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CCA-Seed_◆ygwcelWgUJa8氏_40_2

Last-modified: 2015-06-25 (木) 00:55:39

 目まぐるしく変わる宇宙《そら》に一つの輝きが生まれると、それが絶命の輝きなのだと知り、ラクスはぎゅっと唇を噛み締めた。
 馬鹿な事をしているという自覚はある。絶対に怒られる。無事に帰れたら、ぐーで殴られる。
 それでも、ラクスは、その自分の馬鹿な部分を肯定した。だって、そうしなければ自分ではないから。誰かが帰ってこなかったら、何もしなかった自分を許せなくなるから。
 唯一の嬉しい誤算が、このモビルスーツ爛札ぅ弌辞瓩法▲魯蹐鯤篏AIとして機能させるための台座がシートの後部に設置されていた事だ。
 爛潺優襯亅瓩砲い浸、確かアスラン用に作られたモビルスーツがもう一機あったという話を耳にしていた。
 彼は爛献礇好謄ス瓩縫魯軅賤僂離掘璽箸鯀設していたから、同じ理由でこの機体も……。
 思わず口元が緩み、自分が笑っていると自覚した時、背後に増設された補助シートに座る、自分よりも更に幼い少女がひょいと顔を覗かせた。
 
 「……黙って出てきちゃったけど、良かったんです……?」
 
 子供用のスーツに身を包んだ彼女は、まるでマスコット人形のように愛らしかったが、ぎゅうと抱きしめたい衝動を抑えラクスは正面のモニターから視界を反らさずに返す、
 
 「まさか。帰ったら一緒に怒られましょう」
 「ええー! どうしてー!? 何でマユが怒られないといけないの!」
 「まあ。軍隊には軍規というものがございますのよ? わたくしたちは、それを破っているのですから」
 「だ、だって、良いって言っ――」
 「言ってません」
 「うう……」
 
 その少女、マユ・アスカはしゅんと小さくなり、頭を抱えた。
 
 「お兄ちゃんに会いたかっただけなのに……」
 「わたくしもそう。フレイに会いたいだけ」
 「会いに行くって言ったから、付いて来ただけなのにー! さっきお兄ちゃん通りすぎたしいー!! もうーー!」
 
 シートの後ろでじたばたする少女を無視して、ラクスはコンソールを操作し現在地を表示させた。
 別に、こういう状況を予測していなかったわけではない。フレイの訓練に付き合う形で、爛ンバレル疆正を検査する形で、ラクスはいくらかのモビルスーツ訓練を受けていた。
 後は、勘と気合である。
 少しばかり操作を間違いよくわからないボタンを押した気がするが、ややあって現在の位置がモニターの端に表示されたが、そういえば読み方の勉強していない事を思い出し、それを消した。
 さて、どうするか……。
 
 「ハロ、現在地がわかりますか?」
 
 補助AI、という事を思い出し、ラクスは駄目もとでピンクのペットロボに声をかける。すると――
 
 〈ワカル・ワカル〉
 
 甲高い電子音が人の言葉で答え、ラクスは何故だか少し得意げになった。
 
 「フレイがどこいるかわかりますか?」
 〈ワカル・ワカル〉
 「まあ凄い! そこに行きましょう!」
 〈リョウカイ・リョウカイ〉
 
 すぐに機体が反転し、加速する。ぐぐぐとGが体にかかり、ある種の高揚感を覚えながら、周囲の星の移動が早くなっていくモニターに釘付けになった。
 
 「……この小さいの凄いんですね」
 
 マユが背後から疑わしげな視線を向けると、ラクスはまた得意げになる。
 
 「んふ、でございましょ?」
 「誰が作ったんです?」
 「勿論アス――」
 〈アムロ・アムロ〉
 「あら? あらあら?」
 
 そう……だっけ? いやいやそんな事は無い、確かにこの子はアスランが……
 
 「ああ、そうでした。一度壊されたっ」
 「ふーん。爛淵ぅ船鵐押璽覘瓩斑舂匹い發鵑諭▲魯蹐蓮
 「仲が良い? フレイのあの子と?」
 「うん。大体いつも一緒にいるよ、ハロ」
 「へぇぇぇ……」
 
 そういえば確かに仕事中、ハロを見かける事が少ない。
 んん、爛◆璽エンジェル瓩砲い榛△發修Δ世辰燭茲Δ福帖帖
 その時、けたたましく警報《アラート》が鳴り響いた。
 慌ててモニターに目をやり、下方に四機の爛哀姚瓩鳩秬錣魴り広げる三機の爛疋爛肇襦璽僉辞瓩鮓つけ、ラクスは思わず目を細めた。
 ……加勢すべきか?
 
 「た、戦ってるよ、助けないと!」
 
 マユの悲鳴にも似た懇願は、彼女が限りなく善に近い存在なのだと知らしめている。
 
 「ハロ、助けなさい!」
 〈マカセロ・マカセロ〉
 
 思い切りフットペダルを踏み込み、爛札ぅ弌辞瓩一気に加速する。
 まだ敵はこちらに気づいていない。今なら――!
 爛哀姚瓩MMI‐五五八爛謄鵐撻好鉢瓮咫璽爛宗璽匹念豕,劉爛疋爿瓩力咾鮴擇衫き、援護に入ったもう一機の爛疋爿瓩その爛哀姚瓩離灰ピットをMA‐X八四八HD強化型ビームサーベルで正確に貫いた。
 片腕を失った爛疋爿瓩後退しようとした時、誘爆に巻き込まれ視界を奪われた爛疋爿疚楹櫃院↓爛哀姚瓩ビームソードを振りかぶる!
 
 「撃ちます!」
 
 爛哀姚瓩竜‘阿寮茲鯡楹櫃院▲薀スはビームライフルのトリガーを引いた。
 それは、一切の迷いも慈悲も無い正確な射撃。
 自分でも聞いた事の無いほど低くドスの聞いた声を出した驚きつつ、緩やかな尾を引いたビームの粒子が爛哀姚瓩瞭部からコクピットまでを正確に貫通し、ラクスは生まれて初めて、自分の意思を持って人を殺した。
 突然の援軍に慌てふためいた残りの爛哀姚瓩鬮爛疋爿瓩撃墜し終え、隊長機と思わしき機体からの通信を受けたとき、ラクスは奇跡というものを信じたくなった。
 
 〈そこの連合の識別信号! それはザフトのモビルスーツだ! 爛◆璽エンジェル瓩亮圓!?〉
 
 どこか高圧的な、男勝りで芯の通った女性の声。
 思わず、ラクスはその爛疋爿瓩豊爛札ぅ弌辞瓩鮗茲衂佞せた。
 
 
 
 「何やってんだヒルダ!」
 
 援護のモビルスーツがやって来たと思ったら、それはザフトが連合に譲渡した爛札ぅ弌辞瓩任△辰浸は驚くべき事であろうが、それ以上にその援軍の奇行がマーズを警戒させた。
 
 〈おい俺の心配は無しなのかよ〉
 
 と片腕を失ったヘルベルト機から通信が入るが、マーズは無視して捲し立てる。
 
 「そこのモビルスーツ、ヒルダから離れろ!」
 
 咄嗟に大型バズーカ砲ギガランチャーをヒルダ機に取り付く爛札ぅ弌辞瓩妨けたが、実際こんな高威力のビームバズーカを撃てばヒルダ事撃墜してしまう事に成りかねない為、あくまでポーズである。
 が、ヒルダの爛疋爿瓩廊爛札ぅ弌辞瓩吠きつかれた格好のまま、大丈夫だと言わんばかりにマニュピレーターでマーズの行動を制した。
 
