女の翻意を促すどころか、二つ返事で「ついて行く」って……
人としてのモラルも君は「簡単に」放棄してしまうのかいと、ビリーが真意を確かめるべく
口を開きかけると、
「グダグダ考えたって、惚れちまってたら仕方ねえだろうがよ」
いちいちこまけぇヤツだなあ、と彼はいかにも面倒臭そうに苦笑いして手首を振った。
ビリーの抗弁は文字通り、一笑に付されてしまったのだった。

 

 「軍を辞めて、君もテロリストに?」
「コトと次第によっちゃあな……実際、とんでもねえ組織だったら、入ったフリしてサボるか、
内側からブッ壊しちまえばいいじゃねえか」
そこでパトリックはくくっと喉を鳴らすと、口許を歪ませる。
「――ソッチの方が、女を口説くより容易いぜ?」
切れ長の目に宿る菫色の瞳が、俄かに禍々しい光を帯びてビリーに向けられた。
「え……?」
その不敵な笑みに潜む狂気を嗅ぎ取って、消えかけの額の赤丸にももはや笑えず、
彼は再び言葉に詰まった。

 

 ◇    12    ◇

 

 ――それって君、つまり――
とまで言いかけたところで、ビリーはこの場において続きを口にすることの禁忌を悟り、
急遽言葉を嚥下した。
この回答を仮にパトリックの現状に、置き換えてみるとすれば――カティ・マネキンを追いかける
形で転属した彼は、アロウズがテロ組織などでは断じて、ないにしても――彼女が組織のありように
疑念を抱きそう命ずるか、彼自身が「とんでもねえ組織」と判断しさえすれば、躊躇なくアロウズに
牙を剥き、壊滅させる意思がある――と来て早々、司令の血縁者であるビリーに、例え話に仮託して
表明しているとも受け取れるのだ。
彼一人の力で「容易く」「ぶっ壊し」得るほどアロウズは脆弱な組織ではあるまいが、背後で彼の
手綱を握る女戦術予報士の存在をも視野に入れるならば、あながち笑い飛ばすこともできないでいた。
普段は子犬の如く従順に彼女の後を付いてはしゃぎ回り、男として、それ以前に人としての
プライドはどこにと嘲られているパトリックの中に、虎狼の如き野性が見え隠れして、
ビリーの背筋に一瞬寒気が走った。
欠員補充の為とはいえ、叔父は――アロウズはとんでもない狂犬――しかもカティ・マネキンにしか
懐かぬ猛獣――を招じ入れてしまったのではないだろうか。
この時ビリーは漠然とではあったが、不吉な予兆を覚えたのだった。

 

 「正規軍のエースパイロットの言うことにしちゃあ、穏やかじゃないねえ」
――危険思想だよ。
ビリーだけが感じているであろう、二人を隔てる不穏な空気を、彼は平素の穏やかなおどけ口調で
紛らわせた。
「とりあえず惚れた女だけは守っとかないとな。女の肌に傷の一つもつけたら、エース以前に
男が廃る」
「徹底したフェミニストなんだ」
「ったりめぇだ。俺は愛に生きる男なんだよ! だからこそ幸運の女神は、この俺様に
惚れてんの!!」
立てた親指を反らせた胸にグッと引きつけ、パトリックは得意気にポーズを決めた。
ビリーはもう、辟易して数え上げるのをやめてしまった。
根拠が自信以外にない強引な持論展開も、はや何度目を迎えたことだろうか――
「――じゃあ、もし……追いかけ損ねたら?」
毒を食らわば皿までと、半ば惰性でビリーは尋ねた。
「無事に帰って来たら『よく帰ってきたな!』つって、何も聞かずに抱き締めてやるよ。ま、そん時
家ン中にホカの女がいなけりゃの話だけどな! ははははは!!」
パトリックは黄昏の空に向かい、高らかに笑声を放った。
アロウズに身を投じてなお、酔っ払いとの因縁が断ち切れぬ己が身の不運と気弱さを嘆き、
また念の入った凝りようと執拗さにも呆れつつ、ビリーも引きつった笑いを重ねたのだった。

 

