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CCA-Seed_224 ◆pIB8vox7Ug氏_第02話

Last-modified: 2007-11-10 (土) 18:57:15

二人がMSデッキにたどり着いた時、そこでは整備班の長コジロー・マードック曹長が回収されたMSに取り付いていた

「下手にバラして無いでしょうねマードック曹長?」
「こりゃ艦長代理に副長、こっちはまだ開けて見てただけです、坊主がデータの吸出しを始めてますがそっちはかまわんので?」
「ええ、私が頼んだの、フラガ大尉はもう来てる?」
「あっちで坊主が吸い出した戦闘記録をチェックしておられます」

デッキの片隅にあるディスプレイの前でムウ・ラ・フラガ大尉がそれを食い入るように見つめている

「よっ、お二人さん、悪いが先に始めさせてもらってる」

声を掛ける前に振り返りもせずにそう言った、食い入るように見つめるディスプレイの中で
大きな赤い塊と小さないくつかの白い塊が激しく動き回っている、マリューの目にはその様にしか映らなかった

「どうですか大尉?」
「どうもこうも無いね、この白いのや赤いのが敵だって言うならオレは尻尾巻いて逃げるよ、巻いてる暇も無さそうだけどな」
「大尉の腕で対抗は可能ですか?」

ナタルの質問にフラガ大尉はディスプレイからまったく眼を逸らさずにに答えた

「かんべんしてくれ、こんなのと比較されたんじゃたまらん、『エンデュミオンの鷹』なんて雀に改名したくなっちまう」
「すみませんマリュー大尉、データベースらしいソースを見つけたので先に落としたんですけど…」

後ろから控えめに話しかけたキラ・ヤマトはマリューに持っていたディスクを差し出した

「ありがとうキラ君、ナタル、コピーを取ったら大雑把でいいから目を通しておいて、残りは?」
「まだ落としてる最中です、なんとか規格の合う端子があったんですけど古いものなので、あまり軽くなくて」
「分かったわ、もうやることが無いなら休憩してね、アルテミスに着いたらまた忙しくなると思うし…」

マリューは受け取ったディスクをナタルに渡してすまなそうに言った

「はい、それじゃあフレイのお見舞いに行ってから休ませてもらいます」

破損した救命ポッドから助け出された時気を失っていた彼女の意識はいまだに回復していない

「あ、今はちょっと待ってくれる?レイ大尉の事でまだ落ち着いてないから…」
「あの機体のパイロットの人ですよね、レイ大尉って」
「ごめんなさいね、いまのところ接触は最低限に抑えておきたいの、私が見ておくから」
「そうですか…、分かりましたお願いします」
「本当にごめんなさい、後分かっているとは思うけどこの事は…」

言いよどんだ言葉にうなづくとキラはMSデッキを後にした
キラが出て行くと内線の呼び出しが鳴った、ナタルが取る

「ラミアス大尉、医務室からブリッジに伝言、患者が目を覚ましたと」
「すぐ行くって伝えて」

(…ど…こ…だろう此処は…ララア…、いない…いや、あんなに遠くに…)
(…遠い…僕は…、なんと遠くまで来てしまったのだろう…)
(…こんなに遠いところでも、…人の営みがある…争いも…)

唐突にアムロは覚醒した

「気付かれましたか…しばらくは問題は無いようですね、少しお待ちください艦の責任者が参りますので」

そばに付いていた医務官らしい女性が簡単に診察するとそういって部屋を出て行く
ベットに横になったままあたりを見回す、軍用航宙艦の医務室らしい

「あの世でも夢でも無さそうだな、それにしても…」

今は確かにララアを感じられない、自分がかつていた場所からかけ離れたところに居るのが分かる
さっきは辛うじて感じられたララアの気配を求め集中しようとすると誰かがやってきた

「地球連邦新興外郭部隊、ロンド・ベル所属アムロ・レイ大尉、ですね」
「そうだが、君は…?」
「技術大尉のマリュー・ラミアスと申します、事情をお伺いしたくて、ところで体調のほうは?」
「良くも無いが悪くも無いよ、質問には答えられると思う、ところで…」
「地球なら無事ですわ」
「そうか…、良かった」

最後につぶやいた一言にどれだけの思いが込められているのかはマリューにも分った
目の前に居るこの人物はここでは無いとはいえ地球を救おうと戦った男なのだ
MSそのものとそこからの情報でおそらく、とは思っていたが
この男の呟きを聞いて確信を持った、別の歴史をたどった別の地球が存在しているのだと
アムロは自らの思いに沈んでしまったマリューに気遣わしげに話しかけた

「ラミアス大尉…、優しい嘘をありがとう」
「な、何を仰るんです!」
「なんとなく分るよ、それじゃあ、君の所属を言ってみてくれないか?この艦についてでもいい」

状況を把握される前に少しでも情報を引き出したかったのだが歴戦といっていいこの大尉には通用しなかったようだ

「僕の存在が君達の間でどのように扱われるのかは…、まあ大体想像はつくけれ…っクッ」
「大尉!」

突如アムロを刺すような頭痛が襲った、無意識に受け止めた無数の感情が脳裏に吹き荒れる

(ニュータイプとしての感受性が無制限に拡大している!何故だ?くそっ処理しきれないオーバーフロー

感情の奔流の中、マリュー達の為に役に立ちそうな情報を拾い上げる

「しっかりしてください!」
「いいかい…ラミアス大尉、…君達を…追いかけるもの…と行く手に待ち受けるもの」
「喋らないでください!医務官!早く」
「…悪意が二つ…感じ…られる…気をつけて行くんだ…」