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CCA-Seed_427◆ZSVROGNygE氏_35-1

Last-modified: 2012-04-19 (木) 12:10:32

「艦長、艦隊再集結完了しました」
「よし、要塞制圧部隊の方はどうか?」
「すでにほぼ制圧しています。撤退が遅れたザフト部隊は降伏している模様です」

 

ハルバートン参謀長代行が苦笑する。

 

「さすがにブルーコスモス一色じゃないと解っていると殊勝ですな」
「そりゃ、相手を見て白旗は揚げるさ」

 

各艦隊も、艦隊を再編しつつある。一方で、総旗艦オデッセウスと直衛艦隊は、メインゲートへと滑り込んでいく。

 

「どうやら完全に掌握したようだな。被害はどうか?」
「まだ詳細はわかりませんが、防御帯の装備がない連合艦隊の被害は軽くないようです」

 

情報参謀が、モニタを確認しつつ報告する。確かにまだ集計が出る段階ではないか。
私はふと、先に参謀長代行が言いかけたことが気になった。

 

「参謀長代行、先ほど追撃中止命令が来る前に言いかけたのはなんだ?」
「は・・・、あのタイミングで全軍を引かせたこということは、ボアズ陥落は織り込み済みだったのではないかと」

 

私は無言で頷き先を促す。

 

「つまり、連合軍の戦力はザフト側にも未知数な部分が多かった。そこで、ボアズ防衛に相当な戦力を配備して、大規模な威力偵察と戦力漸減を狙ったのではないかと考えたのです」
「しかし、それにしては十二分に整った戦力であったと思いますが。
それに、ボアズで食い止めなければリスクが大きすぎるのでは?また、仮に陽動だとしてもあの戦力であれば、もう数時間は耐えれたと思います」

 

オルトヴァン中佐が異論を呈す。ハルバートン少将は、そうした意見が出ると言うことを想定していた。むしろ、議論を進める上で求めていたようである。

 

「考えられるのはふたつ。ひとつは、連中の後退するタイミングが、我々の突入行動からだったことを鑑みて、陽電子砲やハイメガ砲による一斉攻撃の威力に、危険を感じた。
これは要塞突入組の情報待ちではあるが、要塞司令部があれで撤退を決断したとすれば、指示や準備時間的にもある程度つじつまが合うでしょう。
もうひとつは、ハイメガ砲の威力云々以前に、こちらの予備兵力投入のタイミングを見て、損害が大きくなる前に退却を決断した。これも、タイミングとしてはほぼ同じような事情なので、充分あり得ると思われます。
両方と言えるかもしれませんな。ただ・・・」
「ただ、なんです?」
「どうであれ、早期撤退をする以上は、ボアズをおいそれと明け渡すよりかは、何らかの策があるのではないか、と。
たとえば、周辺に潜伏部隊がいて、我々が油断したところに核兵器ないし、それに準じた兵器を使用する、という可能性です。
しかし、現時点で偵察部隊からは周辺に敵影がないという報告を受けているので、こちらは低いでしょう。
それに、核兵器を使うリスクは無効も同じですからな。もうひとつは、要塞を自爆させて司令部機能を失わせるというところでしょうか」

 

確かにこの早期撤退が罠という感じは俺もする。だがパトリック・ザラという男は、これだけの戦力を陽動にするほど肝が据わっているのだろうか。
いや、あるだろう。伊達に建国の元勲ではない。だとすれば、我々に対して何か決定的な打撃を与える用意があるはずだ。
私が考えをまとめていると、ちょうど報告が挙がる。

 

「ブライト艦長、突入部隊からです。ボアズ要塞の主要部に爆薬がセットされており、ザフト側は要塞を爆発させこちらを混乱させるつもりだった模様です。
工作隊の活躍で爆弾は解除された模様です。各司令官には集合するようにとの司令が来ました」

 

なるほど、やはりか。要塞ひとつ丸ごと潰す覚悟で仕掛けてくるか。プラントの指導者はしたたかな男である。

 

私は、ようやっと気を抜き、ヘルメットを取ると額の汗をぬぐった。そこに突然通信が入る。

 

「ブライト!!!」
「艦長よろしいか!!!」
「アムロ、大尉、どうした?」

 

ふたりが血相を変えている。なんだというのだ。

 

「ブライト、この世界が俺たちの世界と似た世界であるとすれば」
「この戦いはソロモン戦だ」
「なんだ?確かにそうかもしれないが、それがどうなんだ」
「ソロモン戦とそのあとで連邦とジオンが使った兵器があるだろう!!!!」

