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Canard-meet-kagari_第16話

Last-modified: 2007-11-10 (土) 21:31:25

第16話

「ヴェサリウスが被弾!?」
 突如、ヴェサリウスから揚がった信号弾を見てイザークが驚きの声を挙げる
「俺達には撤退命令???」
 ディアッカが素っ頓狂な声を挙げる
「どういう事でしょうか?」
 事情が良く解っていないニコルがアスランに呼びかける。
「解らん、別働部隊がいたと言うことか?」
 大混乱に陥ったアスラン達をカナードは見逃さなかった。
「もらった!!」
 ストライクのビームサーベルがデュエルの脇腹に突き刺さる。
「しまった、ウッ!グアッ!!」
 デュエルの脇腹が爆発し、その反動でデュエルが吹き飛ばされる。更に追い討ちをかけるようビームライフルがデュエルの機体を打ち抜いていく。
「イザァ―――――クッ!!!!!」
 ディアッカが絶叫するがストライクのビームライフルは確実にデュエルを打ち抜いていく。
 砲撃が止み力なく漂うデュエル、損傷によって回路が切れたのか、それとも漏電によってバッテリーが切れたのか解らないが元の灰色に戻ったPS装甲には無数のビームライフルの弾痕と焦げ痕が痛々しく刻まれていた。
「イザーク!!無事かしっかりしろ!!」
「うっうう……あうっ……」
 アスランが呼びかけるが通信機から聞こえて来るのはイザークの呻き声だけだった。
「今、助けるぜ」
 バスターがデュエルを回収しようと前進するのをビームライフルが遮る
「動くな!もし動いた場合、このMSのコクピットを打ち抜く!!」
 カナードがGATシリーズ専用回線を使い全てのガンダムに呼びかける。
「イージスのパイロット、これが最後だ……キラ・ヤマトはどこにいる」
「もし答えないのなら、このMSがどうなるか……解っているな?」
「卑怯だぞ」
「四機で向かってきておいて良く言えるな」
「黙れ!!キラの命を狙う狂人め!」
 アスランの罵倒したその時にストライクの銃口からビームが発射される。発射されたビームはデュエルのブレードアンテナを焼き、デュエルの顔に新しい傷と焦げ痕が付いた。
「口には気をつけたほうがいいぞ……言え!キラ・ヤマトはどこだ!!」
「グッ」
 アスランが返答に困ってるのを察しカナードは、ほくそ笑んだ。
(ヘリオポリスの戦いで仲間思いなのは知っている、さあ教えて貰うぞ……)
「おい!アスラン、イザークを見捨てる気かよ!!」
「アスラン……」
「解った……」
 カナードが狂喜の笑みを浮かべる
「キラは……アイツは……」
 躊躇いながらアスランが話し始め、カナードがその言葉を聞き逃さないように完全に意識を向けたその時
「貴様ぁ――ッ!!よくもこの俺をコケにしてくれたな!!」
 イザークが目覚め、ボロボロになったデュエルがビームサーベルを抜きストライクに向かっていく
「チィッッ!!死にぞこないが!!」
 カナードがデュエルを打ち抜こうとするが一瞬躊躇する。
 このまま打ち抜けばイージスのパイロットからキラ・ヤマトの事を聞き出せなくなる。その考えが頭に浮かび引き金を引けなかった。
 そこに隙が生まれた、バスターがストライクに照準をつける、カナードはその事に気づき慌てて回避運動を取る。発射された火線はストライクのビームライフルを掠め、銃身が溶解する。
「チィイイ!!!」
 その隙にデュエルがストライクに接近し攻撃を仕掛ける。
「ハアアアアアッ!!!」
 イザークが気合と共にビームサーベルを斬りつけてくる。ストライクはその一撃をシールドで受け止めるが、すかさずデュエルが左腕でビームサーベルを抜く
「勝った!!」
「勝つのは・・・・・・・・・この俺だけだ!!!」
 イザークが勝利を確信した、その時にデュエルがサーベルを振り切るより速く、ストライクがアーマーシュナイダーをビームサーベルの傷跡が痛々しいデュエルの脇腹に突き刺す、コーディネーターでもありえない神憑り的な反応速度だ。

