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Char-Seed_「Unbreaked World」

Last-modified: 2009-04-14 (火) 19:55:33

「ここは…私は…生きているのか…」

 

彼は周囲を見渡した
モニターには青い地球と宇宙空間が広がって…

 

「バカな!」

 

彼は異変に気付いた
サザビーの‘腕’が映っている
慌てて計器をチェックする

 

「損傷無し…だと!?」

 

彼の最後の記憶はライバルによってアクシズに脱出ポッドを押し付けられている自分の姿…
だったか?

 

アフロなお母さんに流星拳を…
いや、流星拳とは何だ?

 

どうであれ愛機の五体が存在しているはずがない

 

「アムロは…」
彼は不可解な状況に困惑しながらもライバルの名を口にした
自分が無事ならば彼もまた無事であるはずだ、そう思ったからだ
しかし…

 

「レーダーに反応は無し…か。ん?」
レーダーを目にして彼は再び異常に気がついた
一つは周囲に全く識別反応がないこと
それと…

 

「ノイズが…無い?」

 

彼の世界にはミノフスキー粒子というものが存在する
過去にいくつもの激戦が繰り広げられた衛星軌道上では有り得ないことだった
彼は再び計器を見る
融合炉の出力は安定しているしビームライフルのジェネレーターは問題を示していない
「ミノフスキー物理学まで否定する必要は無いか」
彼は苦笑した

 

それにしても不可思議な問題が多すぎた
彼にはここがどこだかすら分からない
救いは酸素は3日は保ちそうな量が有ることだった
「サイコフレームの光は…私を過去にでも飛ばしたのか…」
そう呟いてふと気がついた
「ミノフスキー粒子が薄いのであれば…」
彼は通信機のスイッチを入れた
彼のいた戦場では殆ど役に立たない代物だから今の今まで忘れていたのだ
チャンネルを切り替える
中々通信は拾えない
「私も必死だな…。人は人の温もりを忘れる事は出来んか…」
それすら否定しようとした自分を思いだし再度苦笑した
つい先程の事のはずなのに…
そして…

 

《…んだ…つ等は!》
《ジンだと!?》

 

断片的な音声であったが彼は瞬時に察知した
「戦闘!?方向は…」
彼は機体を操作し周囲を見た
遥か彼方…
地球と宇宙の暗黒の境目に戦闘の光が見えた
しかし…

 

「あの位置の戦闘の通信だと!?」
有り得ない話だった
自分の周囲のミノフスキー粒子濃度が薄くとも戦場では必要濃度に散布するのが常識である
「しかし、今は他に手はない…か。もどかしいものだな」
そうして彼はそちらに向かって移動を始めた

 

戦場に近づくにつれて通信の感度は良くなってきた
《…するなぁ!民間人がぁ!》
間違いなく戦闘である
だが、彼にはその‘音’はどうでもよくなっていた
彼の目の前に見えてきた光景
‘それ’が彼の心をとらえてしまったからだ

 

「アクシズ…いや、違う。しかし…」

 

小惑星が地球の引力に引かれて落下を始めていた
その光景は彼の大願の姿に似ていた
墜とそうとする側と阻止しようとする側
構図も全く同じだ
違いはそれ等の数が極端に少ないこと
そして…

 

「データベースに無い機体…。だが、あれは…」
最大望遠のモニターにはトリコロールカラーの機体と
それに協力して黒い機体を撃破していく緑の機体が写っていた
「ガンダムとザク…か?」
彼の世界では敵対していた筈の機体が轡を並べて戦っていた
さらには機能性を疑わざるを得ないシルエットの別のガンダムもいる

 

「介入は…すべきではないな」
不明な点が多すぎる
今、自分のいる世界がU.C.0093のあの日ではないことは理解せざるをえない
しかし、目の前の光景
どちらが大局的な善者なのかが全く不明である
単純な正義の存在を否定した彼だからこそ眼前の大虐殺の兆候を見ても悪と決めつけれずにいた

 
 

瓩◆弔△◆牒

 
 

「ん?この息遣い…地球の方向から聞こえる…」
ニュータイプの感覚が捉らえた人の吐息
「アムロではない…カミーユとも違う…」
彼は意識を集中させる

 

瓩△譴落ちて来たら…怖いよ…

 

√キュピーン!
「これは…脅える‘ょぅι”ょ’の息遣いか!」

 

   刹那

 

彼は小惑星に向かって最大速度で機体を向かわせた

 

「思い出したぞ…そして、今の私には解るぞ!アムロ!」

 

小惑星の下に機体を滑り込ませる

 

「誰もあの‘ょぅι”ょ’のあどけない笑顔を破壊する権利など持ってはいない!
 戦争で子供達を苦しめる事は…大人の醜いエゴでしかない!」

 

小惑星に手を付きバーニアを吹かせる
彼のライバルがそうしたように…

 

「私は間違っていた!心の荒んだ大人を粛正する為にとはいえ、
 無関係な‘ょぅι”ょ’達を巻き込めば…それは憎しみの連鎖を生むだけだったのだ!
 憎しみは判断を狂わせる!それでは…それでは人類の革新など!」

 

