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00-W_土曜日氏_91

Last-modified: 2009-04-08 (水) 19:34:41
 

 ♪どこの世界から やって来たのか不死身
 死亡フラグ イヤッフッフゥ
 折っては壊す
 あれは コーラさん
 無限の愛の神
 あらゆる危機 コーラスペシャル
 不死身が 素敵
 空を 海を 山を越え 時を越え
 コーラさん(模擬戦不敗!)
 コーラさん(大佐命!)
 輝け コーラさん♪
 (元ネタ:ゼン○マンの歌)

 
 

 ……さて、アザディスタンの件である。
 不審集団がどうのとか裏でアイドルグループが動いているのとか、そこらの説明は敢えて省かせてもらう。
 とにかく、世紀の不死身パトリック・コーラサワーと世紀のヤーパンかぶれグラハム・ブシドー・エーカー、そして世紀のいらんことしいアリー・アル・サーシェスのガチンコトリプルスレットマッチが行われているのだ。
 あ、違う、トリプルスレットマッチではない。
 2対1の変則マッチが。

 

   ◆   ◆   ◆ 

 

「とにかく動きを止める! いくぞ皆!」
「わかりました!」
「あの二人の援護役というのが少し気に食わないが、仕方ない」
「行くぞ、五飛」
「わかっている、ヒイロ」

 

 コーラ、グラハム、アリーの三者が空中で町長初死、じゃない丁々発止の鍔迫り合いを交わしている中、ガンダムパイロットの面々は流石と言うべきか冷静だった。
 いや、性格に言うと冷静になれた。
 口ではぶつくさ言いつつも、射撃陣を組み、的確にソンナコト・アルケーにトリモチガンの弾を集中して打ち込んでいく。
 例えコーラさんとグラハムが気に食わずとも、戦場においてはそういった感情は不要。
 やるべきことをやり、成すべきことを成す。
 若年と言えども、数多の戦いをくぐり抜けた歴戦の猛者であるのだ、彼らは。
 2対1の変則マッチじゃなくてこれは正味7対1になってるが、まぁそれはそれ。
 広い心で黒潮に流してもらえれば幸いである。

 

「ちいっ!」
「隙あり! ユニオン流抜刀術その壱、飛天スワロー返し!
「とうりゃあ! コーラサワーキーック!

 

 ソンナコト・アルケーのMS(ミカンスーツ)としての優位性、そしてアリーの技量をもっても、さすがにこの包囲攻撃をさばくのは手に余り始めている様子。
 今のアリーが致命的ダメージを負っていないのは、皮肉にも接近戦を挑んでくるコーラさんとグラハムブシドーが個人プレーに走っているから。
 時折偶然に連携攻撃っぽくなることもあるが、やはりこの二人はワンマンアーミーである、いろんな意味で。
 面子が豪華なオーケストラも、やはり即席気味では真価を発揮し得ないということか。
 ……コーラサワーとグラハムは単独行動こそが真価である、とも言えないこともないが。

 

「くそったれ、ハッサクゥ!」
「もういい加減、その技は見飽きた! 当たらなければどうということはない!」
「当たっても俺ならどうということはない!」

 

 ソンナコト・アルケーを強MS(ミカンスーツ)たらしめている最大の要因は、分離式小型球体武装のハッサクにある。
 確かに機体そのもののパワーもプリベンターの制式機であるネーブルバレンシアより上だが、何よりこの宙を舞うミカン型の武器が驚異なのである。
 もう一つのソンナコト・アルケーの売りであるクツシタバリヤーも、そろそろストックが切れてきたのか(ヒイロやデュオたちがトリモチガンで撃ち落としたのもある)、展開した当初よりも数を減らしてきている。

 

ユニオン流抜刀術その弐! シングル式乱れスノームーンフラワー!
コーラサワースペシャルアターック!
「ぬうっ、ちいいいいっ!」

 