 ひとしきり二人で笑ったあと、彼はふと真顔になりビリーに向き直った。
「――どうだぁ、タメになったか?」
「何て言うんだろうねえ、幾つかの点で、どうにも受け入れ難いところがあるけど――その、
参考資料程度には」
敢えて忌憚のない意見を言わせてもらえば、彼の回答を実行に移そうにも、まず反体制レベルに
モラルが欠如している上に、彼の能力・容姿・パーソナリティといった固有性能に依存し過ぎていて、
著しく普遍性にも欠けているように思うのだった。
過去彼から同様の手ほどきを受けた者達も、恐らく返答に窮したことだろう。
「『参考資料』……って、何だよそりゃ」
と言いながらも、パトリックは挙げた右手の人差し指と中指を交差させてビリーにかざして見せ、
にっと笑った。
「上手くやれよ、色男! 俺ほどじゃあねぇけどな――」
その手を平手に変え、ビリーの背を強かに叩いたかと思うと、やにわに彼の長いポニーテールを
引っ掴んだのである。
ビリーは背面に容赦ない一発を食らった直後に後頭部をガクンと引かれ、危うく倒れそうになったが、
咄嗟に両手で踏ん張って何とか持ちこたえた。
一方、パトリックは途中、髪を手放し、鈍い音を立てて仰向けに倒れたのだった。
「痛たたっ……荒っぽいなあ、もう。――あれ?」

 

 ◇    13    ◇

 

 「こんな所で寝おって、馬鹿者が!」
再びデッキに姿を現したカティ・マネキンは、足許で豪快に寝転がっているパトリック・
コーラサワーを見下ろし、柳眉を逆立てて怒鳴りつけた。
彼が気がかりで、軍務の合間を見計らって様子を見に来たのだろうか。
「先ほどは、どうも」
ビリーは軽く会釈して、傍にありながら彼を制止できなかった責任を感じ、申し訳なさそうに
肩をすくめる。
「こちらこそ部下が迷惑をかけて済まなかった。場も弁えず、下らぬことをほざきおって――
おい、起きろ! パトリック!!」
快適でなどあろうはずのない飛行甲板の上で、パトリックはここが自分の寝床であるかのように、
心地良さ気に四肢を放り出し眠っている。
彼女の怒鳴り声も、今の彼の耳には子守唄にしか聞こえないらしい。
抱えていたはずのワインボトルもグラスも、いつの間にか散り散りに転がっていた。
自分が彼直属の上司であったなら、さだめし目を覆いたくなるような惨状である。
「おやおや。熟睡しちゃったみたいですね」
身体状況を一通り観察するに、急性アルコール中毒による昏睡ではなく、ただ単に眠ってしまった
だけのようだ。
パトリックの体調を慮って飲み過ぎるのを止めるどころか、彼の「恋の手ほどき」なる発案に乗じて
小細工を弄し、結果酔い潰れるまで実験まがいの質問攻めに遭わせたビリーは、身を屈めて
ボトルとグラスを拾い集めながら、少しほっとして表情を和らげた。
「ふん……仕方がない、職員を呼んで来る。この馬鹿を部屋に叩き込んでやる」
安堵するビリーの前で、カティ・マネキンは「いっそのこと営倉にでも放り込めば清々するか」と
腹立ち紛れに吐き捨てて、肩を怒らせ腕組みした。
「僕も手伝いましょうか」
しかしながらビリーの長身だが逞しいとはいえない体つきを一瞥して、頼りにならないと
判断したのか、
「いやいい。技術大尉殿の手を煩わせるまでもない」
彼女は実に素っ気無く、彼の申し出を辞退したのだった。

 

