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Canard-meet-kagari_第04話

Last-modified: 2007-11-10 (土) 21:28:54

第4話

 少年達は、女の言葉に従い一列に並ぶ……二名を除いて
「すまない、盗んだパンのお金は後で払う」
「おい、アノ女はパンを盗んだことで銃を向けてるわけではないぞ」
「ッ!!違うのか!!!」
「お前、馬鹿か!何処の世界に作業服のパン屋が居るんだ!!」
「馬鹿って言うな!!」
「馬鹿に馬鹿と言って何が悪い!!だいたいお前、さっき会っただろう!」
「そうだったか?頭打ったからかな?」
「知るか」
 そんな二人に唖然としていた女だったが、銃口を上に向けて発砲した。
「黙りなさい!」
 そして二人は、とりあえず女の言葉に従う事にした。
「一人ずつ、名前を言いなさい」
 銃を突きつけ女は命令する
「サイ・アーガイル」
 サングラスの少年が答える
「トール・ケーニヒ」
 あのパンを持ってきた来た少年だ
「ミリアリア・ハウ」
 それに続いて答えるのは外ハネの少女だ。
「カ、カズィ・バスカーク」
 もどりながら、銃を突きつけられていた少年が答える。そして残った二人は押し黙ったままだ。
「さあ、あなた達の番よ」
「……」
「……」
「さあ!」
 女は銃を二人に突きつける。
「カガリ……カガリ・シモンズだ」
 少女が名前を言う、そして最後に男が名乗る。
「…カナード・パルス」
「あなた達の身柄は、我々地球軍が預かります」
「良かったら、理由を教えてくれますか。
 サイが手を上げ、女に質問する。
「あなた達は、軍の最高機密である、アノMSを見てしまった……だからあなた達を私達、地球軍が保護します」
「保護だ?逮捕抑留の間違いだろう?」
 カナードがちゃかす
「そう言うのかもしれないわね…けど従ってもらうわ、アノ機体に乗った君は特にね」
 女の言葉に少年達の顔が強張る。しかしカガリが理不尽な行いを非難する。
「守るべき民間人に銃を向ける……それが軍人のすることか!!」
「私達、地球軍には中立国の人間を守る義務は無いの」
 少女の非難を何処吹く風と女が答える
「自分達がこの国を巻き込んだくせに!!」
「無駄だ、これが大西洋の奴らのやり口さ、自分のした事で他所の国巻き込んでも知らん顔、同盟国を平気で見捨てるその挙句、その事を非難したら武力をチラつかせて、自分の『正義』ってヤツを相手に押し付ける国さ」
「黙りなさい、それ以上無駄口を叩くようなら…」
 女が銃をカナードに突きつける。
「おいキサマ、こういう時は迷わず撃たないと地獄に落ちるぞ」
「え?キャ」
 カナードは足元のパンを蹴り上げ、女の顔に当て、ひるんだ所を飛び掛り銃を持っている腕をひねり上げる、電光石火の早業だ。
「おい、あのMSのバッテリーパックは何処だ!」
 カナードが女の腕を締め上げ、質問する。
「な、何のことかしら?」
 苦しげに女が答える。男は全然力を入れてないが女の顔は苦痛に歪んでいる。おそらく、どこかに怪我を負っているのだろう。しかし男はまったく気にせず
「とぼけるな、OSを書き換えたときに知ってるんだよ、アノ機体ストライクにはバッテリーパックと武装が一緒になったバックパックを換装出来る……ソイツは何処だ!」
「だ、誰が言うものですか」
「ああ、そうか!!」
「グゥッ」
 男が締める力を強くすると女の顔がさらに苦痛に歪む。
「おい、ヤメロ!」
 見かねたカガリがとめに入る。
「邪魔をするな!!何故助ける、コイツはこのコロニーを攻撃される理由を作った大西洋連邦の人間だぞ…そして今も銃をお前らに向けていたんだぞ!」
「だからってやり過ぎだ、この人だって…」
「甘いんだよ、コイツは民間人でも銃を向けた…おそらくアノMSを見た者を殺しても構わないって命令されてるのだろう」
「けど…」
「さあ、言え!!ストライカーパックは何処にある!!!」
 カナードは腕をねじ切らんばかりに、締め上げる。
「に、二番格納庫の、トレーラー…」
 そう言うと女は再び気絶した。
「最初からそう言えば、苦しまなかったろうに…」
「お前最低だな」
 カガリは男を睨み付け罵倒する。
「最低だろうが、今は…来たか!!」
「え?」
 上空に甲高いエンジン音と共に二機の機影が飛んでいく。先行する一機は細長いシルエットのMA、それを追いかけるのは白いMSだ。
 カガリは機体を見上げ、再びカナード方を見るとそこにはもう彼の姿はなく、横たわるMSに向けて走っていた。
「おい、どうするつもりだ!!」
「メシ代だ、守ってやるから隠れていろ!!」
 そう言うとカナードはMSに乗り込んみ、OSを立ち上がり各種センサーが起動していく。

「チィッ、やっぱりバッテリー残量が残り少ない…武装で使えるのは、バルカンと、右のアーマーシュナイダーか…だがやるしかない」
 カナードが女からストライカーパックの事を聞くのを急いだ理由がコレだった。
ストライカーパックを付けていない素のストライクは他の四体に比べバッテリー容量が少なく、また起動途中だったためバッテリーの充電が完全では無かった、そのため現在のストライクのバッテリーはあまり残っていなかった。
 さらに、使える武装も限られている頭部バルカンの残量は約半分、アーマーシュナイダーの片方はジンの自爆と共に吹き飛んでいた。
 この機体を発見した白いMSが引き返してくる。だがカナードはまだ機体を横たえらしたままだ。
(敵はジンじゃない、新型か!…もう一機はガンバレル装備のメビウスか?)
彼は白いMSの機動性が以前戦った高機動型ジンのそれより高いことから、新型であることを看破する。メインモニターに映る機影はどんどん大きくなっていく。
(まだだ、もうチョイ……今だ!!)
 近づいてきたMSに頭部バルカンが襲いかかる、しかしMSは機体をそらせそれを回避する。後退しながら撃たれるライフルの火線をカナードは、機体の背面スラスターを最大出力にして平行移動することで回避する。
 そして、機体を立ち上げながらビル街へ移動する、MSの前では盾にはならないが身を隠すことなら出来る。
(さすがは新型、パイロットも中々の腕だ……だがコレならどうだ!)
 マニュピュレーターを使い近くにある大きめの瓦礫を掴み、放り投げる。敵MSの注意がそちらに向けられる瞬間、カナードは機体を反対側から飛び立たせ、バルカンを撃ちながら距離をつめる。
(右!…いや左か!)
 機体をカナードから見て左に移動させる、そこへアーマーシュナイダーで一閃するがバックステップで回避される。
「だが、コレでどうだっ!!」
 そのまま回し蹴りをするが、これもギリギリの所で回避され、カウンターのとび蹴りを入れられる。両腕でガードをし、さらにバックステップで衝撃を最小限に抑えるが、機体が吹き飛ばされる。そこへライフルと左腕のガトリングの同時攻撃を加える。
「チィ――ッ!!」
 回避できないとカナードは悟り、PS装甲を起動させる。なけなしのエネルギーを使い果たし、PS装甲がダウンする。
 舗装されたコンクリートを壊しながら、ストライクが着地するが姿勢が保てず膝を突く形になる。
(クソッ!!アイツは何なんだ、完全にコッチの間合いが読まれている)
 ストライクの攻撃は全て初撃から全てまるで最初から間合いを知ってたかのように回避された、通常では有り得ない事だった。