 「なら返事くらいしろ!」
 〈左腕を失った。モビルスーツの方だが〉
 
 蚊帳の外に置かれて不満そうなヘルベルトがぼやきながら周囲を警戒する。ここはまだ敵地のど真ん中なのだ。どう考えてもそんな所で個人通信らしいものをしてるヒルダが悪い。
 
 「聞いてんのかヒルダァー! 返事! しろ!!」
 
 すると――
 
 〈うるさい黙りな!!〉
 「は!?」
 〈おいおい……〉
 
 何故かこちらが怒られた。
 あまりの事に固まり、流石にヘルベルトも呆れ顔だ。
 いやいやいや、敵地のど真ん中だろうが、しかも時間制限ありの決戦だろうが、爛罐縫Ε后Ε札屮鶚疝遒舛燭蕕笋个い鵑世蹐Δ、地球的にも俺らの体裁的にも。
 それを、それをぉお!? 黙れだああ!?
 理不尽な物言いに、ブチブチと頭の血管が切れていくような錯覚を覚え、我慢の限界が来たマーズは大声で怒鳴るために息を大きく吸い込む。
 
 〈アッハッハッハッハ!〉
 
 突然ヒルダが快活に笑い出し、マーズは腹のうちに溜め込んだ怒りと空気を情けなくぶふうと吐き洩らした。
 そういえばラクス・クラインが死んでからヒルダの笑い声を聞いたのは初めてだななどと考えていると、そのままのテンションでヒルダが快活に言った。
 
 〈ヘルベルト、マーズッ!〉
 「お、おう?」
 〈どうした?〉
 
 まるでこれからあのジェットコースターに乗ろうと言い出すのではと疑いたくなるほど明るく弾んだ様子に、思わずマーズは引いた。
 ヘルベルトも同じようで、怪訝な様子になる。
 だが、彼女の告げた言葉は、マーズが予測とは全く異なる、想像を絶するものであった。
 
 〈すまない、私はザフトを捨てる!〉
 「は!?」
 〈おいおい……〉
 〈ザラのボウヤには適当に言っておいてくれ! じゃあな、後は任せたよ!〉
 「はあ!?」
 〈行くのかよ……〉
 
 わけもわからずにいると、ヒルダ機の爛疋爿瓩爛札ぅ弌辞瓩鯒愽蕕(つーか爛札ぅ弌辞瓩諒が機動性良いだろうが)そのまま加速し、星屑の戦場へと消えていった。
 
 
 
 「そこのダニもどき、こっちに来い!」
 
 隊列に加わった爛譽献Д鵐畢瓩膨命を入れると、頭部カメラがこちらを捉えた。彼が何かを言うよりも早く、爛ーティ・ルー瓩爛▲ツキ瓩慮緤より発進し、艦砲射撃を加えながら敵陣へと向かい行く。
 
 〈すまない、助かる〉
 「いや、謝る」
 〈――何がだ?〉
 
 通信先の青年が無機質に言うと、シンは軽くため息を吐いた。
 
 「爛潺離侫好ー粒子瓩辰討痢薄くなってるみたいでさ……。ほんの少しだけど、聞こえた、さっきの――ていうか、爛▲ツキ瓩勝手にさ……」
 
 誰に似たのか、いらない事を勝手にする疑似AIにシンは苦笑する。
 つまり、この爛▲ツキ瓩世韻世蹐Δ、聞こえていたのだ。彼のちょっとしたカッコイイ台詞を。
 年頃の少年として、それほど恥ずかしい事は無い。
 短い沈黙の後、〈気にするな。俺は気にしてい無い〉と答え、その様子がおかしくてシンは思わず噴出した。
 
 〈今度は何だ?〉
 「悪い、なんかおかしくてさ。ナチュラルなのにザフトなんだろ? 僕だって、コーディネイターなのに連合やってて――」
 〈気にしてい無いと、言った〉
 「ああ、わかった」
 
 爛ーティ・ルー瓩旅暖弔帽澆衫つと、同じようにして爛オス瓠↓爛イア瓠↓爛▲咼広瓩続き、ややあって爛譽献Д鵐畢瓩降り立った。
 
 〈レイ・ザ・バレルだ〉
 「シン・アスカ」
 
 互いに、短く言う。それだけで、十分であった。
 
 
 
 〈聞いて、フレイ。制御室までのルートをそっちに転送するから――〉
 
 爛罐縫Ε后Ε札屮鶚瓩隆瀛匹肪,つけられた爛乾鵐疋錺吻瓩房茲衂佞い織侫譽い蓮既に脱出を始めている部隊らを避けるようにしてモビルスーツデッキに爛Εンダム瓩魍蠅蟾ませた。
 キラたちとは通信が繋がらない。フレイは今、孤立してしまっていた。
 
 「でも、核が仕掛けられてるって、本当なの……?」
 〈うん。艦に核を大量に積み込んで、そのまま地球で爆発させる計画みたい。アズラエルさんからの情報だから、確かだと思う!〉
 
 送られてきたデータからルートを参照し、まず最初に向かうべき道をモニターに表示させ、、モニターの端に拡大させる。
 小さな扉が開かれている。
 がらんと空いた通路はまるで死を誘う闇のように恐ろしく、たまらず足が竦んだ。
 
 「そ、外から撃っちゃうとか、駄目かな?」
 〈無茶言わないの。爛乾鵐疋錺吻瓩何メートルあると思ってるのよ!〉
 
 ――く。
 だが、迷っている時間は無い。怯えている暇は無い。
 わたしも、戦わないと……。
 
 〈急いで、フレイ! 私もこのままナビを続けるから!〉
 
 今は、ミリアリアの声だけが頼りだった。
 
 
 
 爛罐縫Ε后Ε札屮鶚瓩灼熱していく。既に阻止限界点は突破していた。
 
 「隕石が、落ちる!?」
 
 苦渋のままつぶやくと、ふいに淡いグリーンの輝きを放ちながらすべり行く爛淵ぅ船鵐押璽覘瓩鮓、カナードは目を疑った。
 
 「アルスター! 何をするつもりだ!」
 
 慌てて追うと、すぐにトールの爛宗璽疋ラミティ瓩続く。
 
 〈上、爛ーティ・ルー瓠〉
 「前に出てきたのか!?」
 
 爛譽献Д鵐畢瓩鮹羶瓦砲靴匿愀舛鯀箸澆覆ら、爛▲ツキ瓠↓爛イア瓠↓爛オス瓠↓爛▲咼広瓩作業中の爛瓮謄ブレイカー畛抉腓貌る。
 同時に爛ーティ・ルー瓩爛乾奪疋侫蝓璽鉢瓩粘瀛匹鯔し發垢襪、僅かに岩がかけただけでしかない。
 やや遅れて爛ルテュギア瓩、残存しているドレイク級爛屮襯奪瓠↓爛Εリアム瓠▲優襯愁鶺薛爛蹈弌璽鉢瓩閥Δ豊爛ーティ・ルー瓩鮗茲螳呂爐茲Δ砲靴匿愀舛鯀箸爐函⊃機の爛瀬ー畭發警戒に当たる。
 それとほぼ同時に、遠雷のごとく陽電子の嵐が岸壁に降り注ぎ、三隻の爛◆璽エンジェル甬蕕鉢爛潺優襯亅瓩了僂魍稜Г靴拭
 一斉にモビルスーツ隊が飛び立ち、その中にはムウ達の爛┘哀競広瓩筬爛ラミティ瓩了僂發△襦
 
 「メテオブレイカーはどれだけ残っているんだ……?」
 
 核は無い。まさか、自力でこれを砕けとでも言うわけじゃあ無いよな……。
 
 〈カナード、爛淵ぅ船鵐押璽覘瓩鮓失った!〉
 
 次から次へと、全く――!。
 あの女があの年であそこまで戦えるのは凄い事だと思う。それもナチュラルの、禄に訓練も詰んでいない一般人がだ。
 しかし、だからこそと言うべきか、彼女は概ね兵士に求められる判断力というものが欠如している。
 全よりも個を優先してしまう傾向がある。
 
 〈キラのやつ、無事だと良いけど……〉
 
 友人の一言が、カナードをより一層不安にさせた。
 どいつもこいつも――!
 