 「まったく、世話を焼かせる……」
カティ・マネキンはぶつぶつ文句を言いながらも腰を下ろし、人を呼ぶ前にと、パトリックの
着衣の乱れを整えてやっていた。
恋人と言うよりは、母親か姉のような世話の焼きぶりに見える。
そして彼の身支度を一通り終えると、軍人らしい切れのある所作で立ち上がり、くるりと踵を返して
ビリーに背を向けた。
その背中に向かって、ビリーは声をかけた。
「あなたと一緒に過ごせなくて随分凹んでいたみたいですよ、彼」
表向きパトリックに同情を寄せる風でありつつ、その実カティ・マネキンを冷やかすつもりで言い、
表情の変化を窺った。
彼女は僅かばかり振り返ると、小さなホクロのある口の端を微かに歪めた。
多分、笑っているのだろう。
これといった返事もないままに、視界の中で徐々に小さくなるカティ・マネキンの後ろ姿を
目で追っているうち、「色っぽくて可愛い、たまらない」と、眼下に転がる「スペシャル様」が
絶賛していたことを、彼は思い出した。
彼女の笑んでいるのかさえ判じ難い微妙な笑顔は、パトリックの目には至上のものに映っている
らしいのだが、彼の心を揺さぶるものは何もなかったのだった。
もっと愛らしく、花がほころぶように頬を染め、はにかんで笑う方が魅力的だと、僕は
思うけれどね――と、胸を抉る痛みを覚悟で、夢寐にも忘れ得ぬ遠い日の少女の、無邪気な面輪を
脳裏に描き出した。

 

 ◇ 14 戦士の祝日   

 

 その日は彼と初めて会った時と同じに、とてもよく晴れていた。
新生地球連邦軍のモニターの一つに、結婚式の中継が映し出されている。
ラボに一人居るビリー・カタギリは、作業中の端末のサブウィンドウを開くと、暫し手を休めて
コーヒーを啜った。
そこには大口を開け、これ以上はないというほど幸せそうに笑うパトリック・コーラサワーに、
アロウズでは見たこともない、別人のように柔和な笑みを浮かべて彼に身を寄せ、腕を回している
カティ・マネキンの姿があった。
まさかの結婚に、連邦軍内では様々な憶測が飛び交っている。
だが少なくとも、本人同士は喜びを以てこの日を迎えているように、ビリーの目には映じた。
花婿という呼称に似つかわしい、相も変わらず式典映えのする、彼の華やかな容姿には感心する。
問題の、中身の方は――まるでびっくり箱かと思うほどに、あれやこれやと驚くべきものが
ひしめいていたけれども。
軽率で子供じみた真似に失笑を誘われたかと思うと、にわかに年相応の男の色気を覗かせ
当惑させられたり、狂気の滲む獣の残忍さを垣間見せて、肌の粟立つ思いをさせられたり――と、
見たところ当人の自覚なしに展開される、気分任せの変わり身にさんざっぱら翻弄され、
ビリーは当初消閑のつもりがどっと疲れを覚えて、来て早々、海上空母から引き上げたのであった。

 

 ――いや、パンドラの箱かな。はらはらさせられるよ君には、まったく――
爾来、パトリックと顔を合わせる機会は数度あったが、幸い、いずれも声を掛けられることは
なかった。
それでも昼食の最中、食堂で偶然鉢合わせ、まずいことに彼がこちらを凝視していることに
気付いたときには、平静を装ったものの、実際は食べている物の味も分らなくなるほど気が動転した。
食べかけの食事をしまい込み、そそくさと食堂を出るのもかえって不審に映る気がして、
彼の居る方を何気ないふりをしてちらちらと窺っていた。
そうこうしているうちに、彼の視線の先にあるのが自分でなく、ビリーが食べかけを手に一つ持ち、
またその残りをテーブルの上に置いた、箱詰めのドーナツであるかも知れないと思い至った途端、
冷たい汗が一気に噴き出したのだった。
仮説を検証する為、手に汗を握りながら、ビリーは初対面の者に対してするような慇懃な態度で
声を掛けた。
細心の注意を払い、しかし表面上さりげなくドーナツを勧め、固唾を飲んでパトリックの反応を
待ったのである。
彼は砕けた口調で礼を述べると、箱から一つ適当につまみ取った。
早速口にくわえて頬張りつつ、自販機の方へ消えて行き、それきり戻らなかった。
彼がビリーに何と礼を言ったのかは、緊張の余り今でも思い出せない。

 

 パトリックがビリーのことを憶えていないという確証を完全に得たのは、それから更に後、
新生連邦軍が発足し、マネキン・コーラサワー結婚の報が、疾風のごとく軍内を駆け抜けた時だった。
海上空母の甲板で彼は、
――よし、結婚式には呼んでやるぜ!
と大風呂敷を広げていた(今となっては予定を明かしたと訂正するのが適切だけれども)にも
関わらず、招待状が届くことは遂になかった。
これには通常落胆すべきだろうが、最後の可能性も消滅したことで、ビリーは全身の力が抜けるほど
安心し、己の軽はずみでした行動の大胆さに改めて驚くと共に、その小心を哂ったのだった。

