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CCA-Seed_◆ygwcelWgUJa8氏_00

Last-modified: 2012-09-08 (土) 11:40:53
 

 「――ッ!? そういう事を言うからぁーッ!」

 

 少女が撃った弾丸が地球連邦の量産型モビルスーツ爛献Дン瓩悗筏曚すまれ
エメラルドグリーンの装甲が風に舞う木の葉のように四散し、
やがて崩壊を始めた爛献Дン瓩和斥曚諒角へと引き流される。

 

 少女の名は、クェス・パラヤ――地球連邦軍参謀次官の娘、天真爛漫で感受性が強く、我侭な、
それでいて、どこにでもいるような少女だった。
父と母が不仲で、それを何とかするために、明るく振舞うような幼い日々もあった。
 ――だが、両親は別れた。
 なぜ人はわかりあうことができないのだろう。なぜ人は、理解しあおうとしないのだろう。
 全てが嫌だった。
 世界も、大人も、人も、何もかもが。
 だから逃げ出した。
 そしてめぐりあう人々との交流の中、ある存在に興味を持ち始めた。
 人の革新――『ニュータイプ』……。
 過去の大戦を戦い抜いた伝説の英雄、アムロ・レイ――人々からニュータイプと謳われ、
あるいは恐れられてきたエースパイロット。その男のかたわらには女がいた。
その女の中に、もう一つの命を感じたとき、
クェスは決して彼女らの間に入ることができない現実を知り、逃げ出した。
 でも、あの人は手を差し伸べてくれた。あたしを必要としてくれたんだ。だから、あたしは……。
 友達が、私の邪魔をした。あの人のやることを邪魔をしに来た。
どうせこいつは幸せな家庭で育って、ぬくぬくと生活してきたんだ。
だからこんなに馬鹿で、子供で、馴れ馴れしくて、心の内に土足で踏み込んできて……。

 

 「――あんなこと言うから……」

 

 無性に寒かった。体の震えが止まらない、両の腕でぎゅっと抑え込む、
自分でもぞくりとするほどに冷たい躯体、本当に人と同じ血が流れているのかと疑ってしまうほどに。
 ああ、でも友達を殺した私は、もう自分が嫌いな大人たち以下になってしまったのだろうか。
 どうしてこんなことになってしまったのだろう、
あたしはただ人とわかりあえるようになりたかっただけなのに……。
 でも、あたしは彼とわかりあおうとしなかった。
でも、でも、あたしは、あたしにはやらなければいけないことがあって、
それは人とわかりあうために必要なことで、でも、だから、それを邪魔をしたあいつが……。

 

 「あたしが悪いんじゃない……」

 

 ――ハサウェイ・ノア。出会ったばかりの少年。
 それでも、自分と共にいてくれた優しい少年を、あたしは――。

 

 クェスを救うために爛献Дン瓩魘遒蠅笋辰討た彼の言葉に、
爛▲襯僉Ε▲検璽覘瓩離灰ピットを覆うサイコフレームが過敏に反応したのか、それとも……。
 指先の感覚が、無かった。
 球状操縦桿アーム・レイカーは、従来の操縦桿よりも繊細で、小さな動作も拾い機体に反映する。
 あたしが、殺ったの……?
 それはまるで、自分を檻の中に閉じ込めるかのように巨大で冷たい、クリーム色のマシン。
 友達を、あたしが、殺したの……?
 幾多の思い出が、割れたガラスのようにクェスの脳裏を散りばめる。
 最後に笑ったのはいつだったのだろう。ずっと昔、まだ父と母が愛し合っていた頃の幼き日々? 
 そんなに昔?
 あたしは、そんなに笑わない人間だったのか? 
 深い闇へと堕ちていく彼女の心の中で、ああと思い立った。
 彼と一緒だったときに、あたしは笑っていたじゃないか。では、彼を撃ったあたしは、本当に……。

 

 「……みんな……嫌いだ……」

 

 うめいた言葉の『みんな』の中に自分自身も含み、
彼女の心は冷たく凍てついた漆黒の宇宙《そら》のように凍りつく。
 頼れるものなど、何も無かった。

 
 

 「――これは!?」

 

 星屑の戦場で、男が少女の心を感知した。
 どうやって感知したのか。若き日に得た力か、
それともこれもまた、人の意思を集める力を持つサイコ・フレームの成せる業か。
 純白のパイロットスーツに身を包んだ男の名は、アムロ・レイ。
ぞわりと身を這う怨念のようなものを振り払うようにしてアーム・レイカー握りなおし、
フットペダルを踏み込んだ。
 「馬鹿なことを!」
 サイコ・フレームに包まれたコクピット内のアムロの思念が形となり、爨優ンダム瓩反応する。
 少女の意思を目指して、爨優ンダム瓩六枚の片翼を翻し虚空の闇を飛んだ。
 その片翼――放熱板とも、見方によればマントとも取れるそれを背負い、
爨優ンダム瓩宇宙《そら》にぽつりと浮かぶ巨大な物体を捉えた。
 アムロは一瞬、激昂した。 

 