 
 
 被弾した背部爛潺蕁璽献絅灰蹈ぅ畢疊生装置を切捨て、幾つものエラーを告げる警報《アラート》が鳴り響く爛妊好謄ニー瓩離灰ピットで、ラウはその時が迫っている事を肌でヒシヒシと感じていた。
 所詮、人は独りだ。あの少年とも相容れる事の無かった己と言う小さな器を卑下し、ラウは孤独のまま成す事に集中した。
 アッシュ・グレイが牙を剥いたのも、アムロ・レイが立ちはだかるのも想定のうちだ。
 その時が来るまで、爛妊好謄ニー瓩函↓爛罐縫Ε后Ε札屮鶚瓩函▲侫譽ぁ▲譽い生きていればそれで良いのだから。
 後は、爛汽ぅ灰侫譟璽爿瓩引き寄せられるがまま、機体を力の中心へと運べば――
 
 
 
 既に周囲の景色は灼熱に染まっており、作戦が瀬戸際の状況になっているのだと言う事はラクスでもわかった。
 
 〈ほ、本当に良いんですか!?〉
 
 ヒルダが困惑した様子で言うと、ラクスは爛札ぅ弌辞瓩鯢蕕屬気辰討れている彼女の爛疋爿瓩瞭部をマニュピレーターでごつんと拳骨した。
 
 「当たり前です!」
 〈しかし、危険です!〉
 「危険なのは百も承知です! フレイが怖がっているのがわからないのですか!」
 
 全く! これだから大人の女は!
 ラクスが憤慨すると、後ろからマユが呆れ顔で覗き込み、
 
 「わからないと思うなぁ……」
 
 と口を挟んだ。
 
 「見えた、大きなお船!」
 
 岸壁に沈むゴンドワナ級爛乾鵐疋錺吻瓠L杵澄▲薀スは全くの勘で行動しているわけではない。
 ハロが、爛Εンダム甍銘屬鮴騎里貿聴しているからこその行動だ。
 ただ、フレイが怖がっているというのは全くの勘である。
 ちらとモニターの端に、爛ーティ・ルー甬擇哭爛◆璽エンジェル甦和發目視できる距離にまで来ている事を確認しつつも、爛乾鵐疋錺吻瓩離皀咼襯后璽張妊奪に滑り込み、すぐに鎮座させられた爛Εンダム瓩鮓つけラクスはぱあと表情を綻ばせる。
 
 「いた、フレイ! フレイ・アルスターさんはお元気で!」
 「中に人いないと思うよ……」
 「んもう!」
 
 きっと降りて内部に進入して行ったのだろう。
 だが、何故――?
 ラクスは迷う事無く爛札ぅ弌辞瓩鬮爛Εンダム瓩硫に付け、背中越しのマユがパイロットスーツをきちんと着ている事を確認してからコクピットハッチを開けた。
 
 「え、えっ。あの、ええ、どうするんですか……」
 
 途端に不安げになったマユを一瞥し、ラクスはにっこりと微笑んだ。
 
 「この機体は貴女にさしあげます」
 「はあ!? ええ、ちょ、ちょっと待って!」
 「ハロ、後は頼みます!」
 〈リョウカイ・リョウカイ〉
 
 さっと身を翻しコクピットを後にする。
 
 「は、薄情者ぉー!」
 
 爛札ぅ弌辞瓩離灰ピットハッチが閉まる直前、マユの非難の声が聞こえたが、どうでも良いのだの精神でラクスはそのまま爛Εンダム瓩離灰ピットハッチ目掛け飛んだ。
 爛Εンダム瓩瞭団的なゴーグルと、その奥に光る双眼《デュアルアイ》がラクスを捉えると、マニュピレーターがゆらりと動き丁寧な仕草でラクスの体をキャッチした。
 相変わらず凄いAIだ、と感心しながら、ラクスは爛Εンダム瓩瞭靴鮓上げ言う。
 
 「ラクス・クラインです! コクピットを開けて下さい!」
 
 機械相手にこれで通じるのが凄い所で、爛Εンダム瓩離灰ピットハッチがゆっくりと開かれ、ラクスは直ぐに飛び入る。
 やはり、誰もいない。
 もぬけの殻だ。
 とはいえ、流石にここから勘だけでフレイの足取りを追うのは至難の業だ。
 どうしたものか……。
 
 「フレイがどこに行ったか、わかりますか?」
 
 だが、こんな質問にも正確に答えるのがこの爛Εンダム瓩寮┐気任△蝓▲札譟璽佑得意げになるのも理解できる。
 彼女が向かった場所と、その時の通信記録が再生され、ラクスは耳を傾けた。
 
 〈ど、どうすれば良いの?〉
 
 もう何年も会ってないような気までするフレイの声だ。彼女は誰かと話しているようだ。
 
 〈――わかった、何とかやってみる!〉
 
 …………?
 彼女は、誰と話しているのだ……?
 
 〈うん、教えて!〉
 
 間違いなく、彼女は誰かと話している。
 だが、その相手の声が、『無い』。
 
 〈でも、核が仕掛けられてるって本当なの?〉
 
 どくん、どくんと心臓の鼓動が早くなる。どうしようも無いほど恐ろしく、背筋が凍りつく。
 何かが、おかしい。
 フレイは誰と話しているの。
 どこに連れて行かれようとしているの……!
 たまらなくなって爛Εンダム瓩ら飛び出そうとした時、激しい振動が爛乾鵐疋錺吻瓩離皀咼襯后璽張妊奪を襲い、バランスを崩したラクスはそのままリニアシートに倒れこんだ。
 
 
 
 爛魯ぅ撻螢ン瓩離灰ピットは既に灼熱に染まっていた。
 
 「メテオブレイカーは!」
 〈健在みたいだ! でも、一基だけじゃあ……!〉
 
 トールの言葉は悲痛の色が混じっており、それは作戦失敗の可能性を色濃くしていた。
 
 「爛淵ぅ船鵐押璽覘瓩呂匹海惺圓辰燭鵑澄宗臭爛妊好謄ニー瓠?」
 
 爛罐縫Ε后Ε札屮鶚畩絛で爛妊好謄ニー瓩朽ちた翼を広げる。
 迎撃を、と思考した瞬間であった。
 ビカッとオーロラのような光が広がり、地球からも同じくして輝きの粒が舞い上がりそれらが爛妊好謄ニー瓩暴犬泙辰討い。
 
 「――なんだ……? うわっ」
 
 爛妊好謄ニー瓩陵磴意思を持ったようにして羽ばたき、淡いグリーンの翼が爛罐縫Ε后Ε札屮鶚瓩鯤颪濆む。
 光の膜のようなものが、爛罐縫Ε后Ε札屮鶚瓩鬚阿蕕蠅隼ち上げる。その膜はやがて巨大な人の形のなり、数百メートルの爛妊好謄ニー瓩了僂魴塑遒辰拭
 
 
 
