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08MS-SEED_GAIDEN01

Last-modified: 2013-10-25 (金) 02:33:03

「なぁヤマト少尉…君は“ヘリオポリス”のカレッジに通っていたんだよな?」
「はぁ、そうですがそれが?」
 AAの食堂で共に昼食のカレーを食していた08小隊の面々とキラらは、そんな不意なシローの質問と崩壊
した“ヘリオポリス”については余り触れられたくないと露骨に表情に出てるキラの問答に注目が集まる。
「“ヘリオポリス”がなくなって今軍隊に入ってるんだったよな…」
「ですから、それがなんだって言うんですか?」
 スプーンを咥えながら腕を組んで頭を捻るシローとスプーンを握ったまま手を振り回して苛立ちを表すキラ。
 周囲は今度は一体シローが何を言い出してキラの逆鱗に触れるのかと…心配しつつも楽しみにしていた。
「いや……戦争とは言え、卒業前にカレッジが無くなったって事は…少尉の学歴はカレッジ中退か?」
「は?」

 ★ ★ ★ 転移戦線外伝 ――学歴戦線異常あり?―― ★ ★ ★

「いやだってカレッジごと“ヘリオポリス”は崩壊したんですよ…仕方ないじゃないですか!」
「そうだけど履歴書には最終学歴は中退で終わりだよな。
 戦争のせいとは言えばそうだけど、面接官には『かわいそうだね』『ふ〜ん』で終わり。
 学歴が低いと就職には苦労するだろうなぁ」
「でも…戦争が終わってからカレッジに再入学して今度はきちんと卒業すれば…」
「少尉、君は何機ぐらいMSを落とした?」
「えと……覚えてませんが…二〜三十機ぐらいですかね」
「そんなトップエースを軍が戦後も放出する訳無いだろ」
「そういえば“エンデミオンの鷹”もMS六機で随分持ち上げられたってフラガ大尉も言ってましたね」
「戦火が広がる中で戦果を少しでも上げるパイロットは士気向上にうってつけでしょうから」
「…でも履歴書には“中退”かぁ…」
「「「「「うっ…」」」」」
 サンサース軍曹、カレン、そして連合のピンクの制服もそれなりに着こなせるようになったキキがそれに乗るよ
うに次々と発言し、ヘリオポリス組は胸を押さえたりスプーンを落としたりと等しく“中退”の前にダメージを負う。
 ちなみにミケルは一時休学扱いで志願している微妙な立場なので話題に乗らないように努力していた。
「ヤマト大佐(将来)連合初のMSパイロットとして百機以上のMSを撃破し連合を勝利に導いたエース!(予定)
 …しかしカレッジ中退…」
「これじゃ再就職も…なぁ…」
「うっ…ううぅっ…僕は…いったいどうすれば……」
「そうだなぁ…じゃぁとっとと戦争終わらせたらどうだい?」
「そうだな、それなら早く軍から解放されるかもしれない」
「そうか…そうですよね! よぉ〜し、戦争終わらせるぞ!」
 キキとシローの助言(?)に希望の光を見たキラはモリモリと残りのカレーを平らげ『ストライクの整備に
行ってきます!』と軽く手を上げて輝く瞳で食堂を走り去っていった、その瞳には戦争を一刻も早く終わらせ
て復学するという新たな目標と希望に燃えていた。
「…あのう…軍から抜けれないんじゃ再就職しなくていいんだから学歴も関係ないんじゃないんですか?」
「そうなんだが…ヤマト少尉は騙され易いというかいじり易いというか…本当にコーディネイターか?」
「その思い込みで強く成れるならほっておけ」
「能力の優秀さと性格は違いますからね」
「まずはあの性格をコーディネイトするべきだったろうに…」
「いや、性格は生まれないと判らないから」
「性格遺伝子ってのはコーディネイトできないのか?」
 “中退”と言う言葉のショックで騙されている…というか遊ばれていた事に気がつか無かったキラに、残さ
れた面々の心は一様に何か不安な物を感じずにいられなかった……。
「やれやれ…ヤマト少尉には“他人の話を鵜呑みにするな”と教えなければならないな…」
 そんなシローの発言にそこにいた全員が再び心を一つにして『お前が言うな』と心の中で突っ込みを入れたのは言うまでも無い。

 
 

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