 「クェス! 一体何をしたんだ!」

 

 アムロの脳裏には、クェスの笑顔が浮かんでいた。
 彼女は優しい子だった。だのに何故……?
 その答えを、彼は知っていた。
 十三歳の少女の心は、あまりにも未熟だった。

 

 「友達だったんだろう?」

 

 爛▲襯僉Ε▲検璽覘瓩凌搬里びくりと震えた。

 

 『友達なんかじゃない!』

 

 通信機など介していない。クェスの心が言葉となって、アムロの心に走る。

 

 「彼の気持ちを思ったことがあるのか!」

 

 クェスに撃たれたハサウェイ・ノア。彼はクェスを愛していたのだろう。
 漆黒の宇宙の闇が、一段と濃くなっていく。まるで人を飲み込む怨念のように。

 

 「あたしの邪魔ばっかりして!」

 

 クェスはもう一度、強く声を上げた。
 あたしを導いてくれると思ったのに、憧れていたのに! 今更になって現れて、偉そうに!

 

 『なぜ理解しようとしない……。なぜ素直になれないんだ!』

 

クェスは思わず奥歯をかみ締めた。
 あたしは知ろうとした! 気持ちも伝えようと……したのに……ハサウェイが……!
 ――あたしはやってしまうつもりなんかなかった!

 

 「あなたに何がわかるって言うの!?」

 

 アムロは何もわかってくれていない。あたしの気持ちも、こんなことになってしまった理由も――。
大人はいつもいつも上からものを見て、あたし達の気持ちなんてわかってくれないんだ!

 

 「そんな、いつも偉そうな事ばっかりー!」

 激昂したクェスの叫びに呼応するかのように、
爛▲襯僉Ε▲検璽覘瓩慮にあたるメガ粒子砲が火を噴いた。
その力強い光の濁流が彼女の思念に操られ、爨優ンダム瓩暴韻こ櫃る。

 

 『クェス、よさないか!』

 

 爨優ンダム瓩魯瓮粒子の濁流を易々とかわし、背中のマントを翻す――否、
そのマントは六つに裂け、コの字に折れ曲がり漆黒の闇を舞った。
 爛侫ン・ファンネル瓠宗臭爨優ンダム瓩謀觝椶気譴拭¬祇誘導型の小型メガ粒子砲。
それらが一斉に、彼女に立ち向かったのだ。
 クェスはすぐさま反応し、爛▲襯僉Ε▲検璽覘瓩留濔ビット、爛侫.鵐優覘瓩鮗予个靴拭

 

 「落ちろ……落ちろぉー!」

 

 クェスの心からダイレクトにイメージを受信し、爛侫.鵐優覘瓩磨ぎ立てのナイフのような鋭さで
漆黒の宇宙を舞い、無数のビームが放たれた。
 しかし、クェスの爛侫.鵐優覘瓩ら放たれた網の目の様な波状攻撃を、
爨優ンダム瓩碌な回避運動も取らず、慣性移動だけでビームの嵐の狭間を漂い回避していく。
そのままの動作で一つ、また一つと、餓えた獣のように飛び交うクェスの分身たちを撃ち落す。
 彼女は唇を噛み締めた。こんな戦い方をしてみせるアムロが許せないから。
こんなに強いのに、自分を見てくれないことが、助けてくれないことが――。
爨優ンダム瓩ら放たれた爛侫ン・ファンネル瓩帽況發琉媚廚無いように見えるのも、
彼女の心を逆立てる。
 やがて、アムロの意識が、爨優ンダム瓩離灰奪ピット内に組み込まれたサイコ・フレームを介し
爛侫ン・ファンネル瓩謀礎され、クェスの対応する間も無いほど俊敏な動きで
死角から死角へと移動し爛▲襯僉Ε▲検璽覘瓩鯤餔呂靴拭
 ――やられてしまう……!
 しかし爛▲襯僉Ε▲検璽覘瓩鯤餔呂靴伸爛侫ン・ファンネル瓩蓮
彼女の思考とほぼ同時に動きを止めた。
一瞬の後、コの字に曲げられた独特な形の爛侫.鵐優覘瓩ら一斉に淡い色のビーム膜が張られ、
爛▲襯僉Ε▲検璽覘瓩鮖擁から包み込むようにしてピラミッド状のバリアを作り上げる。
 ――なんだ、これは!?
 クェスは正体不明の攻撃から脱出すべく、必死に爛▲襯僉Ε▲検璽覘瓩鯑阿し檻の中で抵抗をした。
ある爛侫.鵐優覘瓩蓮∨譴妨かってビームを放つ。
ある爛侫.鵐優覘瓩和療たりを仕掛けるが、膜に弾かれて身動きが取れない。
 ――そうか、これは……!
 アムロの行為は、クェスにとって傲慢なものでしか無い。
 ――子ども扱いされている!