 「モビルスーツが、巨大になって見える……?」
 
 アズラエルが思わずつぶやくと、同時にメリオルが
 
 「原因不明の熱源、感知!」
 
 と驚愕した様子で告げる。
 その輝きを、原因を、アズラエルは知っていた。
 
 
 
 爛妊好謄ニー瓩竜韻翼は更に巨大になり広がり、地球圏全域にまで広がっていった。その輝きの一つがレイを覆い、周囲のモビルスーツにもそれは及んでいた。
 体にまとわりつく、悪寒が消えたような気がした。老いていく虫唾が走るようなあの感覚が――。
 
 〈ああ、そうか、そうなんだ……〉
 
 おもむろにステラが言った。
 
 〈この光は、みんなにごめんなさいって言ってるんだ〉
 
 
 
 ゴンドワナ級の内部を一人進む。
 ミリアリアの指示は恐ろしく正確であり、みるみるうちに奥へ、奥へと進んでいく。
 細長い通路をまっすぐ進み、突き当りを左に向かう。誰とも出会わない。
 二つ目の角を右に進み、更に奥へ。
 
 〈時間が無いわ、急いで!〉
 
 ミリアリアが言う。
 
 「次は!?」
 〈そのまままっすぐ!〉
 
 爛罐縫Ε后Ε札屮鶚瓩鯤敢佞垢覦戮離瓮謄ブレイカーは全て破壊されたとミリアリアが言っていた。ならばせめて、この艦に搭載されている爆発させて少しでも被害を――
 脱出する時間はあるはずだ。ここまで来た道は全て覚えている。だから、たとえこの後ミリアリアと通信が途絶しても――
 
 〈もうすぐよ、フレイ!〉
 
 無重力の床を飛び、フレイは最後の扉を開けた。
 ふいに、誰かが笑う。
 くすくすと、それは幼子の声。
 誰だろうこんなところで、と思った時、フレイは唐突に沸きあがった黒い思念に躯体を束縛された。
 その気体のような思念は、真綿のようにしてフレイを掴み、ぎりぎりと締め上げていく。
 肋骨ごと肺が抑え込まれると残っていた酸素が吐き出され、パイロットスーツのバイザーを汚す。
 思考が止まる。言葉が浮かばない。何が起こったのかすらもわからず、呆然としたまま目の前にたたずむ巨大な赤い影に釘付けになった。同じようにして、その血塗れの巨神が特徴的な複眼《コンパウンドアイ》をぎらつかせフレイを見据える。
 巨神が巨大な手を伸ばすと、今度こそフレイは、人形のように鷲づかみにされた。
 幼子が笑う。くすくすと、嘲るように。
 同じようにして、通信越しのミリアリアが笑う。
 
 「――な、なんで……」
 
 やっとの思いで声を絞り出すと、巨神の胸部に当たるコクピットハッチがせり上がった。
 
 〈ふ、ふふ……うふふ……馬鹿な子〉
 
 友人の声が、少しずつ、知らない女の声に変わっていく。
 ぎりぎりと体が締め付けられていく。このまま、握りつぶされてしまうかもしれない。
 何も、考えれなかった。助けを呼ぶ、誰を? どうやって? 誰か……。
 巨神の中に座る女の幻影がにたりと口元をゆがめ、フレイの意識と心はその闇に飲まれ、消失した。
 
 
 
 閃光が、走った。
 不時着した爛乾鵐疋錺吻瓩割れると同時に輝いた無数の白き輝きが、爛妊好謄ニー瓩魎咾、淡いオーロラの輝きを撥ね退けていく。
 その輝きの一つが、爛ーティ・ルー瓩虜幻織┘鵐献鵑魎咾い拭
 
 「面舵! 急速離脱!」
 
 ナタルが慌てて指示をだす。
 敵の、攻撃!? これだけの力を持った敵が、まだいた!?
 ドォォンという轟音が艦橋《ブリッジ》スピーカーから鳴り響き、爛ーティ・ルー瓩猟召或寝を眼下の爛罐縫Ε后Ε札屮鶚瓩茲蠅盒大な光の渦が過ぎ去り、激しい振動が爛ーティ・ルー瓩鮟韻辰拭
 
 「左舷エンジン被弾、出力が上がりません!」
 
 それでもメリオルが計器に食らいつき、悲鳴にも似た声で報告してみせたのは賞賛に値するだろう。
 状況を把握せねば……。
 ナタルは混乱しかけた頭を無理やり冷静に引き戻し、直ぐに向き直る。
 だが、告げられた報はある種の絶望を告げるものであった。
 
 「後方の艦隊との通信、途絶しました!」
 
 通信士のカズイが慌てて言う。
 ぞくり、と薄ら寒いものが背筋をかけ、ナタルは固まった。
 通信、途絶……。今の光の、後に。それは、つまり……。
 
 「このまま地球に! 降下シークエンスを!」
 
 はっとして皆がアズラエルに向き直る。
 
 「爛ーティ・ルー瓩劉爛潺離侫好ークラフト瓩蓮↓爛潺離侫好ーバリア瓩砲發覆蠅泙后」
 
 出力が上がらない。離脱は不可能、残された手は――。彼の提案に、ナタルは乗るしかなかった。
 
 「左舷エンジン切り離せ! 本艦はこれより降下シークエンスに入る!」
 
 だが慌しくなり始めたクルーたちに紛れ、メリオルは一人蒼白していた。
 もう一度激しい振動が艦を遅い、左舷エンジンの誘爆が始まっているのだとすぐに理解した。
 
 「メリオル、エンジンを切り離せ! このままではこちらも持たない!」
 
 言われたメリオルは珍しく……本当に珍しく、狼狽しているようだった。
 彼女が蒼白した表情のまま、おもむろに口を開く。
 
 「ナタ、動かない……!」
 
 どこかで聞いた華やかな声が、くすくすと嘲笑ったような気がした。
 
 
 
 光が走ると、終結しつつあった連合艦隊が消失し、ややあってからいくつもの巨大な火球があがった。
 爛◆璽エンジェル瓠↓爛凜 璽船磧辞瓩録匹Δ犬討修慮から逃れたようだが、爛僖錙辞瓩聾の余波が直撃し、航行を失い爆煙を上げながら地球の重力に飲まれつつあった。
 炎が引火し、後部エンジンが爆発する。
 
 「総員退鑑だ! 急げ!――閣下!」
 
 灼熱に染まる艦橋で、ホフマンが立ち上がる。彼の老いた視線が、貴方は死ぬべきではないと告げていた。
 艦橋《ブリッジ》の窓から見える爛乾鵐疋錺吻瓩らずるりと滑り落ちた、上半身だけの赤い巨神の複眼《コンパウンドアイ》が一点、ハルバートンを見据えている気がした。
 しかし――
 慌てて避難を始めるクルー達を無視して、ただ、ハルバートンは思索していた。
 これではまるで、『ヤツ』の思惑通りではないか。ラウ・ル・クルーゼも、そしてその協力者も、我々の意思も、何もかもが、この時の為の布石でしか無かったというのか……!?
 そんなはずはない。我々は個々の自我によって行動してきたはずだ。それが正義か悪かの問題はあるにしろ、そうそう人の意識が……。
 人の、意思――。
 自我《イド》。
 少しずつ、少しずつ、絡まった糸が解かれていくように、ハルバートンは真実に近づきつつあった。
 爛汽ぅ灰侫譟璽爿瓩蓮⊃佑鯤僂┐拭
 フレイ・アルスターは奇跡を見せ、ラクス・クラインという少女の心に変革をもたらした。物理的な力すらも発し、命の輝きを見せてくれた。
 心の、変革。人の、意思――。
 無意識という名の、意思。変革。それは、他者の心の、侵略。
 
