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CCA-Seed_98 ◆TSElPlu4zM氏_第15話_後編

Last-modified: 2007-11-10 (土) 18:15:09

「必ず、生きて帰ろうな」
「……うん」
「……行こうか」
「……うん」

 トールの言葉に頷くと、彼の手を取りくっ付くように歩いて行く。その姿は、とても幸せそうな物だった。
 二人は並んで、右手に曲がる通路を通り過ぎて少しすると、後ろから男性の声が聞こえた。

「……いやぁ、若い若い!若いって、いいねぇ」
「……フラガ大尉……悪趣味ですよ」
「「……えっ!?」」

 トールとミリアリアが驚いて振り返ると、ムウとマリューが立っていた。
 マリューは、ムウに対して呆れている様子で、ムウは、「見つかっちまったか」と、でも言う表情で頭を首の後ろの辺りを摩っていた。

「悪い悪い!覗くつもりは無かったんだわ。いやー、ブリッジ行こうと思ったら、通路でラブシーンしてるとは思わなくてなぁ」
「――こ、これは!」
「気にするんなよ。付き合ってんだろ?キスぐらい可笑しくないさ。ただ、軍規上、問題あるから、やるなら部屋でにしとけよ」
「――は、はい!」
「……」

 トールは、ムウの言葉に顔を赤くながらも、慌てるように答える。その傍で、ミリアリアは顔を真っ赤にして俯いていた。
 その様子を見兼ねたのか、マリューが口を挟む。

「……フラガ大尉、それくらいにしてあげてください」
「ああ。二人共、悪かったな。そんじゃ、ゆっくり休めよ」

 ムウは頷くと、笑いながらトール達が来た方向にマリューと共に歩いて行った。
 トールは、どれくらい呆然としていたのか、思い出したようにミリアリアの方に顔を向ける。

「――!ミリアリア、先に戻っててくれるか?」
「……えっ!?」
「すぐに戻るからさ」
「……うん……先に行ってるね」

 ミリアリアは不安が的中するのではないかと、心配そうな表情を向けながらも頷き、ゆっくりと自分の部屋へと歩き始める。その後姿は寂しそうに見えた。
 トールは、ミリアリアの後姿を少しの間見つめると、もう見えなくなったムウを追いかけて、通路を全力で走り出した。

通路を曲がりブリッジへのエレベーターに乗ろうとするムウとマリューを見つけ、大声で呼び止める。

「フラガ大尉ー!」

 ムウとマリューは何事かと、エレベーターに乗り込むのを止め、駆けてくるトールが来るのを待っている。 
 トールが二人の前で立ち止まり、息を思い切り吐き出しと、ムウが声を掛ける。

「どうした?」
「えっと、俺、じゃなくて……僕も一緒に戦いたいんですが!」
「はぁ?」

 ムウは、真剣な顔で話すトールの言葉に間抜けな声を上げた。マリューも同様で、マジマジとトールの顔を見つめた。
 トールは少し視線を落とすと、心の中で思っていた事を口にする。

「……俺……キラに戦わせてばっかりだから……あいつの力になりたいんです」
「……気持ちは分からんでもないが、戦場はそんな甘い場所じゃないぞ。それ以前に、肝心の機体が無いからな……」

 ムウは片手で髪を掻き毟りながら、トールを見据える。
 トールが友達思いなのは知っているが、キラのように現状で訓練を受けている訳でも無い。MAはベテランが乗っても動く棺桶と変わらないのだから、素人が戦場で乗れば、即、あの世行きなのは間違いない。
 マリューも、ムウと同じ考えなのか、トールに説得するような口調で話し始める

「この船に乗せてしまった私が言える事では無いけれど、あなたが戦って何かあれば、彼女や御両親、他にも悲しむ人が大勢いるのよ。よく考えたの?」
「……それは、キラも同じです!同じなのに、俺達を守る為に戦ってるんです。だから――!」
「だけどね……」

