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CCA-Seed_◆ygwcelWgUJa8氏_33

Last-modified: 2012-11-18 (日) 20:53:22

 漆黒の宇宙《そら》に一つの巨大な火球があがると、すぐさまその火球の大きさを覆い隠すほどの大量のモビルスーツが特徴的なゴーグルタイプの目をぎらつかせ、一機のM1を貪った。
 更にもう一機のM1が無数のビームの雨に晒され、虫食いのように穴だらけとなりやがて爆発する。
 また一つの火球が星屑の海を照らし、そのモビルスーツ――爛好肇薀ぅダガー瓩麓,粒擁を求めて蹂躙を始めた。
 ところどころに被弾した深緑の爛◆璽エンジェル甬蘰麋峇廊爛僖錙辞瓩針鼠のような対空砲火で応戦し、同じくネルソン級戦艦やドレイク級戦艦が周囲を固め援護に入る。
 すぐに爛▲瓮離潺魯轡薛瓩らも爛好肇薀ぅダガー瓩出撃し、敵の爛好肇薀ぅダガー瓩噺鮴錣鮖呂瓩拭
 一機の敵爛好肇薀ぅダガー瓩離灰ピットをビームサーベルで貫いたところで、別の敵機が味方爛好肇薀ぅダガー瓩鬟咫璽爛薀ぅ侫襪之發組瓦次の標的を探すも、僚機の爛好肇薀ぅダガー畭發瓦筏霏腓瞥枦纏劼竜韻に飲み込まれ消滅した。
 爛僖錙辞畭發寮鐺隊長を任されたジャンはその様子を苦々しい思いで見つめたが、すぐの目の前の現実を見据えフットペダルを踏み込んだ。
 白く塗装された自機のスラスターの煌びやかな光はパイロットのジャンからは見えないが、敵からしてみれば格好の的であろう。無論敵の爛好肇薀ぅダガー瓩呂修譴鮓逃すはずも無く、四機の編隊が同じく鮮やかな光の尾を引いて高速で迫り来るが、同時に四方からの攻撃が敵部隊を一瞬で蹂躙し、四つの爆発の炎が宇宙《そら》を汚した。
 ちらとモニター上方に爛瓮咼Ε后Ε璽蹲瓩映り込み、それが『月下の狂犬』ことモーガン・シュバリエだとわかればジャンは彼の言葉を思い出す。
 月で彼と対面した時、ジャンは戦闘隊長の座を譲り渡すつもりでいた。あのハルバートン少将の艦、爛僖錙辞瓩寮鐺隊長がコーディネイターというわけにはいかないだろうという、いわば彼に染み付いた奴隷根性に等しいものであったが、モーガンは笑って言った。
 
 『馬鹿言え。爛僖錙辞瓩痢宗修△◆閣下はザをつけんと怒るが、ま、それは良いとしてだ。あんたが手塩にかけて育てたチームだってのに、いきなり俺が横からやってきて隊長だってのは面白く無いよな? なら、爛僖錙辞瓩離繊璽爐呂△鵑燭里發鵑機遠慮せずに胸を張ってそこにいてくれりゃ良いんだ』
 
 思わずジャンは言葉を失ったが、目の前で気さくに苦笑してみせる彼は全く気にした様子も無く、ご機嫌な調子でふふんと鼻を鳴らした。
 
 『それにだ、ここんとこずっと俺が基地指令紛いなことをさせられて、やっと好き勝手できるかもしれないってのにだぁーれがそんな面倒事をなあ? ハハハ、そういうわけで任せたい、頼まれてくれ』
 
 そう言った彼の口調は、差別も偏見も無い、ただ男と男の他愛の無い会話であったのだから、ジャンはその言葉を僅かに思い出しながら、ロックオンした一機の爛好肇薀ぅダガー瓩妨けて躊躇無くトリガーを引くと、銃口から放たれた煌びやかな光条は何者にも邪魔されること無く、正確にコクピットを貫いた。
 
 
 
 もうじきアークエンジェル甦和發到着する、と報告が入ればハルバートンは間違いなくこの戦勝てるだろうと確信した。
 それ故に、彼はわからない。
 ビラードと言う男、野心家であったが決して無謀な事をする男ではない。彼は臆病なほど慎重な男であり、常に水面下で事を運び、犠牲者は最小限に抑え成功に収める――だからこそ、ユーラシアに彼を信望する兵は多く、それが月面基地の一斉蜂起と言う大事をも可能にしたのだと踏んでいた。
 だからこそ、だからこそこの戦い方に疑問を覚えるのだ。
 大量破壊兵器を惜しみなく投入し、爛譽イエム瓩箸いΔ發里巴狼紂↓爛廛薀鵐鉢畫佇に脅しをかけ、それでいて彼らの目的が見えないのだ。主義も主張も無いテロリストなど、あるわけが無い。即ち、奴らは我々に理解できない何か、もしくは知られてはまずい何かを求めている。
 暗のメッセージ。
 誰に対してだ?
 既に、ユーラシア連邦大統領はビラードとの関与を否定し、切り捨てている。
 彼らは紛れも無いただのテロリストとされたのだ。
 恐らく、ビラードの部下達はそれでもあの男を信じているだろう。悪を行おうとした上官を殴り左遷された兵、理想に燃え入隊したものの現実との差に落胆し腐りかけていた兵、かつての暗殺者、戦い疲れたゲリラ屋、親を失った少年兵、誰からも理解されない孤高の科学者、そういった者達を纏め上げ、一つの巨大な部隊を作り上げたあの男なのだから……。
 ――世界に向けて、ではない。ならばこの戦、もしや……。
 艦橋《ブリッジ》のすぐ横で一機の味方機がビームに貫かれ爆発する。慌てて援護に入る味方機を端目にホフマンが声を荒げる。
 
 「弾幕! モビルスーツ隊は本艦の援護を優先させろ! 援軍の到着まで持ちこたえるのだ!」
 
 ハルバートンはそれを見向きもせず、ビラードの起こした――恐らく、『たった一人の戦争』の真実に迫りつつあった。
 そして確信し、正気の沙汰ではない、と口の中で吐き捨て、今度こそビラードを軽蔑した。
 その『大義』に、人を殺して良い道理などあるはずが無いのだから。
 
 
 
 
PHASE-33 星屑の戦場
 
 
 
 
 〈フレイ・アルスター、爛Εンダム畊圓ます!〉
 
 少女の嬌声にシンははっと我に返ると、すぐに目の前のモニターに格納庫の様子が映し出され、あわただしく指示を出すマードックが視界に飛び込んできた。彼が通信機に叫ぶ。
 
 〈だーかーらー! ユーラシアの識別信号つったって――と、わかってるな坊主、相手はザフトじゃねえ、ナチュラルの、うちで使ってる機体と同じものを使ってる連合の正規部隊だ〉
 
 彼の言わんとしてることは、シンにはわかっているつもりだ。だから、
 
 「後方支援、ですよね。わかってますよ」
 
 と返して見せるし、手柄がどうとか言うつもりはもう無かった。
 
 〈やけに素直だな〉
 
 マードックが意外そうに方眉をひょいと吊り上げる。
 
 「僕だって、僕の所為であの人が泣くのは嫌なんです……」
 
 これが、シンの率直な感想。
 先の戦いでフレイがシンを救う際に戦った相手が、フレイにとってどういう相手だったのかはカガリから口頭で聞かされている。シンにはフレイがもうすぐ壊れてしまうのではないかと思えて、それが怖くてったまらなかった。
 
 〈……あっちの坊主と同じこと言いやがる。――爛▲ツキ疥匹い勝⊇个察〉
 
 苦悩交じりの号令とともに爛▲ツキ瓩カタパルトへと進められ、ハッチの奥には星屑の戦場が垣間見える。
 
 〈カナード・パルス、爛魯ぅ撻螢ン畚个后〉
 
 ドミニオン隊の戦闘隊長が発進し、やがてシンの番となる。
 
  「そんなに人を殺したいのか、人間って――!」
 
 思い切り毒づいてから、彼は前を見据える。
 
 「シン・アスカ、爛▲ツキ畊圓ます!」
 
 虚空へと投げ出された彼は、まず最初に闇の星空を照らし続けるいくつもの火球に目を奪われた。モビルスーツの爆発とは、違う……これはいったい。
 
 〈シン、下がって!〉
 
 キラの爛侫蝓璽瀬爿瓩シンをかばうように前へ出る。
 
 「これって……?」
 
 モニターの中でキラは苦渋の色を浮かべ、言った。
 
 〈敵は――〉
 
 
 
 「核兵器だと!? どうして、なんであいつらが持ってるんだ!」
 
 爛疋潺縫ン甦篭兇任劼箸靴りわめいたアズラエルを無視して、ナタルはてきぱきと指示を飛ばしていく。
 
 「爛蹇璽┘鵐哀螢鶚瓮┘優襯ー充填一○○%!」
 
 メリオルが告げると、ナタルはすぐに発射の指示を出す。
 陽電子の煌きが宇宙《そら》をかけると、同時にいくつかの爆発が宇宙《そら》の情景を汚していく。
 ――まさか、全機がなんてことは無いよな……。
 核武装のモビルスーツ部隊など、考えたくもない。
 
