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CCA-Seed_373 ◆lnWmmDoCR.氏_第01話

Last-modified: 2008-06-17 (火) 22:24:47

地球に向かうアクシズ…それを無謀にもMSで押し返そうとしている男がいる。
名はアムロ・レイ。UC最強とうたわれるNT。彼のもうひとつの物語…

 
 

UC0093、第二次ネオジオン抗争。
シャアの動乱と呼ばれる戦争も、アクシズを地球に落とすのみとなっていた。
そのアクシズの表面に張り付くMSと脱出ポッド。

 

「そうか…クェスは父親を求めていたのか…だが私はそれを
迷惑に感じてクェスをマシーンにしたんだな」

 

「貴様ほどの男がなんて器量の小さい!」

 

「ララァ・スンは私の母になってくれるかも知れなかった女性だ!!
そのララァを殺したおまえに言えたことか!!」

 

「…お母さん?ララァが?うわっ!!」

 

青い光に包まれたアムロは意識を失った…
どれほどの時間がたったろうか。静かに宙に漂うνガンダム。
アムロは意識をゆっくり取り戻した。
はっきりしない意識の中、今までのことを徐々に思い出しはっと目を開く。
コックピットを通して正面に地球が見えた。アクシズが落ちた様子は無い。
ほっと胸を撫で下ろしたところでサザビーの脱出ポッドのことを思い出し、ガンダムの右手を見る。
何もつかんでいない右のマニュピレーター。

 

「シャア…」

 

 つぶやいた瞬間、アラームが鳴り響く。反射的に後ろを振り向くとまだまだ距離があるが
肉眼で確認できるほどの巨大な物体が地球に向かって進行していた。

 

「アクシズの破片!?落とすわけにはいかないっ!」

 

 アムロはνガンダムを、巨大な落下物に向けた。
近づくにつれ、落下物の近くで戦闘をしていると思われる光が確認できる。

 

(なんだ?戦闘している?ロンド・ベルか?)

 

そう思ったがさらに近づいた時、アムロの目には信じられない光景が飛び込んできた。

 
 

「あれは…ギラ・ドーガ?いや、ザクか!?もう一機は見たことも無い機体だ…」

 

モノアイの黒いMSと一年戦争時にジオンの主力であったザクに良く似たMSが戦闘している。
ザク風のMSは落下物の地表に埋め込もうとしている何かを守っているようにみえる。
黒いMSの斬機刀に一機のザクが両断された瞬間、かすかにだが通信が聞こえた。

 

「メテ…オ…ブレイカー…を…」

 

 そこまで聞こえたところでザクが爆散した。戦争に散る命。何かを守ろうとして散る命。
戦場にいる実感がアムロを包み何をすべきかを理解させる。

 

「メテオブレイカー?そうか…中から爆破しようというのか。ならば!」

 

援護すべき側は解った。どうすべきかも。
アムロはスラスターを全開にし、黒いMSに接近しながらνガンダムの戦闘プログラムを立ち上げた。
即座に各部マイクロ、サブスラスターの機動チェックが終わりあたかも目に力が入ったかのように
デュアルアイが一瞬激しく光った。が、サザビーとの戦闘で携帯火器の全てをなくしたため
コンソールにはそれぞれの携帯火器装備場所にエンプティランプが付く。
残っているのは90mmバルカンのみだった。

 

「何か方法はあるはずだ…」

 

アムロは考えをめぐらせた。

 

黒いMS、ジンハイマニューバ2型(以降ジン)はメテオブレイカーの支柱に切りかかろうとしていたため
接近するνガンダムにぎりぎりまで気づかなかった。
推力を生かした蹴りが入りジンは地表を滑る。慌てて立ち上がり右手に装備している斬機刀で
νガンダムに斬りかかった。

 

「あまいっ」

 

軽々と左手で手首あたりをつかまれた。さらにもう片方の手もつかまれ動けなくなったところに
容赦なくメインカメラから胴体のコックピットまで流れるようにバルカンが打ち込まれ
力なく両膝をついて停止、爆発した。
爆炎の中たたずむν。その姿はまさに”白い悪魔”だった。

 
 

アムロはジンが爆発する際に飛ばされた斬機刀を拾い、次の熱源反応を探す。
識別信号は出ているがUNKNOWNとしか表示されていない。
考えても仕方ないが、考える時間も無い。とりあえず一番近い反応に向かうことにした。

 

 そこには先ほど撃墜した物と同じMSが2体、すでに2機のザクとメテオブレイカーを破壊したところだった。
ジンたちはνガンダムに気づき、しばらくの間(ま)の後1体はその場を離れもう1体はνガンダムに向け
ビームカービンを向けた。どうやら足止めするつもりらしいがあまりかまっている時間も無い。
かといってさすがにシールドも持たずに突っ込んでいくわけにはいかない。
右手にもった斬機刀をだらりと構え相手の出方を待つ。その刹那、ジンはビームカービンをνの足元に打った。
砂が舞い視界が無くなる。

 

「ちぃっ、めくらましかっ」

 

一瞬アムロは視界が無くなった事でたじろいでしまった。
ジンのパイロットはその一瞬を見逃さず接近、ビームカービンを投げ捨て
両腕で斬機刀を振りかぶった。

 

(終わりだ!!)

 

 そう思ったジンのパイロットは次の瞬間にはコックピットごと串刺しにになっていた。
斬機刀が振り下ろされるそのとき、殺気を敏感に感じ取ったアムロはνを半歩だけ後ろに下げ、半身
の状態でかわすとそのまま両腕を切断、すぐさま胴体を突きコックピットを貫いた。
見えないはずの攻撃を避けられた事を信じられないままジンのパイロットは絶命した。
少し悲しい顔をしたのは気のせいだろうか。
アムロは次の熱源反応へ向かった。

 

見知らぬ世界、そこでも男は戦いに身を投じる。
所詮NTは戦いの道具でしかないのか。
その答えも出せぬままただひたすら突き進む。