 マリューは、トールの真剣な表情を見つめながらも、何とか説得をしようと言葉を切り返そうとした。
 しかし、その時、ムウが大きく溜息を吐くと、文句を言うように口を開く。

「はぁ……。ったく!お前は……余計な手間ばかり、増やしやがって」
「スミマセン……」
「えっ!?」

ムウの言葉を聞いて、肩を落として謝るトールをだったが、マリューの反応は違っていた。
 マリューは、ムウが「余計な手間ばかり、増やしやがって」と言ったのをトールとは違う意味で捉え、驚きの声を上げた。
 少なくとも、この艦に来て、トールはムウに手間を掛けさせるような事をしたと言う話は誰からも聞いてはいない。それなら、これからと言う意味でしかなかった。
 ムウは項垂れるトールを呆れ気味の表情で見ていたが、やがて真剣な表情で言った。

「訓練だけはしてやるよ」
「――えっ!」
「……やっぱり」

 諦めかけたトールは驚き、ムウを見つめる。
 マリューは悪い予感が的中したかのように表情で、額に手を当てて息を吐いた。
 そんなマリューを尻目に、ムウは、トールに対して厳しい視線を向ける。

「だが、機体も無いし、乗せた処で落とされるだけだ。一端になるまでは戦場には出さない。それが条件だ。中途半端な覚悟でやるなら、ぶん殴る。覚えておけ!」
「――あ、ありがとうございます!」
「彼女が待ってんだろ。早く行ってやれ。そうだな……起きたら、俺は格納庫に居るはずだから、連絡をくれ。そうしたら、俺の部屋の前で待ってろ。ちゃんと寝ておけよ!」
「――は!失礼します!」

 トールは嬉しそうな表情をしながらも、その目には強い意思が宿ったように見える。ムウに敬礼をすると、踵を返し、ミリアリアが待つ部屋へと駆けて行く。
 トールの後姿を、苦笑いをしながら見つめるムウに、マリューが言った。

「……いいんですか?」
「キラをストライクに乗せてんのに、自分で言い出した奴をやらせない訳にもいかんでしょ?それに、あいつが実戦に出る頃には、この船、とっくに月基地に着いちまってるよ」
「だと、いいんですが……はぁ……」

 マリューは不安なのか、眉間に皺を寄せると大きな溜息を吐き、項垂れた。
 ムウは、マリューに同情しながらも、色々と抱え込もうとする彼女を心配する。

「おいおい、そんなんじゃ胃に穴が空いちまうぞ。もう少し、気楽に考えればいいじゃないか」
「……フラガ大尉がうらやましいです……」

 マリューは、ムウの心遣いに感謝しながらも、ムウのような言動が羨ましく、本音を漏らした。
 艦長として、アムロやラクスの問題を抱えるマリューは、神に祈りたい気持ちになった。

ザフト軍の臨時に編成された艦隊が地球衛星軌道上に続々と終結しつつあった。その中には、レイ・ユウキ率いる捜索隊とユン・ロー隊、合流したガモフの船体も見受けられた。
 合流した処です、艦隊の責任者にザフト軍特務隊FAITHの隊長であるユウキが任命され、すぐに編成が行われた。
 GATシリーズはプラント本国から来た艦隊により、ガモフに移された。それに伴い、アスランもガモフへと移動する事となった。
 目の前には、ジンと共にGATシリーズの機体が二機並んでいた。奥にある一機は見慣れた自分の機体、イージスだった。しかし、もう一機が聞いた話とは違っていた。

「これは……追加装甲か?追加装甲装備のデュエル!?ニコルではなく、イザークが来たのか!?」

 アスランは、デュエルを見上げる。前に見た時は、デュエルはもっとスマートな印象があったが、明らかに鎧のような装甲を着け純重そうに見えた。
 いつの間にこんな物を造ったのかと思ったが、データなども揃っていた事や、自分が休んでいた時間を考えれば、不思議では無いと思えた。
 そんな事を思っていると、キャットウォークの方から声が聞こえたような気がした。

