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CCA-Seed_144◆BAcU0MCeFg氏_04

Last-modified: 2012-08-23 (木) 10:47:59

=第四話、悪魔の贄=

 
 

どこまでも暗い宇宙空間
完全な無重力化で戦うのは初めてだけど、やるしかない
反応は…アークエンジェルの後方から三機
全部、奪われたMSだ

 

「やらなくちゃ…アークエンジェルが!」

 

バーニアを噴かし、三機に向かってまっすぐ飛んで行く
けど、三機はすぐに散開して、デュエルだけこっちに向かってきて
残りの二機は…アークエンジェルに向かってる!
追いかけようとデュエルに背中を向けると、警告音…ロックされた!
慌てて旋回すると、ビームがすぐ傍を薙いで行った

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 
 

「ディアッカとニコルは船を!俺はMSをやる!」

 

アスランが仕留め損ね、それどころか一方的にやられたMS…あれさえやれば、俺の方が奴より優れていることを証明できる

 

「わかりました!」
「えぇ!?」

 

二コルはすぐに了承してくれるが、ディアッカは不満を顕にする
普段は良い奴だが、今は邪魔だ
支援抜きの、独力で倒さなければ意味が無い

 

「文句は無しだディアッカ、でかい獲物だろ?」

 

そう一方的に告げたら通信を切って、俺一人で奴に…ストライクに向かう
だが、奴は俺に相対せず、背を向けて二コルの方を追おうとする

 

「ふざけるな!」

 

俺は眼中に無いとでも言うのか!
激昂し、ライフルの照準を合わせて撃つ
だが、ストライクはあっさりとそれをかわした

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 
 

発進と同時に索敵を行う
邪気は…艦の後方からか!
即座にそれをレーダーに反映すると、体が反転
迫り来る三機のMS…全て、Gだ
イージスの時はまさかと思ったが…どうやら、ザフトは本気で新型が要らないらしいな
それとも、現場の独断か?

 

何にせよ…出てきたのならば、逃がしはしない!
だが三機は散開し、向かってくるのは一機のみ
ならばこいつから、と思ったが、キラはアークエンジェルを優先したらしい
敵に対し、背を向けてしまう
当然、撃ってくるがやはり狙いのつけ方が素直すぎる
容易く回避できた

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「くっ…」

 

バーニアを全開にしても、振り切れない…
こんなことをしている内に、アークエンジェルが!
何発目になるか分からないビームをよけた後、振り返る
照準用のモニターを覗き、狙って…撃つ
けど、一発目は避けられて
何発も撃つけど、避けられ、盾で防がれ…一発も機体に当たらない

 

「くそっ!くそっ!!」

 

焦ってると狙いがぶれて
やっぱり当てられずに、エネルギーだけがどんどん無くなっていった

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「ちょこまかと!逃げの一手かよ!」

 

狙っているというのに、一発も直撃しない
全部かわされるか、防がれる
そして、奴は未だに反撃するどころか、こっちを見もしない

 

「このっ!」

 

何発目だろうか
エネルギーが七割を切ったところで、ようやくストライクはこっちを向いた
そして、ライフルを連射
正確に、一瞬前まで居たポイントを撃ってくる
だが!動いていれば、当たらん!
さらに、だんだん狙いがぶれてきて、動かなくても当たらなくなってきた
とはいえ、こちらもこれ以上ライフルを使えばエネルギーがもたない

 

「そんな戦い方でぇ!」

 

ビームサーベルに持ち替え
当たりそうなビームのみシールドで防ぎながら、接近する

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

まずいな…
焦っているのだろう、だんだん狙いの付け方が雑になっている
こんな撃ち方じゃ当てることはもちろん、掠りもしない
案の定、エネルギーと時間だけが無駄に使われていく
アークエンジェルは…まだ持ちこたえてるな
だが、このままではこちらが…

 

「当たれぇ!」

 

敵はサーベルに持ち替えたというのに、キラはまだライフルを撃ちまくる
見る見る減っていくエネルギー…今のうちに、ストライカーパックと本体のバッテリーを切り離しておく
これで、もしストライカーパックのエネルギーが切れても短時間なら戦える
出来ればそんな事態にはなってほしくは無いが…このままだと、確実になるだろう