 

 「こんなの、嫌いだー!」

 

 正面の膜を睨みつけ、クェスは指のメガ粒子砲を放つ。
だが、それは光の膜に遮られた粒子の雨は目の前で四散し、激しい光を放ちクェスの網膜を焼いた。
衝撃に、少女は悲鳴を上げた。

 

 「そんな攻撃では!――そんな道具の使い方では、間違って人を殺すのも当たり前だ!」

 

 そう、かつて自分がそうだったように。――あの時、あの瞬間。
出会えた少女を殺してしまった時のように……。

 

 「それでは……家族だって殺してしまう!」
 『あたしはそんな馬鹿じゃない!』

 

 少女の怒りが、伝わってきた。それは悲しい叫び。

 

 『こんなものぉ!』

 クェスの体から力が溢れ、それが爛▲襯僉Ε▲検璽覘瓩魏陲掘波動となって宇宙を駆ける。
その押しつぶされるような圧迫感に、アムロは歯を食いしばった。

 

 「――クッ……何と力のある娘だ!?」

 

 力強くも、若すぎる力。だからこそ、少女は少年の気持ちを受け入れられず――。
 そのとき、言葉が走った。

 

 ――ああ、クェス。怒るんじゃないよ――

 

 アムロははっと顔をあげ、周囲を見回した。知った人間の波動。心のともし火。

 

 「――ハサウェイ!?」

 

 少年のイメージがアムロの脳裏に飛び込み、それを形作る。少年は、瀕死のように見えた。

 

 「クェス、感じないのか。ハサウェイは死んでいない!」
 『ウソばっかりっ!』

 

 クェスから聞こえてくる心は、泣いていた。
 ああ、この少女はなんて純真なんだ。
 アムロは一度目をつむってから、優しく接するように努めようとした。
 僕はもうじき父親になるのだから。なら、それをここでやってみても良い。
この戦いの後、ベルトーチカとひと時の幸せが許されるのなら、僕は――。

 

 少しの不安とわずかな気恥ずかしさに火照った顔を冷やすべく、
アムロは静かにヘルメットのバイザーを上げた。

 

 「そういうクェスだから、ますます苦しい思いをする……。
  クェスに助けを求めているのがわからないのか」

 

 宇宙《そら》を走ったアムロの言葉に、少女は一瞬はっとする。
 ――ハサウェイが……あたしに助けを求めている?
 そう感じた瞬間であった。

 

 ――怒っちゃいけないよ、クェス。それじゃあ可愛い顔が台無しだよ

 

 一瞬にして、傷ついたハサウェイのイメージがクェスの脳裏に映し出される。
そして少し引いた位置に、傷つき力を失った爛献Дン瓩、
ゆっくりと太陽に流れていくイメージが見えた。

 

 「……ハサウェイ?」

 

 そう言ったクェスの心は、期待と嬉しさと、わずかな不安に満ちたものだった。
彼女を諭すように、アムロが続ける。
 『そうだ。太陽の方向だ』
 ……太陽。じっと目を凝らすが、もう一度彼の鼓動を感じることができない……。
 ――遠い。そう感じた。それでも、クェスはわずかな期待を込め、アムロに尋ねる。

 

 「間に合うかな?」
 『爛▲襯僉Ε▲検璽覘瓩離僖錙爾鮖箸┐弌⊇ける事もできる』

 

 憧れの人の優しい声に、クェスの心音はとくんと高鳴った。

 

 爛▲襯僉Ε▲検璽覘瓠宗修修譴麓分を包み込む巨大な檻。
だがどうだろうか、先ほどまでは戦場の狂気と化していたこのモビルアーマーは、
今では頼もしく、あたしの願いを叶えてくれる巨人のように感じることができ、唐突に彼女は理解した。
自分を拒絶した世界が嫌だった、誰からも愛されないのが辛かった。
でも、拒絶していたのは、あたし……? 
あたしが人を愛すれば、あたしの世界は変わるの……? 彼を撃ったマシンで、彼を救う……。

 

 『――あとは、クェスがそれをどう使うかだよ』

 

 クェスは思わず爨優ンダム瓩鮓た。
その姿はまるで、「帰っておいで」と優しく迎える、クェスの最も求めて止まない――父のようであった。
 彼女は顔を上げ、太陽を見つめる。わずかな不安は、輝く星空の美しさで消えつつあった。

 

 「待ってて、今行くから!」

 

 爛▲襯僉Ε▲検璽覘瓩鯀爐襯ェスの意識が宇宙《そら》を駆けた。その淡い光は素晴らしく美しい。
 ――どこにいるの、ハサウェイ……!
 少女から発せられた光は無数の粒となり、太陽に向かって伸びていく。その向こうで、光るものがある。

 

 「――見つけた!」

 

 クェスはぱっと表情を明るくし、子供のように喜んだ。
少女に寄り添うように漂う爨優ンダム瓩呂匹海泙任睛イ靴ぁ

 

 『そうだよクェス。後は君の気持ちを繋げばいいんだ』

 

 いつのまにか、クェスを支配していた激しい感情は消えていた。
僅かな気恥ずかしさを隠すように、クェスは言った。

 

 「後ろから撃つなら撃ってもいいよアムロ」

 

