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Ace-Seed_626氏_第13話

Last-modified: 2013-12-25 (水) 21:17:25

―――少し前 別の宙域

「どうすんの?イザーク」
≪くぅ…エターナルを援護する!≫
「あん?」
『――何を言い始めた?このおバカさん』というのを飲み込み次の台詞を待つ――
≪ザフトの艦(ふね)だ!あれは!≫

こちらからの通信を切り、大笑いする……やっぱりお前は馬鹿だよ
――何がザフトの艦だ…これでカリは返したと思いつつ、もう一方の馬鹿な連中を狩り始めた

―――B7R地球側

「くそ…」

ジャスティスを落とし吐き捨てる――間に合わなかった…ここに着く少し前に"フッケバイン"は落とされていた
パイロットは相当の凄腕だったようでしっかりと機体から脱出したようだ…落ち込んではいられない。

「管制 ガルム2はどこにいる」
≪――そこからプラント方向へ まっすぐ行った所だ≫

ここまでで30秒――急いで戻らなければ今度はPJが落とされる――バーニアを全開でふかしながら索敵を始めた

―――B7R中央付近

MA形態をとりシュヴァルツェ隊の進路方向にミサイルをばら撒いた
正確に彼らの目の前に飛んでいくそれを回避した彼らは、瞬時に撃ってきたPJを捕捉した――

≪噂の化け物傭兵コンビの片割れか…作戦変更だ 逃走機は後にする 追い込み、いくぞ!≫
≪し、しかし隊長≫
≪"フッケバイン"のIFFは消えた。それに目の前の火の粉払わなくてどうするんだ≫

肩にレーダードームを付けた黒と赤で染められたジン。これが戦場に入ってきたことで戦況は一変した

≪シュヴァルツェ隊!?最悪の援軍が来たぞ≫
≪――なんだと?死にたくなければ全力で戦え!!≫

それを確認した言葉と共にザフトの動きが変わる

――彼らシュヴァルツェ隊リーダー、ドミニク・ズボフはユーラシア軍に属していた頃から、
味方に犠牲が出ようとも完膚なきまでに追い詰める姿勢を貫いていた。
そんな彼が起こした"軍隊が出動するほどの事件"は実のところ自分の隊のナチュラルの部下が戦場から逃げ出し、
おめおめ帰ってきたことに腹を立て暴力を振るったからであった。――この事件で彼は除隊。

その姿勢に目をつけたザフト上層部は彼を督戦隊として入隊させる。
戦闘方法は以前のものと変わらず、脱走兵にすらその姿勢を貫くことから畏怖を受け、
任務の過酷さからシュヴァルツェ隊では一回の出撃で一般の緑服の年収の半分が支給されるという、
ザフトにして傭兵部隊という異色の部隊となっていた。

そんな督戦隊がきたことで、戦場いるザフト兵の士気はいやがうえにも上がり、
逆に∞・ジャスティスを始め、S・フリーダム等が抜けたオーブ軍は押され始めた…

「このままじゃ押し返される…どうする…どうする?」

シュヴァルツェ隊から逃げ回っていたPJは、彼らからある程度距離を置いて、その様子を望遠モードでモニターしていた
その間、ほんのわずか――数秒のことだが直線的な動きになったグレイ・シュライクをズボフは見逃さなかった。
ビームライフルの三連射で動きを制限し、それにPJが鈍ったところで彼の部下は取り囲むように散開。――四方から攻撃を開始する

そのやり方は逃げ回るPJの行動範囲を確実に狭めていき、果てにあるのは弱りきったところでドドメ――
あだ名の"ハゲ鷹"にふさわしいやり方だった

≪怖いか? 恐ろしいか? それが『死』というヤツのことだ≫
「っ――ここは通過点 まだ死ねない」

それを切り抜けようと必死に攻撃をかわし反撃しつつ、ガルム1がいるであろう宙域に向かおうとする
演習時ドラグーンによって落とされて以来、こういった攻撃に対する訓練をつんで、ある種の"慣れ"が出来ていた
そんな中、反撃――驚いた1機を落としたが、
次の攻撃からは数の有利を活かし、ゆっくりと距離を詰める戦法を取られ致命傷にはならず、
その上で多少の損傷程度、気にせず突っ込んでいく――PJは次第に押され始めた

≪ガルム2、右だ!右方向に穴がある≫
「!――了解」

長いこと聞いてないと思えるその声に反応し、いわれた方向に全速で向かう
そこには1機、シュヴァルツェ隊のジンがいるが、どこからか飛んできたビームによって撃破される

≪すまんPJ、遅くなった≫

分散してからちょうど1分、"円卓の鬼神"が現れた―――

―――

既の事でPJは落とされるところだった…今回のPJの自己評価は正確だったということ…
伸びてゆくその実力に少し嫉妬を覚えつつ、向こうの機体から来るだろう戦術、対処法を頭の中で構築する。
さらに状況報告をPJに求める

「――ガルム2 状況は?」
≪今の攻撃で――あと6機 機体は大丈夫、まだいけます≫

≪金の匂いと死の匂い、群がるキサマも同じ空のハゲ鷹だ≫

その混線した無線と共に遅れて敵部隊が向かってくる

「ガルム2、オレが前に出る。後ろのやつを頼む――いいか!?向こうの機動はドラグーンより速い。
 だが、あれに比べて統率制がかけていることを念頭において戦え!」
≪ラジャー≫

