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00-W_不定期氏_06

Last-modified: 2008-12-03 (水) 20:09:05
 

 〜石川や 浜の真砂は 尽きるとも 世に盗人の 種は尽きまじ〜

 

 石川五○衛門の辞世の句といわれているが、世界にやっと絶対的平和が訪れようともなくならないのが犯罪である。
 今日もチンピラ3人組が物陰に潜み、獲物を待ち伏せていた。

 

「この前の獲物は旨かったよな。いひひ」
「ああ、今時現金をしこたまもっている奴にでくわすとは思わなかったぜ」
「今日もそんな獲物がきますように……おい、人がきたぞ、隠れろ」

 

 歩いてきた男を取り囲むチンピラ3人。

 

「兄ちゃん、金だしな。出さないならその命もらうぜ」

 

 そういうチンピラの手にはサバイバルナイフが光っていた。

 

「貴様らか……この辺でかつ上げやっている連中は……」
「うるせえ!!さっさと金を置いてくか、命置いてくか判断しろい!!」
「どっちも断る!!」
「やっちまえ!!」
「おお!!」

 

 チンピラが飛び掛ってきたところに男の裏拳と旋風脚が次々とヒットした。

 

「ぎゃひ!!」
「ぐぁばっ!!」
「あべしぃ!!」

 

 不様にひっくり返るチンピラたち。

 

「残念だったな、お前ら。俺のことは忘れろ。俺も忘れる」

 

 のたうちまわるチンピラをおいて立ち去った男。 
 名は張五飛といった。

 

          *          *          *

 

 しかし、懲りないチンピラたち。
 またかつあげの決行を試みた。

 

「くそぉ、この前はしくじった。あいてが子供と思って油断したぜ」
「まさか、中国拳法の使い手で元ガンダムパイロットって相手が悪すぎますよ」

 

 そうしているうちに、一人の女性がチンピラの潜んでいる場所を通りかかった。

 

「きましたぜ、女が。あれなら大丈夫でしょう」

 

 いっせいに女性を取り囲んでいつものとおりかつあげを試みるチンピラ。
 しかし、この女性一般の女性とはわけが違った。

 

「あなたたち、こんなことやってて恥ずかしくないの?」
「うるせえ!! 説教たれる前に金おいてけ!!」
「……いっても、わからなそうね」

 

 女性ははぁ、と溜息をつくとどこからともなく取り出した金○選手サイン入り『100t』と書かれたハンマーで、襲いかかるチンピラたちをバッティング練習のようにビルの壁にふっ飛ばした。

 

「あへ!!」
「あひっ!!」
「あんぎゃ!!」

 

 全盛時のカ○レラよろしく、打球の速い事。
 次々とチンピラたちは、ビルの壁にめりこんだ。

 

「まったく、無駄な時間だったわ。 さ、お昼の用意しなくちゃ、みんながお腹すかしてまってるわ」

 

 そういって、立ち去った女性。
 名をヒルデ=シュバイカーといった。

 

          *          *          *

 

 こうもひどい目に続けてあえば少しは考えるものだが、このチンピラたち鳥頭なのか、また物陰に潜んで獲物を待っているのである。

 

「くそ、女だと思って、甘く見たのが失敗だったぜ」
「もうガキはやめましょうよ。 凶悪化している世代ですし」
「己は教育評論家か!! やはり弱そうで金を持っていそうな奴狙おうぜ」
「おい、きたぞ。隠れろ」

 

 向こうからやってきたのは我等がパトリック=コーラサワー氏である。
 いつものように取り囲むと、金品を要求したが……

 

「元AEUのエース、模擬戦2000回負け無しのスペシャル・パトリック=コーラサワー様に喧嘩を売るとはいい度胸だ。勝負してやるぜ!」
「ざけんなぁーーーー!!」

 

 激高したチンピラがコーラサワーの腹部にサバイバルナイフを刺したと思った瞬間、ナイフは根元から音を立てて折れた。
 な、なんでと思う間もなく、コーラサワーの肘鉄がチンピラの頭にヒット。
 チンピラの体は歩道にめりこんで、動かなくなった。

 

「ひ、ひいぃぃぃ、ば、化けものだ!!」
「ったく、せっかくきのう買ったばかりの服がおじゃんだぜ。どうしてくれんだよお!!ああ!?」

 

 どっちがチンピラなのか分からない状態になるところが、コーラサワーのコーラサワーたる由縁であろう。

 

「わ、わかりました。も、申し訳ありません」、
「ち、しけてやんな。 まあ、いい、これからは襲うときは人をよく見てから襲うんだぞ」

 

 チンピラ達が差し出した幾許かの金をむしり取ると、コーラサワーはその場を立ち去ったのである。
 まあ、このチンピラと宇宙で爆破されても傷一つなく帰ってくる彼とでは格が違うといえばそれまでだが、たいていのものは信じがたい話であろう。

 

「兄貴……もう田舎へ帰って真面目に働きましょうよ……これ以上ここにいたら、いくつ命があっても足りませんぜ……」
「……ああ、帰ろう……都会は俺たちが住むにはでかすぎた……」

 

 弟分に歩道から救出され、介助を受けながら3人は田舎へ帰っていった。
 こうして、コーラサワーとプリベンターの面々で治安が守られたのである。
 あなかしこ。あなかしこ。

 

 

【あとがき】
 どうもお久しぶりです、不定期です。
 前回みなさまから励ましとご指導いただき、真にありがとうございます。
 便乗してた様をはじめ、新たにいろいろな方が参入されて盛り上がってきました。
 どうか、才能ある方が多いのですし、様々な角度からこの世界に焦点をあわせるのもいいことと思います。
 それでは、本日はこれにて。

 
 

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