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00-W_名無し氏_01

Last-modified: 2009-01-06 (火) 19:21:24
 

 ここはプリベンター達が利用する食堂。
 特に仕事があるわけでも無いので、プリベンター達は暇を持て余している。
 相変わらずグラハムとジョシュアは馬鹿騒ぎをし、ヒイロは変わり果てたリリーナに胸を痛め、やけ食いに没頭していた。
 そして食堂の片隅には、しょぼくれている男が一人。
 え?誰がしょぼくれているのかだって?
 それはプリベンター・バカこと我らがパトリック=コーラサワーである。

 

「……大佐ぁ〜」
「珍しいな。明日は隕石でも降るというのか」
「カティさんの仕事が忙しくて、一ヶ月以上会ってないらしいですよ」

 

 かなり酷いことをスバズバと言う五飛と状況を説明するカトル。
 スレ読者の皆さんならご存知であろう。
 カティ=マネキンは今や地球圏規模の大スターなのだ。
 忙しいのも当たり前。

 

「こりゃ〜重症だな。ツッコミの入れる必要もねえくらい落ち込んでるわ」

 

 デュオの言う通り、コーラサワーは13ラウンドをフルに闘ってもいないのに真っ白に燃え尽きていた

 

「大佐と会えないなんて……もう生きる気力が湧かない……」

 

 どうやらコーラサワーはかなりの重症のようだ。

 

「そう落ち込むな。大佐に会いたいのだろ? ジョシュア、『アレ』を持ってきてくれ」
「アレ?あんなのでコイツの気が紛れるのか?」

 

 グラハムには策があるようだ。
 ジョシュアは『アレ』を渋々取りに行く。
 しばらくすると、恥ずかしそうに戻ってきた。

 

「うむ。これで大丈夫。少し待っていてくれ」

 

 何かしら準備を始めるグラハム。

 

「……何をする気だ奴は。もし良いものならサーカスの演目にでも取り入れるとするか」

 

 トロワは興味津々そう。

 

「認めたくないものだな。若さ故の過ちというものを!どうだ?大佐だぞ」
「………」

 

 静まり返る一同。
 その時、食堂の気温が3℃下がったという。

 

「その時はまだ少佐ですよ、グラハムさん」

 

 冷静なツッコミをいれるカトル。

 

「あ、そうだったか。うむ、もっと仮面の先輩のことを勉強せねば」

 

 場が白けたことを全く理解していないグラハムであった。

 

          *          *          *

 

「みんな集まって。仕事の依頼よ」

 

 あまりの静けさに話しを切り出せなかったサリィが声をかける。

 

「おっ、久しぶりの仕事か。おい、元気出せよ」
「……大佐ぁ〜」

 

 相変わらず燃えカスと化しているコーラを無理矢理引きずり、サリィの元へ行くデュオ。

 

「仕事の内容は何ですか、サリィさん?」
「要人の周辺警護よ」
「周辺警護?ヴァリアブ……じゃなくて俺の得意な任務だな。対象は?」

 

 わかる人にはわかる事をついヒイロは喋ってしまった(気にしなくてOK)。

 

「警護対象はカティ=マネキンさんよ」

 

 サリィの口からカティの名が出た瞬間、コーラのテンションは、石破ラブラブ天驚拳を撃つ前のあの人並に上がったのだった。

 

「大佐〜!はいっ!やりますやります。俺が絶対この仕事やります」
「待て。周辺警護なら俺が適任だ」
「へっ!大佐は他の誰にも守らせやしねえぜ。俺にやらせろ!」

 

 言い争いになるヒイロとコーラ。

 

「待てヒイロ。あいつの危機察知能力はかなり優れている。任せてやっても問題はないだろう」
「おっ、珍しいな五飛。あいつを褒めるなんて」
「当然だ。あの馬鹿を警護担当から外してみろ。うるさすぎて仕事に集中できん」

 

 さすがガンダムパイロット達の中ではコーラサワーとの付き合いが比較的長い五飛。
 コーラサワーの性格を熟知していると言えよう。

 

「じゃあ俺で決まりだな。詳細は?詳細を早く教えてくれ」
「詳細なら私が直に教えよう」

 

 そこに現れたのは、帽子にサングラスといういかにもスターがお忍びで出かけるときの格好をしているカティ=マネキンその人であった。

 

「た、大佐〜!お元気でしたか?」

 

 カティ本人の登場でますますテンションの上がるコーラサワーであったが。

 

「馬鹿者っ!今は退役したのだから『大佐』と呼ぶんじゃない!」

 

 カティ必殺の鉄拳が乱れ飛ぶ。

 

「お前という奴はっ!」
「ギャフ!」
「プリベンターに拾ってもらったというのにっ!!」
「イヤッフゥ!」
「人に迷惑をかけてばかりじゃないかっ!」
「この痛み……や、やっぱり大佐だぜ……」

 

 コーラサワーはドMなんじゃなかろうかと疑われそうだが、これがカティ=マネキンなりの愛情表現らしい。

 

「まぁまぁ、会っていきなり殴らなくたっていいだろうよカティさん」

 

 コーラのお守り役のデュオが優しく諭す。

 

「ご、ごめんなさい。怒らないで」
「えっ?」

 

 その場にいた全員が、あまりの意外な展開に驚いていた。

 

「た、大佐が謝ってる?なんで?」
「私はただ……謝らないとこの子にすごく怒られそうな気がして」
「俺もそんなにきつく言ったはずじゃないんだがなぁ」

 

 謝られたデュオも謝ったカティも何がなんだかわからない様子。

 

「ありがとうよ〜。これで毎回、大佐に殴られずに済むぜ」
「いや、俺は特に協力する気はないけど」
「そ、そんなぁ〜」

 

 焦るコーラサワー。

 

「ほぅ、私のことをそんな風に思っていたのか。後でたっぷりと指導した方が良さそうだな」
「ヒィッヤッホゥ!」

 

 哀れコーラサワーはどこかに連れていかれ、カティの鉄拳指導を受けたとさ。

 

(……なんであの少年に怒られると思ったのだ?……そういえば、CBの最初の演説を聞いた時も悪寒がしたような)

 
 

「ところで、要人警護の件はどうなったんですか? サリィさん」
「あれは、続くといえば続くかも知れないわね。スレの雰囲気次第よ」

 
 

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