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Canard-meet-kagari_第06話

Last-modified: 2008-11-30 (日) 17:03:33

第6話

 ザフト艦『ヴェサリウス』与えられた部屋のベットの上、本当なら今頃今回の作戦の成功を喜び合っていたはずのルームメイト、ラスティはもういない。
(俺のせいだ、俺が命令を無視したから…)
 彼らクルーゼ隊はヘリオポリスにて地球軍の新型MSが開発されているとの情報を掴み、隊長のラウ・ル・クルーゼは強奪作戦を発案し、議会の承認を待たずに作戦を強行した。
 潜入したアスラン達、工作部隊は二手に分かれ、一方は陽動のための新型戦艦の破壊とMSデータの消去、もう一方はMSの奪取だった。
 作戦は順調に進み、強奪組みは隊長からの情報どうり『三機』のMSを奪いコロニーから離脱していたアスラン達もMSのデータを消し脱出使用としていた。しかしアスランは巧妙に隠蔽されていた二機の存在のことを知り、彼ら工作組みは急遽、残りの二機の強奪をする事になったのだ。
 幸い強奪組みの支援をしていたMS隊は完全に撤退しておらずMSの援護の元、彼らは工場区までたどり着き、激しい銃撃戦の結果末ラスティは死亡、彼はMSを奪い脱出したのだった。
(もしあの時ラスティが端末を操作していたら、アノ機体を発見する事も無かった…)
 彼が隠蔽された機体を発見できたのは彼が以前、親友から教えて貰った方法でアクセスのお陰だった。
(キラ…君は今何処にいるんだ?)
 長い間、消息不明になっている親友のことを思った。
(母上が死んでから…俺は変わってしまったよ…ザフトに入ったって知ったら君はどう思うだろうか?)
 そして、爆炎の中で出合った男の事を思い出す。
(最初はキラだと思ったが違う、キラが俺のことを忘れるはずがない)
 だが、本当に彼ではないと言い切れるのか?
 自分が変わったように、彼も理由があって変わってしまったのではないのか? そんな考えがアスランの中から湧き上ってきた。
 その時、集合のアラームが鳴る、おそらくアノ最後のMSのことだろう。
(考えていても始まらない)
 そう思うとアスランは部屋を後にして、ブリーフィングルームに急いだ。

 

―――

 

(収まったみたいだな)
 ストライクの攻撃によるコロニー内の空気の流出はどうやら収まった様だ。先程、援護したMAは乱気流に巻かれて何処かへ飛ばされてしまっていた。
(旧式と言っても流石オーブ、たいした技術力だ)
 こんなに早く外壁に開けた穴が塞がるのはオーブ製の安全管理システムのお蔭である。
(さっきのMS、あれは長距離活動用のセッティングだったが母艦は近くにいるんじゃないのか?……いやさっきのジン通常装備だったから
 ザフトの母艦は近くにいる…じゃあさっきのMSは別働隊か?だったら何故、母艦が近くにいない)
カナードの思考は続く
(そしてアノMSのパイロットは何者だ?、俺の攻撃を全て回避しカウンターまで入れてきた。もしガンダムがPS装甲じゃなければ……)
「おい、大丈夫か……おい!」
 カガリが通信機で呼び掛でカナードの思考は中断された。
「聞こえている、一々騒ぐな」
「何だと!お前人が心配してやってるのに」
「誰が頼んだ、余計なお世話だ」
「お前、少しは周りの人間の事も考えろ!今だってコロニーに穴を開けて…アッ!おい!!」
 カナードはカガリの無視し機体を港の方に向ける。
「話は終わってないぞ!何処へ行く気だ!」
「外壁に穴を開けてしまったんだ、もう何処のシェルターも入れないだろう、だから船を捜して脱出する」
「お前も考えてるんだな…」
 カガリが感心したように言う
「俺は先に行くからついて来い」
「待て、どうしてそこまでする?」
「さっき助けられたからな…借りを作ったままは性に合わん」
「お前…良いヤツだな」
「バッ、馬鹿が俺は…」
「照れるなよ」
「照れてない!それよりアノ女は一緒に居るか?」
「ああ、居るぞ。それが何か?」
「起きたら面倒になる。捨てていけ」
「見直したと思ったらコレだ、お前は!」
「捨てるのが嫌なら、縛っておけ」
 そういうとストライクは港へと進んでいく。カガリ達のトレーラもそれを追いかける

 ストライクが港の入り口にたどり着いた、その時地響きと共にコロニーの大地を割り爆炎の中から巨大な戦艦が姿を現した。
(敵か!)
 カナードは『アグニ』を構える。
(見た事のない船だな…連合、ザフトどちらでもない)
 ピピピピピ
 アラームが鳴り、サブ画面にデータが映し出す
(アークエンジェル…なるほどコイツの母艦か!)
 強襲機動特装艦『アークエンジェル』大西洋連合がモルゲンレーテの協力によって開発されたMS運用母艦である。
「そこのMSのパイロット、聞こえるか」
 アルトの声の女性からの通信が入る
「こちらはアークエンジェル、X105ストライク、ライフルを下げろ」
「それは無理だな」
「何?」
「アークエンジェルに告ぐ、武装を解除しストライカーパックを渡せ。さもなくなくば」
 アグニの照準をブリッチに向ける。
「貴様、ザフトか!」
「勘違いするな、俺はザフトではない」
「ならば、何故このようなことを!」
「俺には倒さなければいけない敵がいる、ソイツにたどり着く為にはこの機体が必要だ!」
「勝手なことを、ヘルダート、イーゲルシュテルン…」
「遅い!」
 カナードはトリーガーを引き、発射された光弾がブリッチを掠める。さっきと違い、出力を最小にしたため外壁を破壊することもない。
「次はない、さあどうする?」
 カナードにとってはどちらでも良い、艦橋を潰し格納庫からストライカーパックを運び出すのもMSを使えば楽な仕事だった。
 アークエンジェルのブリッチに何人いるかは知らないが激しく議論する声が聞こえる。
(間抜けが筒抜けじゃないか、まあ無理もないが)
 その不毛な議論の言い合いにカナードはいい加減飽きてきた、元々気の長いほうではない彼は答えを急かすため
「タイムオーバーだ」
 そう言うとカナードは二撃目を、今度こそブリッチ直撃の一撃を撃とうとする
「まっ待て!……要求を呑む…」
 そうアルトの声の女性は声を絞り出した。