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CCA-Seed_373 ◆lnWmmDoCR.氏_第29話

Last-modified: 2008-06-18 (水) 00:09:04

海上を移動中に敵MSも展開したようで基地より飛来するミサイル郡にビームによる
射撃も混じるようになった。アムロはバルカンでミサイルを迎撃しつつ、レイに回避の支持を出そうとするが考えが読まれているかのように回避行動をとるレイ。

 

「やるな、レイ。」

 

言う前に行動されたことから少し心地いい悔しさを感じながらアムロはつぶやく。
シン、アスランも自分たちが回避するだけでなく後方の艦隊へ被害を及ぼしそうな砲撃は事前に迎撃している。空中戦に不慣れなルナマリアでも艦隊へのフォローはできなくとも被弾するような動きではない。
いつの間にか安心して見ていられる部下たちに頼もしさを感じる。だからこそこの部下たちを死なせるわけにはいかない。ヘブンズベースはもう視認できる位置にまで近づいていた。

 

「よし…レイ、俺は降りる。みんな、空(うえ)は任せるぞ。」
「了解!」

 

シン達は気合十分で返事すると、分散して敵MSを確認した。レーダーにはマーカーが数を識別出来ないくらいに敵機がひしめいておりその種類も多種多様である。
地上にはストライクダガーが少数、そして多数のダガーL、その殆どがドッペンホルンにて長距離迎撃を行っている。
空にはウィンダム、制式使用レイダー、海からはフォビドゥンヴォーテクスが顔を出しては艦にフォノンメーザー砲を放つ。
海面すれすれにはザムザザー、それに見たこともないMAもいるのが確認できる。ザフト側がMSを本格的に展開すればさらに迎撃部隊も出てくるだろう。
工廠もかねているヘブンズベースの特性をフルに活かした戦略にシン達はこれまでに無い厳しい戦いになることを否が応でも思い知らされた。

 

 アムロはνガンダムをねらい撃ちされないように小刻みに動かしつつダガーを次々と屠って行く。
地表に脚部が設置すると勢いで少しすべったが体制を立て直し、周りを見渡す様に頭部が動く。
 すぐさま人間で言うふくらはぎと足の裏に設置されているスラスターが点火し機体を地表より浮かすとバックパックのバーニアに火が灯り一気に沿岸に展開したダガー部隊に近づいた。
アクロバティックに動きながら速射モードにしたビームライフルを命中させていく。苦し紛れに放たれたドッペンホルンを高度を取ることでかわすと、そのままダガーの脳天からビームを食らわせた。
小回りが利かないため次々に落とされていくダガー、コックピット内にザフト側の第二陣も発進したことを告げるアナウンスが響く。ミネルヴァより同様の内容の通信を聞いたアムロはそれまでに少しでも露払いをしなくては、と次々にダガーをロックオンしていく。

 

「的は普通の機体よりでかいんだぞ!なぜあたらない!!」

 

各部のスラスターを駆使して的を絞らせないνガンダムに対しダガー部隊は混乱を隠せない。

 

「くそっ、でかいくせにはええ!何だ、あの動きは!ちょこまかとっ…うああああっ!!」
「畜生!!サーペント1がやられた!指揮を引き継げサーペント2!」
「馬鹿!サーペント2はもういない!繰り返す、サーペント2はもういない!」
「迎撃部隊はまだか!こっちはもう1小隊はやられているぞ!ああっ、こっちに来やがる!来るな、来るんじゃねえっっ!!」

 

虚しくもその願いはかなう事無く、何が起こったかもわからぬうちに機体は沈んでいた。
衝撃でコックピットハッチは捻じ曲がり脱出はかなわない。パイロットはボイスレコーダーに最後の言葉を残した。

 

「悪魔だ…ザフトには悪魔がいやがる…やつは…白い悪魔だ…」

 
 

 機体の爆発と同時に待ち望んだ迎撃部隊が出てきた。しかしすでにザフト軍の侵攻は海岸線まで及んでいる。
その様子を見ていたアムロはレイに通信を入れる。

 

「レイ。どうだ、そっちは?」

 

ザムザザーにビームサーベルを突き刺し、撃墜したレイはその通信に答える。

 

「ええ、制空権は大体奪えたでしょう。」
「そうか…こちらも揚陸部隊が上陸し始めた。迎撃部隊が出てきたが、弾薬も尽きてきたし一度補給に戻ろうと思う。」

 