 

アムロの言葉に、俺はすぐさまからだが震え上がり、冷や汗が背筋を流れる。

 

「っ!!!ソーラ・システムか!!!しかし、この世界にあるのか!?」

 

艦橋の面々が絶望的な表情になっていく。一方で、ハルバートン少将は困惑の表情だ。

 

「同じものがどうという話ではない!問題は類似した大型兵器がある可能性を考える必要があると言うことだ!!!!
そして、連中の引き際を考えれば、このタイミングが一番危険だ!!!」

 

クワトロ大尉の言葉で、私は感じていた違和感に、うまくパズルがはまった様な気持ちになった。しかし、問題がある。

 

「し、しかし、どうします?現時点ではそれこそ山勘ですよ。総司令部を説得するには材料がなさ過ぎます!」

 

オルトヴァン中佐が、艦橋にいる面々の意見を代弁した。その通りだ。この段階では全くの憶測なのだ。スミス中尉が続ける。

 

「司令!!ここは、総司令部に罠の存在を喚起しつつ、我々の艦隊だけでも、安全を図るべきです!!!」
「アムロ、レーン、大尉!!何か感じるか!?」
「・・・何ともいえないな」
「そりゃ、怪しげな感覚はしますが、戦場特有のものかもしれません」
「レーンのいうとおりだ。確信を持ってはいえん・・・」

 

参謀長代行は、我々が先走りすぎているようにも見えているだろう。

 

「司令、少し冷静になるべきではないですかな?小官にも解るように説明して欲しいのですが」

 

参謀長代行の言うことは最もなのだが、このタイミングは確かに危機感を抱かせるには十分である。
説明している余裕もないかもしれない。浮き足立っている自覚はあるが、全滅の危険が焦燥感をいたずらに招いている。

 

「ブライト艦長!!勘と言うよりも推理すべきだ!もし、連中がそうした大量破壊兵器を使用するとすれば・・・」

 

私は、はっとしてハルバートン少将に確認する。

 

「参謀長代行!ザフトの撤退方向は!?」
「は?・・・コレマッタくん!!」

 

情報参謀は、意図することを察したのだろう。確か彼は、親族がソーラ・レイで戦死していたはずだ。

 

「・・・これは!ザフト軍撤退進路がヤキン・ドゥーエへの最短コースじゃありません!!!プラントとヤキンの中間方向です!!
それに妙です、一部部隊の速度が遅い!」

 

撤退する部隊が、最短距離ないし最速で動かない以上は何かあると見ていいだろう。私は即断した。

 

「全艦に通達!!!本艦隊はこれより、ザフト撤退部隊とヤキンドゥーエに対して同一線上に移動する!!!
総司令部や友軍には、ザフトの撤退方向が不審であるため、不意打ちの危険があるとでも伝えろ!!ロンデニオン艦隊には全ての事情を通達!」
「了解!!!」

 

間に合うだろうか。私の指揮下の部隊は艦隊行動も取らずに移動していく。アークエンジェルやドミニオンのみが、やや遅れて続く。
連合軍とオーブ艦隊は、困惑の隠せず説明を求める連絡をしていきたが、そんな時間はないだろう。
両艦隊とも不承不承に従い始めた。総司令部は不審どころではなく、状況の詳細な説明を求め始めている。

 

「間に合うとは思えん!!!」
「これは!!!光が、人の意識を溶かす!!!」

 

クワトロ大尉とアムロが叫んだ次の瞬間、レーンが絶叫する。

 

「艦長!!!!不快なものが来ます!!!」

 

各艦が全速で動く中、激しい閃光とノイズがモニタを埋め尽くした。

 

第35話「狂気の宴」

 

艦全体が衝撃波で揺れる。

 

「やられた!!!!」
「じょ、状況報告しろっ!!!!」

 

ハルバートン参謀長代行が叫ぶ。

 

「ちょ、超強力なレーザーです!!!!ボアズ要塞に直撃の模様!!!!い、いや!!か、貫通した模様です!!!」
「な、なんだと!!!」

 

ジャガイモのような形だったボアズ要塞は、まるで芋を丸かじりしたような削れ方をしている。続いて被害状況が大まかに挙がってくる。

 

「総司令部通信途絶!!!第7艦隊通信混線中応答なし!!!第4艦隊旗艦レイキャビック反応ありません!!!!」
「EEF宇宙艦隊司令部との通信きれた!EEF第2艦隊は健在を確認するも交信できない!!」
「サザーランド少将旗下の艦艇に損害が出ています!3隻轟沈!2隻大破!!!」
「ボース准将の艦隊にも被害が出ています!!・・・副司令官戦死の模様!!!」
「要塞の崩落部が艦艇に衝突中!!!被害が拡大しています!!!」