 

 ガガ部隊がイノベイドの拠点である母艦ソレスタルビーイングを発ち、トランザムによる
超加速状態で、カティの乗る輸送艦にも無差別特攻をかけようとしていた。
交戦中のパトリックはこれを察知するや、常人離れした早業ですぐさま取って返し、先頭機を
ランスでまず撃破すると、残る数機を自機を盾にして防ぎ、彼女を守り抜いたのである。
衝撃に耐え切れなくなった乗機ジンクス靴爆散する直前、彼はカティにまたしても公然と
愛の告白をしたという。
“不死身のコーラサワー”ももはやこれまでかと、その場に居合わせた誰もが彼の生存を諦めかけた。
しかしながら大方の予想を裏切り、彼はまたしても無傷で、奇跡的な生還を果たしたのだった。

 

破滅の絶望をアロウズに齎したのも彼ならば、再生の希望を世界に残したのもまた、彼であった。
世界の趨勢などそっちのけで彼が愛したカティなくして、今ここにある平和は実現し得なかった
のだから。

 

 ◇ 15 戦士の祝日 ◆ 

 

 アロウズ討伐の軍を率い、圧倒的戦力格差を旧式装備の活用と他勢力との連携による戦術で覆し、
地球連邦軍の再生に尽力したカティ・マネキンは、功を認められて准将へと昇進した。
これに伴いパトリック・コーラサワーも大尉に昇進、当初は戦々兢々だった元アロウズの兵士たちも、
ほぼお咎めなしのまま、連邦軍へ聊か気恥ずかしい再転属を経験することとなったのである。
しかし長きにわたり敵対したカタロン等の反連邦勢力に対し、連邦への加入を取り持つなど、
従来の強硬姿勢から打って変わった軍の懐柔策に、拒否反応を示す者も皆無ではなかった。
この思い切った方針転換は、紛争の収束に貢献する一方、いくばくかの離脱者を生む結果と
なったのであった。

 

 アロウズ司令ホーマー・カタギリの甥であり、最後の戦いでイノベイド陣営に投じたビリーにも、
厳罰が下ることはなかった。
現在は連邦軍において、引き続きMSの研究開発に与っている。
この措置が彼の犯した罪の軽重を反映したものでないことを、ビリーは骨身に沁みて知っていた。
エイフマン理論を継承し、トランザムシステムを機体に実装し得る唯一の技術者である彼を
失うことは、発足したばかりの新生連邦にとって不利益でしかないのである。
そうした流れの中、叔父はアロウズが犯した残虐行為と、そこに隠された意図を明らかにした上で
責を負い、自らの命を絶った。
――司令は恒久和平実現の為、全ての罪を背負う覚悟でいます。
ブレイクピラー事件に際し、ビリーは叔父に成り代わり、不退転の決意をカティに示したことが
あった。
もう子供じゃありませんよと、面倒見の良さゆえのお節介を煙たく思うこともままあったけれども、
まさか叔父が、自分の恋着ゆえに犯した罪まで引き受けて逝くことになろうとは、思っても
みなかったのだ。

 

 パトリックの中に見た、恋する者の盲目的な狂気に、あの時ビリーは慄然とした。
だがその実彼を突き動かしてアロウズに入隊せしめ、盟友の求めるままに機体を創り、
イノベイドに与して敵味方の別なくビーム砲を撃ち、果てはリーサ・クジョウにまで銃口を
向けさせたのも、また同じ近視眼的な狂気に他ならなかったのである。
クジョウを信じ切ることも、さりとて憎み抜くこともできず、復讐と恋着の衝動とが、彼の心を
振り子のように交互に揺さぶり続けていた。
ソレスタルビーイングに壊滅的ダメージを与えて、彼女を説き伏せ連れ戻そうか、それとも彼を
踏みにじった彼女諸共、自身が創り出した兵器を以て踏みにじり、消し去ってしまおうか――
心を繋いでいた筈の糸はいつしかとうに振り切れていて、彼女と気持ちを通い合わせ、小さな肩を
胸に抱いた後になってようやく、取り返しのつかない凶行に手を染めてしまっていたことに気付き、
茫然自失したのだった。