「アスラーン!」
「ニコル!?」

 ユウキの話通りニコルが来ては居るが、専用機のブリッツが見受けられなかった。アスランは謎に思いながらも、キャットウォークから軽い引力に任せて、宙をゆっくりと降りてくるニコルに目を向けた。
 ニコルは優雅に着地すると、笑顔を見せた。

「お疲れ様です、アスラン」
「ニコル、デュエルがあると言う事は、イザークもこっちに来ているのか?」
「違いますよ。イザークは月に向かってます。ブリッツとデュエルを交換したんです」
「えっ!?」

 アスランは、イザークが機体を交換した事に素直に驚いた。
 ニコルもアスランが驚くのは予測済みだったのか、少し楽しそうな顔をしていた。

「イザークが自分から申し出たんですよ」
「イザークがか!?……良くイザークが申し出たな……」
「……ええ。イザークからは、壊すなって言われてますから、傷を付けるにはいきませんよ」

 ニコルの言葉に、アスランは「信じられない」と、言わんばかりの表情になった。
 アスランが持っているイザークのイメージからすると、大抵、自分の機体を誰かに貸すなど、考えられない事だった。
 イザークに対して、見方を変えた方がいいのかも。と、少し思った。
 そんなアスランを他所に、ニコルは交換する原因が自分にあった事を伏せておいたのは言うまでもなかった

「それよりも、使えるのか?」
「問題無いですよ。基本的に変わりませんし、デュエルはベーシックな機体ですから」
「……そうか」
「分かっているとは思いますけど、イージスも直ってますよ」
「……ああ」

 アスランはニコルに言われるがままに、視線を奥にあるイージスへと向け、少し悲しげに頷いた。
 イージスを見て、あの機体でキラと戦ってしまったんだと思うと、辛かった。それに、イージスに乗ってからと言う物、ラクスの事も含め、色々と嫌な事ばかりが多かった気がしてない。
 そう言う意味では、自分の専用機であるイージスには悪いが、余り好きになれそうもなかった。
 ニコルは、アスランの浮かない顔色を見て、遣る瀬無さそうな表情になる。

「……アスラン、今回の事で辛いとは思いますが……」
「ニコル、その事は何も言わないでくれ……」
「……はい」

 悲壮な表情を浮かべるアスランに、ニコルは黙る他無く、回りのメカニックマン達の話し声や機械の音などが、耳に響いた。

「……父上やクライン議長は、どうして、このような判断をしたんだ……。こんな事をしても、ラクスが喜ぶとも思えないのに……」

 どのくらいの沈黙だったのか、アスランが口を開く。
 悲壮な表情には変わらないのだが、吐き出される言葉には、悔しさや悲しみが含まれていた。
 ニコルは、そんなアスランの言葉を聞いて、誰かの為に一生懸命になれる彼は、やっぱり優しいと感じる。
 しかし、軍人である以上、命令は絶対なのだ。あえて、事務的に答える事にした。

「……仕方ないですよ。プラント市民の反応が凄い物でしたから」
「それは俺も同じだが、これでは無駄に犠牲者を増やすだけだ。こんな事をしても、ラクスを悲しませるだけだ!」
「……でも、僕達は軍人で、これが仕事なんです」
「――それは……分かっているが……」

 淡々と話すニコルの言う事は、軍人として正しかった。
 しかし、アスランは何かが間違っていると言いたかったのだが、その確信に自信が持てず、言葉を続ける事が出来ずに口を閉ざす他無かった。
 ニコルは、真っ直ぐアスランの目を見つめる。その表情には、言い知れぬ迫力があった。

「アスランは……ラクスさんを殺されて、地球軍が許せないんですよね?」
「――!ラクスは、まだ――」
「――アスラン、現実を見てください!ラクスさんが脱出ポットで発見さたとしても、既に酸素も尽きている時間なんですよ!もう、間に合わないんです!」
「――!」