 「爛▲瓮離潺魯轡薛瓩敵に進入をされたようです!」
 「爛▲瓮離潺魯轡薛瓠∨し盪澆澆泙后」
 
 カズイとミリアリアが同時に言うと、爛▲瓮離潺魯轡薛瓩遼姫劵轡好謄爐里いつかが停止した。
 防衛施設の占領……最悪の結末が脳裏をよぎる。そのとき――
 
 「爛凜 璽船磧辞瓩らの通信です!」
 
 ナタルはすぐさま「つなげ!」と答えると、険しい顔をしたイアンがぱっとモニターに映しだされた。
 
 〈バジルール少佐、これより爛凜 璽船磧辞瓩廊爛▲瓮離潺魯轡薛瓩望茲蟾み白兵戦を仕掛けます〉
 
 本当にやれるか、という疑念はすぐに捨て去った。できる自信があるから、彼はこう告げたのだ。そういう度量を持った男だとナタルは理解した。
 
 「了解しました、爛疋潺縫ン瓩狼艦の援護に当たります」
 
 通信を終えると同時に、ナタルは
 
 「アーガイル准尉、針路を爛▲瓮離潺魯轡薛瓩房茲譟」
 「了解!」
 
 有無を言わずに行動する彼を、少し頼もしく思えた。
 後ろでようやく落ち着いたらしいアズラエルふと漏らす。
 
 「Nジャマーキャンセラー……」
 
 ナタルとメリオルがちらと視線を向けた。
 
 「爛淵ぅ船鵐押璽覘瓩硫鮴呂覆鼻△笋弔蕕砲任るはずが無いんだ……それ以外に、だとしたらやつらは爛廛薀鵐鉢瓩函帖帖」
 「理事、今からでも戻ってはいかがです? ここに被弾しないという保証はございませんが」
 
 嫌悪の色を隠しもせずにナタルがぶっきらぼうに言ってやると、彼はまたいつもの人を小ばかにした顔に戻り、言った。
 
 「まさかっ、特等席ですヨ? 僕がここにいないと意味が無いじゃないですか」
 
 俗物め……。
 ナタルは誰にも気づかれないよう、静かにふんと鼻を鳴らした。
 
 
 
 ――同時刻
 
 「熱源、来ます!」
 
 管制担当のメイリンが告げると、やや遅れて巡洋艦主砲クラスと取れるビームの粒子が爛潺優襯亅瓩料ヂ里鯲めた。
 アーサーがびくんと身を竦めているのを声色と感覚で知覚しながらタリアは無視した。
 ユーラシア連邦の宣戦布告後の僅かな猶予期間、爛潺優襯亅瓩話狼縅合の同時侵攻作戦に敗退し、宇宙《そら》に脱出したザフト兵の救援に全てを費やしていた。無論、アスランの指示であるし、それを見過ごすことができなかったのも彼の美点であり欠点でもあるだろう。早々にプラントへと帰路を取っていれば、こうして発見されることも無かったのだ、というのがタリアの率直な感想であった。
 
 「爛献礇好謄ス瓩鮟个靴泙后」
 
 タリアが指示を出す前にアスランが動いた。
 
 「無茶よ! あなたは――」
 「艦長、後は頼みます!」
 
 そういうと彼は目もくれず駆け出し格納庫へと向かっていく。
 
 「――生き急いで……!」
 
 タリアは小さく吐き捨てたが、自分の考えは正しいものだと信じていた。オーブを脱出した兵、地球から逃げてきた兵、それらの救出にもっとも参加し、もっとも彼らのために戦い続けたのがアスランであるのなら、こうも言いたくなる。
 
 「ど、どうします」
 「やるしかないでしょう、貴方もさっさと覚悟を決めなさい!」
 
 副長のアーサーの情けない声に一括し、爛潺優襯亅瓩話狼紊ら打上げられたザフト兵を救出しつつ、敵を退けねばならない過酷な戦いへと身を投じていく。
 それでも、やるしかないのだ。タリアはそういう甘い坊やの隊に来てしまったのだから。
 
 
 
 爛献礇好謄ス瓩呂垢任砲△舛海船タがきていた。オーブでの戦闘以来まともな整備をしてやれていないが、それでも、アスランはここで歩みを止めるわけにはいかない。守れる命、守るべき命を、決して見捨てないために。
 高速で襲い来る爛好肇薀ぅダガー瓩妨けビームを放つが、全機が回避してみせたのはアスランにとって芳しくないことだ。決して威嚇のつもりは無かった。
 ――こいつら、エースか!
 一糸乱れぬ機動の連合部隊が、逃げ遅れた爛献鶚瓩冒世い鯆蠅畊況發魏辰┐襦アスランは援護に入ろうと慌てて機体を加速させたが、隊長機と思われる爛瀬ー瓩それを阻むように立ちはだかった。
 
 「こ、こいつ!」
 
 光条に貫かれた爛献鶚瓩、閃光を瞬かせながら地球の引力に引かれて落ちていく。
 ――あの機体は……。
 オーブ戦の生き残り、共に救助を続けてくれた仲間の一人だった。慌しい中で、名前までを覚えてやれなかったことをアスランは後悔した。
 眼前の爛瀬ー瓩ビームサーベルを抜き去り迫ると同時に、真横からの斬撃に胴から真っ二つにされた。
 
 〈アスラン、無事か!〉
 
 スカイブルーに塗られた爛好薀張轡絅競瓩、アスランをかばうように前へ出る。
 
 「すまないイザーク、こいつらは手強い!」
 〈見ればわかる!〉
 
 MMI‐M八二六爛魯ぅ疋薛瓮トリングビーム砲をばらまきながら爛好薀奪轡絅競瓩一気に加速し距離を詰める。そのまま薙ぎ払う爛侫.襯ス瓩鰺動廚回避した爛好肇薀ぅダガー瓩ビームサーベルを抜き斬りかかる。返す刃でビームの刃を払い、イザークは体当たりで敵を弾き飛ばした。
 たまらず距離を取る爛好肇薀ぅダガー瓩鮴騎里兵遊發貫く。
 
 〈救助作業はもうじき終わるぜアスラン! 時間を稼げばそれで良いよな?〉
 
 と、ディアッカ。
 黒く塗装された爛ナーザク瓩敵部隊の陣形を崩していく。
 ちらと視線を地球軌道上で打上げられたシャトルから脱出していく仲間のコーディネータの姿を確認し、「ラスティ、うまくやってくれよ……」とひとりごちた。
 
 
 
 〈針路クリア! 爛ぅ鵐僖襯広疊進どうぞ!〉
 
 通信士のメイリン・ホークの声を聞きながら、どこの針路がクリアなんだと内心毒づいたレイであったが、その感想はすぐにはるか上方から差し迫る悪寒によってかき消された。
 ぞくりと身の毛のよだつ……この世のものとは思えない悪夢のような何か。これは、知っているぞ、俺は、オーブで……同じものを――!
 
 〈レイ、どうしたの? 発進を――〉
 
 メイリンの言葉も待たずに爛ぅ鵐僖襯広瓩枠瑤喀个靴拭F瓜に爛轡襯┘奪鉢瓩全機出撃する。
 カタパルトから虚空へと乗り出したと同時に、レイは上方の邪悪に向かってビームを放つ。
 ややあって、爛潺優襯亅甦篭供團屮螢奪検佞里呂襪上空で巨大な火球があがった。
 
 
 
 「な、何の力ぁ?!」
 
 よろめきながら言う副長のアーサー・トラインの情けない叫びを聞きながら、タリアは衝撃ゆれる艦橋《ブリッジ》でぎっと奥歯をかみ締めた。
 先に核を使ったのがこちらなのだから、こうもなるか!
 
