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Canard-meet-kagari_第39話

Last-modified: 2007-11-10 (土) 21:37:04

第39話

ムウのゼロとラウのシグーの戦いは続き。両者はいつしか母艦を離れ激しいドックファイトを繰り広げていた。
「もうすぐ世界は変革をむかえようとしている。
 貴様は私とアノ子にとって忌まわしき過去の象徴、故に朽ち果てなければならない」
「訳の分からないことを……」
ガンバレルによる十字砲火を避けるシグー。さらにシグーの背後に回り込んだガンバレルをシグーは振り向き様に撃ち抜いた。
「まったく貴様には失望させられたよ。もっとも努力を嫌ったお前には当然の結果か……」
「うるせえ!親父みたいな事を」
「はん、父親から受け継いだ才能にすがり付いているだけの男が何を!」
シグーの射撃をきわどいところで避けつつ、ゼロが応戦する。
「人の事をペラペラと……気持ち悪いやつめ!」
その時、ムウはシグーに今は亡き父の姿を幻視した。
「何!?なんだこれは!?」
一瞬の幻にムウは目を瞬かせる。
「そこだ!!」
ムウの一瞬のスキを付き、シグーのライフルがさらにゼロのガンバレルを打ち落とした。
「ええい!!」
「どうした?その程度なのか貴様の力は!?
 いつも心にゆとりを持とうとし、自分の本気を出そうとしない。貴様がそんなだからアノ子が……」
「わけわかんないことを言うな!!」
シグーの攻撃をギリギリ避けつつ、ムウが絶叫する。
「ふん、自分が倒される理由を知らずに死んでいく……お前にはお似合いの末路だな」
「ああっ!分かった!!お前……親父の……」
「ほう、分かるか……」
「親父の商売敵かなんかだな!?悪どい事をしたのは親父だ!俺には関係ないからな」
「どうしてお前はいつもそうなんだ……」
ムウの見当はずれな答えに落胆しつつ、クルーゼの中でほの暗い憎悪の炎が燃え上がっていく。
「教えてやろう一番の罪は無知であることだ!!」
クルーゼの怒りの攻撃が残り二つとなっていたガンバレルの片方を打ち落とした。
「マジでヤベエかな?」


一方、アークエンジェルはデュエルの猛攻を受け、絶体絶命の窮地に立たされていた。
「ヘルダート、イーゲルシュテルン照準……」
ナタルが命令を下そうとした瞬間にブリッチが、いやアークエンジェル全体が大きく揺れた。ムウがクルーゼを相手にしている間に接近したヴェサリウスが援護砲撃を仕掛けたのだった。
「っく……大尉は何をしているの!?ダメージ報告」
マリューが椅子にしがみつき、パニックになりかけながら叫ぶ
「は、八番から十三番発射管大破!」
「冷却バルブに異常発生!!エンジン出力15パーセントダウン!」
「ランダム回避運動をしながらアークエンジェルをストライクに近づけさせて!!
 少しでも早くストライクと合流……」
マリューの命令に即座にナタルが否定する。
「それでは今度はローラシア級からも狙われて挟み撃ちになります!ここは現状のまま何とかしのいで……」
「持つわけないでしょ!どうしろって言うのよ!!」
ヒステリックな叫びがブリッチに響き渡った
「私が出る」
ブリッチのメインスクリーンにサブウィンドウが開きカガリの姿が映し出される。
「私がメビウスで出て、アイツが戻ってくるまで敵を引き付ける」
「何を馬鹿な事を言っている!!早く降りろ!アンチビーム爆雷投下」
カガリを説得しながら指示を出すナタルにカガリは猛然と反発する。
「いやだ!このままアークエンジェルは持たないのは私だって解る
 だけどアイツが戻ってくれば話は別だ。だから私は、その為の時間を作る」
「しかしだな……」
カガリの言っている事は、間違いではない。
頼みの綱であるストライクは、こちらに向かってきてはいる。しかしデュエルは確実にアークエンジェルの砲座を潰し、
今にもブリッチへ肉薄せんとするこの状況の中で、何もしないでストライクが間に合うと信じることが希望的観測に他ならない事は、ナタル自身でも痛いほど良く解っている。
だが、民間人であるカガリを囮として使い、時間を稼ぐようなまねは、軍人であるナタルのプライドが許さなかった。
「いいでしょう。許可します」
マリューの言葉にナタルが艦長席にいるマリューに振り返る。
「艦長!!」
「言いたい
「まかせろ。カガリ・ユ……シモンズ、メ事はわかります。けど私たちは生き延びなければいけないのよ」
「くっ……分かりました。全砲門、シモンズ機を援護しろ」
「お願いね。カガリさん」
マリューの言葉に肯くカガリ
「まかせろ。カガリ・ユ……シモンズ、メビウス、いきまーす」