 そしてクェスは、爛▲襯僉Ε▲検璽覘瓩良霑を着脱させ、すっと前を見据える。
 目の前に広がる宇宙《そら》はどこまでも蒼く、どこまでも優しく、命の光を称えていた。
 ――ああ、あたしは自由なんだ……。

 

 敵を撃ち滅ぼすために搭載された様々な武装が、心を縛り付ける装甲が、一斉に分離する。
そして爛▲襯僉Ε▲検璽覘瓩脇部のみを残した姿となった。呪縛から解き放たれた瞬間である。
頭部のみとなったその姿は頼りなさよりも、少女を祝福してくれるかのような優しい力を、
強く発しているように見えた。
 ロケットブースターを吹かせ、太陽へと向かうクェスの声が、聞こえてきる。
 『――信じてみる』
 彼女は確かにそう言った。アムロはもう一度深く目を瞑り、息を吐く。
 脳裏に浮かぶ散っていった仲間たちの顔。
俺はようやく、彼らにほんの少しだけれども、顔向けができるようになれたのかもしれない。
 そのままの瞳で、アムロは太陽を見つめた。
 既に爛▲襯僉Ε▲検璽覘瓩了僂聾えなくなるほど遠くなっていた。

 

 「ハサウェイ、ちゃんと迎えてやるんだぞ」

 

 この言葉は、もう届いていないだろう。それでも、アムロは言った。
 そのままシートに深く座りなおし、宙を仰ぎ見る。
 ――愛しているという心は……愛しているという心は……。
 アムロは……寂しいのだ。
 だが、彼は地球を見据えた。
 戦いは終わっていない。今を生きる一人の人間として、
未来を担う子らを導いてやれる時はここまでのようだ。
 過去との決着をつける瞬間が迫っている。
 もう爨優ンダム瓩録兇蠍くことなく、地球に迫る巨大な隕石―――爛▲シズ瓩鯡椹悗靴拭
その奥に、深い闇に取り付かれ、やがては闇を生み出す元凶と成り果て、
血の様に赤い翼を羽ばたかせる竜のモビルスーツを感じる。

 

 ――血塗られた獣の喉が、低く唸った気がした。

 
 

PHASE-00 コスモス・カラー

 
 

 震える冷たい瓦礫の上で、力を失い倒れこむ一機のモビルスーツの姿があった。
爛淵ぅ船鵐押璽覘 ――血のような赤色をし、巨大な竜を模した外見のそれは、
もはや戦う力など残されていない。完全に沈黙し、動くことはないだろう。
もう爛淵ぅ船鵐押璽覘瓩蓮∧部に搭載された拡散メガ粒子砲で群がる爛献Дン瓩
あっという間に蹴散らして見せたり、リアアーマーに装備された二本の隠し腕を駆使し、
左右のマニュピレーターと合わせ計四本のビームサーベルで同時に攻撃を仕掛けるような戦い方も、
二度とすることは無い。
敗者となった竜は、他の骸同様ただの屍でしかない。
 そこから少し離れた地点で……。今、まさに地球に落ちようとしている巨大な隕石―――
爛▲シズ瓩魏,渓瓩修Δ函必死にバーニアを吹かせているモビルスーツの姿があった。
爨優ンダム瓩任△襦
 爨優ンダム瓩留手と爛▲シズ瓩剖瓦泙譴襪茲Δ雰舛粘笋涼罎砲瓩蟾んだ脱出コクピットから、
シャア・アズナブルの叫びが聞こえる。

 

 〈アムロッ! 何をするのだっ!〉
 「確信が持てるまでは、なんでもやる! それが、宇宙を汚した我々の仕事だっ!」

 

 地球を背にし、全力でバーニアを吹かせつつアムロは絶叫した。
 降下する爛▲シズ瓩亮个畫阿房茲衂佞い伸爨優ンダム瓩蓮▲ーバーロードの熱で白熱化していた。
それは、一匹の蟻が前進する像を押し返す行為に似ている。
 アムロ・レイとシャア・アズナブル――爨優ンダム瓩鉢爛淵ぅ船鵐押璽覘瓩寮錣い蓮
アムロの勝利に終わった。
だが――。ネオ・ジオンの作戦である隕石落としは、遂行されようとしていたのだ。
爨優ンダム瓩ら、淡い光が溢れ始める。
 突如、爨優ンダム瓩鮨浸て、同じように爛▲シズ瓩魏,景屬垢戮
三機の爛献Дン瓩やってきた。

 

 「なんだ!?」

 

  唖然としたアムロは、やがて状況を理解したのか、目を見開いて激昂する。

 

 「止めてくれ! こんなことに付き合う必要は無い!」
 〈そうはいきません!〉

 

 アムロの知らない男の声が聞こえた。

 

 〈大尉だけに、いい思いさせられないでしょ!〉

 

 更に、別のパイロットである。

 

 〈…………ッ!〉

 