 「索敵急いで!」
 
 と指示をまわしつつ、メイリンを通じ出撃中のアスランへと回線をつなげる。
 
 「ザラ隊長、このままでは狙い撃ちにされます!」
 
 モニターのアスランは真面目な顔のまま告げる。
 
 〈駄目だ! 彼らを見捨ててはおけない!〉
 「――ですが!」
 
 なおも食いすがるタリアに、アスランは自信に満ちた様子で返した。
 
 〈大丈夫です。――レイがいる!〉
 「レイ、ですか?」
 〈あいつは今、爛献礇好謄ス瓩離譟璽澄爾砲皸っかからなかった爛瓮咼Ε広瓩鮓つけて、狙撃して見せてくれた! 爛潺優襯亅瓩枠爐守る!〉
 
 その一言に、彼への絶大な信頼を読み取ったタリアだが、さきほど索敵士のバート・ハイムが告げた爛瓮咼Ε広瓩寮楸瓩箸曚榮瓜に攻撃をして見せた爛ぅ鵐僖襯広瓩粒萍をこの目で見た以上、それを信じさせるだけの根拠もあった。
 
 「ルナマリアに伝えて! レイの爛ぅ鵐僖襯広瓩魃膰遒気擦覆気ぁ」
 「は、はい!」
 
 メイリンが少しばかり危なっかしい手つきでてきぱきと指示を飛ばしていく。
 同時に爛ぅ鵐僖襯広瓩接近する爛好肇薀ぅダガー瓩妨けて針路を取り、すぐ後を爛屮薀好肇轡襯┘奪鉢瓠↓爛宗璽疋轡襯┘奪鉢瓠↓爛侫ースシルエット瓠△修靴謄ーブ防衛戦にこそ間に合わなかったものの、ようやく調整の終えた爛イアシルエット瓠↓爛▲咼好轡襯┘奪鉢瓠↓爛オスシルエット瓩侶從撒,發劉爛疋薀亜璽鶚瓩すぐ後を追い、やや遅れてルナマリアの赤い爛競瓩支援に入る。
 
 
 
 あの閃光、核か!?
 ぎくりと身を震わせたラスティだが、ここを動くわけにもいかないのが彼であるから、動揺を悟られないようにいつもの調子を崩さずに言う。
 
 「戦闘が始まったみたいだけど、爛潺優襯亅瓩泙嚢圓韻襪福」
 〈ああ、すまない!〉
 
 相手がそう返すと、ラスティは爛好薀奪轡絅競瓩猫爛丱ゥ瓩梁を押して爛潺優襯亅瓩諒角へと向けてやる。
 
 〈恩にきる! 後でまた会おう!〉
 「良い旅をってね!」
 
 まだまだ救いを求める機体はたくさんある。だというのに、どこの部隊も支援に来ず、この有様では泣き言も言いたくなるが、空元気のひとつでも出してやろうと思うのがラスティである。
 
 「そーらどんどん行くぜー!」
 
 といいつつも、同じく宇宙《そら》にあがった仲間の救助にあたるニコルにも声をかける。
 
 「ニコル、そっちは!」
 〈は、はい、大丈夫です!〉
 
 焦りの色を浮かべる仲間を、後でからかってやるかなどと思いつつも彼は続けた。
 
 「オーケー、ザフトのためにってね!」
 〈はい!〉
 
 
 
 格納庫《ハンガー》に溢れ返る大量の破損したモビルスーツにメカニック班長のマッド・エイブスは慌しく指示を飛ばしていた。ようやく使えるようになったシホの爛屮譽ぅ坤競瓩出撃していくのを見送りながら、同時に作業が遅れ気味のヴィーノ・デュプレに「モビルスーツの出撃を優先させろ!」と声をかけ、あわててヴィーノと同い年のヨウラン・ケントも彼に続く。
 つい先ほど到着した爛丱ゥ瓩ら、パイロットと共に負傷した兵が数人降り立ち、地べたに突っ伏している。すぐさま救護兵が到着し、ミハイル・コーストは激を飛ばす。
 
 「丁重に扱え! ゆくゆくは我らの戦力にもなるかもしれないのだからな!」
 
 と同時に、アスランらの支援にいけないことへのわずかな苛立ちもあった。だが、地球から送られてくる負傷者の数が疾うに爛潺優襯亅瓩貿杪阿気譴討い覦緡泥瓮鵐弌爾竜容範囲を上回っているのだとなれば、そうも言っていられないのが現状である。
 一人の兵がまた、今度は救援艇から担ぎ出されてくる。男は簡易ベッドに寝かされ、苦痛に顔をゆがめていた。
 
 「死ぬなよ、必ず助かる!」
 
 ミハイルが言うと、男は生気の無い顔で
 
 「で、でも――」
 
 と呻くが、ミハイルはかまわずに言い放つ。
 
 「『ドクター』の名を聞いたことはあるか?」
 
 男は僅かに怪訝な顔になり、やがてはっと表情を改める。
 
 「『ドクター』……ミハイル・コースト……」
 「それが私だ。君は助かる、必ずだ!」
 
 やがて男はわずかに落ち着きを取り戻し、短く「良かった……」とつぶやき医務室へと運ばれていく。
 これが、私の戦いだ!
 ミハイルは格納庫を後にし、彼の戦争をしに向かった。
 
 
 
 ぱっと三つの巨大な火球があがり、それはレイの爛ぅ鵐僖襯広瓩核ミサイルの迎撃に成功したことを意味する。
 
 〈グゥレイト! あいつやるねぇ!〉
 〈ディアッカ余所見しないで! 邪魔よ!〉
 
 ディアッカがはしゃぐ様子を、もうとうの昔に彼とラスティに敬語の類を一切使わなくなったシホがぴしゃりと叱る。
 
 「ミゲルとアイザックは!?」
 
 アスランが爛潺優襯亅瓩膨命を入れると、すぐに返ってきた。
 
 〈今発進しました、二人はラスティさんたちのところに!〉
 
 良い判断だ。アスランは心の中でミゲルの判断を賞賛し、すぐに気持ちを切り替える。
 
 「イザーク、ディアッカ、シホ! 俺たち四人で連合の部隊を撃退する!」
 〈任せろ!〉
 〈ヒュー、熱いねぇアスラン!〉
 〈少しは緊張感を――!〉
 〈来たぜ!〉
 
 シホの苛立ちに、ふざけていたディアッカが真面目な声で返す。
 十二機もの爛好肇薀ぅダガー瓩、増援として現れ、隊長機と思しき機体――牋譟五ダガー瓩先陣をきる。
 ディアッカの爛ナーザク瓩M一五○○爛ルトロス畊皀┘優襯ー長射程ビーム砲で先制攻撃を仕掛けた。ぱっと敵部隊が鮮やかなスラスターの光を煌かせ散開する。
 
 〈あちらさんやるねぇ、こいつぁなかなか手ごわいんじゃない?〉
 〈こ、この……〉
 
 シホがまた何かを言いかけようとするが、その前にイザークが言う。
 
 〈だろうな、だからこそ貴様の腕には期待している〉
 
 言われたディアッカははっと鼻で笑い、甘い声で言い放った。
 
 〈もちろんそのつもりだぜ! イザーク、シホ、アスラン、背中は俺に任せな!〉
 
 爛ルトロス瓩鮃修┐燭泙浹離を取るディアッカ機にあわせるように、爛好薀奪轡絅競瓩前へ出、あわててシホの爛屮譽ぅ坤競瓩それに続く。
 
 「やつらを通すな! ここで抑える!」
 〈了解!〉
 
 仲間たちが同時に言うと、また遥か後方で巨大な火球があがった。
 
 「――やるな、レイ」
 
 俺も負けていられない、か。などと僅かな感傷に浸りながら、牋譟五ダガー瓩鬚砲蕕澆弔韻襦
 
 「ハロ、爛侫.肇ゥ爿瓩惑い擦襪勝」
 〈テヤンデイ・テヤンデイ〉
 
 ハロを爛侫.肇ゥ燹勝○瓩寮御AIとして配置したのは正解であった。こちらの先を読むナチュラルを相手にするには、意表をつく必要がある、それの苦肉の策がハロであったが、想定した以上の戦果を出してくれたのが地球でのオーブ戦である。
ハロのAIが、爛◆璽エンジェル瓩離ラたちによるものというのは皮肉なことだが、彼らがやらなくてもアスランが完成させていたのは確実であり、その手間が省けた程度にしか彼は考えていなかった。だが、ざまあみろという感情がわいてくるのも事実である。
 一気に加速し牋譟五ダガー瓩貿ると、敵は背部に背負う×印の爛好肇薀ぅーパック瓩里茲Δ覆發里ぱっと起動し、四つに分かれる。即座にそれが爛ンバレル瓩任△襪海箸鰺解したアスランは、爛侫.肇ゥ燹勝○瓩裡唯繊昌唯促侫ルティス・ビーム砲、M九M九ケルフス旋廻砲塔機関砲、GAU五フォルクリス機関砲の全砲門から一斉射撃を放ちつつ、更に加速した。
 爛ンバレル瓩らの砲撃が来るよりも早く、牋譟五ダガー瓩硫に飛び込むと、牋譟五ダガー瓩魯咫璽爛機璽戰襪鯣瓦去り、襲い来る。直前で爛献礇好謄ス瓩ら爛侫.肇ゥ燹勝○瓩鯤離させ、左右に分かれて牋譟五ダガー瓩肇咫璽爛機璽戰襪鮓鬚┐襦
必殺の一撃をこめて放った斬撃を牋譟五ダガー瓩録箸魘呂に反らすだけで避けてみせ、アスランは舌を巻く思いだったが、牋譟五ダガー畍緤から高速で迫る爛侫.肇ゥ燹勝○瓩砲和弍できまい!
しかし、なおも牋譟五ダガー瓩話菠屬蠅侶舛撚麋鬚靴童せたのは、アスランは敵への賛辞の言葉を送らねばならないと痛感した。しかし、と彼は思う。
 再び体勢を立て直しビームライフルの銃口を向ける牋譟五ダガー瓩髻⇔篭いビームが貫いた。
 爛ナーザク瓩劉爛ルトロス瓩任△襦
 
 「前へ出すぎだよ」
 
 散っていく牋譟五ダガー瓩妨世なつも、返事は返ってこなかった。
 
 
 