 連携不足とは言え、やはり2体1はどうあっても不利。
 さらにはガンダムパイロットたちのトリモチガン攻撃が絶妙に行動範囲を制限してくる。
 不意をついた先制攻撃の貯金は、そろそろ残高が無くなってきた感じである。
 まぁそれでもここまでやりあうアリー・アル・サーシェス恐るべし、ではあるのだが。

 

「諦めろんこの悪人め! そろそろ後が無くなったと心得よ!」
「さぁクライマックスだぜ、この俺様、パトリック・コーラサワーに華麗に倒されちまいな!」
「くっ、調子に乗りやがって」

 

 アリーの声が真剣なものになってきている。
 しかし、グラハムブシドーはそろそろ脳細胞の全てが時代劇に絶賛汚染真っ最中か。
 コーラサワーは変わらずのコーラ節であるが。

 

「次の一撃で決めさせてもらう。閻魔の前で己の罪を悔いる時は近いぞ、悪人」
「フィナーレってやつだなぁ、俺のスペシャルな攻撃が火を吹くぜ!」

 

 期せずして、グラハムブシドーがソンナコト・アルケーの前、そしてコーラサワーが後ろと取る形になった。
 これも偶然ではあるが、自然と軍人として受けてきた訓練がしみ出てきたのかもしれない。
 さらに下方では、これまた息の合ったフォーメーションでガンダムパイロットたちがアルケーに照準を合わせている。
 すでにクツシタバリヤーの大半はなく、ハッサクもいくつかエネルギー切れまたはトリモチガンによって砂の大地へと落ちている。

 
 

「く、くっくっくっく、ふっふっふっふ」

 
 

 絶対絶命の状態ではあるのだが、アリーは笑った。
 ヤケッパチではない、凄絶な肉食獣の笑みだった。

 

「バァカが……」
「何だと!?」
ところがぎっちょんだってんだよぉぉおぉぉぉぉおお!
「ぬわー!?」

 

 それはいきなりだった。
 ふよふよとソンナコト・アルケーの周囲に浮かんでいたハッサクが、突如としてプリベンター全機(注:ジョシュア除く)に体当たりをかましてきたのだ。

 

「粘着弾だけがハッサクの攻撃手段じゃねえよ! コイツの本当の恐ろしさはよ!」

 

 コクピットの中で吠えるアリー。
 傭兵稼業の面目躍如、切り札は最後まで取っておくべし、というアレである。

 

「追尾による突撃にあるんだよ!」
「ぐわっ!」
「うわあっ!」

 

 天から降ってくるハッサクを避けることが出来ず、弾き飛ばされてしまうガンダムパイロットたち。
 アルケーの下を取っていた、というのが逆に仇になってしまった形だ。
 何しろ、砂の大地より先には逃げられないのだから。

 

「ぬぅう! 小癪なー!」
「うわっ、ほわっ、とはーっ!」

 

 グラハムブシドーとコーラはいくつか攻撃を食らったものの、空中にあったということで回避行動を取ることが出来た。
 下のガンダムパイロットたちよりかは、受けたダメージは少ない。

 

「おい、どっちか知らんがさっき言ってたよなぁ?」

 

 ソンナコト・アルケーは上昇した。
 そして太陽を背にして、コーラサワーとグラハムを見降ろす。

 

「クライマックスだ? フィナーレだ? ああその通りだってんだよ」

 

 ひゅるりら、とハッサクがアルケーの周囲に再び集まっていく。
 何個かは突撃によって自壊してしまったようだが、それでもまだ数は残っている。

 
 

「プリベンター壊滅で、この茶番は終わりだってんだ! ぬはははは、ぬはははははははははは!」

 
 

 勝利を確信したアリー、高笑い。
 そう、本当にこの戦いはクライマックスを迎える。
 次号にて!

 

 プリベンターとパトリック・コーラサワーの心の旅は続く―――

 

 

【あとがき】
 コンバンハ。
 アルェー? 今回で対アリー戦は終わりのつもりにするはずだったんだけサヨウナラ。

 
 

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