 「そうか、『ヤツ』は――ッ!」
 
 巨神の中心にいる赤毛の少女がケタケタと狂喜に笑った。
 少女が腕を振り上げた時、再び放たれた光の剣が爛僖錙辞瓩肇魯襯弌璽肇鵑力靴い紳里魄貊屬脳発させ、その意思と知識は巨神を構成する灰から生まれた装甲、関節、部品に吸収された。
 
 
 
 エメラルドグリーンをした『足つき』が閃光の嵐に呑まれ一瞬で消滅した様を垣間見たレイは、同時に鳴り響く『その存在』を称える歌声に心をかき乱された。
 一○○○メートルを超えるほど巨大なはずのゴンドワナ級の装甲を、まるで卵の殻のようにして破り、それは姿を現した。
 ゴンドワナ級からずるりと滑り落ち、それの下半身が無い事に気づく。
 その様子から上半身だけの赤子の姿を連想し、一層不気味さを増した血塗れの巨神。
 ふいに、もう一つの違和感に気づく。
 縮尺が間違っているのだろうかと錯覚してしまうほど、その上半身だけの巨神は巨大に見えた。
 あまりにも不自然な光景。
 爛乾鵐疋錺吻瓩ら現れたはずの巨神の姿が、どうして爛乾鵐疋錺吻瓩茲蠅盖霏腓妨えるのだろうか――。
 ありとあらゆる光の粒が、巨神の中心に集まっていく。
 それは、命の灯火か。
 あの巨神は人の思いを喰らっているのか。
 巨神が巨大になっていくのと反比例するように、急速に爛妊好謄ニー瓩了僂元の大きさにまで縮まり、そのまま岸壁に激突し動かなった。
 
 「ラウ――!」
 
 思わず、レイは名を呼んだ。
 あの時、ラウは撃つのを躊躇ってくれた。彼の中で、俺はまだいなくなっていない。まだ、家族なんだ……!
 ふと、誰かが、レイの頬を優しく撫でた。
 その誰かは、柔らかな香りと薔薇の様な赤毛を風になびかせ、悲しげに俯き、言った。
 
 『……ごめん』
 
 と。
 ざあと少女のイメージが引き戻されていく先に、赤い巨神の中心に生気を失ったフレイのイメージを垣間見、レイは全てを理解した。
 ラウの愛、激情。人の意思。思惑。
 全ては、この瞬間の為の、犠牲でしかなかったと言う事を。
 
 
 
 闇に意識を沈められながら、ほんのすこし残った自我の中、フレイは刻を見ていた。遥か未来、遥か過去、戦い続ける人の歴史を。それは地球から旅立っていった人類たちも同じ事で、決して終わらぬ争いに明け暮れ続けるだけの……。
 ああ、これは、この機体が見ているものなのか。だから、それをどうにかしようと……? 戦争をなくすために、何度も何度も繰り返して……?
 ぞわりと闇が這い、フレイの意識を貪って行く。
 思い出の中で、わたしは、彼は、彼女は、それは、産声をあげた。
 誰かが言った。
 これは画期的なシステムだと。
 誰かが言った、人が人に優しくあるためにと。
 人の意思。
 それを、ほんの少しだけ、誰かに伝える。
 人の心の片隅に、優しさという暖かな気持ちを分け与える。
 心を伝えるシステム。
 希望を、夢を、愛を、そう願って作られた、可能性という存在。
 ……誤算が、あった。
 希望が強すぎた。夢が大きすぎた。愛が重すぎた。
 ありとあらゆる善意を伝えるべく、その強大な理想を体現するための意思の力が必要だった。
 ゼロを一には出来ない。
 一を十にする為には、莫大なエネルギーが必要だ。
 目覚めると同時に、それは呼吸を行った。
 一息吸うと、その宇宙《そら》にいた全ての命が死に絶え、その存在と混ざり、わずかな善意が我欲で塗り潰され、生誕した。
 意思伝達のシステム。
 だが、その為にはまず、伝えるべき意思が必要だ。
 何を伝えるべきか。
 それを知る前に、全ての親を喰らってしまった。
 存在意義を失ってしまった。
 意思を、知らねばならない。
 もっと、たくさんの意思を。
 この身に宿さねばならない。
 雑多を取り込みすぎ、人の業の塊りとなったそれは、それでも当初の命令を実行し続ける。
 ありとあらゆる意思を、生命の波動を、心の輝きを欲している。
 それは、力だ。
 ありとあらゆるものを凌駕する、因果律すらも自在に操れるほどの、圧倒する力。
 ……もう、わたしは駄目かもしれない……。
 父と母、友人、一切の思い出が駆け巡り、最後にフレイは見た。
 今から数えて十番目の星座の世界、その星で、赤き巨神が完全に消滅させられるその姿を。
 それは、わたしが、彼が、彼女が、それがかつて見てしまった、決して変えられぬ『運命』。
 意識の死滅とほぼ同時に、フレイは確信した。
 知ってしまった未来を、変えようと、無駄な足掻きを続けている。
 お前はただ、自分が生き延びたい、だ、け……。
 
 
 
 〈爛ガンティス瓩辰童世辰燭、あの赤いやつ!〉
 
 カナードの問答を無視して、レイは爛乾鵐疋錺吻瓩ら脱出した一隻のシャトルをモニターの端に捉えた。拡大すると、一機のモビルスーツがそのシャトルを守るように、あるいは決して逃がさないように一定の距離を保っているのが見えた。
 ――何だ……?
 
 「青い、爍唯吋▲好肇譽き瓩妨える……?」
 
 だが、爍唯吋▲好肇譽き瓩砲靴討録鑛と重武装だ。
 キイイインと耳鳴りが強くなると、再び巨神が律動し、正面で両の腕を交差させた。
 
 〈来るぞ!〉
 
 カナードが緊迫した様子で言ったのとほぼ同時に、血塗れの巨神の全身からゆうに一○○○を越える光の槍が放たれ、ありとあらゆる物体を貪った。
 
 
 
 触手のように伸びる光の槍が爛献礇好謄ス瓩鯊えようとした時、一機のモビルスーツが割って入る。
 
 〈アスラン、逃げて――!〉
 
 未だに声変わりのしていない、少女のような少年の声。
 次の瞬間、その黒くずんぐりとした巨体は爛献礇好謄ス瓩鯆靴予ける。
 数十もの光が包み込み、捕食されたとしか表現のしようのない残虐な光の応酬により、爛疋爿瓩半年は消滅した。アスランには声を上げることさえできなかった。
 
 〈ニコル―――ッ!〉
 
 イザークの絶叫が、やけに鮮明に耳に響いた。
 上方で光の槍に貫かれた爛潺優襯亅瓩、爆煙を上げる。
 圧倒的な力、恐怖、怒り、悔恨の情、ありとあらゆる感情がアスランを渦巻き、逆に冷静にさせてしまったのは恐ろしい事だ。
 ……データには、あの巨大な人型のモビルスーツは、ユーラシア連合が秘密裏に開発した拠点防衛用モビルスーツ爛ガンティス瓩箸△襦
 ザフトでも独自に調べた結果、それ以外の情報を得れなかった。
 ――『違う』。
 あれは、そういう理屈では無い。
 ただ漠然と、アスランはその『何か』を『違う』と確信した。
 青い爛ナーザク瓩慌てて、援護に入る。
 