 歯を食いしばったようなうめき声、更に別の爛献Дン瓩ら聞こえてきた。
 その間にも、爛▲シズ瓩魏,垢茲Δ砲靴謄弌璽縫△鯀干にするモビルスーツは、次々に増えていった。
 それらは一方方向から接近するのではなかった。
 地球の反対側からも接近して、爛▲シズ瓩房茲衂佞い討い辰拭その数は、数十……。
 しかし、爛▲シズ瓩魯皀咼襯后璽弔凌篶呂撚,渓瓩気譴燭蝓⊃箆を変えるような大きさではない。

 

 「寄るなっ! 寄るんじゃないっ! ここは、ガンダムで面倒見る!」

 

 アムロのコックピットは、すでに真っ赤になっていた。

 

 〈しかし!〉
 〈まだまだ!〉

 

 爨優ンダム瓩らは、きらきらと、細かな光の粒がまといつくように発せられていた。
 気がつけば、連邦のモビルスーツだけではなく、爛▲シズ瓩鮹狼紊惺濂爾気擦茲Δ箸靴討い燭呂困
ネオ・ジオン側の機体――爛ラ・ドーガ瓩気─彼らの中に加わっていた。

 

 〈地球が駄目になるかならないかなんだ。やってみる価値はありますぜ!〉

 

 そして、アクシズに取り付いたモビルスーツたちは、オーバーロードで加熱していった。
その行き着く果ては自滅しかないのに……。

 

 「しかし、爆装している機体だってある!」

 

 アムロがそう叫んだのが早いか否か、一機の爛献Дン瓩オーバーロードに耐え切れず、爆散した。

 

 「――駄目だ! 摩擦熱とオーバーロードで、自爆するだけだぞ!」

 

 大気の上層と触れ合う機体は、いっそう震動していた。
 一機の爛ラ・ドーガ瓩力尽き、死んだように爛▲シズ瓩良縮未ら転がり落ちていく。
それを、咄嗟に掴んだ爛献Дン瓩見えた。――最初に駆けつけたうちの一機だ。
 アムロの目から涙が溢れてくる。

 

 「もういいんだ! みんな止めろっ!」

 

 彼の悲痛ともいえる叫びに応えるように、爨優ンダム瓩鉢爛淵ぅ船鵐押璽覘瓩
コックピットの接触部が発光して、その光が拡大していった。

 

 〈もう少しです! そうすりゃ、完全に爛▲シズ瓩蓮帖弔Δ錣叩〉

 

 最初に威勢よく話しかけてきた爛献Дン瓩癲光となって消えた。
アムロは唇を噛み締めながら前を見据える。
ふいに、接触回線を通じて、右手に握られたコックピットから嘆くような声が聞こえてきた。

 

 〈――結局、遅かれ早かれこんな悲しみだけが広がって地球を押しつぶすのだ……。
  ならば人類は自分の手で自分を裁いて、自然に対し地球に対して贖罪しなければならん。
  アムロ、なんでこれがわからん……!?〉
 「離れろっ!――ガンダムの力は……!」
 『パパ!』
 「――ッ!?」

 

 子供の、声がした。男の子なのか女の子なのかはわからない。
だが、不思議とそれがまだ産まれてもいない自分の子供だという確信を持つことができた。
爨優ンダム瓩諒豐蓮↓爛蕁次Εイラム瓩忙弔靴討たベルトーチカと自分の――。
 機体のオーバーロードと白い波と淡く美しい光が、上下左右に取り付くモビルスーツにぶつかると、
それらを優しく弾いていった。
 それは、オーロラに似た鮮やかなものだった。

 

 〈ガンダムが俺をどけた!?〉

 

 さらに、別のモビルスーツを優しい光が弾いた。

 

 〈ああ……! これじゃ、爛▲シズ瓩鬚叩〉
 〈この蒼い光は……。人の意思を背負っているっ!?〉

 

 弾かれながら必死に手を伸ばす爛献Дン瓩燭舛ら、悲鳴にも似た叫びが聞こえてくる。

 

 〈そんな……待って下さいアムロ大尉! 自分達も爛▲シズ瓩髻帖帖〉

 

 爛▲シズ畫澗里髻↓爨優ンダム瓩ら発した蒼い輝きが包み込み、
周囲のモビルスーツを宇宙へと送り返しはじめた。
 そして、その輝きはやがて光の帯となり、伸びて、爛▲シズ瓩慮景を移しながら、
地球を囲むように流れていった。

 

 〈大尉ーっ! 自分達の命を使ってください! そうすればアクシズはっ!〉
 「余分な命はいらないんだ! 俺とシャアだけでっ!」

 

 広がり続ける爨優ンダム瓩稜汎阿法⊆ 垢肇皀咼襯后璽弔帰るべき場所へと運ばれていく。
 アムロとシャアのコクピットは、もう高熱になっていた。

 
 

 爛蕁次Εイラム瓩寮鐺ブリッジでは、クルーは、
なす術もなくその輝くアクシズの状況を見守っていた。
 突然の援軍、突然発した謎の光に唖然としていたブライトはその光の発端にいるであろう戦友を思い出し、
キャプテンシートを勢い良く立ち上がりながら怒鳴った。

 

 「爛ンダム瓩法▲▲爛蹐謀舛┐蹐叩 離脱しろとっ!」
 「無理です! オーバーロード・ウェーブで、無線はブラックアウトしていますっ!」

 