 爛凜 璽船磧辞瓩良隊が爛▲瓮離潺魯轡薛瓩貌容していく。スウェンらの五機の爍猫瓩それを援護し、爛疋潺縫ン瓩脇を固めた。
 同時に、フレイは全方位から向けられるランダムな敵意以外にも、もうひとつの別の意思を捉えていた。オペレーターのミリアリアに通信を入れる。
 
 「ミリアリア、わたしたちの周囲を旋回してるようなものがいるって感じるけど、どう?」
 〈こちらでは確認していないけど、フレイがそう感じるならいると思う!〉
 
 すると、モニターにぱっと割ってはいる影が見え、それがアズラエルだとすぐに気づいた。彼がいつものにやけ顔を浮かばせ、綺麗な並びの白い歯が見えたのが不愉快に感じる。
 
 〈アルスター少尉? 爛Εンダム瓩枠鷯錣防甸兇糞‖里任后5女の脳波に導かれて、正確に敵を割り出すことも可能なはずデス〉
 
 はあっとフレイはいらだちも隠さずに言う。
 
 「それをここでやれっていうんですか?」
 〈勿論。貴女ならできますヨ〉
 
 通信が切れると、フレイはまったく! と口の中で言い放ち周囲の殺気に意識を集中した。すぐに爛Εンダム瓩亮囲を味方機の爛好肇薀ぅダガー瓩守るようにして立ち並び警戒した。
 そうだ、いる。何かがわたしを見ている!
 ぞわり、ぞわりと背筋を何が這っていくような感覚にとらわれる。何者かが品定めをするかのようにわたしを舐め回す。ああ、こいつはそういう『男』か、と理解したところで、彼女の意識が敵を捉えた。
 
 
 
 爛◆璽エンジェル瓩鯤餔呂靴弔弔△辰伸爛好肇薀ぅダガー瓩頬し發魏辰─怯んだ敵機を着実に落としていく爛侫ルテストラ畫備の白い爛蹈鵐哀瀬ー瓩鬟皀縫拭爾硫縞に捉え、その動きは見事であると改めて実感した。
 苛立ったようにして二機の爛好肇薀ぅダガー瓩爛蹈鵐哀瀬ー瓩剖瓦澤發舛鬚靴燭箸海蹐如▲ラは左方からの一機に狙いを定め、トリガーを引いた。
 放たれたビームの粒子が爛好肇薀ぅダガー瓩龍刺凜灰ピットを正確に撃ち貫くと同時に、爛蹈鵐哀瀬ー瓩残されたもう一機をサーベルで横薙ぎにし、二つの爆発。
 キラは爛侫蝓璽瀬爿瓩鬮爛蹈鵐哀瀬ー瓩了抉腓貌る形でやや後方に陣取り、通信を入れる。
 
 「キャリー中尉、大丈夫ですか!」
 〈ああ、助かったよ少尉!〉
 
 ジャンが真面目に答えると、キラはほっと胸をなでおろす。同時に後方から来た爛▲ツキ瓩塙舂すると、すぐにスティング、アウル、ステラの爛瓮咼Ε后Ε璽蹲畭發取り囲む。
 
 〈支援に回ります!〉
 〈アスカ君、無理はするな!〉
 
 ジャンが心配げに声をかけたが、シンは短く〈行けます!〉と告げると、残りの爛好肇薀ぅダガー瓩妨けて七二D五式ビームライフル爛劵礇ライ瓩魴發訴つ。
 それを支援するように三機の爛瓮咼Ε后Ε璽蹲瓩ら同時に爛ンバレル瓩展開し、一機また一機と敵を撃ち落していく。ふいに、ステラがびくっと何かを感じ取りつぶやいた。
 
 〈スティングぅ……誰かがステラたちを見てるよ……?〉
 〈誰か……?〉
 
 スティングが疑問を返すと同時に爛侫蝓璽瀬爿瓩稜惴紊魘力なビームの粒子が通過する。あわてて索敵すると、その攻撃の出所が爛Εンダム瓩任△襪海箸わかり、キラは驚愕した。
 
 「フ、フレイ!? 何で!?」
 〈邪魔よ!〉
 
 ぴしゃりと言われると、同時に聞き覚えの無い声が周囲に響く。
 
 〈ハッハッハッハ! ついに見つけたかね!〉
 
 空間がぐらりと歪み、爛侫蝓璽瀬爿瓩瞭麈椶呂△蹐Δ箸いΦ霏里姿を現す。シルエットこそ連合の爛ぁ璽献広瓩忙た雰囲気を感じるが、暗い紫に塗られた塗装と、両の肩が左右に大きく突き出たそれが異形の存在であることを知らしめている。
 謎の巨大モビルスーツは両手を広げ、尊大な仕草で己の存在を主張した。
 
 〈自己紹介をさせてもらおう! オレの名はアッシュ・グレイ! そしてコーディネイター!〉
 「ふざけているのか、こいつ!?」
 〈もらったぁ!〉
 
 キラが毒づくと、爛▲ツキ瓩鉢爛蹈鵐哀瀬ー瓩同時に斬りかかる。
 
 〈人がァ! 物をしゃべっているときはぁ!〉
 
 モビルスーツは巨大なビームサーベルを構え、ジャンの一閃を全て受けきる。
 
 〈最後まで聞けと習わなかったかァ、マヌケめぇ!〉
 
 同時に爛▲ツキ瓩鮟海蠑紊押⊆蠅忙つロングビームライフルを狙いもつけずに乱射した。
 
 「シン、キャリー中尉、下がって!」
 〈爛ンバレル瓠〉
 
 MMI‐M一五クスィフィアス・レール砲で援護射撃と同時に総勢十二基もの爛ンバレル瓩ぱっと展開し敵機体を包囲した。アッシュと名乗った男は更に声を荒げた。
 
 〈お前もだ! キラ・ヒビキ! そして強化人間の糞餓鬼どもぉ!〉
 
 言われた名に、ぎょっと身を震わせる。
 
 「あ、あなたは、その名前を――」
 〈お前もお前もお前もお前もお前もぉ!〉
 
 長大なバレルを持つロングビームライフルを乱射しつつ、敵機体はジャンたちを退ける。
 
 〈爛螢献Д優譽ぅ鉢瓩澄 オレのマシーンであり、爛侫蝓璽瀬爿瓩猟錣砲靴騰爛謄好織瓮鵐鉢瓩侶察 爛螢献Д優譽ぅ鉢瓠 オレの存在を、覚えておくが良い! そして死ねェ!〉
 
 ロングビームライフルをなおも乱射し、爛蹈鵐哀瀬ー瓩ら放たれた左肩部八連装ミサイルポッドから逃げるようにして虚空を舞う。
 
 「爛侫蝓璽瀬爿瓩痢弟――!? ザフトの人なんですか!」
 〈マヌケめ! オレが答えてやると思うか!?〉
 「な、に……!」
 〈便所の隅に転がる薄汚れて使い古されたコンドームのように目障りなお前の質問に、このオレが! こ、た、え、る、かぁー!?〉
 
 この男! キラはもはや容赦する気も起きず、MA‐M二○ルプス・ビームライフルで狙いを定める。男はなおも続ける。
 
 〈しかしさすがはフレイ・アルスター! 『赤い彗星』の名に恥じぬ腕よ!〉
 
 無言で爛凜Д好弌辞瓩鯤つフレイなど気にもせずに、アッシュは悦に浸り続ける。
 
 〈しかししかしぃ、最初からずっとこの戦場にいたからゆえ、『あえて』言わせてもらう! 遅かったなこのウスノロめ!〉
 〈キラ、このウッザイの何とかしなさい!〉
 
 同時に少女が言うと、爛螢献Д優譽ぅ鉢瓩呂△蕎个き爛Εンダム瓩悗班古を移し変える。
 
 〈やらせん!〉
 
 爛蹈鵐哀瀬ー瓩踊り出、斬りかかる。
 
 〈はあっ!〉
 
 爛Εンダム瓩ES○四Bビームサーベルを抜き去り距離を詰める。
 
 〈くらえぇ!〉
 
 爛▲ツキ瓩七三J二式試製双刀型ビームサーベルを持ち迫る。
 
 〈行くぜぇ!〉
 
 スティングの爛瓮咼Ε后Ε璽蹲瓩対装甲リニアガンでそれらを支援し
 
 〈あったれぇ!〉
 
 アウルが爛ンバレル瓩杷惴紊ら襲い掛かる。
 
 〈いやなやつ、消えろ!〉
 
 真正面からステラの爛ンバレル瓩互いに支援を繰り返しながら差し迫った。
 
 「――落とす!」
 
 キラも負けじと爛侫蝓璽瀬爿瓩魏誕させ、MA‐M○一ラケルタ・ビームサーベルを鞘走らせる。
 七機による同時攻撃! これなら!
 四機のモビルスーツが交わる刹那の瞬間、爛螢献Д優譽ぅ鉢瓩六造蠅かる機体に対し、左手、右手、左足、右足からそれぞれ高出力ビームサーベルを繰り出し、全てを捌ききって見せた。
 
