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Ace-Seed_626氏_第10話

Last-modified: 2013-12-25 (水) 21:05:32

――L5プラント、とあるコロニー

"凶鳥フッケバイン"ことウォルフガング・ブフナーは端末からデータを呼び出していた。
ただし、通常回線ではなくハッキングをかけてである。

彼は一世代目コーディネーター。
ブフナー家はスカンジナビア王国・騎士団の末裔で、プラントにおいてかなりの強権を持っている。
彼が持つ情報網は、ターミナルなど訳の分からないものではなく、かなり信頼できる物であり。
その情報の中で議長の袋刀、ミネルバのフェイスとは別に「灰色の男たち」という者の存在を聞くようになった。

ロゴス討伐の発表…いや、ユニウスセブン落下から現議長の行動に不審な点が目に付き始め、
影に、彼が重用しているミネルバ隊以外に「灰色の男たち」の見え隠れに気付き調査を始めようとしていた。

だが、調査を始めたところでジブリールによるプラント攻撃、ダイダロス攻撃作戦、その後プランの発表、
めまぐるしく変わる世情の中それどころではなかった。
そしてザフトがアルザッヘル基地へのレクイエム発射――。

完全な後手に回ったところに追い討ちをかけるように命令書が来た

―――

――ウォルフガング・ブフナー――
プラントに攻撃を仕掛けようとするオーブ軍を殲滅するため、ザフトはメサイア:ネオ・ジェネシスの使用を決定
貴殿にその射線となる、B7R宙域から旧ボアズ・ヤキン宙域へ敵の誘導を命ずる

―――

彼に別段、ラクス・クラインに対する情はない。
むしろ、いままでオーブにいたくせに、しゃしゃり出てきて、ワガママを言う不愉快な小娘としか見ていない。
――別にどうなろうとかまわないというのが彼の心情だ。
だが、この作戦は多少なりに騎士道精神を重んじる彼にとって、この作戦は到底納得できない物…。
作戦に対する疑問から命令拒否し、「灰色の男たち」と関連情報を集めているところであった。

――来客が来た

インターホンカメラをモニターに映し対応する
「…なにか用かね?」
≪ザフト保安部に変わりきました。ご同行願えますか?ウォルフガング・ブフナー…≫

モニターに映るのは確か…グラーバク隊のアシュレイ・ベルニッツ…
ここでは彼が「灰色の男たち」のメンバーなのか、あるいはただの使いなのか判断は出来ない。
だがおそらく捕まれば、ロクなことは無い。

「…ふむ、起きたばかりでね。身支度に10分ほど時間をもらえるかね?」
≪…分かりました≫

その余裕から見て、どうやら裏口も固められている…。速やかに屋敷地下にある通路を通り、ザフトの基地前に出る。
この通路、建設時の作られたもので公式には破棄されたはずなのだが、いまだ封印されていない。
年長者としてそれを知っていたことが幸いしていた。
軍の者は自分の顔を見ても普段どおり…やはりほんの一部の者が動いている…

パイロットスーツを着込み。ハンガーに着いたが自分の持ち機はここにはない――
移動に使うと整備兵をだまし、ディンを受け取る。

先の戦争で地球での愛機として使っていたが、今では不満が出てくる。だが、四の五の言ってはいられない…発進させる。
まずはこの作戦を向こうに伝えなければ――と"凶鳥"はB7R方向に向かい始めた

――10分…15分たった…まだ出てこない――まさか逃げた?
屋敷に乗り込む…いない!?
だが、裏口は押さえている。脱出口などどこにも…何か別ルートでもあったのか?舌打ちをしつつ連絡を取る。

「こちらグラーバク1。管制塔、レーダーはどうだ?」
≪一分前、ザフト所属IFFのディンが1機、飛び出しました≫

過程は…何をしたかは分からないが、逃げられた――

「ハゲ鷹――"シュヴァルツェ隊"に連絡しろ!!"フッケバイン"が逃亡した。私も出る、急げ!!」

―――L5プラント某所

チンピラたちのたまり場…ここはこう言ったほうがいいのかもしれない。
彼らシュヴァルツェ隊は、プラントが出来る以前…地球に多くのコーディネーターがはばかっていた頃、
犯罪行為を犯して裁判にかけられたような者のたまり場なのだから…。

≪シュヴァルツェ隊、逃亡機が出た。スクランブルだ≫

通信に対し緑の服を着た男は、なんと黒服の指令官に対し不躾な態度でいいきった。

「お前らでやれよ。"アスラン・ザラ"のような大物は追わさずに、今度もどこぞの『"小物"を狩れ――』だろ?」

ドミニク・ズボフは最強クラスのエースとやりあえる機会を奪われたことに腹を立てていた。
彼はユーラシア軍に所属していた時、軍を出動させるような事件を起こした札付き者…。
その過去が災いし実力はジュール隊を凌ぐといわれていながら、エスケープキラーという役割で服の色は緑であった。

先の戦争での政治犯、ラクス・クラインはアッシュ・グレイにとられ、
今回の戦争はミネルバ隊が追う、ということで出されたAクラスの命令で出撃を禁止させられたのだから、
不機嫌にもなるだろう…。だが、通信先の黒服も扱いに慣れている。

≪ターゲットは"フッケバイン"…"凶鳥"だが、そうかやらないか…残念だ≫
「ちょ―――ちょっとまて、そうか…"凶鳥"か…やらせてもらう。――おら、お前ら行くぞ」

そういいながら部下を引っ張っていく中

『あんなガキならまだしも、"凶鳥"か…ザフトも終わりが近いってコトだな…』

ズボフはハゲ鷹の嗅覚を最大限に働かせていた。
――ザフト最悪のエース部隊が出撃した。

ガルム隊がB7Rで戦闘に入る1時間足らず前のことだった…

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