 〈ニ、ニコル・アマルフィはどうなったんですか!! ねえ、脱出は――!〉
 〈落ち着け!! 陣形を組みなおすのだ!〉
 
 ミハイルがいつに無く緊張した様子で声を荒げた。
 
 〈爛潺優襯亅瓠宗宗? 脱出した……!?〉
 
 ディアッカも困惑している。
 はっと視界をやると、爛潺優襯亅瓩ら退艦したクルーを乗せた救命艇が飛び立って行く。
 ノイズに混じって、通信機から爛潺優襯亅當命士のアビーが悲痛な声を漏らす。
 
 〈アデス艦長が一人で残るって、それで……わ、わたし……!!〉
 
 あれが、敵の――ラウ・ル・クルーゼの切り札だったのだろうか。
 わからない。本当にあれは人が御せるものなのかすらも……。
 
 
 
 爛罐縫Ε后Ε札屮鶚瓩砕けると同時に、山のような瓦礫と放たれた光の槍が再び宇宙《そら》を埋め尽くし、先ほどの爛僖錙辞瓩汎韻犬爛◆璽エンジェル瓩竜霏里鮓の槍が貫こうとした時、誘爆を繰り返しながら、爛潺優襯亅瓩その先に割って入った。
 
 「爛潺優襯亅瓩盾になってくれています! 艦長!」
 
 トノムラが悲痛な叫びを上げる。
 既に景色は灼熱に染まっていた。
 砲撃を一身に受ける爛潺優襯亅瓩眛韻犬、装甲を待機との摩擦で赤く焼かれながらも、宇宙用ミサイル爛淵ぅ肇魯襯鉢瓠二連装高エネルギー収束火線砲XM四七爛肇螢好織鶚瓩魑霏腑皀咼襯后璽弔妨けて撃ち放つ。
 ――ハルバートン提督は、もういない。たった今、死んだ……死んでしまった……。
 マリュー・ラミアスは、一瞬判断を迷った。
 退くか、どうするか。
 あれは、何か得体のしれない不気味さを醸し出している。
 しかし、クルーの命を――。
 閣下、貴方なら、どう判断を下したのでしょうか。私には、到底……。
 ふいに、スラスターを全開にし、たった一機で巨神に立ち向かっていく爛妊絅┘覘瓩了僂視界に映る。
 ざわりとマリューの中で何かが沸きあがる。
 
 「残存している全部隊に告げる! こちらはマリュー・ラミアス少佐である!」
 
 気が付けば、自分でも驚くほど大きな声を出し、全宙域に向けて宣言していた。
 眼前を飛翔するあの白いモビルスーツを見よ。あらゆる絶望に立ち向かう、人の総意が真に器に注がれたものだ。あの姿こそが、後世に語り継がれるべき神話の王の姿ではないか。
 
 「爛ルテュギア瓠↓爛屮襯奪瓠↓爛Εリアム瓠↓爛蹈弌璽鉢瓩廊爛ーティ・ルー瓩閥Δ帽況發鮖迭櫃韻茵 爛凜 璽船磧辞瓩繁楷呂猫爛妊絅┘覘瓩鮖抉腓垢襦」
 
 それは、彼女の一世一代の賭けだった。若造の戯言が、ハルバートン提督の代役となるはずもない。
 だが、その足りない若さと経験を、今まで歩んできた道が、出会いが補った。
 
 〈こちらは爛ルテュギア甦歪垢離献Д蕁璽鼻Εルシア少将だ! 貴艦の指示に従う! これよりユーラシア艦隊は、赤いモビルスーツ、爛ガンティス瓩帽況發鮖迭櫃韻襦〉
 
 同時に、盾となってくれていた爛潺優襯亅瓩料甲が灼熱で膨れ上がり、巨大な火柱を上げる。
 
 「全戦力を集中させよ! あれを地球に落としてはならない!」
 
 燃え上がり散っていく爛潺優襯亅瓩妨けて、敬礼をする事は出来なかった。
 それは、彼らが作ってくれたこのわずかな時間を無駄にする事になってしまうから。
 だからせめて、心の内では、彼らの冥福を祈り、感謝の言葉を捧げよう。
 ぎゅうと唇を噛み締め前を見据えた視界の端で、気分屋のジブリールがぼろぼろと大粒の涙を零しながらザフト艦の爛潺優襯亅瓩鵬室蠅雰瀕蕕鯊膓弔砲靴討い襪里、ほんの少しだけ救いであった。
 
 
 
 全身から無数のビームの雨を降らしつつ、爛ガンティス瓩隕石と共に地球へと進路をとる。同時に量の腕におびただしい光が集まり始める。それは絶望の光であり、今度こそ星そのものを破壊してしまうのではないかと思わせるほどに強大な力を予感させた。
 爛ガンティス瓩料歓箸ら放たれた光の矢がいくつもの友軍機を貫いていく。
 ふいに、フレイの爛Εンダム瓩吹き乱れる瓦礫を回避しながら、爛好肇薀ぅ瓩鉾瑤咾弔い拭
 
 「その機体、誰が――」
 〈あの赤い大きなものに、フレイが乗っています――!〉
 「ラ、ラクス・クライン!?」
 〈助けないといけません! ですから、わたくしも――キャアッ〉
 
 光の矢が左肩を抉られた爛Εンダム瓩呂修里泙泪灰鵐肇蹇璽襪鮗困ぁ↓爛ーティ・ルー瓩旅暖弔防垰着した。
 大慌てで一機の爛疋爿瓩爛札ぅ弌辞瓩亮蠅魄いてやってきて爛Εンダム瓩僚發箸覆蝓舞い散る瓦礫に向けてビームバズーカを撃ち放った。
 
 〈キラ・ヤマト、フレイを助けなさい!〉
 
 ラクスが理不尽に声を荒げた。
 
 〈お願いです、フレイを――キスでも何でもして差し上げますから、彼女を助けて!!〉
 
 それは、懇願に近かった。言い終えてからぼろぼろと大粒の涙を零したラクスは、それがどれほど困難な事なのか気づいている。
 ひょっとしたら、決して叶わない願いなのかもしれないということも。もうフレイは、駄目なのかもしれないという事も――。
 ……爛妊絅┘覘瓩、戦っている。
 爛◆璽エンジェル瓠↓爛凜 璽船磧辞瓩陣形を組み、搭載モビルスーツが一斉に攻撃を仕掛ける。
 そこには、ムウやオルガ、スウェンといったかつて出会った仲間達の姿もある。いつも何か戦線に参加していたジャンク屋達もいる。傭兵の部隊もいる。
 爛ガンティス瓩呂垢阿気淅娠した。複眼《コンパウンドアイ》が蒼い光を放つと、全身から放たれた光の矢が捻じ曲がり、意思を持ったようにしてその全てが爛妊絅┘覘瓩悗帆世い鯆蠅瓩襦
 あの人はまだ、あきらめてはいない。
 それだけで、キラは十分だった。
 いつだって彼はあきらめず、立ち向かい、キラたちを救ってくれた。
 それが、強さなんだ。
 強さとは、恐怖に屈しない、絶望に負けない信念。あらゆる理不尽に対して、それでも、と言い続ける心。
 ぎゅっと操縦桿を握りなおす。
 ぼくは今、爛ンダム瓩離僖ぅ蹈奪箸覆鵑澄帖帖
 フットペダルを思い切り踏み込むと、マードック達が強化した爛好肇薀ぅ瓩離好薀好拭爾煌き、爆発的な加速力で宇宙《そら》を舞った。
 すぐに爛魯ぅ撻螢ン瓠↓爛宗璽疋ラミティ瓩追従する。
 
 〈やれるのか、キラ!?〉
 「わからない、でも……!」
 〈さっきの聞こえてた! フレイなんだろ!? 何とかしないと!〉
 
 爛ガンティス畆鵑こちらに向く。
 ――攻撃が来る!
 