 誰もが、目の前で起こっている事態を把握できていないのだ。
モビルスーツが正体不明の光を発っしているなど、どうして知ることができようか? 
ブライトは友の死を悟り、呆然と立ち尽くした。

 
 

 「クェス……?」

 

 ハサウェイは、傷ついた体を起こし、隣で呆然と座り込み口元を抑えるクェスを抱き支えた。
 彼女は震える声でつぶやいた。

 

 「アムロがいなくなっちゃうよ……。アムロがぁっ」

 

 クェスの言っている意味がわからず、ハサウェイは彼女を優しく抱きしめながら聞いた。

 

 「アムロさんが……?」
 「アムロはあたしのお父さんになってくれるかもしれなかったのに……」

 

 泣きじゃくりながら叫ぶクェスの言葉に、ハサウェイは顔をあげた。
この子は父親を欲しがっていたのだろうか?
 本当は父でなくても良いのだろう。優しい人ならば、頼れる人ならば――
自分の安心を与えてくれる人物ならば彼女は誰でも良かったのかもしれない。寂しい子なのだから。
 彼は拳を握りしめてから、一度だけ爛▲シズ瓩鰲砲澆弔韻討院△笋て優しく少女を抱き寄せた。
それは、彼自身の新たな決意。

 

 「僕、頑張るからさ……」

 

 泣いたままの表情で、クェスは「え?」と顔をあげる。 
彼はクェスをそのまま抱き寄せ、こつんとパイロットスーツのヘルメットを押し付け優しく語りかけた。

 

 「アムロさんに負けないように……頑張るから……。だから――」

 

 地球を包み込むように広がるオーロラをバックにして、少女のか細い腕がハサウェイの背を優しく抱く。
 救助はいつ来てくれるのかわからない。
それでもハサウェイは、この寒い宇宙《そら》でぽつりと浮かんでいるこの状況を
寂しいものだとは思わなかった。
 宇宙《そら》には、人の意思が溢れているのだから。

 
 

 「アムロは……?」

 

 モビルスーツのコクピット内部で気を失っていたベルトーチカが目覚めると、
爛蕁次Εイラム瓩料ヂ里目の前にある偶然に、息をついたものの、
自分と爛蕁次Εイラム瓩隆屬法△びただしい石が流れているのに怖気づいていた。
 しかし、石の流れ向かう、地球の前を流れるものの形が分かった時、絶望した。
 アムロは、側にはいないと感知したからだった。
 瞬間、彼女の体から蒼いオーロラのような光が溢れ出る。
ベルトーチカはそれに気づきもせずに、モニターに映る惨状を見つめていた。
そうして、ベルトーチカは、目を見張った。
地球と爛▲シズ瓩隆屬某びた蒼い光の帯にそって、爛▲シズ瓩竜霏腓頁吠劼、
ゆったりと滑っていくのを目にしたからだ。
 しかも、後方の岩の先端からは――爨優ンダム瓩痢▲▲爛蹐里い襪箸海蹐澄宗
そこから発せられる力強い光が宇宙に舞うように広がっている。

 

 「アムロォ……!」

 

 それとほぼ同時だった。
 ベルトーチカの手に握られたサイコ・フレームが、目も眩むほどの光を発したのは――。

 

 「……命があるからこそ、光が発する……」

 

 彼女が涙に濡れた顔でつぶやいた。
蒼く美しい光の粒が、津波のようになってベルトーチカの握るサイコ・フレームから溢れ、
それが爛▲シズ瓩妨かって伸びる。
ベルトーチカは、その光のひとつひとつが生命なのではないかと思いついていた。
 そして光の中、彼女はお腹の子が、泣いているように感じていた。
パパを助けて、と泣き叫んでいる。……それは適わぬことなのだろう。人にそこまでの力は―――。
そう思った矢先である。サイコ・フレームが更に震動を強め、
モビルスーツの外壁さえもすり抜けるようにして宇宙に飛び出していった。
 このような現象がどうやって起こったのかなど、わかるものはいない。
 その金属片は、爛▲シズ瓩愀劼れた淡い光のレールを滑るように、引き寄せられていった。

 
 

 爨優ンダム瓩鮹羶瓦砲靴秦鵑じに、地球から発した光が、吸い込まれていく。
 その数は、知れない。地球の各地から発した光が、線から帯、帯から膜になり、
時に低く、時には高く地球を取り巻くようにして、爨優ンダム瓩暴乎罎垢襪茲Δ妨えた。
 それは、あたかも爛▲シズ瓩竜霏腓粉笋法行くべき道を示すようであった。

 

 「ああ……な、なんだっ!? 僕は、世界を見ているのか……!?」

 コクピットの激震にもまれながら、灼熱のコックピットで、
アムロは、ボロボロと涙を流しながら、うめいた。
ふと、シャアが低い声を荒げた。

 

 〈――そうか。しかしこの暖かさを持った人間が地球さえ破壊するんだ! それをわかるんだよアムロ!〉
 「わかってるよ! だから、世界に人の心の光を見せなけりゃならないんだろう!?」

