Top > CCA-Seed_373 ◆lnWmmDoCR.氏_第07話
HTML convert time to 0.003 sec.


CCA-Seed_373 ◆lnWmmDoCR.氏_第07話

Last-modified: 2008-06-17 (火) 22:39:52

アムロは夢を見ていた。いや、夢と現実の区別がつかない。
その夢の中、アムロはある人物に出会う。

 

「おまえがなぜここにいる、シャア!」

 

「君を笑いに来た。」

 

「なんだと?いつも貴様はそうやって人を見下して!」

 

「そうさ。私は貴様を見下している。愚民どもに利用されるだけの貴様をな。」

 

「なんだと?」

 

「悔しいか?アムロ。貴様は自分で何も決めようとはしないただの臆病者だ!
なにが人の革新を待つ?なにが絶望していない?それはただの言い訳だ!
実際この世界でも言ってるのだろう?”ほかに選ぶ道は無い”と。」

 

「っ…おまえに言われるような事ではない!!」

 

「ははは…せいぜい人に利用され死んでいくがいい。悔しかったら何か自分で決断する事だな!」

 

そういうとシャアの姿は闇に消えた。

 

「待て!!シャア!!」

 

と叫ぶとそこはホテルのベッドだった。シャワーを浴び、着替えを済ませると部屋のチャイムが鳴った。

 
 

「おはようございます。アレックスです。」
「開いている…」

 

と言うとアレックスが一礼しながら入ってきた。

 

「議長から聞きました。ザフトに入られるそうですね。」
「ああ。それ以外にやるべき事、やらねばいけない事が分からないからな。」

 

と言ったところで今朝みた夢を思い出してしまった。

 

「それで、君は何しに来たんだ?」

 

と、無愛想に聞いた。よく見るとアレックスはミネルヴァでシンが着ていた物と同じ赤い服を着ている。

 

「ええと…実は俺もザフトに戻ることになったんで、議長に一緒に来るようにと言われましたので。」
「君もザフトに?いや戻るといったな?君はオーブの人間だろう?」
「…オーブへは亡命していたんです。俺の本当の名は”アスラン・ザラ”と言います。隠していてすいません。
二年前の大戦時俺はザフトにいました。」
「そうだったのか…分かった。議長の所へ行こう。」

 

というと後の詳しい事情は何も聞かず、議長が待っていると言う工場区へと向かった。
人は大なり小なり事情がある。アムロはそれを逐一聞かなければ気がすまないほど子供じゃなかった。
工場区の中でも特にセキュリティが厳しい地区に議長は待っていた。

 
 

「待っていたよ、さぁこっちだ。」

 

更に奥へ進むよう促された。しばらく進むと真っ暗な部屋へと着く。

 

「待っていてくれ。今明かりをつける」

 

と議長が言うとすぐに明かりが付き目の前に2体のMSがそびえ立っていた。

 

「これは…同型機?」

 

思わずアスランが口に出す。

 

「左側がZGMF−X23Sセイバー、そして右側がZGMF−YX21Rプロトセイバー。その名の通りセイバーのプロトタイプだ。
もともとセイバーはアスラン君に渡すつもりだったんだが、アムロ君の分をどうしようと思ってね。半分解体が終わっていた試験機を急いでまた組み上げてもらったんだよ。」

 

と議長が説明する。

 

「詳しい話は専属のメカニックに聞いてくれ。」

 

と言うと議長はその場から去っていった。

 

アムロはプロトセイバーの足元に立っているメカニックマンに資料をもらいながら聞いた。

 

「セイバーのプロトタイプと聞いたが実際にはどう違うんだ?そんなに見てくれは変わらないようだが…」
「そうですね。本体自体は殆ど一緒です。ただプロトセイバーはもともとセイバーの変形機構のテスト機だったので、
固定武装はビームサーベルしか付いておらず、ビームライフルもセイバーの予備を用意したに過ぎません。」

 

確かによくよく見比べるとセイバーは背中にプラズマ砲をマウントしているがプロトセイバーは大型の可動翼がついているのみだった。

 

スペック表を見るとひときわ目を引いたのが”MS形態での大気圏内飛行可能”というものだった。メカニックに確認すると

 

「そんなに珍しいですか?」

 

と聞かれた。UCにはMSの歴史20年近くでも数えるのも難しいくらいの飛行可能MSがこの世界では常識となっているらしい。
スペック表を確認しているところにメカニックが話し掛けてきた。

 

「VPS装甲の電圧値はどうします?」

 

「なんだ?そのVPS装甲とは?」

 

と聞くとメカニックは詳しく教えてくれた。要は使用する電圧値を上げれば実態弾に対する耐弾性が増す、と言う事らしい。

 

「そんなものあたらなければどうと言うこともないだろう。必要最小限に抑えといてくれ。」

 

と言うとメカニックは

 

「分かりました。三分で設定します。」

 

と言って端末を操作し始める。設定が終わったと聞くとアムロはアスランのほうを見た。
アスランもアムロのほうを見て力強くうなずく。アムロも頷くとプロトセイバーのコックピットに座る。
メインスイッチを入れるとOSが立ち上がり、VPS装甲が鮮やかな白に染まる、と思ったが胸部、可動翼の一部、
つま先やかかとの部分が逆に濃紺に染まる。下を見るとメカニックが得意げににこにこして手を振っている。
奴なりのサービスらしい。アムロはふっと笑うと、表情を引き締め、先に発進したセイバーに続き、

 

「アムロ・レイ、プロトセイバー、行きます!!」

 

とコールするとスラスターを全開にした。