 ニコルの悲痛な叫びに、アスランは息を飲んだ。
 ニコルが言う通り、無事に脱出ポッドで逃げていたとしても、既に酸素が切れている時間は、当の昔に過ぎているのだ。
 アスランは体が固まったように動けなくなり、見開いた目から涙が零れ落ちた。
 ニコルは俯き加減に視線をアスランから床へと移し、自らの目からは、今にも涙が溢れんばかりだった。

「……アスランは、大切な人を奪われて、憎くないんですか?」
「……お、俺だって……だけど――」
「……僕はナチュラルが……憎い訳じゃありません。……それに……僕だって、本当はこんな事、言いたくないんです……」

 固まったまま、涙を流すアスランは、搾り出すように声を出すが、ニコルが遮るように言葉を吐いた。
 その表情は苦しんでいるかのようだった。ニコルは、そのまま言葉を吐き続ける。 

「……でも、同じコーディネイターで……敵になってる人がいるくらいなんですよ……。言って分からない相手なら、倒すしかないじゃないですか!」
「――ニコル、お前!」

 アスランは、ニコルの言葉にプラントでフレイとの別れ際に、扉の所でニコルと鉢合わせをしたのをの事を思い出した。
 ニコルの言う、コーディネイターはキラの事を指しているのを確信し、アスランは固まった姿のまま、右手の拳を握り締めた。
 ニコルは、視線を再びアスランへと戻し、真っ直ぐ見つめる。
 
「僕が信頼出来る地球側の人間は、今の処、フレイだけです。分かって貰えない相手なら、僕の大切な人達を守る為に、誰であろうと倒しますよ」

 ニコルは、普段は見せない強い意思を剥き出しで、告げると、踵を返してアスランの元を去って行った。
 アスランの握り締めた拳は行く宛など無く、アスラン自身、どこに向けていいのかも分からず、ただ立ち尽くす他無かった。

アムロは、いつか見た闇と光が交錯する世界に居た。体は宙に浮いたような感覚で、まさしく宇宙に抱かれているかのような感じだった。
 一番最初にこれをみたのはいつだったか、と言えば、まだ一年戦争の頃まで遡る。最近では、シャアとの戦いの合間に自室で寝ている時に見たのが最後だった。
 目の前を白い物が飛んで行く。それは、いつか見た白鳥だった。

「……白鳥!?ララァ……ララァ・スンか!?」

 白鳥は光を帯び、女性の姿に変わって行く。
 ララァ・スン。自らの手で殺してしまった女性。殺してはいけなかった女性だった。
 アムロは、自分の身に起こった事をぶつけるかのようにララァに向かって叫ぶ。

「ララァ、これは、どう言う事なんだ!?」
「人の可能性よ」
「人の可能性だと!?」
「そう……、違う未来へ進む為の人の可能性……」
「俺に何をしろと言うんだ!」

 アムロは、ララァの言葉に戸惑いつつも、理不尽さに怒りを込めた口調で言った。
 そのララァは、ただ首を振り、アムロの回りを舞うように飛ぶ。

「……私には分からないわ……。アムロ……それは、あなたが選ぶ事よ」
「選ぶだと!?」
「そう……彼等と共に……。本当は解っているのでしょう……」

 ララァがそう言った処で、光に包まれ目の前が真っ白に染まった――。

「うっ……」

 アムロは光の為、目を細めるが、それでも目を開けていられず、目を閉じる。すると、暗闇が全てを支配した。
 闇から脱出するかのように目を再び開けると、そこは、見慣れたアークエンジェルの自室の天井だった。電気は点けていない。
 すぐに、夢だと言う事は自覚出来た。自覚出来る分だけ性質が悪いとも感じる。
 アムロはベットに横になった体勢で片手を顔に当て、そして額を拭うと大きく息を吐いた。