「ば、バカな……こんなの……あるはずが……ない・・・・・・・認めないぞ!!こんな、こんな事を!!!!!!」
 レッドランプが点灯し、そこら中の計器からスパークの起こっているコックピットの中でイザークは半狂乱になり叫んでいた。不意に側面のサブモニターが爆発し、大小の破片がコクピットを飛び回り、運悪く大きな破片の一つがヘルメットを突き破りイザークの顔に突き刺さる。
「痛い……痛い……痛い!!」
 次々と流れる血が球状になりヘルメットの中に溜まっていく。
「全く、手間を取らせるな……さあイージスのパイロットもう一度……!?」
 その時になってカナードはイージスがいない事に気がついた。
「どこだ!!どこに行った!!・・・・・・・・・・・・・・・!後ろか!」
 カナードは、真後ろからストライクに向かってくるMA形態のイージスを捉えた。進行方向に伸ばされた手足が開き、スキュラの砲口が現れる。
「あれは!!」
 カナードはヘリオポリスでの戦闘を思い出した、コロニーのケーブルを溶断した圧倒的な破壊力、その直撃を受けるわけにはいかない。
 そう判断したカナードはストライクにデュエルを掴ませるとイージスに向かって投げつける
「これでも撃てるかな?」
 デュエルの陰にストライクが完全に隠れる。
 カナードはデュエルを盾代わりにする事でイージスの攻撃を防ごうと考えたのだった。しかし、イージスはデュエルを展開した四肢で掴むと、そのまま宙域を離脱して行った。
「クッ!!待て!!キラ・ヤマトの居所を・・・クソッ!!」
 カナードは追いかけようと試みるが、ストライクのバッテリーの残量がかなり少ない。このまま追撃戦を行えば返り討ち遭う可能性が非常に高いのだ。
「まあ、いいだろう……・・・次に会った時に必ず聞き出してやる」
そう言うとカナードはアークエンジェルに帰還させる為ストライクの向きを変えた。

「よう!言うだけの事はあるな」
 コクピットから出てきたカナードにムウが声を掛けてきた
「相手がヘボ過ぎるんだよ、アンタこそ流石はエンデュミオンの鷹だな」
「まあな・・・」
「所でアルテミスにはどれ位で着く?」
「そうだな後六時間って所だな、でも何でまたそんな事を聞くんだい?」
「ちょっとな・・・・・・」
 そう言うとカナードはムウから離れ、誰かを探すようにキョロキョロと辺りを見回す。
(いた!)
 カナードは目当ての人物を見つけるとその人物の方へ向かっていく。
「おい、お前!話がある……ちょっと来い」
「え!・・・・・・・・・・・ぼ、僕?!」
 声を掛けられた人物、カズィ・バスカークは、もどりながら自分に指を刺しながら答えた。
「他に誰がいる……ちょっと頼みたい事があってな」
「ゴ、ゴメンなさい・・・・・お、お金なら持ってないです・・・」
「カツアゲしてるんじゃない!!」
「ゴ、ゴメンなさい!!」
 カナードの声にビクリとしたカズィが謝る。
「フン!まあいいだろう……お前ヘリオポリスの学生だよな?」
「う、うん……そうだけど・・・」
 カズィは他のみんなが志願すると聞き、なら自分もと思い志願した所を人員をもっと回して欲しいとブリッチに直訴に来ていたマードックに見つかり、そのまま作業班に強制的に入れられたのだった。
「だったら今から他の奴等の所に行って伝えろ・・・・・アルテミスに入港するまでに、連合の制服を脱いで非難した時の格好をしてポッドの避難民達がいる所に集まっていろと」
「何でそんな事を?」
「いいから言われた通りにしろ!!」
「は、はい!!他に用件は?」
「あと作って欲しい物がある」
「ど、どんな……」
「耳を貸せ・・・・・・・・・・・・・・・・」
 カナードはカズィに他に聞こえないように何かを吹き込んだ。
「む、無理だよそんなの……」
「それらしく見えればいい・・・出来るな」
「たぶんだけど……」
「まかせたぞ、俺はやる事がある」
 そう言うとカナードはストライクの方へ向かっていった。
 その後、アルテミスに入港したアークエンジェルは待ち構えていたユーラシア連邦の兵士達によって拿捕された。そしてカナードは、それを指揮したこの要塞の司令官が誰であるのかを知らないでいた。