「さて遊びはこれくらいにして、そろそろブリッチを……」
アークエンジェルの砲座の一つをイーゲルシュテルンで潰しながら、イザークは艦橋に目を向ける。
既に潰した砲火の穴から艦橋に肉薄し、ブリッチを潰してアークエンジェルを拿捕することは楽に出来る。
しかしイザークにとってはアークエンジェルを潰す事などストライクが戻ってくるまでの時間潰しでしかなかった。故に彼は早々とアークエンジェルを墜としはしなかったのである。
「ん?増援か?面白い」
アークエンジェルがカタパルトを展開すると、イザークは新しい獲物を求めて、移動するがアークエンジェルの弾幕に阻まれる。
「邪魔をするな!!」
ビームライフルとイーゲルシュテルンで砲座を潰していくデュエル、その横をカガリのメビウスがリニアカノンを撃ちながら通り過ぎる。
「MAだと!?MAごときがアサルトシュラウドを止められると思っているのか!?」
メビウスの機体下部の有線誘導式対艦ミサイルがデュエルに襲い掛かる。
「そんなもので!!」
デュエルのイーゲルシュテルンがそれらを打ち落とした瞬間、天頂方向から回りこんだメビウスのリニアカノンがデュエルに狙いを定める。
「遅すぎる!!」
メビウスの砲撃を回避し、擦れ違い様にビームサーベルで両断する、そうイザークは頭の中で算段つけ、デュエルに回避運動をとらせた。
しかし、弾丸がデュエルのメインカメラの近くを掠めた瞬間、凄まじい閃光がデュエルのメインカメラを潰した。
「何っ!信号弾だと!?」
慌てて画面に補正をかけるイザークだったが、その隙にメビウスのリニアカノンが襲い掛かった。
「この!この!」
二発、三発、流石のアサルトシュラウドもバランスを崩し吹き飛ばされる。
「やったか?!……無傷だと!?」
カガリがメビウスのコクピットで目を細め、デュエルを見詰めるしかしデュエルには何所にも外傷を確認することが出来なかった。
「どうもフェイズシフトだと実弾に対しての防御が甘くなるな」
以前に実弾に対する恐怖心をカナードに付けこまれたイザークだったが、血の滲む努力の果てにそれを克服したのだった。
そしてメビウスのレールガンの軌道を正確に読み、PS装甲の部分で電磁加速した弾丸を全て受けきったのだった。
「随分と楽しませてくれたな……だがこれで終わりだ」
ビームライフルを構えるデュエル
「!!やられる……」
カガリが覚悟を決めたその時、デュエルとメビウスの間を火球が横切った。
「待たせたな!」
アグニを構えるストライクの姿を見て、イザークの顔に笑みが広がる
「フン!ようやくお出ましか……待ちくたびれたぞストライク!!」
「あの時のヤツか。また返り討ちにしてやろう」
カナードもまた笑みを浮かべながら、バッテリーゲージをチラリと見る。
(バッテリー残量35%、早いとこ決めないとマズイな)
再び雌雄を決するべく戦う二匹の獣、果たして勝つのはどちらか!?