 〈貧弱貧弱ゥ! このボンクラどもがぁー!〉
 ――強い!
 すると、通信越しのフレイが底冷えするような声色で短くこう告げた。
 
 〈ぶわぁーか〉
 
 死角から放たれた二対のMk三一五爛好謄レット疆袙格進対装甲貫入弾が正確に爛螢献Д優譽ぅ鉢瓩領章咾鬚┐阿衄瑤个掘爆発にまぎれて爛Εンダム瓩呂修里泙淮召梁を切り落とした。
 
 〈オオウウゥ!?〉
 
 男の苦悶に満ちた声とは対照的に、フレイは上機嫌な、ややサディスティックな声色で言い放つ。
 
 〈あんたは色々知ってそうよねぇ? 生かさず殺さず連れて行ってあ、げ、る〉
 
 やっぱりフレイは最高だ、などと心の隅で思いながらも、キラは尚も余裕の様子を崩さない敵機体に注意を凝らした。
 
 〈――そう、ここからが本番! 爛螢献Д優譽ぅ鉢瓩離好撻タクルショーの始まりだ!〉
 
 ぱっと姿を現したモビルアーマーのようなそれは、キラたちに砲撃を加えつつ爛螢献Д優譽ぅ鉢瓩亮囲に散開し、やがてそれは姿を変え爛螢献Д優譽ぅ鉢瓩箸泙辰燭同じ姿となる。男の乗る爛螢献Д優譽ぅ鉢瓩ら何かが分離し、新たにやってきた爛螢献Д優譽ぅ鉢瓩塙臑里掘∈討售袷瓦幣態の敵モビルスーツが姿を現した。
 
 〈うそ、それってズルイ!〉
 〈諦めるな! この程度、勝機はこちらにある!〉
 
 フレイのかわいい声に続きキラはちょっぴりカッコイイことを言おうとするが、先にジャンに言われた。
 
 〈ハァァァァ! 楽しい! さあ、殺しあおう!〉
 
 男の狂気に付き合ってやる気など毛頭無かったが、野放しにもできない。キラは再び爛螢献Д優譽ぅ鉢瓩冒世い鯆蠅瓩拭
 
 
 
 爛▲瓮離潺魯轡薛瓩某米した連合の部隊は、相当の手練であった。強化訓練をこなして来たスウェンにとっても彼らの手腕は脅威であり、これほどの部隊を隠し持っていたユーラシアには僅かな苛立ちを覚えた。
 一人の敵兵がシャムスらの射撃をかいくぐり、ミューディーの眼前に迫る。
 
 「わわ、私ほんとはこういうの苦手――」
 
 言うよりも早く敵のナイフがミューディーの首筋に伸びる。
 
 「ミューディー!」
 
 シャムスが声をあげると同時に、敵連合兵の両腕が宙に舞った。スウェンが視線で追うよりも遥かに早く、少女の華奢な体がくるくると回転しながら敵兵の四肢を刻み、残った胴を盾にしながら三本のナイフを遠くから応射を加える敵部隊に投げつける。投げナイフは正確に首を貫き、三人の人だったものが崩れ落ちた。
 九死に一生を得たミューディーが腰を抜かしてつぶやいた。
 
 「ふ、副長さん強いのね……」
 
 言われた少女――メリオル・ピスティスはちらりとも見ずにミューディーに指示を出す。
 
 「人手を遊ばせてる余裕はありません。戦えないのなら爛妊絅┘覘瓩法
 
 爛疋潺縫ン瓩らなぜ彼女がわざわざ、とつい先ほどまで思っていた疑念はとうに吹き飛んでいた。
 
 「りょ、りょーかい……って言いたいとこだけど、こ、腰抜かしちゃって……」
 
 申し訳なさそうにミューディーが言うと、後ろからさっと彼女を持ち上げた少年がミューディーの腰をぐっと押し込む。彼女は「ひゃんっ」と情けない声をあげ、少年は無視して言う。
 
 「行けるな、メリオル。――あんたたちは無理をするな」
 
 憮然とした態度の少年――カナード・パルスが言うと、相変わらずコーディネイターに苦手意識を持つエミリオが「良いのか?」と不機嫌に返す。するとカナードはにっといやらしい笑みを浮かべ、こう言った。
 
 「こっちが本職でな」
 
 と。
 
 
 
 「爛▲瓮離潺魯轡薛瓩箸猟命回復! 艦長!」
 
 カズイの報告に、ナタルはほっと胸を撫で下ろした。副長のいない爛疋潺縫ン甦篭供團屮螢奪検佞篭呂にさびしいものだが、少しの辛抱だ。
 
 「すぐに援護の部隊を向かわせると伝えろ!」
 「了解!」
 
 拘束されていた爛▲瓮離潺魯轡薛瓩良隊が続々と開放されていく。それらのほとんどがカナードとメリオルの手に拠るものなのだから、見事としか言いようの無い。ふいに、アズラエルがつぶやいた。
 
 「おかしいぞ……」
 
 クルーが視線を向けると、アズラエルは続ける。
 
 「ユーラシアの連中なら、二人の実力を知っているはずだ……」
 
 普段なら内心鼻で笑い相手にもしない男の言葉だが、カナードとメリオルが元ユーラシア連邦の兵であるのだから、彼の告げた言葉には無視できないものがあると感じた。
 
 「我々を誘い込む罠、だと……?」
 
 問われたアズラエルは油断無く何かを思索し続ける。
 
 「断言はできません、でも――ビラードと言う男、油断のならない人物です」
 「――何か因縁でも?」
 
 ふと自分の口から出た言葉に驚いたが、それ以上に驚いているアズラエルが、答えを示していた。ややあって彼は「これだから『ニュータイプ』は」とひとりごちたがナタルには意味はわからなかった。
 アズラエルは遠くを見るような目で、吐き捨てる。
 
 「僕のじゃあ無いんですケド、ネ」
 
 
 
 初期の段階でこそ優勢であったものの、爛螢献Д優譽ぅ鉢瓩侶眷某瑤十を超え始めた時点で弾薬が底を尽き始め、徐々にシンたちは疲弊していった。爛侫蝓璽瀬爿瓩任垢蕕曚箸鵑匹涼凸瑤魴發舛弔し、ジャンの爛蹈鵐哀瀬ー瓩呂垢任豊爛侫ルテストラ瓩鮹Δ去り残された武装は僅かな弾数であろうビームライフルとサーベル。 爛Εンダム瓩眛韻犬ビームサーベルのみとなっている。シンの爛▲ツキ瓩覆匹倭瓠垢防霑を使い果たし、ステラたちの盾になるので精一杯であった。周囲には無数の爛螢献Д優譽ぅ鉢瓩了蝶爾散らばっているが、目の前には再び完全な状態となった爛螢献Д優譽ぅ鉢瓩悠々とたたずんでいる。
 
 〈ンッンー? 今良い曲が思い浮かんだのだが、終わりかね? ところでオレの機体のエネルギーは今百パーセントなのだがァ? アァッすまない嘘だ、九十七だった――で、終わりかね?〉
 
 弱者を甚振るような猫なで声でアッシュが言うと、フレイが息も絶え絶えに爛Εンダム瓩離機璽戰襪鮃修┐襦
 
 〈な、なんなの、コイツ……〉
 
 するとアッシュは思い出したように声を上げた。
 
 〈アーッ! オレはそうだ、思い出したぞ! 馬鹿と言ったな小娘〉
 
 途端に冷酷な肉食獣を思わせるような声になり、男が言う。
 
 〈お前をたっぷりいたぶってオレの餓鬼でも孕ませてから殺してやりたいところだが、お前だけは殺すなと言われていてね、のどから手が出るほど悔しいィィィがァァァ、ま、仕方ない見逃してやろう。ああ、やはり嘘だ、殺すなと言われたが連れて来いとも言われていたんだったァ〉
 
 ぎりとシンは奥歯を噛み締めた。アッシュの一言一言がシンの神経を逆なでする。こいつは、今までの相手とは違う。宇宙《そら》で散った爛好肇薀ぅダガー畭發凌佑燭舛癲▲ーブを取り戻すために共に戦った仲間たちも、みんな何かを成し遂げるためにたたかっていたのだ。だがこの男はどうだ。その何かを、全く感じさせない。この男は戦争をする為に戦争をしている、正真正銘の屑だ。
 
 〈『お前』の目的が何であれ、フレイには指一本触れさせない!〉
 
 ぞっとするくらい底冷えする声でキラは言った。シンも同じ気持ちだ。この男と同じ戦場にいるだけで虫唾が走る。あの人の視界に、一秒でも入れておきたくない!
 