 レイはセイバーのエネルギーゲージを見る。エネルギーはほぼ三分の一のところまで落ちてきていた。すぐに切れるというわけではないがまだ戦闘を続けなければいけないのを考えると心もとない。
レイはνガンダムの元へと向かった。アムロは機体をセイバーに乗せミネルヴァに戻る。デッキには先にインパルスが戻ってきていた。
補給中、アムロは戻ってきていたルナマリアに話しかける。

 

「大丈夫か?ルナマリア。顔色が優れないようだな…」
「そうですか?…でも大丈夫です!あいつらを落とせば戦争が終わるんですよね。こんなことでへこたれていられません!
あ、でもシンとアスラン。あの二機すごいですよね!さすがハイパーデュートリオン?搭載機!補給もまだいいみたいですし、あの二機すごい戦果です!」

 

少し無理をするように笑顔を見せるルナマリア。

 

「そうか、よし、シンとアスランも頑張っているんだ。俺たちも早く戻ろう。」

 

少し話したことでルナマリアの表情も幾分か柔らかくなった。

 

「なれない空中戦でつらいと思うがもうひと頑張りだ。期待しているぞ、ルナマリア。」

 

そういうとアムロはνガンダムの方へと歩いていった。

 

ルナマリアは頬を赤くして機体へと乗り込んだ。

 

(はあ〜、さすが隊長、大人だなぁ…素敵よねぇ。アスランもかっこいいけど何かたまに頼りないところがあるし、シンは子供っぽすぎるから話になんないし、レイは…クールというより無愛想だしねぇ。やっぱ大人の男よね!)

 

カタパルトへと運ばれながらそんなことを考えていると、

 

「…ぇちゃん!お姉ちゃん!!聞いてる?」
「え?!ああ聞いてるわよ?で、何?」
「聞いてないじゃない!もう…大丈夫?ハッチ空けるよ!」
「え?ああ。いいわ。お願い。」
「インパルス、発進、どうぞ!…気をつけて…」

#br 
(メイリンには心配かけっぱなしだなぁ…でもちゃんとあたしが守るんだ。私はお姉ちゃんなんだから。)

 

ルナマリアはくすっと笑うと戦場へと再度向かっていった。

 
 

地上の迎撃部隊と揚陸部隊はほぼ互角に消耗していっていた。引き続きレイとルナマリアには空中からの侵攻を命じ、アムロはまた基地周辺に着陸した。周りには地球軍のMS以外にグーンやアッシュの残骸も混じっているのが見える。基地の方向へと向おうとした時地面が震えた。

 

「なんだ…このプレッシャーは…なんて殺気だ…」

 

ミネルヴァのブリッジ内にメイリンの声が響く。

 

「ヘブンズベース地下より巨大な熱源を感知、熱紋照合…これは…うそ…」

 

アーサーが珍しく副長らしく激を飛ばす。

 

「どうした!ちゃんと報告しろ!」
「すいません!ベルリンに出たあの巨大MAです!」
「えええぇぇぇぇ??!!」
「同型機5機確認!」
「えぇぇぇぇぇぇぇえ???!!!」

 

 アーサーの威厳は一瞬にして崩れ落ちた。
しかしそれの報告に対してアーサーでなくとも驚きを隠せなかった。タリアやデュランダルでさえも。
そのときミネルヴァの右舷前方に展開していた艦隊のほぼ半分が消滅した。
デストロイ5機による集中砲火。
デュランダルの背筋に冷たいものが走る。

 

「っ!こんなものを…これ以上抵抗しても結果は見えているだろうに…あの化け物にはミネルヴァのMS隊を充てろ!航空部隊は揚陸部隊を支援!降下部隊は!?」
「大気圏外にて待機中、突入準備出来ています。」
「よし、降下部隊大気圏突入!」

 

降下部隊は待っていました、とばかりに降下ポッドを大気圏に突入させる。
しかし降下部隊の動きはいち早くロゴスにも伝わっていた。

 

「ザフト軍降下部隊、大気圏突入開始!ニーベルング、エネルギーチャージできています!」

 

基地最深部で指揮を取るジブリールはいやらしく笑うと

 

「ニーベルング発射。ざまあみろ、デュランダル。」

 

と冷たく言い放った。基地後方にあるクレーターのようなものが口をあけると怪しい光を放ち始める。ぼんやりと光る光景を見てアムロは十数年前を思い出した。星一号作戦。あのときに見た憎しみの光、それに類似した光だった。