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Canard-meet-kagari_第38話

Last-modified: 2007-11-10 (土) 21:36:45

第38話

「この!!」
 迫り来るミサイル群をイーゲルシュテルンと右肩のバルカン砲で迎撃しながら右肩のミサイルランチャーを撃つが、バスターのガンランチャーに落とされる。
 すかさず右手に持ったビームライフルでバスターを狙おうとするが、サブアームに支えられたバスターの方が照準動作が速い。
「チィ!」
 ストライクは慌ててシールドを構えてビームライフルを受け止めるが、バスターはガンランチャーを前にして合体させた対装甲散弾砲を打ち込んでくる。
 電磁加速した銃弾の雨がシールドに降り注ぎ、対ビーム用のシールドが悲鳴を上げる。
「コイツを何発も喰らったらシールドが持たない」
 多彩な武器を巧に使いこなすバスターに決定打を撃てずにいるカナード。
 そこへアークエンジェルから通信が入る。
「ストライク!戻ってナスカ級からMS……デュエルが……」
 敵のジャミングによってノイズが混じる。
「アークエンジェルの方もか」
 ストライクを反転させてアークエンジェルに戻ろうとするカナード、しかし超高インパルス長射程狙撃ライフルがストライクに狙いを付ける。
 間一髪で回避するストライク、しかしディアッカの正確な射撃はランチャー装備のストライクで何度もかわせる攻撃ではない。
「行かせないぜ」
「っく……」
 カナードの中で焦りがじわじわと広がっていった。


「だめです……ストライク、バスターを引き離せません」
 ミリアリアの報告を聞き、ナタルは苦虫を噛み潰したような顔でチラリとマリューを見る。
「言わんこちゃない。だから私は止めるべきだと言ったんです」
「しかたないでしょ。こんなにも早くデュエルの修理ができるなんて思ってなかったんだから……」
「常に最悪の事態を想定する。指揮官として当然の行為だと思いますが」
「それは……」
 その時になって初めてナタルが出撃を渋っていたのは、このような事態を想定していたのだとマリューは気づいた。
「おいおい済んだ事を言ってもしかたがないしょ」
「フラガ大尉?」
 メビウス・ゼロのコックピットに収まったムウがブリッチのメインスクリーンに映る。
「俺がアイツ等をカナードが来るまで足止めする。それで解決だろ?」
「しかし、いくら大尉のゼロでも新型のシグーとデュエルの足止めは……」
「任せろよ。俺は不可能を可能にする男だぜ。
 それに……このまま何も活躍がなかったら俺の立場がないしょ」
 ムウの冗談にブリッチの緊張がほぐれる。
「お願いします。大尉」
「よっしゃ!ムウ・ラ・フラガ!メビウス・ゼロ出る」
 リニアカタパルトで発進するゼロ。
 そしてアークエンジェルの格納庫の中、ポツリと残されたメビウスに近寄る影があった。
(もしもの時は私が……)


 アークエンジェルに向かうシグーのコックピットの中で、クルーゼは、いつもの脳随に稲妻が走る感覚に襲われた。
「さあ決着を付けるぞムウ……」
「ラウ・ル・クルーゼ!!」
 ゼロは太陽を背にしながらまずはリニアカノンを発砲、シグーとデュエルの足を止める。
「イザーク、MAの相手は私がする。アークエンジェルへ向かえ」
「はっ」
 シグーがゼロに牽制をかけるのに合わせて、デュエルが突破をかける。
「行かせるかよ!!」
 シグーの攻撃をかわしつつ、ガンバレルを展開してデュエルに十字砲火を浴びせるゼロ、しかしデュエルは各部に増設したスラスターを使い、それらを強引に回避する。
「マジかよ……ほんと良いとこねえな」
 デュエルに追撃を仕掛けようとするムウ、しかしクルーゼがそうさせない。
「貴様の相手は私だ」
 ガンバレルを回収しながら重突撃銃を回避するゼロ
「しつこいんだよ!この変態仮面が!!」
 オープンチャンネルでクルーゼを罵るムウ
 かくしてムウとクルーゼ因縁の対決の幕が切って落とされた。
「クソ!エールなら一気に懐に飛び込むか離脱できるのに……」
 バスターの砲撃をかわしながら悪態をつくカナードだったが、ないものは仕方がない。
 前の戦闘の様にバスターが突撃してくるかもと思い、その隙を突き倒そうと考えたのだが無駄だった。
 バスターも前の戦闘で学習したのか積極的に前へ出てこず、一定の距離を保ちながらストライクに攻撃を加えてくる。
(あくまで目的は足止めか……だったら)
 ストライクは再び反転し、アークエンジェルの方へと向かう。
「おいおい学習しないやつだな。だったら……」
 軽率なストライクの行動に拍子抜けしたディアッカは、唇をニヤリと歪ませる。
 バスターがビームライフルを前にして連結させ超高インパルス長射程狙撃ライフルを構える。
 さっきの回避データを加味しての射撃、これならかわしきれない。
「イザークには悪いけど……これでフィニッシュ!!」
 ディアッカが勝利を確信した瞬間、ストライクが身を翻す。
「この瞬間を待っていた!!」
 ストライクはシールドを構えながらアグニを展開させる。
 発射された火球がバスターの超高インパルス長射程狙撃ライフルのビームと正面からぶつかり合い相殺される。
 その瞬間、拡散したビーム粒子の影響でバスターのメインセンサーが一時的に死んだ。
 しかしシールドの影に隠れたストライクは、その影響を受けずに済んだのだ。
 すかさずビームライフルを正射、数条のビームがバスターに襲い掛かる。
 頭部と腹部、胸部に被弾するもコクピットに直撃や推進剤に誘爆させなかったのは流石ザフトレッドのディアッカである。
「マジかよ……やられた」
 遠ざかっていくストライクの後姿を見ながら行動不能になったバスターの中でディアッカが呟く。
「ディアッカ、大丈夫か?」
 後方に控えていたガモフのゼルマンからレーザー通信が入る。
「ええ、何とかね……それより作戦は?」
「予定通りだ」
「なら少しくらい休んでも問題無いかな……吠え面かきやがれストライク」
 呪詛の言葉を吐きながらディアッカの意識は闇に飲まれていった。