 〈寂しいなァ、キラ・ヒビキ? ついさっきまで『あなた』だったオレの扱いが、『お前』に変わったぞ?〉
 
 男の戯言に付き合うつもりは無い。
 爛侫蝓璽瀬爿瓩MA‐M○一ラケルタ・ビームサーベルを構える。シンと爛蹈鵐哀瀬ー瓩眛韻犬し、爛Εンダム瓩鬚ばうように寄り立った。
 
 〈オイオイそうアツくなるなよ? 『オレ以外の人間はオレに殺されるためだけに存在している』というオレの確言を、聞いたことが無いかな? あるわきゃぁ無えかァァァーハハハハハー! 可愛いィーフレェーイ! お前のォー用がァ済んだらー! 百回は遊び散らしてェ! バラバラにしてェ! 公衆便所に流してやる〉
 
 全身が沸騰しそうなほどの嫌悪と怒りに身を任せ、シンは言い放つ。
 
 「殺してやる……!」
 
 アッシュが〈ホッ!〉と感嘆する。
 
 〈オオ怖い怖い! だがそういう小僧――〉
 
 からかうような声が一気に冷たくなる。
 
 〈お前はもう死に体だ〉
 
 怒りはやがて殺意へと変わり、操縦桿を握る指先がこわばる。
 
 〈挑発だ、アスカ君〉
 
 ジャンが短く言うと、痺れを切らした爛螢献Д優譽ぅ鉢瓩竜霏里一気に差し迫ってきた。
 
 
 
 ここへ来て、ユーラシアの勢いが増してきたように感じた。
 爛▲瓮離潺魯轡薛瓩粒頁叱法團魯鵐ー》に降り立ったアズラエルは、同じく計器をいじるセレーネを一瞥しながら、眼前の戦場に目を向けた。
 これは、杞憂では無い。しかし、目的はなんだ? カナード・パルス、メリオル・ピスティス。彼らに何があるのだ……?
 しかし、この格納庫《ハンガー》に滑り込むように墜落してきた一機の爛瓮咼Ε后Ε璽蹲瓩了僂鮓、彼の思索は止まった。
 
 「め、盟主、敵が!」
 
 慌てたジブリールなど見もせずに、アズラエルはその先の敵機体を睨みつける。駆動系の独特なパーツ、組み合わせ方、関節の形からすぐに分離型の機体だと読み取り、なるほどと感心した。
 
 「面白い機体を作りますネェ、ユーラシアにいるようですが、ザフト製の機体――これでハッキリしました」
 
 そしてそのまま
 
 「ですが、失敗ですネ。ずいぶんとコストを度外視した機体デス。それでは合格はあげれマセン」
 
 と皮肉るのも忘れずに、確かにあの子たちでは荷が重い相手だとも思った。だが、勝算はここにある。
 アズラエルはさっと居住まいをただし、セレーネ達に凛として告げた。
 
 「さあ、今こそ成果を見せる時です! 爛好拭璽殴ぅ供辞瓩魑動させなさい!」
 
 一秒、二秒、三秒待っても返事は来ず、アズラエルはああもう、と苛立った。
 
 「あのねぇ、こんなにカッコよく決めたんですから、僕に恥をかかせないでくださいよ!」
 
 尚も無言のセレーネ。アズラエルの脳裏にまさか、と思い浮かぶ。
 
 「あ、ひょっとして、動かないトカ……?」
 
 更に続く無言が、答えだった。
 
 「ああもう! どうするんですか!? この土壇場に来てどうしてそう――」
 
 とたんに冷静さをなくしたアズラエルだったが、少年ソルが指を立て慌ててしーっと人差し指を立てれば、また何かあるのかと興味を示すのも彼である。
 背後では爛Εンダム瓩鯣澆Δ茲Δ法↓爛侫蝓璽瀬爿瓩ビームサーベル一本で見事な立ち回りを見せ、白い爛蹈鵐哀瀬ー瓩眞綣造謀┻‖里離僉璽弔鬚修落とす。爛▲ツキ瓩盍萃イ辰討い襪茲Δ如隙を狙い撃つ敵の砲撃をたくみにガードしている。だがその度に敵機体は損傷した部位を入れ替える。
 ソルに導かれるまま、アズラエルは映し出されるモニターに目をやった。すぐ隣でジブリールが「行け、そこだ! 頑張れ少年!」などと観戦している。
 モニターにはいくつかの文章が映し出されていた。だがそれは暗号や専用の言語プログラムなどでは無く、これは――。
 最初の文は、こう始まっていた。
 
 『私は、誰なの?』
 
 鋼の肉を得たAIの産声か。その次には、セレーネの返答と思われる文が、
 
 『おはよう、ララ。貴女は爛好拭璽殴ぅ供辞瓠私は貴女の生みの親の、セレーネ・マクグリフ』
 
 彼女の性格の割には普通過ぎる内容にわずかな落胆したアズラエルだが、次の文を追うと、その内容はアズラエルが期待していたもの以上のものであった。
 
 『いいえ。それは嘘。私の親のことは、あの人が忘れさせてくれたから』
 『あの人?』
 『私は誰なの? 『彼女』を模しただけ? 『彼女』の心が私を呼び、私という個を形成したの? それとも、私の中に宿る『彼女』は――ああ、私は『彼女』そのものなの?』
 
 間違いない。アズラエルは確信した。ここに、いる。
 だが爛好拭璽殴ぅ供辞瓩竜震笋謀える術を持たないセレーネでは、ここから先が続かないのは当然と言えた。セレーネは沈黙することしかできなかったのだろう。だから彼女を責めるつもりは無い。
ただ、セレーネに「変わります」と短く告げると、彼女は抗議の色を顔に浮かべたが、「大丈夫です」と言ってやれば、打つ手の無い彼女は席を譲るしか無いだろう。
 アズラエルが何かを入力する前に、爛好拭璽殴ぅ供辞瓩続きを綴る。
 
 『今度は貴方? 私の知らない人?』
 
 素晴らしい。アズラエルは興奮の冷めないまま、続ける。
 
 『濡れた写真』
 
 爛好拭璽殴ぅ供辞瓩糧娠がぴくりととまる。これは、キーワード。爛淵ぅ船鵐押璽覘瓩了困泙譴燭个りのAIにあるはずもない過去の記憶――。『本人』なのか、あるいはそれをなぞっただけか……ひょっとしたら爛汽ぅ灰侫譟璽爿瓩忙弔気譴拭愴燹戮了彷阿髻■腺匹取り込んだだけなのかもしれない。同じように、目の前に『いる』AIも――。
 アズラエルは尚も書き綴った。
 
 『ごみの山。殺し屋。モビルワーカー。宇宙。海。コロニー。故郷。ニュータイプ』
 
 淡々とキーワードを書き込むアズラエルに、訝しげな顔をのぞかせるセレーネだが、爛好拭璽殴ぅ供辞瓩歪戚曚鮗蕕襦
 
 『雨。白鳥。出会い。車。土汚れ』
 『わたし、は――』
 
 爛好拭璽殴ぅ供辞瓩反応を示す。セレーネはごくりとつばを飲み込み、ソルも成り行きを見守る。ジブリールが「ああ、少年!」と声をあげる。爛▲ツキ瓩弾き飛ばされ、敵機体はアズラエル達をぎらりと視認した。爛Εンダム瓩アズラエルらを庇うように躍り出る。時間は残されていない。墜落した爛瓮咼Ε后Ε璽蹲瓩らステラが這い出て、「痛いよぉ」つ涙声で呻いた。
 
 『あ、ああ、私は、わたし、は――』
 『少しだけ、君を知っている』
 『私は誰なの?』
 『それでも君は、君だ。『ララァ』なのか『ララ』なのかまではわかりません。でも、『ララァ』の望む事、そして貴女がしたいことはわかっています』
 『教えて、それは何?』
 
 それは――。答えを打ち込む前に、次が映し出された。
 
 『あ、わかったわ』
 
 人が、変わったような気がした。
 
 『ふふ、意地悪な人ね? 回りくどい言い方をして。大人っぽやりかた。でも――』
 
 コンテナから、淡い光が漏れ出した。
 
 
 
 「――何だ……?」
 
 思わず、トールは心を駆ける鮮やかな風と香りに気を取られた。
 知らない女性《ヒト》の香りだ……。
 つい今しがた敵アガメムノン級をビームサーベルで串刺した爛妊絅┘覘瓩、誘爆を始めるその船体の上でふいに動きを止める。己の状況全てを忘れたかのようにして爛妊絅┘覘瓩蝋田召掘何かを捜し求め――
 
