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CCA-Seed_125氏_第24話

Last-modified: 2008-01-09 (水) 20:20:24

マルマラ海

 

ここにあるザフト基地に停泊中のミネルバは先の戦闘で傷ついた船体の修復及び補給作業を行っていた。
あれほどの状況下で帰還できたことさえ驚嘆すべきだが何より特筆すべきは死傷者が0だったことだろう。
タンホイザーのエネルギー充填中に幾らか威力は分散していたとはいえ、これだけの損害ですんだのは僥倖以外の何者でもなかった。

 

そして、今回の戦闘での最大の功労者は……

 
 

「な、なんだこれ?」

 

シンはミネルバ艦内の廊下でなんっともいえない物体を発見した。
ソレはちょうど十字路の中間の位置に鎮座しておりソレのギャップと相成って筆舌に尽くしがたい存在感を醸し出していた。

 

ひと言で言うと…トラップ?

 

バスケットボールがすっぽり入るサイズのザルを斜めに傾け、それを紐で結んだ木の棒で固定し中のエサに獲物がかかると紐を引っ張り生け捕る…というシンも小さい頃に絵本で見たことしかないシロモノだった。
おまけにココは最新鋭の戦艦である。

 

獲物なんかいやしねえし、そもそもこんな見え透いた罠に引っ掛かる奴自体が皆無だろ。
つうか、この罠を仕掛けられること自体が侮辱以外の何者でもないし。

 

「何処のどいつだ、こんなもん仕掛けた奴は…」

 

なんて思いつつザルの中を覗くと、其処には小さめの瓶がポツンと置いてあった。

 

「なんだこれ」

 

さっきと同じことを言いつつソレに手を伸ばそうとした時……

 

「…ちょっと、シン!」
「ん?」

 

小声で呼ばれた気がして顔を上げると通路の曲がり角からルナマリアが顔だけ出してちょいちょいと手招きしていた。
そういえば棒切れから伸びた紐はルナマリアの居る方向へと伸びている。

 

「なんだよ、お前か?こんなの作っ…て、…て」

 

ルナマリアのところまで来たシンは一言もの申そうとしたが其処にもう一人居ることに気が付いた。

 

「…なにやってんすか、アムロさん」

 
 

そう、其処には「俺はいま不機嫌だ」というオーラを立ち昇らせながら、目を瞑って腕を組み壁に凭れ掛かるアムロ・レイが居たのだ。
しかも例の紐は腕組みしているアムロの手から伸びている。

 

「…まさか、あれ」

 

余り考えたくないことだったが、恐る恐る尋ねると…アムロは薄目を開けてシンを見るとこれまた不承不承頷いた。
ガーーーーーン
稲妻が走ったかのようなショックをシンは受けた。
あの『フリーダム』と互角に渡り合ったパイロットが…最新鋭の戦艦の中に…あんな子供だましにもならない様なトラップを……!?
俄かには信じられない事態に固まるシンだがルナマリアの言葉が正気に戻らせた。

 

「ちょっとシン!其処に居ると通路から丸見えでしょっ!はやくこっちに来なさいよ!」
「あ、ああ」

 

そう返すとアムロを挟んで通路の奥に移動する…通路側からルナマリア、アムロ、シンの順である。

 

(おれ、なにやってんだろ?)

 

そう思いつつ横目でアムロをチラッと見ると、どうも少し疲れているようだった。
目の下辺りに薄っすらと隈が出来ている。

 

「そうだ、ねぇシン」
「ん?」
「あのぽんぽこぴー見なかった?」
「……はあ?」
「だ・か・ら、『赤いちんちくりんのぽんぽこぴー』のことよっ!」

 

そう言われて傍と思い浮かべるのは…何故かルナが目の仇にしているあの『赤いペットロボット』のことだろうか。

 

「さぁ、昨日今日はバタバタしてたからな…ソレより説明しろよ」
「…これを見てくれ。ついさっき本部から送られてきた」

 

アムロがポケットからグシャグシャに丸めた一枚の紙をシンに渡す。
其処には…赤いMSの設計図が描かれていた。
しかしこれをMSというには語弊があるだろう。
誰がどう見ても子供のイタズラ書きにしか見えないものだからだ。

 

「は………」

 

一目見たシンのひと言がコレである。
紙の隅にはこう書かれていた・・・・<ゾゴジュアッジュ>と。

 

おまけ
(ハイネVSステラの1コマ)

 

「フッフッフッフ」

 

言うぜ!
この時、この瞬間を待ってたんだ!
これを言わずにナニを言うのかってくらいの決まり文句!!

 

イクぞッ!!!

 

「ザ『グフとは違うのよ、グフとは!!でぇぇぇぇい!!!!』クとは違うのだ、よ・・・・」

 
 

(戦いが終わって)
ズズズゥゥゥゥ
連合の空母の甲板でなんとも豪快な音が響き渡っていた。
誰もが見つめるなか、その音の発生源のぬしは……先ほどからインスタントのヤキソバをかっ喰らっていた。

 

「はぁ…」

 

そう呟くと空になった器を脇に置き三個目に取り掛かる。

 

「全く…何処のどいつだ?ステラに焼きそばなんて喰わせたのはっ!!」
「知らねえよ、前のラクスだかなんだかのコンサートの時に、気付いたら既にパクついてやがったんだ。それ以来クセになったんだと!」
「翌日から焼きそば食いにあの屋台に行くわ、屋台が居なくなったらそこらじゅう探そうとするわ、挙句の果てには空腹の余り崖から落ちてザフトの奴に助けられるときたっ」
「焼きそば食おうとするとグーで殴るしな…」

 

さっきから溢れる悔し涙を焼きそばと一緒に飲み込みつつステラは沈みゆく夕日を見つめる。

 

「あの金髪のヒトの焼きソバ、また、食べたい…」

 

はあ…
脳裏に浮かぶはあの袖まくりが似合いすぎる金髪のヒト…

 
 

少女の願いは近い将来、叶えられることになる…誰にとっても意外なカタチで……。

 
 

(噂の君は)
「…う、く。くくく…」

 

「「なに笑ってるんだい、カガリ?」」

 

「泣いてるんだ、このスットコドッコイッ!!!!」