1,2番のウィングを展開し、ビームを受け止める
よく見るとその影に1機、サムライソードらしい物を構えているのが見えた
紙一重でかわすのではなく大きく避ける。なるほど、ツーマンセルで突っ込んで離脱の繰り返し…
航空機での戦闘と同じことをするようだ…。――ならばそのリズムを崩せばいい

攻撃を紙一重でかわし、それに続く敵機の攻撃を掴み取り、続いてきた二機に投げ込む
味方機が飛んできたことでの戸惑い――その瞬間を狙って切り込み、二機落とす

≪各機 狩りを楽しむ余裕はねぇぞ≫

向こうの1番機だろう、指示を出す――だが、遅い
自分たちの味方を使って攻撃してくるということは、自分もそうなるのではという恐れを生み出し。
いくら味方の犠牲を無視できても、自分自身がそうなると思えば動きにくくなる。
そこで射撃戦に移ろうとしても、オレが近づく素振りでも見せればとたんに動きは鈍ってしまう。
あとは射撃戦が得意なPJの餌食になるだけ――この悪循環を抜けることは出来なかった。

≪――何だこのざまは≫

残った最後の一機を撃墜――

≪すげえ サイファーが敵機撃墜!≫

ライフルブレード4本全てを使い切り、残る武装はビームサーベルのみだったが、何とか戦闘を終わらせることが出来た…
PJが感嘆を上げているが、今日の殊勲賞は間違いなくそのPJに与えられるべきだ

そんなことを考えていると全周波の無線が入る

≪こちらはエターナル、ラクス・クラインです。戦いをやめてください!これ以上の戦闘は無意味です!≫

≪どうやら終わりみたいっすね…≫
「…ああ、ようやっと終わりだ…母艦に帰るか――家に…」
≪そうっすね。帰りましょう≫

そう二人で言い合っていると突然無線が入る。誰かと思って回線を開いてみるとピンク色の娘が映った

≪"円卓の鬼神"、すばらしい戦いでした――平和のためにあなたの力、私たちに貸してはいただけませんか?≫

何を言い出すかと思えば…勧誘か?

「評価してくれるのはうれしいがお断りする。」
≪――何故ですか?その力を平和のために活かそうとは思わないのですか?≫
「"戦争屋"の場所がなくなることがオレの望みでね。そんな世を作ってくれることを願っている…失礼する」

そういって通信を切る――
ようやっと戦争が終わったという空気の中、
なんとなくこの状態は長くは続かないだろうと思ってしまえて仕方がなかった

―――レクイエム内部

議長席の横側の通路の出入り口にいる。ここからいままであの道化師の様子を伺っていた…
予想通りキラ・ヤマトがきて問答をはじめる
こちらから聞いていると神託でも与える神父か、あるいは預言者か…そう思えて仕方がない
白けながら煙草に火を入れてその話しを聞き流す

どうやら道化師が撃たれたようだ…そしてかつての教え子と道化師を撃った少年が残る
あれが出て行った方の通路は瓦礫でふさがれたようだ…さて、死亡確認をするか…
出てきた私に驚いた表情を浮かべる女――

「カプチェンコ教官――生きていたのですか!?」
「…私の墓碑銘は読んだか?
『新しい世界への門は開かれた 我が魂は風となり その門へといざなう』
『眠りし王の目覚めるとき 私の肉体も蘇るだろう』
 ――眠りし王が目覚める時が近づいたから蘇っただけだ。」

何を言っているかはわからない表情をしている。まあ、関係ない。
道化師が骸になっているか確認するため脈を取り、その死亡を確認し立ち去ろうとする――

「待ちなさい!あなたは一体何をしにここに来たの!?答えなさい!!」
「見たままだ。その道化師の死を確認しに来ただけだ」
「――"道化師"?貴方は何を言っているの!?」

まあ、強度計算から言ってここはそう簡単には崩れない
何より私が来た通路は議長の脱出用のため、その強度はどこよりも高い

「……端的に話せば世界をラクス・クライン達に握らすために芝居をしていたということだ。
 そしてそいつが望みどおりの死を迎えたか確認しに来た。」
「…そう、…そして貴方はそれを邪魔するというわけ?」

『察しがいいのだな――女というのは』いつの間にか、ふと思考の片隅にそんな言葉が浮かんでいた

「そうだな、…そういってしまえばそうだろう」

そういうと目の前の女は目を吊り上げてこちらに銃を向ける

「――させない。ギルの残した遺産を破壊するなんて」
「タリア・グラディス。私は教えたはずだ――戦争においては"大儀"が人に銃の引き金を引かすと。
 そして銃を構える以上、自分も撃たれると。すでにここで死ぬことを決めたお前に引き金を引けるのか?」

自分の銃を抜きつつ、質問する
そして――乾いた音と共に女は額を打ち抜かれそこに倒れる

「え、…あ……おかあ…さん……」

糸の切れた人形もまた、同じように撃ちその場を立ち去る

――MSに乗り込み外から沈み行くメサイアを見届ける
誰に補足されることなくMSが1機その宙域から去っていった

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