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「当たれ、当たれぇ!」

 

もう何発目だろう
ガンダムのエネルギーは半分を切って、もう5発も撃てば無くなってしまう
焦ってるうちに、デュエルが迫ってきて
ビームサーベルを振り下ろしてくる
シールドをビームサーベルの柄に当てて、何とか逸らす
まともに受けたらシールドなんか簡単に切り裂かれちゃうし、ビームサーベルで受け止めることも出来ない
だから、受け流してまたビームライフルを撃って…それもやっぱり当たらなくて
とうとう、エネルギーが切れ
そして…ガンダムが、勝手に動き出した

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 
 

ビームを避け、あるいはシールドで受けること十数度

 

とうとう、奴はエネルギーを切らしたらしい…装甲が灰色に戻る

 

「もらったぁ!!」

 

もう奴はビーム兵器が使えん
ならば、こっちのフェイズシフト装甲を破る術は無い
勝利を確信し、ビームサーベルの切っ先をコックピットに向けて
奴がライフルを捨て、サーベルを手に取るのが見えるが、本来とは比べ物にならない、小さな小さな光刃だった
リーチで勝ってる以上、恐れることは無い
バーニアを噴かし、突撃する
だが…その一撃で、確かに貫いたはずだったのに
宙を舞っていたのは、サーベルを握る…デュエルの右手だった

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 
 

ストライカーパックのエネルギーが切れることで、ストライクのフェイズシフト装甲が消える
同時に、緊急時と判断され…ぼくにコントロールが回ってくる
即座にストライク本体のバッテリーに切り替えるが、フェイズシフト装甲はあえて起動しない
ビーム兵器が使えなくなったと思わせたほうが、隙を狙いやすいからだ
ライフルを捨て、サーベルを握り、起動
これも、あえて最低出力で行う
そして、突っ込んでくるデュエルのサーベルを僅かに右にかわしながら、右肘を最大出力のサーベルで斬り捨てる
νのサーベルに使われていた、アイドリング機能と同じ要領だ
このサーベル自体にはそんな機能は無いから、実質マニュアル操作だが
ほんの僅かな間だが、デュエルが硬直する
何が起きたか、わからないんだろう
その隙を見逃さず、返す刃で左肩を斬りおとす
そこでようやく我に返ったか、慌てて後退しようとする
が、シールドをボディに叩きつけ、離脱を阻みながら手放し
腰からナイフを取り…デュエルの目、頭部のデュアルカメラ…そして、メインカメラも破壊する
これで、もうまともに戦闘は行えない
ダメ押しに、バックパックと機体各部のバーニアをサーベルで破壊しておく
本当は、コックピットをやるのが手っ取り早いんだが…元々奪われた機体だ、出来る限り鹵獲するべきだろう

 

完全に戦闘不能に追い込んだのを確認してから、アークエンジェルの援護に向かう

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

ガンダムは、圧倒的だった
僕が操縦してるときとは、まるで違う…さっきまで苦戦してたデュエルが、あっという間に片付けられて
それも、相手を殺さないように、コックピットを外して
とどめも刺そうとはせず、ビームライフルとシールドを拾って向かう先は…アークエンジェルに砲撃を行ってる、バスター
ビームライフルの銃口がバスターに向けられるけど、ロックオンはしない
そのまま、立て続けに二発
一発目は気付かれてかわされるけど、二発目が左腕ごとバスターの銃を破壊する
それを確認する間もなく、急加速
強いGが僕の体にかかって…そこから先は、覚えてない

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 
 

「馬鹿な…」

 

ぽつり、と漏らす
有り得ん…さっきまで、ほんの数分前まで押してたのは自分だったはずだ
だというのに…この有様は何だ?
デュエルは破壊され、自分で動くこともままならん
頭部もこっぴどくやられ、メインモニターは死んだも同然
さらに、エネルギーも斬りおとされた部分から放電し、どんどん減っていっている
辛うじてフェイズシフト装甲は機能しているが、切れるのも時間の問題
さらに、奴は…

 

「おのれ…ストライクめぇ…」

 

目の前のモニターに、感情に任せて拳を叩きつける
モニターに皹が入り、俺の拳から血が滴る…こんなものじゃ、俺の気は治まらん
俺に止めを刺さずに行っただと?
俺など眼中に無いと、止めを刺す価値も無いと言われたようで…怒りが一向に治まらなかった

