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CCA-Seed_373 ◆lnWmmDoCR.氏_第12話

Last-modified: 2008-06-17 (火) 22:59:14

黒海沿岸都市ディオキア。ミネルヴァはマハムールを出た後この都市にたどり着いた。

 

きれいな海に囲まれた都市。修理と補給の間しばしの間ここに留まる事になった。
アムロはMSデッキでプロトセイバーの微調整を行っていた。するとルナマリアがアムロを呼ぶ。

 

「隊長〜!ちょっとよろしいでしょうか〜!」

 

無言でコックピットから顔を出すアムロ。ルナマリアは続ける。

 

「この街にデュランダル議長がお見えになっています〜!ちょっとおこし頂いてよろしいでしょうか〜!」
「わかった!すぐ行く!」

 

と返事をすると、コックピットから降りてきた。ルナマリアとミネルヴァを降りるとシン、アスランも待っていてくれた。

 

「議長がなぜここに?」

 

と歩きながら聞くとアスランが答える。

 

「地上の視察と慰問だそうです。我々と話をされたいとおっしゃているそうで…。」

 

会話の横を兵士がうれしそうな顔をして走っていく。何かと思いその先を見るとライブステージが見えた。
そこにはピンクの髪をしたアイドル風の女の子が立っている。

 

「勇敢なるザフト軍兵士のみなさ〜ん!平和のために本当にありがとう!一日も早く戦争が終わることを私も切に願ってやみませ〜ん!」

 

ルナマリアが驚きながら言う。

 

「ええっ?ラクス様!?」

 
 

「誰だ?」

 

と聞くとルナマリアが説明してくれた。

 

「プラントの歌姫で、前大戦の時には自ら立ち上がり停戦に向けて尽力されていた方なんです。しばらく消息不明だったんですが最近またプラントで活動を再開されたみたいだったんですけど…」

 

続けてルナマリアはアスランに聞いた。

 

「ご存じなかったんですか?いらっしゃること。」

 

シンとルナマリアがアスランをじっと見る。無言のアスラン。その様子を見てまたアムロが聞いた。

 

「アスランと知り合いなのか?」

 

「それが婚約者なんですよ〜!アスランさんとラクス様!」

 

とルナマリアが答えた。

 

「なに!?婚約者?」

 

アムロは予想だにしなかった答えに驚いてしまう。
ルナマリアはなぜかニヤニヤしながらうれしそうな顔をしている。なぜ女はこんなにワイドショーネタが好きなのだろうか。
アムロはもう一度ラクスを見た。

 

(なかなかチャーミングだな…)

 

アムロは素直にそう思う。少しの間ラクスのライブを見た一行は会談の場へと向かった。

 
 

すでに議長、グラディス艦長、レイは先に到着している。こちらに気付いた議長が声をかけてきた。

 

「やあ、アスラン、アムロ君、久しぶりだね。それから君達は…」

 

「はっ。シン・アスカであります。」
「ルナマリア・ホークです。」

 

敬礼しながら名乗る。

 

「そうか…君がシン・アスカ…君の功績は聞いているよ。叙勲の申請も来ていたね。おめでとう。さ、かけてくれたまえ。」

 

促されて椅子に腰掛けた。デュランダルはコーヒーを少しすすってから話を始める。インパルスの活躍を聞いているようでシンに対しねぎらいの言葉をかける。

 

「インパルス…先日の作戦でも活躍したそうだね。アーモリーワンが初陣だったと言うのにたいしたものだ。」
「いえ、あれは隊長たちの作戦が良かったんですよ。それに現地住民の協力も大きく俺、いや自分はそれに従っただけですから。それに毎日隊長にしごかれてますから。」
「そうか。アムロ君にミネルヴァ隊を任せたのはいい結果をもたらしているようだね。この街が開放されこうやって私たちが滞在できるのも君たちの活躍のおかげだよ。」

 

そこにタリアが会話に入った。

 

「ありがとうございます…しかし停戦、終戦に向けての動きはないのですか?」

 

議長は少しため息をついて話を続ける。

 

「残念ながら連合側は何一つ譲歩しようとしない…これではどうにも出来んよ…戦いを終わらせる、戦わないと決めるのは戦うと決断するよりもはるかに難しいものさ…」

 

シンがそれに対し発言する。

 

「でも…戦わないと思うのは大事なことかもしれません。しかし敵の脅威があるときは、何か守るべきものが危険にさらされた時には力を使うのはいた仕方ないことではないでしょうか。」

 

いままで黙っていたアスランが口を開いた。

 

「だが、そうやって殺されたから殺して、殺したから殺されて、その繰り返しで最後は平和になるのか?と言われたことがあります。シンが言うことはおそらく正しい。自分が復隊した理由の一つでもあります。…しかしそれが本当に正しいかどうか私はまだ分かっていません」

 

「ふむ…アムロ君はどう思うかね?」

 

「そうですね…私は戦いを無くすには人類はまずお互いを知る努力をするべきだと思います。それはとても時間がかかる事かもしれない。しかし今みたいに相手のことを知ろうともせず、ただただ戦争を繰り返すのはあまり好ましくない。コーディネータにとってもナチュラルにとっても…。力を持つなとか力が要らないとか言うわけではない。
ただ相手がそういった力を持っている、使うかもしれないと言ったことも含めて理解しようとすることが第一だと思います。甘ったれたことを言っていると思われるでしょうが、私はいつか人類が持つ知恵によって乗り越えられると信じています…。」
「…貴重な意見だな…しかしその知ろうとする行為をも妨げるものの存在があるのも確かだ。君たちは知っているかね?”ロゴス”と言う団体を。戦争で生み出される兵器、これを産業として捕らえるとこれほど効率がいいものは無い。彼らは自分たちの利益のために戦争を歴史の影で操ってきた。『あいつらは敵だ、戦うしかない』と。
私はこれをどうにかしようと思っているのだがね…」

 

議長はそう言って軽くコーヒーを口に含んだ。会談が終わりアムロはホテルの自室へと入った。軽く書類を片付けると先ほどの会談のことを思い出しながらベッドに入る。
戦いのなかで分かり合うことが出来たララァ、戦いでしかお互いを認めることが出来なかったシャア。その存在が頭をよぎる中静かに眠りへと落ちていった。