 
 
 再び光の矢が放たれる。
 その大半が爛妊絅┘覘瓩鯆匹辰燭發里痢△修譴任眸梢堯△罎Δ妨沺○を超える数の爛咫璽爛疋薀亜璽鶚瓩噺討屬戮誘導追跡型ビームが、ついに僚機の爛侫ビドゥン瓩離灰ピットに直撃した。
 
 「――シャニ!?」
 
 炎に包まれた機体を目にして、オルガは驚きの声を上げた。
 別に、何とも思わないと思っていた。仲間の誰かが死んでも、俺は冷静だろうと確信していた。
 人はそうそう変わるもんじゃあねえ。たった数ヶ月、餓鬼どもに生活を引っ掻き回された所で、俺は変わらない。
 だが、もうアイツのイヤホンから漏れる五月蝿い雑音に悩まされる事は無いんだろうなと思った時、アイツに貸してあった本は、自分で取りに行かないといけないと思った時、言い様の無い怒りが胸の内に湧き上がったのを自覚していた。
 
 「ふ、ざ、け、やがってぇ……!!」
 
 一度も勝てなかったあの白いモビルスーツが、赤い巨神に懸命に立ち向かう。だが、光の嵐に行く手を阻まれ近づけないでいる。
 それは神業であった。全てのビームを、爛妊絅┘覘瓩六羂貊鼎撚麋鬚靴っているのだ。
 くく、とオルガは自嘲気味に口元をゆがめていた。
 一度くらい、俺に勝たせてくれたって良かったろうが――!
 そう心の中で怒鳴ったとき、オルガは自然と爛ラミティ瓩梁元で土台となっていた爛譽ぅ澄辞瓩鮟海衄瑤个靴討い拭
 次の瞬間、光の矢が爛ラミティ瓩肇ルガの胴体を真っ二つに切り裂いた。
 
  
 
 ――次だ。
 次の一撃で、全ては決まる。
 だが、彼らにその一撃を凌ぐ術は無いだろう。
 ラウは薄暗くなった爛妊好謄ニー瓩離灰ピットで、ぜえと息を吐いた。呼吸が苦しい。肺に近い骨が骨折し、呼吸を阻害しているのかもしれない。
 ばちん、と音を立て、モニターに光が灯る。
 そこには、地獄のような光景が映し出されていた。
 無数の粒子の雨を爛妊絅┘覘瓩掻い潜り懸命に距離をつめる。その一撃一撃が、恐らく戦艦の主砲並みか、それ以上の威力だろう。一粒のビームの雨は、掠めるだけでもその部位そのものを消失させるほどの破壊力があり、爛妊絅┘覘瓩牢に左足を腿から抉られている。
 同じくして立ち向かう爛好肇薀ぅ瓩凌神橘未鬚ばうようにして爛淵ぅ船鵐押璽覘瓩躍り出た。
 シールドを構え、これから起こる衝撃に備えている。
 だが、無駄だろうとラウは知っていた。あれは星さえも破壊する悪意そのものなのだから。
 私は、負けたのだ――。
 私の行動そのものが、『ヤツ』にとっては予定調和だったのかもしれない。
 私が覗き見たと思っていた未来は、『ヤツ』によって見せられただけの未来。
 結局、人は人以上の何かには抗えず、弱肉強食の世と同じくして喰われる定めだったのだ。
 ――ふいに、誰かが泣いているような気がした。
 これは、子供の声だ。
 誰だ?
 私はこの泣き声を知っている……?
 
 『パパ……』
 
 少女は涙の声で、確かにそう言った。
 おもむろに視界をやる。
 赤い巨神の中心。
 物言わぬ屍となった、我が子の姿。
 それは絶望である。
 だが、彼女の胸元がきらと輝くと、そこに可能性を垣間見た。
 『サイコ・フレーム』。
 人の意思を集める金属。
 魂の器。
 心の器。
 人の、心――。
 気が付けば、ラウは再び操縦桿を握り、フットペダルを踏み込んでいた。
 結局、私のした事は多くの人を不幸にしただけだった。我が子を救おうとした感情すらも、利用され、食い物にされた。
 それでも、それでも……私のこの心だけは、思い通りにはさせない……!
 操り人形となったフレイの口元がにたりと歪むと、爛ガンティス瓩藁章咾鮨兇蠅ぶった。
 再び爛妊好謄ニー瓩妨が溢れ、爆発的な速度でオーロラのレールを舞った。
 あっと言う間に爛好肇薀ぅ瓩膨匹い弔、爛妊好謄ニー瓩肋年達の盾となる。
 それは、ラウに残された命の最後のともし火。
 フレイの骸が、言った。
 爛ぅ妊ンソード瓠△函
 それはあまりにも強大な、力。
 直径三○○○メートルを超える光の塊が、爛妊好謄ニー瓩鉢爛好肇薀ぅ瓠△修靴毒惴紊涼狼紊妨けて放たれたのだ。
 瞬間、脳裏に過ぎったのはかつての日々。
 最初の怒り。
 ――こんなことが許されるはずが無い!
 冷たくなった彼女を抱き抱え、ラウは慟哭した。
 
 これらすべてを引き起こした元凶を――死を撒き散らす憎むべき敵。
 敵、敵、敵、敵、敵、敵、敵、敵!
 どれほどの誇り高い正義があろうと、どれだけ気高い大義があろうと、彼女を殺して良い理由などありはしない、決して無い!
 罪だと? 産みだしたものに、罪があると?
 何もせず、知らず、のうのうと暮らす愚民に罪が無いというのか!?
 否! 断じて否!
 無知もまた、罪だ! 知らなかったからといって許されはしない!
 憎しみがまた憎しみを生み、増幅され、循環する。
 人はもともと、そういう存在だ。異なるものを排斥し、欲望のままに他者を虐げ、大義名分さえととのえば手段を選ばない――。
 兵器が悪なのか? それともボタンを押す指が?
 循環の末やがて魂が腐り、禁忌に手を出した……。
 人は生まれながらに悪しき存在。存在そのものが、罪。
 そうとも、遅かれ早かれこんな憎しみだけが広がって、世界を覆いつくすのだ。
 世界は滅ぶ、滅ぶべくして。
 だがもしも、まだ世界が滅びぬというのなら。
 この私が、滅ぼしてやろう!!
 終わらぬ死の螺旋へ、私が導いてやろう!
 代価はこの命!
 安いものだ、私の命など!
 それで、世界の命を買えるのだから……!
 憎悪に歪む視界が、己の老いて行く指を映し出す。老いた指が誰かを刺し殺す。老いた指が、別の誰かを撃ち殺す。
 どれほどの命を奪っただろう。
 老いた指が、次の標的を探し始める。
 さあ次は誰だ。お前か、君か、貴様か!
 殺してやる、この手で、この私が――
 ふいに、その老いた手を誰かの手が優しく握った。
 
 『良いよ――』
 
 赤毛の少女が言った。
 
 『許してあげる……』
 
 翼が、広がる。それは爛妊好謄ニー瓩忙弔気譴震燭竜韻。
 命を、搾り出す。残された全てを。己に宿った、命さえも。
 眼前に白き闇の輝きが広がる。
 あの少年に、これは掃えまい。
 爛好肇薀ぅ瓩蓮↓爛ンダム瓩任鰐気い里世ら――。
 闇が激突し、爛妊好謄ニー瓩望弖發走る。わずかに残された命のともし火が『サイコ・フレーム』を介して確かな力場となり、強大な力の奔流を弾き返していく。
 だが、命の力は足らなかった。衰えることの知らない白き輝きは更に勢いを増し、爛妊好謄ニー瓩量燭竜韻を蝕んでいく。
 命を、振り絞る。
 じわりじわりとラウの指先が枯れ細っていく。
 