 

 紛争の早期解決という高い志と異才を抱きながら、クジョウには絶えず不運が付き纏った。
AEUで恋人を、ユニオンで恩師を、ソレスタルビーイングで理想を喪い、寄る辺ない身の彼女は
放浪の末、くたびれ果てて彼の部屋に辿り着いた。
――ごめんなさいビリー。あなたの気持ちを知っていながら、それに甘えて。
無力な自分を受け入れ、どんな我儘も許してくれる居心地の良さに、彼の気持ちを棚上げにして
甘えていたと、彼女の心は語っていた。
カティがパトリックを利用するだけのつもりだったのか、はじめから好意を抱いていたのか――
真実は藪の中だ。
既に夫たるパトリックにとっては「別に構わない」ことだと、自信家の彼は惚気て言った。
クジョウに自分を利用するつもりがあったのか、あるとすればそれはいつからで、どの程度で
あったのか――今にしてみればビリーも、もうどうでもよくなっていた。
彼女の気持ちがどのようなものであったにせよ、自分を思い出してくれたことはやはり嬉しかったし、
彼もまた懐に舞い込んだ窮鳥を、見捨てるには忍びなかったのだろうから。
そもそも6年前、三国合同軍事演習を前に軍の極秘データを突然送りつけ、専門家の意見を仰ぐと
いう建前で彼女と接触を図ろうとした彼に、何割の下心があったのかと逆に問い返されたら、
果たして答えられただろうか。
恋心だけは解析不可能だと、冗談交じりに座右の銘を口にしていたのは、他ならぬビリー自身で
あったというのに。

 

 「まさか本当に、全てやってのけてしまうとはね――正直、思わなかったよ」
一向に笑いの止まらぬ態のパトリックに向かい、彼は画面越しにぽつりと呟くと、ドーナツを
一齧りした。
クーデターへの加担もカティとの結婚も、数々の強引な持論展開による仰天発言も、酔っ払い特有の
戯言と話半分に聞き流していたが、口から出任せで、いい加減に答えていた訳でもなかったのである。
色鮮やかなバラのブーケがふわりと舞い上がり、モニターに大きく映し出された。
パトリックの朗らかな声が、耳許に甦る。
――上手くやれよ、色男!
「僕も、いつか……どうだろうねえ」
傍らに置いたフォトスタンドの中で、微妙な距離を取りぎこちなく笑う、クジョウと自分の姿を
感慨深げに眺めながら、パトリックへの随分のんびりな返事をして、彼はゆるりと首を傾げた。
殴打に始まったと聞くパトリックの恋に比べれば、ビリーの恋の出だしは、捨てたものでも
ないらしかった。
彼女についてゆくことを二度までも選ばなかったのは、叔父に救われたこの命で、彼にも守れる
ものが今ここにあるからだ。
誰よりも空を愛した彼の盟友が、ラボの入り口で佇んでいる。
目の前の壁面モニターに仄かに影を投じた、何か憑き物が落ちたような表情の、元通りの
懐かしい姿に、ビリーの口許が自ずと綻ぶ。

 

 もし彼女がいつか再び自分の許にふらりと現れ、済まなさそうに照れ笑いでもしたら、何も聞かず
「お帰り」とだけ言って、抱き締めるのもいいかと思う。
お酒は程々に頼むよと、後で念押しは忘れずに。
あとは彼の身に起こるかどうか、見当もつかないのだけれど――そのとき自分の側に、他の誰かが
居てくれるような僥倖を得ていたのであれば、その時はこちらも済まなさそうに照れ笑いを返して
やるくらいの復讐は、許されるんじゃないかと思うのだった。

 

<機動戦士ガンダム00・補完小説パトリック・コーラサワー 完 >(――文書係100101)

 

(作者注 本SSは公式小説2期5巻刊行以前に書かれたものです。小説との間に齟齬が生じた
場合には、作者が後日内容を改変するかも知れません。)

 

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  • 凄くよかったこの一言に尽きる!! -- 2010-05-16 (日) 16:29:42

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