 

 アムロは信じているのだ。狠狼縅∨瓩撚革が起きる事を。そして世界が変わることを――。
 しばらくの沈黙ののち、深い息をつくような音がしてからシャアが低い声でうめく。

 

 〈……クェスは、どうした?〉
 「帰ってきたさ! 貴様はマシーンのように扱って!」

 

 カッとアムロが激昂した。あのような少女に人殺しをさせることは、
アムロの嫌な思い出を――『あの時』の感触を思い出させる。

 

 〈ハッハッハッハッ!
  そうか、では『あの時』の二の舞にはならなかったというわけだな!? ええッ!?〉

 

 通信越しから嘲るような笑い声が聞こえてきた。
 あの時――そう、十四年前……全てが狂いだしたあの瞬間。アムロは言葉につまり、唇を噛み締める。 

 

 「だが……! あれは俺にとっても――」
 〈ああそうだろうな、お互い様だ!
  しかし、それでも……私にとっては、あれが全てだったのだ……ッ!〉

 

 シャアの悲痛な叫びに、彼は全身を震わせた。
この男は、それほどまでに――ララァ・スンのことを……。
アムロの脳裏に、『あの時』のことが鮮明に蘇えってくる……。
 心が裂かれるような思いだった。ならば、俺は……。
 アムロを襲う後悔に追い討ちをかけるようにシャアが続けた。

 

〈お前はいつだってそうだ! 全てを知った風な口で語り、常に私の先を行く!〉
 「――何を言っている!?」

 

 アムロには、シャアが泣いているように感じられた。

 

 〈――そうか。クェスは私に父親を求めていたのか……!
  だから私はそれを迷惑に感じて、彼女を戦闘マシーンに仕立てたんだな!
  ――だが、貴様はそれすらもやって見せたっ。聞こえるかアムロ!〉

 

 通信から聞こえてくる言葉の一つ一つが胸に突き刺さる。

 〈……私は、お前と互角に戦いたかっただけだ。そのために、サイコ・フレームの技術を提供した……!〉
 「貴様が!? 馬鹿にしてっ! そうやって貴様は永遠に他人を見下すことしかしないんだ!」

 

 激震するコクピットの中は、既に真っ赤だった。

 

 〈ララァ・スンは私の母になってくれるかもしれなかった女性だ!〉

 

 通信機越しの悲痛な叫びにアムロは思わず身を引いた。

 

 「お母さん……? ララァが……」

 

 シャアのコックピット内は自分のそれよりも更に辛い状況だろう。
 だが、彼の怒りに満ちたような叫びが途絶える事は無い。
 一瞬、クェスとシャアの心が重なって見えた。母を求めた男と、父を求めた少女と……。
 ――だとしたら、俺は……。

 

 〈貴様にララァの何がわかる! ララァのことはもう言うな!! 二度と口にするな!!
  ララァは私のものだ、私だけのものだ……〉

 

 それは、全てを覆い隠し続けた男の、本当の心だったのか。

 

 〈私の母、アストライア・ドア・ダイクンはザビ家に殺された――。
  古い塔に幽閉され、独り、病を癒すことも許されず……。
  復讐する! 私は心に決めた――。戦いの中に在っても、
  一日として母と母の死のことを私は忘れたことは無い!
  その私の前に……常に現れるのがお前だった!!
  腐った衆愚の塊でしかない連邦の手兵として小賢しくも私に敵対し、
  せっかく与えられているその『ニュータイプ』としての能力を無思慮に使い私の為すところを妨げ――〉

 

 短い沈黙。人の革新、『ニュータイプ』。人と正しく分かり合うことのできる人類。
アムロは、ようやく思い立つことができた。
それは『幻想』だ、と。俺は、この男の心を、まるで理解していなかった。
何一つ、何も、自分がしでかしてしまった事の大きさも……。
 シャアが搾り出すようにうめく。

 

 〈――あまつさえ……〉

 

 再び短い沈黙の後、男はわずかに涙を孕んだ声色で、消え入るように言った。

 〈ララァを私から、奪った〉

 
 

 あの日、あの時、アムロの駆る爛ンダム瓩ら、シャアのモビルスーツ爛殴襯哀悪瓩鮗蕕蝓
ララァが散った。アムロが、殺したのだ。守るべきものもいない、愛する人もいない、そんな力で。

 

 〈私はキャスバル・レム・ダイクンだ! 復讐のために生きてきた男だ!
  お前なんかとは違うっ! 私の哀しみも恨みも、何も知らないくせに!!!〉

 

 そう、俺は知らない、何も、知らない。無知とは罪だと、誰が言った言葉であったか……。

 

 〈貴様にわかるのか!? 父を殺され……いつか、いつかは会えると信じていた母すらも
  殺された私の気持ちが! 毎日のように監視者に後をつけられていた私の気持ちが!
  やつらからアルテイシアを守らねばならなかった、その為に戦わなければならなかった
  私の気持ちがわかるのか!〉

 

 今、初めてシャアの本当の心が見えた気がした。
 ――だが、それはあまりにも遅すぎた。

 