 「大尉!!」
 〈馬鹿野郎!〉
 
 トールとムウが同時に叫び、爛妊絅┘覘瓩爆発に呑まれつつもわずかに遅れて飛びのいた。
 四機の爛─璽襯瀬ー瓩散開し四方からの波状攻撃で爛妊絅┘覘瓩鯤餔呂垢襦
 トールはそのうちの一機に狙いを定め、すかさずトリガーを引いた。同時にムウの爛瓮咼Ε后Ε璽蹲瓩対装甲リニアガンで別の爛─璽襯瀬ー瓩離灰ピットを貫き、そのまま爛ンバレル瓩鯏験させ爛妊絅┘覘瓩留膰遒貌る。
 トールの爛妊絅┘襯瀬ー瓩亮遊發鯣鬚韻伸爛─璽襯瀬ー瓩廊爛妊絅┘覘瓩ら嵐のようなビーム射撃を受け、慌てて距離を取る。そのままスラスターを煌かせトールに向けてビームライフルを連射した。
 爛侫ルテストラ瓩冒備された左肩部八連装ミサイルポッドからミサイルをばら撒き、脚部アンバックを利用した変則的な回避運動を取りつつも、確実に直撃コースのビームを連続して放つ敵のパイロットの腕に戦慄した。
 だが、後悔するわけにはいかない。最前線に出、アムロ達と共に戦わせてくれと志願したのは自分なのだから……。
 焦りがあったのかもしれない。強くなっていくフレイに、キラ、カナード……。新たに編入された三人の少年少女たちも、見事な腕だ。オルガは爛◆璽エンジェル瓩帽圓辰討靴泙ぁ△い弔里泙砲自分は爛疋潺縫ン瓩慮迭瑤砲覆辰討い襦にもかかわらず、俺はまだ、何もできていない。
 その苛立ちが致命的な隙となり、爛─璽襯瀬ー瓩ら放たれた一発のバズーカが爛妊絅┘襯瀬ー瓩膨招發掘▲函璽襪呂修両弖發濃廚だ擇蠡里鬟灰ピットシートに打ち付けた。じわと背中に痛みが走り視界が眩むが、今まで戦い続けた経験と勘を頼りに、辛うじて体が動いた。
 ぞわりと悪寒が走る、敵が来る! ばちりとコクピット内部にスパークが走り、割れたモニターに敵が来ることを確認するよりも早く、朦朧としたままトールは操縦桿を握りなおし、そのまま爛侫ルテストラ瓩鮹綯Δ気察同時にビームサーベルを振り抜く。爛─璽襯瀬ー瓮咫璽爐凌呂トールに振り下ろされるよりも早く、爛妊絅┘襯瀬ー瓩凌呂爛─璽襯瀬ー瓩離灰ピットを貫いた。
 誘爆していく爛─璽襯瀬ー瓩慮緤で、二つの火球があがり、残りの二機の撃墜を知る。
 
 〈トール!〉
 
 アムロが緊迫した様子で爛妊絅┘襯瀬ー瓩鯤きかかえた。
 ようやく少しずつ現状を認識しなおし、背中の痛みがわずかに後を引くと、トールは、爛妊絅┘襯瀬ー瓩漏阿ら見るとそんなに損傷が酷く見えるものなのかと妙に達観した感想を持った。事実、先ほどから警報《アラート》が鳴り響き、モニターに映る自機の損害状況は真っ赤に点滅し中破を示している。
 レベルが、違う。そう確信してしまった。
 あの状況から、アムロの爛妊絅┘覘瓩鰐欺で二機の爛─璽襯瀬ー瓩鯏砲辰燭里澄
 それでもどこか、トールは悔しいとは思えず、口元は笑ってしまっていた。
 
 「……大尉、俺、呼ばれた気がしたんです。フレイかもしれないけど、知らない人、女の人だったんですよ、その人……」
 
 爛瓮咼Ε后Ε璽蹲瓩爛妊絅┘襯瀬ー瓩鮗蕕襪茲Δ砲靴銅囲を警戒し、モニターの左端に小さく映る爛僖錙辞瓩ら陽電子破城砲爛蹇璽┘鵐哀螢鶚瓩放たれる。
 戦いは、続いている。
 短い沈黙の後、アムロがどこか懐かしむような、悲しむような、不思議な声色で言った。
 
 〈ああ、こちらでも確認している……すまない〉
 
 きっと彼は、自分の所為でトールが被弾したと思っているのかもしれない。
 ああ、と理解してしまった。まだ俺は、一人前の、彼の背を守る男として見てもらえていないのだ、と。
 
 「行ってください、俺は一人で戻れますから――」
 
 それでも、トールは彼を怨んだりはしない。むしろ嬉しかった。自分が目指す男は、まだこんなにも遠いのだ、と。
 
 
 
 〈アルスターでも良いがぁ、オレはそっちの何かァ!〉
 
 爛螢献Д優譽ぅ鉢瓩アズラエルたちに興味を示し、同時に
 
 〈可愛い子だなぁー! 柔らかそうな肉だ!〉
 
 と爛瓮咼Ε后Ε璽蹲瓩ら這い出たステラにビームライフルの銃口を向ける。
 
 〈やめろぉぉ!〉
 
 キラが叫び爛侫蝓璽瀬爿瓩単身加速し距離を詰める。
 
 〈キャハー!! かかったァーッ!〉
 
 そのまま敵は強大な両腕でがしりと爛侫蝓璽瀬爿瓩鯆呂濕茲蝓壊れかけの玩具を分解するような気安さで爛侫蝓璽瀬爿瓩了融茲魄賈椣賈榁寧にもぎ取っていく。
 
 〈可愛いヒィーービキくぅーん! 貴様だけは、簡単には殺さんぞぉぉぉおおおおハハハハハー!〉
 
 眼前にいる、狂気。ぞわりとフレイは確かな怒りを覚え、震えた。
 
 〈さーあ何が良い! 圧死、焼死、出血死、何が良いぃー!? それとも貴様の爛侫蝓璽瀬爿瓩箸笋蕕汎韻犬、手と足をもぎ取って、最後に――!〉
 
 ジャンの爛蹈鵐哀瀬ー瓩じりと警戒しつつ距離を詰めようとするも、敵モビルスーツは爛侫蝓璽瀬爿瓩鮟發砲靴燭泙浙戸陲径海院△修里泙泙屬舛蠅汎部を捻じ切った。
 
 〈こぉしてやろうかァーッ!?〉
 
 やめろ、やめろ……お前に何がわかる、お前なんかに! その子がどれだけ苦しんでいるか、傷ついているのかも知らないお前が……! ずっと自分を責め続けて、自分が許せなくて、そんな子を責める権利なんて、誰にだってありはしないのに!
 そのフレイの想いが、コクピットに備え付けられた爛汽ぅ灰侫譟璽爿瓩鯆未検機体随所に散りばめられたそれを模した金属を律動させ、爛Εンダム瓩惑惴紊離灰鵐謄覆婆楹个瓩紳減澆鳩劼りあい、掌握、同調し、一つのシステムとして完成した。
 ふいに、誰かが優しく彼女の頬を撫でる。
 
 「――えっ」
 
 懐かしい感じがした。ずっと見守ってくれていた、もう一人。そうだ、貴女はパパとママと会えた時、わたしの――
 ――ごきげんよう。
 さっと彼女の頬を撫でた少女のイメージは、褐色の肌のまま虚空を駆けた。
 同時に鞭のようにしなやかな光の刃が波打ち、爛螢献Д優譽ぅ鉢瓩領章咾鮴騎里棒擇衫いた。
 
 〈のぅわ!?〉
 
 流れるように舞う白銀の機体がコブシで爛螢献Д優譽ぅ鉢瓩鮹討飛ばすと、崩れ落ちる爛侫蝓璽瀬爿瓩鰺イ靴ささえた。
 ラ、ラという歌声が優しく響き渡る。
 
 「キラ!」
 
 フレイは慌てて爛侫蝓璽瀬爿瓩鯣澆Δ茲Δ砲靴徳阿惱个襦すると白銀の機体――GSX‐四○一FW爛好拭璽殴ぅ供辞瓩蓮△箸鵑半欧鮟海衄瑤鵑澄爛螢献Д優譽ぅ鉢瓩呂垢阿妨議未蠅了僂砲覆襦
 
 
 
 〈まだまだ楽しませてくれるかァー! 輪っかつきの新型ー!〉
 
 両手両足のビームサーベルで一気に迫る! その全てを限りなく正確で素早いコブシの乱打で打ち落とし、爛螢献Д優譽ぅ鉢瓩了融茲鯤源通り殴りつぶした。
 そのまま爛好拭璽殴ぅ供辞瓩廊爛螢献Д優譽ぅ鉢瓩魑空へと蹴り飛ばす。
 爛好拭璽殴ぅ供辞瓠宗祝寨萓鐺用では無いそれは、ビーム用のジェネレーターなどは一切搭載していない。それ故に、核融合炉から生み出される強大な出力の全てを、機体のパワーに割いている。
爛好拭璽殴ぅ供辞瓩侶り出す攻撃は、PS装甲であろうと容赦なく砕く鋼の拳となったのだ。同時に背中の円環構造体型のスラスター、惑星間推進システムヴォワチュール・リュミエールが生み出す余剰エネルギーが発光しビームの輪のようなものを作り、それが意思を持った触手のようにして爛螢献Д優譽ぅ鉢瓩猟戮譴浸融茲鮑討唸錣鵑澄
 
 〈だ、だがぁ! まだまだ予備パーツは――〉
 
 男が言いかけたところで、上方からの強力なビーム。かろうじて回避した爛螢献Д優譽ぅ鉢瓩見上げると、ビームライフルを構える爛妊絅┘覘瓩太陽光をぎらりと反射させ高速で接近する。
 
 〈来たかァ! お前と殺りたかった! ずっと! こんな余興だけでオレは満足したりはしない! さあ来い予備パァーツゥ!〉
 
 が、あたりはしんと静まり返る、変わりに来たのは爛妊絅┘覘瓩離咫璽爐任△襦C砲ぎっと爛妊絅┘覘瓩鬚砲蕕澆弔韻拭
 
 〈ま、さ、か――〉
 
 爛妊絅┘覘瓩らもう一度強力な粒子が放たれ、敵は慌ててスラスターを吹かせ回避運動を取った。
 周囲には、フレイ達が破壊したものよりも遥かに大量の敵予備パーツと思われる部品の残骸が散らばっている。
 