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

それに気付けたのは、偶然だった
ロックされたことを知らせる、警告音も無しで飛来したビーム
イザークの様子が気になって、そっちに意識をやったのが幸いした
だが、かわした直後に来た二発目には気付けなかった
左腕ごと、ビームライフルを持っていかれる

 

「やってくれるじゃないか!」

 

だが、まだ右腕がある
散弾を喰らわせてやろうと、照準を合わせて撃つ
だが、さっきまで灰色だった装甲は着弾寸前にトリコロールカラーに染まっている

 

「エネルギー切れじゃなかったのかよ!?」

 

愚痴っても、止まってくれるわけじゃない
後退しながらガンランチャーを撃つが、フェイズシフト装甲相手じゃ有効打にならない
両肩のミサイルポッドを開き、時間稼ぎをしようとするが、ストライクの投げた物によって阻まれる
バスターの両肩、正確には今まさに放たれようとしたミサイルに突き立ったもの…それは、ナイフだった
それにより誘爆させられ、フェイズシフトのおかげで機体が吹っ飛びはしないがどこか歪んじまったらしい
腕が動かせない

 

「嘘だろ、ナチュラルごときに俺まで…」

 

モニターに映った最後の映像は、爆発の赤い光を受けて、まるで返り血を浴びたように赤に染まるストライクの姿だった

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

弾幕をかわしながら、僕は戦艦に何度も攻撃を仕掛ける
レーザーライフルも、ランサーダートも、決定打には至らない
だけど、今以上に接近したら落とされるかも知れない
イザークは生きてるけど、戦えないみたいで、レーダーの位置がさっきから変わってない
ディアッカはストライクと交戦中…なんとしても、僕が落とさないと
覚悟を決めて艦橋に特攻しようとしたとき、ディアッカの動きも止まり、ヴェサリウスが被弾したって言う報を受ける
そして、背後から急速に迫ってくる機体…ストライク

 

「う、うわぁぁぁあ!」

 

それを目にすると、恐怖が止め処なく溢れてくる

 

イザークもディアッカも、僕よりアカデミーでの成績は良かった
その二人が立て続けにやられて、しかも僕の前方には戦艦も健在で

 

「これ以上粘っても、落とすのは無理です…撤退します!」

 

聞こえてるか分からないけど、ヴェサリウスに通信をつなげ、その場から撤退した

 

「必ず…必ず、後で助けに来ます…」

 

イザークとディアッカに、そう通信を残して

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

撤退するブリッツを確認し、ようやく一息つき、フェイズシフト装甲を解除する
エネルギー残量は、もう皆無に等しい
補助電力とあわせても、せいぜいライフル一発分だろう
アークエンジェルは…細かなダメージはあるが、無事みたいだ
そちらに軌道を取り、指示通りに着艦する
キラは…まだ目覚めていない
エールストライカーの、最大加速で飛び回ったんだ
Gで潰れてしまってもおかしくはなかったが、流石はコーディネーターと言うべきか
気絶して、泡を吹く程度で済んでいる
もう暫く、寝かせておいても良いだろう
何よりぼくも…疲れた…
疲労を感じたりしないはずだが…無性に…眠い…
そうして、ぼくの意識は闇に解けていった
後で気付いたことだが、ぼくの意識はストライクのエネルギー残量と密接に関わっているらしい
エネルギーが空になったとき、ぼくの本体とも言えるユニットも機能を停止してしまうようだ
幸い、エネルギーが再供給されれば目覚めることが出来るが

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「素晴らしい…」

 

大西洋連邦主導で行われていた、G計画
計画の存在は聞いていたが、まさかあれほどの戦闘能力を有しているとは!
あれさえ本国に持ち帰れれば、さらなる昇進も夢ではない…そう、こんな宇宙要塞の司令官の座など、大した価値はない
なんとしても手に入れたい
そう…幸い、例の艦もMSも、まだ連合の識別コードには登録されていない
如何様にも出来る、ここに引き込んでしまえれば
そう思うと、笑いが止まらなかった

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
次回、『とも』との誓いのために
欲深き魔手から、逃げ延びろ、ガンダム!

 
 

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