「はあ……。何だと言うんだ……何を選べと言うんだ……」

 そう言うと、体を起こし片手でスイッチを捜す。ようやく見つかったのか、軽く押すと部屋に明かりが点る。
 部屋を見回すと、ベットから両足を出し、床に足を着ける。

「こっちに来てから見てなかったと言うのに……僕は、まだ囚われていると言うのか!?」

 アムロは片手で口を覆い隠すようにしながら、言葉を吐きだすが、心底、嫌悪感を込めている感じだった。
 やがて、仕方ないとばかりに立ち上がり、服を着替え始める。
 最近は連合の制服にも慣れては来たが、自分では連邦の方がしっくり来ると思っていた。何となくではあるが、滑稽だなと思い、苦笑いを浮かべる。
 アークエンジェルに居る分には身柄は安全だが、基地に着けば、身の安全の保障など無い。ムウが以前、言ったように、今、考えても仕方が無いのかもしれないが、やはり不安ではあった。
 それを振り払うかのように、アムロは扉を開けると部屋を出てブリッジへと歩き始めた。
 すると、丁度、通路の曲がり角で、誰かとぶつかり、相手は後ろに倒れ込んだのか、尻餅をついていた。

「ア、アムロ大尉!大変申し訳ありません!」

 ぶつかった相手はナタルだった。彼女は慌てたらしく、床に座ったままで恐縮し、身を縮めていた。
 アムロは、ぶつかった相手が女性でもあり、自分を慕ってくれている事も有り、すぐに手を差し伸べ、謝罪の言葉を言うと、ナタル手を掴み立ち上がらせる。

「いや、こっちこそ、悪かった。大丈夫か?」
「はい……ありがとうございます。私こそ、申し訳ありませんでした」
「こっちの不注意なんだ。気にしないでくれ。それよりも、これから休息か?」
「はい」
「そうか、ゆっくりするといい」

 生真面目に答えるナタルに、アムロは微笑む。
 ナタルは、いつものアムロと違うと感じたのか、心配そうな表情で顔を見つめた。

「……アムロ大尉」
「ん?なんだ?」
「お疲れのご様子ですが……」
「……いや、嫌な夢を見てな。こっちに慣れ始めて、疲れが出たんだろう」

 アムロは、ナタルの言葉にララァの夢を思い出し、一瞬、口篭るが、首を振ると、誤魔化すように笑った。
 ナタルはそれでも直、心配するような表情を変える事はなかった。

「……大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だ。安心してくれ」
「……はい。でも、無理はなさらないでください」

ナタルは心配そうな表情をようやく崩し、柔らかく微笑んだ。
 アムロは、ナタルもこのような表情が出来るのを始めて知る。そして、心配事を掛けた礼を言う。

「ありがとう、ナタル」
「いいえ」

 ナタルは、少し嬉しそうに首を横に振った。
 その時、通路の向こう側から、キラがやって来て挨拶をした。

「おはようございます」
「起きたのか?」
「はい。バジルール少尉は、今からですか?」

 アムロの問いに頷くと、キラはナタルの方を向いて言った。
 少し前まで、ナタルを苦手にしていたキラが、ナタルに自分から話しかける事も、アムロから見れば、ナタル同様変わって来たと感じる一つだった。
 ナタルはキラの対して、頷くと、サイの言葉を思い出し、伝える。

「ああ。休ませてもらう処だ。……プログラムだが、完全ではないが、今日中に組み上がるそうだ」
「本当ですか!」
「予想以上に早いな」

 キラは喜びと驚きが入り混じった声を出し素直に笑顔になった。
 アムロも予想以上の早さに驚きを隠せなかった。

「友情と言う物なんでしょうか?……彼らは良くやってくれています」

 ナタルは、アムロの言葉に笑顔で答え、少年たちを褒め称えると、キラに対して真剣な表情を見せる。

「……キラ・ヤマト。彼らは、君の為に必死にやったのだから、何があっても彼らや艦の乗組員の期待に応え、必ず生き残れ」
「はい!」

 キラは頷き、力強く返事をした。その返事にナタルも満足したのか、同様に頷き微笑んだ。
 それを見ていたアムロは、人は変われる物だと実感する。
 もしかしたら、ララァが言いたかったのは、人の変化と信頼。そして、その先の未来なのかもしれないと感じた。