 〈こ、の……! 変形する主役マシンの裏方スタッフを攻撃するような野暮な真似をするんじゃあ無いッ!!〉
 
 すると、すぐに残された胸部からスモークが噴出し、同時にぐらりと景色が歪む。
 爛潺蕁璽献絅灰蹈ぅ畢瓩糧動を意味していた。
 
 〈また会おう、そして次は!――必ず殺してやる〉
 
 同時に手当たり次第に残弾をばら撒くと、爛好拭璽殴ぅ供辞瓩魯札譟璽佑蕕鬚ばうようにして身を屈める。ふと、爛Εンダム畴惴紊劉爛侫蝓璽瀬爿瓩何者かに引っ張られ、そのまま虚空へ投げ出された。
 
 〈お、ま、え、は、こ、こ、で、死、ねぇぇぇー!〉
 
 すでに武器を持たない姿の見えなくなった爛螢献Д優譽ぅ鉢瓩、四肢の無い爛侫蝓璽瀬爿瓩魎祺爾涼狼紊妨けて勢い良く投げ捨てる。癪に障るほど見事な引き際である。
 すぐさま爛妊絅┘覘瓩加速し、爛侫蝓璽瀬爿瓩斑狼紊愎墨を取る。
 
 「大尉! 待って!」
 〈――しかし!〉
 
 フレイはすーっと息を吐き。前を見た。
 不思議な気持ちだった。もうフレイは、つい今しがたそこにいた醜い心の男の事を忘れていたのだ。
 あの子の顔を思い浮かべたら、あの男への不愉快な気持ちは露と消える。
 怒りや苛立ちよりも、あの子の想う気持ちの方が、ずっと強かった。
 本当に、不思議な気持ち。
 
 「わたし、行きます」
 
 そのまま爛Εンダム瓩ふわりと飛び、静止した状態の爛妊絅┘覘瓩箸垢谿磴Α
 今から行っても爛侫蝓璽瀬爿瓩話狼紊僚杜呂飽かれて落ちるだろう。それは爛妊絅┘覘瓩任眛韻犬海箸澄H爐魑澆Δ砲蓮誰かが地球へ行く必要がある。それも、単独で大気圏突入が可能な機体が。
 アムロの爛妊絅┘覘瓩僅かに逡巡し爛Εンダム瓩鮴纏澆靴茲Δ伴蠅鮨ばすが、フレイはこの役を誰にも譲ってあげるつもりはなかった。
 ただの我侭かもしれない。けど、この想い、自分でも抑えることができない。
 あの子を、助けたい。
 
 「この機体、大尉が設計してくれたんですよね?」
 
 フレイは爛Εンダム瓩鮨兇蠍かせ、遠ざかっていく爛▲瓮離潺魯轡薛瓩函↓爛妊絅┘覘瓩鮖覲Δ貌れた。
 あの時とは違う、自分の意思で、フレイは今まで自分を守ってくれた彼から離れるのだ。
 フレイは、アムロを信じていた。それは、子にとって親が絶対だと感じるものと等しい。
 このモビルスーツは、アムロが、フレイの為にくれた、フレイを守る、力。
 不思議と、誇り高く、心が弾んだ。
 既に小さくなりつつある爛妊絅┘覘瓩妨けて、フレイは小さく微笑み、言った。
 
 「――だから、行って来ます」
 
 と。
 
 
 
 ほぼ全ての施設を制圧し終えたカナード達は、キラ達の危機を聞きつけそれぞれの持ち場に戻ろうとしたところで、それはやってきた。ノーマルスーツ越しだった所為でわずかに気づくのが遅れたが、見間違えるはずは無い。
 『その男』は、気だるげに首の筋肉をほぐし、腰に軽く手を当て、まるでこれから準備体操でも始めるかのような気軽さで、目の前に一人で立っていた。
 男が言った。
 
 「ん、やっと来たか。随分と腕が鈍ったのではないか?」
 
 メリオルがびくりと体を震わせると、男はバイザー越しにわかるくらい、気さくに笑みをこぼした。
 
 「良い女に育った。懐かしいな……。最初に君らを見たときはこうも因縁が続くとは、思わなかった」
 「な、何を……」
 
 恐怖のあまり、メリオルが半歩下がる。
 
 「生態ユニットとして、な。アルスター嬢を欲しがっていたようだが事情が変わったのだ。爛瓮鵐妊覘瓩箸呂燭い靴浸楡澆世茵△泙気現物があるとは思わなかった。恐らく数世紀かけて保存されてきた、本物なのだろうな。……つまりそれは――」
 
 男は言い淀むと、ふいにああと思い出し続けた。
 
 「アスハ代表でも良かったらしいのだがな、ま、あちらも失敗だったようだ。……それと、レイ・ザ・バレル、だったかな? はて、どこかで聞いた名だ……うーむ?」
 
 カナードはさっとメリオルの前に出る。男はこつこつとゆっくりと歩き迫る。
 
 「無駄足だった、というのは結果論に過ぎない。ガルシア君は私が思っていたよりも優秀だったということでしかなく、それでも私はあの子を使うのが最善だと思っていたのだ。だがモビルスーツを使えるという自信は流石に無いから――」
 
 男は愛用の短銃とナイフを構える。カナードもそれに習い、同じように構えた。ざわと全身の毛が逆立つ。冷たい汗が全身から流れ出る。
 恐ろしい、と思わず感じた。
 
 「どうやらまだ、ユーラシア連邦最強らしい私がここに来た」
 
 その男――この反逆の首謀者ビラードが、やれやれと首を左右に振り……ぞくりとカナードですらも凍りつくほどの殺気と視線で、ゆらりと歩いていたはずの男がいつの間にか目の前に――
 コーディネイターは、どこまで行っても人の姿をしている以上、人の可動範囲を超える事はできない。そこを突く、極技《サブミッション》や合気道と言った武術は、その道の達人ならば容易にコーディネイターを屠る。
 しまったと思う暇も無く、カナードの持つ銃をビラードは片手で分解し、ナイフを持つ腕に銃を突きつけ発砲。鈍い痛みを無理やり無視し、カナードはビラードにナイフを突き立てたが届くはずも無くそのまま腕をとられる。
メリオルがククリナイフで背後から斬りかかる。ビラードはカナードの腕を無理やり引き――その際左の腕がへし折れ――メリオルの 前に生ける盾として向かい合わされた。激痛の悲鳴など、あげてやるつもりは無い。変わりに言ってやった。
 
 「メリオル、殺れ!」
 
 オレごとで良い、こいつを――! だが、メリオルは動かなかった。ただ、メリオルはがたがたと震え、捕食される寸前の小動物のような目でビラードを見つめる。カナードは尚も言う。
 
 「メリオル!――ぐっ」
 
 ビラードのナイフがカナードの背中を縦に引き裂いた。背を焼かれたような灼熱の激痛と同時にぱっと血漿が舞う。メリオルの顔から血の気が引いていく。
 
 「ずいぶんと長い任務だった。メリオル君、楽にしてくれて良い」
 
 長い、任務――? どういうことだ、と思考する前に、背中につきたてられたナイフがさらに奥へとえぐりこまれ、カナードは喉元までこみ上げられた血の塊を嘔吐しパイロットスーツのバイザーにべしゃとこびりついた。
 
 「な、なにを――」
 
 怯えた少女に向けて、ビラードはまるでテーブルの横に置き忘れた財布を見つけたくらいの気軽な口調で、「ああそうだった」とつぶやくと、カナードは床に打ち捨てられ、抉り裂かれた背から血液が流れ出ていくのを知覚したまま、動かなくなった体のまま視界だけでビラードを追った。
 その男は、ゆらりとメリオルの傍らにまで歩み、彼女の耳元で何かをささやく。
 すると、メリオルはびくんと一度震えた後、視界を泳がせ、何かに強く怯えたようにして全身を震わして地べたにぺたんと座り込んだ。
 メリオルが、震えるまま頭を抱え、うずくまり、うわ言のように繰り返す。
 
 「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」
 
 壊れた人形のように、少女は、涙声で、何度も、何度も……。
 
 「案ずるな、私は君との約束は守る、彼は殺さない。だから行こう、メリオル君。君を盾にすれば、私はここから無事に脱出できるだろう?」
 
 自分の肉体が冷えきっていく感覚を覚えながら、捨てられたカナードは暗くなる視界で意思の無い木偶人形のようにしてビラードの後に続くメリオルを見据える。
 意識が途切れる寸前、カナードは聞いた。
 
 「追ってきたまえよ、特務兵。――それができるのなら、な」
 
 男の言った言葉の真意を、カナードは読みかねた。もしもフレイなら、きっとやつの考えてることなんてすぐにわかったのかもしれないと思い、コーディネイターとして生まれた己の無念を呪いながら、カナードの思考は暗闇に落ちていった。
 
 
 
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