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08MS-SEED_190_第01話

Last-modified: 2013-12-22 (日) 21:20:52

scene-1

 古の神イシュタム
 死を司る女神なり
 人が宇宙で生計を成しても
 その神話消ゆることなし
 何故なら兵士を
 ヤチュシャへ連れてゆくから也
 いつの世も人が居る所
 戦火が絶えた事なし

 キラはストライクを操り、トールとミリアリアの乗ったポッドに付き添うように、デブりの海を進み、宇宙船の外壁らしい残骸をかわしてコロニーの外壁に取り付く。
 ミリアリアはコロニーを見て少しばかり違和感を感じ、トールに囁く。
「ねえ……ユニウス・セブンってこんな形だったかな……?」
「ん?こんな形だろ。核を食らったんだ。少しくらい形だって変わるさ」
 トールはミリアリアの疑問をさらりと受け流しコロニーを見つめる。確かにTVニュース等でみたユニウス・セブンとは違うような気もするが、それは自分の思い違いだろうと頭をふる。
キラはコロニーの外壁に 開いた大穴からコロニーにストライクを滑り込ませる様に進入させる。
そこで彼等が見た物は、地獄の惨劇。
 華やかに装飾された街並みとはアンバランスにいたる所に転がっている遺体。
 ミリアリアはえずきがこみ上げ、吐きそうになるが、どうにか絶える。
 「酷い……どうしてこんな事が出来るの?」
「戦争だから……だと思うけど……これは酷いな」
 トールはミリアリアを気遣い、惨劇を見せないようにする。
「……何かが……動いている?」
 キラはセンサーが反応しているのに気付き、そちらを注視する。

「俺は誓うぞ。たとえお前がどんなスーパー兵器にのっていようと、たとえお前が本当に死の女神でも必ず地獄へ叩き落としてやる!!」
 エリザ・ヘブンは戸惑っていた。コロニー内の惨劇、そして一人の男の叫びが彼女の心を混乱させる。
「これはどういう事!?このコロニーで何が起こったの!?……私が……死の女神……!?」
「エリザさん……恐らくこれは連邦の攻撃ではありませんね……」
ストレットがエリザのザクに並ばせるように自機を降り立たせる。
「どういう事ですか?」
「これをやったのは我が軍でしょう」
「そんな……」
「厄介な事になりそうですね……。ん?ミノフスキー粒子の濃度が……薄くなってきている?いや、ミノフスキー粒子自体がなくなっているのか……?」

 ストレットは眉を潜める。そもそもMSはミノフスキー粒子の影響による電波障害下での運用する事を前提として設計されており、ミノフスキー粒子が無いという事は致命的である。
「エリザさん、撤退しましょう。機体の方は大丈夫ですか?」
「駄目です。機体温度が……このままだと危険です」
 エリザは計器をチェックし、絶望を帯た声をあげる。このままだと、機体が持たないのだ。

「ザフトのMS……待ち伏せ?二人とも、避難して!」
 キラはトールとミリアリアに下がるよう指示する。しかし二人は……。
「こんな所にいたくない!」
「冗談だろ?こんな所にいたら気がするんだよ。狂っちまうよ」
 死の廃墟に降り立つ事を拒否する。
「いいから!早く!」
 キラは苛立ちを隠そうとせずに、二人を下ろし、ザフトのものらしいMSに殺到する。
「馬鹿野郎!なんでこんな所にいるんだ!」
「連邦にもMSがいるんですか?」
 ストレットは謎のMSの出現に戸惑いながらもエリザの05を守る様に自分の機体を立たせ、ザクマシンガンを連射する。が、ストライクは傷一つ負わずに接近してくる。
「エリザさん、今の内に離脱して下さい。私がアイツを食い止めます」
 ストレットは敵の装甲の堅さに舌を巻きつつ、ヒートアックスを抜く。
「ストレット少尉!私はまだ戦えます!」
「はっきり言えば、貴方は足手まといにしかなりません。だからお逃げなさい。そして生き延びて下さい。」
キラはストレットの05目がけてビームサーベルを振り下ろす。が、振り下ろす寸前に懐に入られ、ショルダータックルを喰らう。
「な、何で!」
「動きが素直過ぎるんですよ、貴方。恨みはありませんが……連邦の人間は許せないんですよ、私」
 ストレットはヒートアックスを振りかぶり両断せんとするが、ストライクに腕を捕まれて身動きがとれなくなる。
「向こうの方がパワーが上なんですか?」
「僕は軍人じゃない!連邦なんて知らない!」
「……訳の判らない事を!」
ストレットはクラッカーを落とし、爆発させてキラを怯ませ、拘束を解いてエリザ機を抱える様に離脱する。
 「エリザさん、撤退します。状況を報告しないと……ジオンは負けるかも知れません」「はい……。了解しました……」

「全く、キラも酷いぜ!こんな墓場みたいなとこに置き去りにするなんてよ!」
「トール……私、もう駄目……気持ち悪い……」
残されはトールは、キラを非難し、ミリアリアはへたり込み、顔を土気色にさせている。
「ねえ、ここユニウス・セブンじゃないよね?」
「何言ってんだよ!ユニウス・セブンじゃなきゃどこなんだよ!」
「だって、バレンタインしゃなくて、新年を祝う飾り付けがされてる……」
 ミリアリアは指を指すと、そこには彼女の言うように新年を祝う飾り付けがなされている。
「マジかよ!ここは……どこなんだ!」
トールは絶望の叫びをあげ、途方にくれる。
ミリアリアはビクンと体を動かし、何かに反応する。
「誰かが泣いてる……」
 ミリアリアは、何かに誘われる様にフラフラと歩き始める。
「ミリィ!何処行くんだよ!」
トールはミリアリアを追い掛けて行く。
ミリアリアが進んだ先で、二人は異様な光景を目にする事になる。

「……父ちゃん……母ちゃん……アキコ……」

一人の少年が泣きながら墓を作る姿を。

━━to be continued━━

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