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Ace-Seed_626氏_第14話

Last-modified: 2013-12-25 (水) 21:20:42

――B7Rはずれ

一隻の戦艦が艦隊行動から離れ航行していた――いわゆる脱走艦。
ニコラス・A・アンダーセンが艦長を務める戦艦を振り切るのに苦労をしたが、戦闘後に逃げたので追跡まではされていない。
その艦は偽装ルートをとりつつ、順調にアヴァロンに向かっている。
そんな中、ソーサラー隊1番機――アンソニー・パーマーは先ほどの戦闘のデータをまとめていた

それをやっているうちに、いつの間にか背中に冷たい物を感じていた――
S・フリーダム、∞ジャスティス、ドム・トルーパーなどラクス・クラインの持つ新型機は
"国境なき世界"のデータである程度の予想がついていた。そして、そいつらはそのスペックどおりの動きであった…。
教本どおりの動きでしかない奴らは問題ない…ミーティアなど厄介な装備があるがそんなものはかわせばいい。
――所詮、武器を一通りにしか使わないものなど恐れるにたりない…

だが、"円卓の鬼神"、ヤツはゴルト1――アントン・カプチェンコに匹敵する読みを発揮――
その読みから生み出した戦術を、正確に…的確に…速やかに運営し、そして敵の攻撃すらも自分の武器にしてしまう。
戦線を共にしている時、ヤツは自分たちの装備から戦術を読み取り、最高の形で運用する機転も持っている…
見透かされてるような気分――そんな感覚に陥りそうだった。
また、あの2番機も傭兵でなければ真っ先に自分の部下に加えたいと思える腕だ。――あの二機の傭兵チームは強い。

戦って負ける気はしない。しかし、戦えば確実に部隊は壊滅的な打撃を受けると思えてならない。
――仮にゴルト隊が戦ったらどうだろうか?……あるいは彼らでさえ――想像すると不安がよぎる。
それを打ち消すために徹底的にデータの打ち込みに没頭していった。

――ユーラシア連邦所属:ヴァレー宙空基地

戻ってきた。足掛けでざっと半年近く。もう、ここが家といっても差し支えないほどだ
だが、休戦条約が締結、終戦条約への動きが出ているので、戦争は終わる――つまり、ここの傭兵部隊は解散――
戦争終結の祝いと別れの意味合いで基地の者総出でパーティーを行なった

オレはもっぱら食べること、飲むこと両方に精を出していたため絡まれることはなかった
ただ、PJはその付き合いやすい性格と扱いやすい性質から、さんざんビールをかけられたりしていた…

次の日、基地司令部に呼び出された。お偉いさんは相変わらずの口調で

「君たちの戦果に感謝している。今後、戦争は終息に向うことになる。もう戦闘は起きないだろう…
 だが、実は先の戦争、そして今回のと二度の戦争で人的被害が激しい…
 そこで君達ガルム隊はこの基地でしばらくの間、新人の教官として残ってはくれないだろうか?」

…なるほど、至極もっともな話しだ。オレは残ってもかまわない。…だが、PJはどうだろう?そう思い横を見ると

「分かりました。サイファーと飛んでいられるなら、頑張ってやらせてもらいます。」

そう返事を返していた――まだコイツと共に飛ぶことになりそうだ…

「まだ、オレはどうするか言ってないぞ」

といいつつ外面であきれた表情を浮かべ、内心ではこのお調子者と飛べることに喜んでいた

――プラント

白けきっている……
クラインの議長就任の演説の後、目の前でその女と白服を着たオーブ中将、
道化師の残したデータによると"SEEDを持つもの"の二人が抱き合っている…

このために"コーディネーター"、"ナチュラル"どちらからも、命を捨てたり、死んでいった者がいる……バカバカしくなる。
『見ちゃいられないね』と、こいつらにとって"いつもどおり"の仮面の上でかぶりを振り、呟きそこから去る
――もう、こいつらに関わることもないだろう。

少し歩き、誰もいない通路に差し掛かろうというところで後ろから声が掛かる。

「どこかに行くのかね?」

声は――"砂漠の虎"…カンがいいのか偶然か…

「いやいや、アスランも戻ってきたことだし――俺なんかいてもしょうがないでしょ?
 少し…旅に出ようかとおもってるとこですよ…」
「そうか、旅か…いいね。それでどこに?南米に行くなら、コーヒー豆をお土産に所望するよ。」

相変わらず人を食ったような言い方だ…

「…そっちには行かないと思うな。…まあ、気の向くままだからひょっとしたら行くかもしれないけど…」
「そ、"カプチェンコ教官"にヨロシクね」
――その言葉に体が硬直する

しばらくの沈黙の後、杖をつき去っていく足音が聞こえる
――知っていたのか?…知っているのならば何故、あの新議長、クラインにリークしないのか?
疑念が頭の中を駆け巡り、しばらくそこに立ち尽くしていた。

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