 〈ララァに出会えてから私は変わった!
  ザビ家への復讐を捨てて、戦いも、憎しみも、何もかも忘れて!
  地球のどこかで、二人だけの生活を営もうかと考えたこともあった!〉

 

 言わば、それはシャアのついた最後の嘘であったのかもしれない。
だが、それを否定できる要素を、権利を、アムロがどれだけ持ち合わせていただろうか。
アムロの目に、涙が溢れてきた。過去の大戦――牋貲戦争畛代からの宿敵であるあの男の心を、
この直前まで……俺は、知ることができなかった。止めることができなかった……。
そして彼をこうも追い詰めたのは……。

 

 〈――そのララァを殺したお前に……言えた事か!〉

 

 それが、聞こえてきた最後の言葉だった。
 シャアの乗っていたコックピットは炎に包まれ、彼の燃えゆく身体が
サイコ・フレームを介してアムロの脳裏にイメージとなってはっきりと浮かび上がる。

 

 「――シャアッ!」

 

 言葉は、返ってこない。
 アムロはシートに深く座り込み、もう一度――あの時のように涙をこぼした。

 

 「俺は本当に――本当に取り返しのつかない事をしてしまった……」

 

 溢れ出る涙が彼の頬を伝う。アムロにとっては、偶然めぐりあい、理解し合い、殺してしまった少女。
ほんの一瞬の会合。では、シャアにとって、ララァとは……?
 つい今しがた語られた内容が、アムロが奪った命の重みを告げていた。
 ふと、爨優ンダム瓩亮蠍気妨える赤いコクピットに――
シャアが、つい先ほどまでそこにいたコクピットに、周囲の景色には似つかない、
白く美しい白鳥がそっと近づくのを見た。
 そのイメージは女性の姿へと変わり、爆炎をあげるコクピットを優しく抱きしめた。

 

 「……ララァ・スン?」

 

 自分が殺した少女が……ララァが、シャアを迎えに来たように思えた。
だがアムロにはそれがたまらなく悔しい。
 彼は思わず叫んだ。

 

 「待ってくれ! 俺は……。――シャア! 俺たちはまだ何もしちゃいないんだぞ!
  それを、こんなところで!」

 

 アムロは、かつてシャアと肩を並べて戦ったことがある。アムロはシャアに期待をしていたのだ。
この男ならば、世界を正しく導いてくれるのでは無いか、
俗世に支配された連邦という組織を、変えてくれるのではないかと。
だが、人は一人では生きられない。
『赤い彗星』と謳われようとも、『ジオンの遺児』であろうとも、ただの人間なのだ。
『ニュータイプ』がただの勘が良い程度の存在でしか無いのと同じように、
シャアもまた、ただの人――彼の心の唯一の支えが、ララァであった。
ならば、連邦の変革を、人類の進化を……『可能性』を奪ったのは、自分ではないのか――。
 アムロの叫びは、こうなってしまった『運命』への無駄な抵抗であった。
 淡い光の中のララァは悲しそうに、それでいて愛おしそうに、
光に包まれたシャアのイメージを優しく抱きしめる。
 ララァがこちらを見て微笑んだ。彼女は優しい笑みを浮かべたまま、アムロに手を伸ばす。と、その時――

 

 『――狆石瓠帖弔蓮
 『駄目だよ、パパぁ!』

 

 同時に二つの声が聞こえてきた。低く唸るような、人とは思えない何者かの声と、
先ほど聞こえた赤ん坊の声。
 モニターの端にちらりと動く影が見えた。
 その影は再び起動を始め、今まさに羽ばたかんとする爛淵ぅ船鵐押璽覘瓩涼唄磧團皀離▲ぁ佞、
アムロじっと見つめている。
 ――俺は……。
 そこから先は、言葉にも思考にもならなかった。
 ララァが必死に手を伸ばし、何かを叫んでいる。
 先ほどいたシャアの魂は見えなかった。
 アムロは力の限りを尽くして叫ぼうとする。
 ついに、爨優ンダム瓩離灰奪ピット内にも炎が走った。
それに呼応するかの用に、爛淵ぅ船鵐押璽覘瓩力強く羽ばたき、宇宙《そら》を舞う。

 

 アムロは薄れゆく意識の中、必死に手を差し伸べるララァの姿を捉えながら、
彼もまた手を伸ばそうとした。
 だが、届かない。
 爨優ンダム瓩眩い閃光に包まれ、コクピットも光に包まれる。
そしてその光に爛淵ぅ船鵐押璽覘瓩爨優ンダム瓩慮紊鯆匹Δ茲Δ法飛び込んだ。
 アムロに確認できたのは、そこまでだった。彼は最後の直前に、妻と子に思いを馳せる。

 

 「ベルトーチカ……」

 

 辛うじて最後に最愛の人の名を呼べたことに安堵しつつ、アムロはそのまま死に行くように目をとじた。

 
 

 もう……爛淵ぅ船鵐押璽覘瓩里気┐困蠅蓮∧垢海┐覆った。

 
 

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