 

なんてことだ。この世界の類似性を考えれば、予想できたことではないか。歯を食いしばるように自らの愚かさを呪う。
だが、ここまでやる以上は次があるだろう。その対処をしなければならない。

 

「機動部隊を緊急展開させろ!!!部隊の半分を被害艦の救助にあたらせろ!!
残りは警戒させるんだ!!!出せる機体は全て出せ!!!混乱状態にあるこの隙を連中が見逃しはしない!!」

 

状況確認に終われるオペレーターに対して、唖然としていた参謀たちもにわかに正気に戻る。

 

「「りょ、了解!!!」」
「偵察部隊に状況を報告させろ!!!」

 

直ちに、マレット少佐の早期警戒ジム靴伐鸚が繋がる。

 

「ザフト軍の一部部隊が反転攻勢をかけてきます!!!
これは・・・ミラージュコロイドで潜伏していたと思われる傭兵部隊発見、総数60機以上!!!」

 

やってくれる。全く嫌なタイミングを付いてくれたものだ。

 

「アムロ!!!!」
「了解だ!!!」

 

アムロは直ちにガンダムを駆り迎撃にむかう。

 

「ロンデニオン艦隊は、前進して友軍の盾となる!!オーブ艦隊も健在だ、彼らも前進して対応させろ!!!」
「了解!!!」

 

即応できたのは私の直属艦隊だけであった。それもやむ得ない。他の部隊にしてみれば、想定外の攻撃だったのだ。アムロが各機に叫ぶ。

 

「リゼル隊とレーン、キラ、サイモンは俺の指揮で救援にむかう!!タイラント!頼む!!ジャックとクワトロ大尉は残って直掩隊の総指揮を頼む!!」
「任せて下さい大隊長!!!」
「了解!!!」
「わかった!」

 

一時帰投していた連中も慌ただしく出撃していく。

 

「こりゃあ、本格的にやばいぜ!!!ニコル!!ユリア!!俺に乗れ!!マカロフとボンは、アークエンジェルの直掩に残るんだ!!!」

 

フラガ少佐は、新規製造のリゼルを変形させて、同じく強化装甲装備のジェガンに搭乗するニコル・アマルフィと、ユリア・ソルマン少尉搭乗のライトニングパック装備付きジム恐を乗せ、混乱状態に陥っている艦隊の救援にむかう。

 

ちなみに、今回ストライクは、追加装備の実験機としてロンデニオンに残してきている。フラガ少佐自身が、機動戦ができるリゼルを好んだという事情もあった。
ニコルもリゼルに乗る予定であったが、義眼の性能上から高速戦闘向けのリゼルではなく、耐弾性の高い追加装甲のジェガンに乗ることになったのだ。また、ブリッツは特殊作戦向けの予備機として、アークエンジェルには搭載されている。

 

「すげぇな・・・、壊滅じゃねーか」

 

サイモン・バーナー少佐は、レーザーの射線上にあった連合第4艦隊の惨状を目の当たりにし、リゼルのコクピットで唖然とする。
眼前には消滅を免れたが、大破している艦艇やボアズの破片でめちゃめちゃな艦艇が漂流している。

 

彼が乗っていたデルタプラスは、数度の戦闘で消耗激しく、ロンデニオンに残留ということになっている。
量産機並びにガンダムタイプの備品を最優先した結果だ。その分彼の機体には、実験的にディフェンサーユニットを装備している。

 

「コロニー・レーザーみたいなものを使いやがったのか・・・」
「なんてこと・・・!!」

 

サイモン指揮下のカール・マツバラやシャーリー・ラムゼイが、何ともいえない感情を込めてはき出す。
彼やエリアルドら元ティターンズ組にとって、コロニー・レーザーの様な兵器には思うところがあるだろう。
マツバラの背中で、エリアルドも怒りというよりは呆然とその威力を眺める。

 

被害を受けた部隊は、阿鼻叫喚の状況であった。もし内部を見ることができたとしたら、地獄絵図であったに違いない。
部隊が接近すると、とにかく脱出するもの、悲鳴に近い声で指示を求めるものなど、様々な音声が拾われていく。

 

「とにかく友軍を救助する。このままでは、混乱の内に甚大な被害を被ることになる」

 

艦橋にいた一同の顔が引き締まる。

 

「あと、各艦隊との交信回復、急がせろ!!!」