《一体何してんだ!?アンタは!》
通信機から少年の声が聞こえてくる
ふと見ればトリコロールカラーのガンダムが視界に入った
「私は、私の罪を清算せねばならん!この世に生きる全ての‘ょぅι”ょ’の為に!」
《何言って…》
《そこにいたかぁ!これ以上、娘の弔いの邪魔はさせん》
《くそっ!アンタも逃げろ!大気圏の摩擦で燃え尽きちまうぞ》
「サザビーとて伊達ではない!」
彼の機体から青い光が零れる
その光は瞬く間に小惑星とその周囲を巻き込んでいった…

 

………

 

【お兄ちゃん…】
「マ、マユ!」
【お兄ちゃんは…何の為に戦うの?】
「俺は…マユみたいな子を増やさない為に…」
【でも…ユニウスセブンが墜ちたら…私みたいな子が増えちゃうよ…】
「でも、もう時間が…」
【お兄ちゃんみたいな思いをする人も…沢山でるんだよ?】
「…マユ…分かった!俺!」
【うん!お兄ちゃんには‘力’があるんだから!】

 
 

サザビーの外装の一部が熔け始めていた
「くっ!まだだ!まだ終わらんよ!」
しかし一機では…、そう思った時、ガンダムが小惑星に取り付くのが見えた
《俺は!俺はマユと約束したんだ!皆を守るって!守ってみせるって!》
通信機からは少年の決意に溢れた声が響いていた
彼と刃を交えていた黒い機体は動きを止めていた
《娘は…娘はまだ7才だったのだ…それを、ナチュラル共は…》
《だからって》
少年の反論は最後まで語られはしなかった
何故なら…

 

《その娘にな…叱られたよ…》

 

《えっ?》
言うなり黒い機体も小惑星に取り付く

 

《俺にも…娘の声が!》
《私は生まれたばかりの息子が!》
《どうした!?みんな!何故ユニウスを押し返そうとするんだ!?》
《シン、戻れ。どうした、シン!?》
《アレックスさん!?何でアンタが!》
《シン!今はユニウスを押し戻すことに専念しろ!》

 

他にも数機の機体が彼の周囲に取り付いていた
まるでアクシズに取り付いた彼の部下達の様に…

 

《ミネルバ!?》
ガンダムのパイロットの声が響く
モニターを確認すると一隻の戦艦が見えた
《ミネルバでユニウスセブンを押すんだよ!》
《ちょっと!副長、何言って…》
《許可します。ミネルバ前進!ユニウスセブンの前に出る》
《工エェェ(゚A゚)ェェエ工》

 

彼の見せた光は彼のライバルの様に人類全体に希望を齎す物ではなかったかもしれない
しかし、その光を感じた人達の想いが今の彼には伝わって来ていた

 

「見ているかアムロ!今の私は人類に絶望などしていない!だから…力を貸せ!アムロ!」

 

…突如、サザビーを先程より強い光が包んだ
「これは…サイコフレームの…」
光は再び小惑星を包み込んだ…

 
 
 
 
 
 

「誰か来てたんだ…」
海辺の慰霊碑には花が添えられていた
少年は持参した花束をその横に並べて置く

 

あの日…1年前のあの日…
ユニウスセブンは不思議な光に包まれ…
…地球には落ちなかった

 

光を放った赤いUNKNOWNは消え失せていた

 

投降したジンのパイロット達の証言によりプラントは大混乱に陥った
デュランダル議長のスキャンダルは連合のバッシングのネタとなった
が、デュランダルが一矢報いるかたちでロゴスを含めた政治スキャンダルを暴露し…
共倒れをしていた

 

今、世界の形は変わろうとしている
オーブとは…あの日以来友好下にあった
しかし、シン・アスカは今日までこの地に足を踏み入れずにいた
「マユ。俺、約束を守れてるかな…。悲しい思いをする人を一人でも減らせてるかな…」
あの光の中で見た妹の姿
生前に聞いた事のない台詞を流暢に話した妹の姿
彼女は今の自分に微笑んでくれるだろうか…
「俺、まだ頑張るよ。軍人だけど…人を傷つけてしまうけど…無意味に悲しみを拡げないように…」
海からの風が少年の髪を撫でる
潮風で花もすぐに痛むだろう
「見ていてくれよな、マユ…」
少年は慰霊碑に背を向け立ち去った
妹の願いを果たす為に…

 
 
 
 

おまけ

 

「何?何の光!?」
【ママ…】
彼女の目に映ったのは自分の子供の姿だった
‘あの人’を裏切ってまで手に入れた宝だ
「そうね。全ての親にとって子は宝だものね」
【エヘヘ…】
幻の中の我が子は微笑んでいた…
「軍人が自分の宝だけ守れればいい…なんて事は言えないわね…」

 

「何の光!?艦長〜!」
【お兄ちゃ〜ん!】
「なっ、君は永遠の(脳内)妹さくらタソ!」
【あれが墜ちたらク○ウカードが集められないよ〜】
「解った!任せろさくらタソ!」
どうみても‘あのスレ’のアーサーです
本当に(ry

 

「この光は…!」
【あしゅらん】
「キ、キラキュン!」
【ロールキャベツ食べに来る?】
「そうだ!ユニウスが墜ちたら!キラキュンがぁぁぁ━━━━!」
どうみても普段のアスランです
本当に(ry