 「――そう言って……」
 
 ラウはぼろぼろと大粒の涙をこぼし、あの時の彼女に向けて想いを馳せた。
 命を絞りきり、ラウの顔は既に老人のようになっていた。髪の毛がはらと抜け落ち、ラウはたまらなくなって叫んだ。
 
 「そう言って、哀れんでくれた……!」
 
 爛妊好謄ニー瓩陵磴盾となり、地球へと降り注ぐ強大な輝きを包み込む。
 ラウの意識も、命も、そこまでだった。
 
 
 
 ビームの粒子に呑まれ消滅していく爛妊好謄ニー瓩妨けて、キラは声にならない叫びをあげた。
 あの人は、道を間違ったかもしれない。歪んでしまったかもしれない。それでも、ぼくを今、助けてくれた……。あの人は、助けてくれたんだ……!
 だが、その死を嘆く暇も余裕も無く、爛妊好謄ニー瓩量燭鮖箸辰人磴僚發眷砲雖爛ガンティス瓩慮の剣が延びる。
 爛好拭璽殴ぅ供辞瓩分離し前に出、粒子の奔流を掻き分ける。キラは見た。爛好拭璽殴ぅ供辞瓩寮橘未法褐色の少女がキラたちを守るようにして身を挺しているのを。それでも白き闇を抑えきれず、爛好拭璽殴ぅ供辞瓩稜魘發竜‖里呂修里泙涕に飲まれ爆散した。
すぐさま爛淵ぅ船鵐押璽覘瓩キラたちの行く手を守るべく躍り出た。溢れ出した淡い輝きが光の剣を撥ね退け、爛淵ぅ船鵐押璽覘瓩料甲が徐々にひしゃげていき、ついに誘爆を起こし、爛淵ぅ船鵐押璽覘疂粥垢忘佞瓜兇辰拭
 同時に、光の剣が消失する。
 命の輝きが、光の本流に打ち勝ったのだ。
 わずかに苛立った様子を見せた爛ガンティス瓩蓮∈討嗄未力咾飽掬歸な力を宿し、二撃目の準備に入る。
 その力は、正に無限に等しい。
 爛妊絅┘覘瓩鯆匹い垢っていた粒子の雨の何粒かがわずか軌道を変え、キラたちに狙いを定める。
 爛魯ぅ撻螢ン瓩モノフェーズ光波防御シールド爛▲襯潺紂璽譟Ε螢絅潺─璽覘瓩鯀干にし、爛宗璽疋ラミティ瓩十五・七八メートル対艦刀爛轡絅戰襯肇殴戞璽覘瓩鮨神橘未帽修┐襦8の雨がモノフェーズ光波防御シールド爛▲襯潺紂璽譟Ε螢絅潺─璽覘瓩鰺動廚抉り取り、四肢を抉っていく。既に爛ガンティス瓩牢秡阿貿っていた。
 ぐらりと景色が揺らぎ、何も無い空間が割れると爛螢献Д優譽ぅ鉢瓩再び姿を現し、その巨体で襲い来る。
 だが、ここで『運命』に争おうとしているのはキラ達だけではない。
 爛螢献Д優譽ぅ鉢瓩硫に潜り込んだ、両肩が不自然に競り上がった爍唯吋▲好肇譽き瓩忙たモビルスーツが、特徴的な日本刀で爛螢献Д優譽ぅ鉢瓩忙造蠅かり、二機は縺れ合うようにして転がり落ちていく。
 爛ガンティス瓩竜霏腓箆咾ぬらりと動き、爛好肇薀ぅ瓩鯱匹鼎みにしようとしたその時、真横から灼熱に染まった黒い影が体当たりを仕掛けた。
 腕の軌道が僅かに反れ、辛うじて捕縛を回避した爛好肇薀ぅ瓩料甲と爛ガンティス畫囲喇装甲が乱暴に擦れ火花が散る。
 視界の端で、そのまま誘爆していく黒い影――爛譽ぅ澄辞瓩了僂鯊えた。
 ひょっとしたら、一生の友人になれたかもしれないのに……。
 もう、彼と二人でゲームをする事はできない
 それでも、キラは正面を見据え続けた。
 そのまま三機のモビルスーツは加速し続け、爛ガンティス甼刺瑤忙廚だ擇雖爛轡絅戰襯肇殴戞璽覘瓩鯑佑立てた。爛妊好謄ニー瓩諒った光の残り火が爛好肇薀ぅ瓩鯤颪濆む。その輝きに導かれるように、爛ガンティス瓩離灰ピットが僅かに開く。キラはすぐにコクピットハッチを開け、手を伸ばした。
 ――フレイ!
 言葉にはならなかった。だが、彼女の胸元のお守りが輝きを増すと、彼女は瞳に生気を取り戻し、キラの元に手を伸ばす――。
 光に導かれ、彼女が、あと少しで、彼女の手を――
 わずかに指先が触れたその瞬間、彼女の背後にどす黒い闇が浮かび上がり、それは人の形となってフレイの細い足首を乱暴に掴んだ。恐怖に涙を浮かべたフレイの唇が、助けて、と言葉を綴った。
 彼女の手が遠ざかる。闇に彼女が引き込まれていく。
 
 その時、キラの背後から、何かが飛びたった。その赤い鳥のような何かはすぐに光となり、彗星のように煌くと、彼女の背後の闇を祓った。
 キラの肩越しから、知らない少女の手が伸びる。顔までは見えない。そのか細い褐色の指は彼女の手を手繰ると、優しい仕草でキラの手元に引き寄せた。
 確かに感じたフレイの感触。命の温もり。キラはそのまま力任せにフレイを引き寄せ、最愛の人を抱きかかえる。耳元で少女が震え、涙交じりの息を吐く。
 キラが操作するよりも早く、爛宗璽疋ラミティ瓩吠き抱えられた三機のモビルスーツは爛妊好謄ニー瓩了弔蟆个敷いたレールを滑り、淡いオーロラの膜に包まれた爛ーティ・ルー瓩悗汎海れていく。
 キラは見た。
 爛ガンティス瓩僚が、血走った目でキラたちをにらみつけているのを。それは、憎悪の眼差しか。
 それが、決定的な隙となる。
 女がはっと気づき、仰ぎ見たその先――。
 それは、やってきた。
 疾風のごとく。
 閃光のごとく。
 左腕と左足を失った白亜の巨人が、肩のユニコーンのエンブレムを煌かせ、ビームサーベルを構え、爛ガンティス瓩両緤から一気に躍り出る!
 雑音の混じる通信で、白亜の巨人が爛ガンティス瓩妨け、言い放った。
 
 〈遅い!〉
 
 と。
 爛妊絅┘覘瓩突き立てたビームサーベルは、そのまま爛ガンティス瓩鯑部から一直線に両断し、巨神の体は真っ二つに割れた。
 割れた巨神の巨体に溜め込まれたいた光の粒が漏れると、それは止まる事の無い湧き水のように吹き上がった。
 キラには、それが開放された命のともし火なのでは無いかと思えていた。
 同時に爛妊絅┘覘瓩狼‖里慮続Δ鮓かえ、そのまま爆煙を上げながら白き流星として地球の大気圏へと落ち、輝き、やがて消滅した。
 
 
 
 
 
 
 (完)
 
 
 
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